玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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伝説巨神イデオン34 流星おちる果て

脚本富田祐弘 絵コンテ菊池一仁 演出関田修 作画監督湖川友謙
あらすじ
http://www.sepia.dti.ne.jp/stillness/ideon/story/television34.html
原画
平野俊弘 千葉順三 板野一郎
今回は作画が良かったなあ。
劇場版かと思った。そろそろ打ち切りは決まってるだろうから、スタッフが暴走したのか?影のつけ方もワカメ影のアーキタイプのような感じ。
超巨大戦艦バイラル・ジンがGガンダムガンダム連合並みの艦隊を引き連れて離星。うわああああ。
そのうえ、キャラクターやメカだけで無く、ドウモウ・スターも描かれている内容が想像を絶しすぎて最高。


イデオンを見てると、体が集中する。その上、内容がやらかしすぎてるんで、もう、みてて笑顔がこぼれます。
笑っちゃいます。
笑うしかないスケール感。
なんぞこれ。


しかも、展開も多すぎる。


今回も、戦闘シーンだけで、亜空間でのハンニバル艦との戦闘、ドウモウ・スターの海面での戦闘、洞窟での戦闘、イデオンの暴走、その間に展開するベスとイデの精神の戦い。
それが終わって、ソロシップが戦場を後にしたと、一息ついたら、その後にもハンニバルがロゴ・ダウの異星人の地球人との交渉戦をやると言う。
そんで、24分だというのだから恐れ入る。
毎回クライマックスの上に、5分おきにクライマックスだぜ!
ひゃっほー!変な興奮があります。
疲れるといえば、疲れる。高揚感!


しかも、今夜は徹夜で3話一気に見て感想も書かないといけない。延滞金が払えないし。
ウヒヒヒヒ。
イデに取り付かれてるよー!


イデオンはもう、何かがおかしい。岡田斗司夫曰く、イデオンガンダムの劇場版を作っていたころの富野喜幸監督は人生で一番調子に乗っていたらしい。
むちゃくちゃやねん。


えーっと。そんな感じです。


個別の突っ込み行きまーす。

  • ドウモウ

全然獰猛じゃない巨大生物。ファイナル・ファンタジーのゾーンイーターというか、漂流教室で未来人類を殲滅した大きな生き物というか、スターウォーズのスペーススラッグというか、そんな外観。
とにかくデカく、口だけ。歯も無い。円柱。
イデオンのメカは30メートルくらい在るんだが、それが蟻みたいだから。体長は数キロにも達すると思う。
それが何匹も群れをなしている。っていうか、地球なら成層圏に近付きそう。
惑星自体も大きいのだろうか?カーシャのCメカが着水した液体は粘性が高そうで、重力が強いような気がした。
その巨大な塔のような生物をかいくぐりながらの数十機のアディゴの編隊とのドッグ・ファイト!
うわあああああ。
笑っちゃうしかないです。

  • しかも、その数百メートル在る卵から帰った赤ちゃんの防衛本能でイデが共鳴して暴走!

予想外です。
しかも、いつもよりもでかくて硬いバリアーです。
そのうえ、いつもの合体は上手から下手に進みながら合体するんですが、今回は下手から上手上方に進みながら合体するのを下から見るというアングル。
映像の原則的には不自然感なのだが、いつもよりも高速で合体する。とても怖い。
イデは周囲の生物の意志を区別なく取り込むのか?
生物の命を構成する超紐振動に共鳴してエネルギーが出るのかなー。
うひゃあ。わけわからん。
暴走したイデオンは自分の意志を持つようにイデオンソードを発射して、敵艦を粉砕。
っていうか、イデオンソードをソードって呼ぶのもどうかと思うなー。

  • ベスとイデの精神戦闘

うーん。
これは・・・。光る宇宙の2001年をもっと発展させたというか。
キューブリックを意識しすぎ?
だが、イデ自体に発言させたのは演出的には後退したのか?あるいは表現主義から芝居の域に持ってきたのか?
イデはものすごい力を持っているようだが、イデ自身にも制御出来ていない様子。
イデは絶対的な父性の神のように振舞っているが、会話の主導権はベスとの間を行ったり来たりして、ベスの気迫に押されているようにも見える。
「俺は俺だ!」というベス。それはエゴだろうか?
「全ての意識の場を保護したい」というイデ。それもエゴか。
アベニールもそんな感じだったなあ。というか、トミノはこういう宇宙神とか宇宙現象の仏がライフワークっぽいな。
そして、僕も神々で作られた世界の中の個人というテーマは描きたい所。
うーん。イチイチ先を越されているなあ。
ちなみに、玄田哲章の声質はイデに似合っているが、今回の対戦相手であるハンニバル・ゲン役なんだから、それはよくないと思う。
劇場版では柴田秀勝
父性的だが・・・。
スパロボでのパイロットの性別は女性だった。特に意味は無いが。

  • 母親に成ったようなフォルモッサ・シェリル

ついこないだはぎこちなかったのに、自然にパイパー・ルウを抱っこしてあやしている。
なんとまあ。
抱かれたルゥをギジェがなでるものマイホーム・ギジェっぽい。
ギジェが来たことでシェリルが擬似的な母親として、女の充足感を得たという事を、抱っこで示しているというのか?

シェリルさんは元々常識人だったが、最近は角が取れてステキになったなあ。
少女のカーシャには、前回、「少しは昔のシェリルさんに戻ったらどうなの!? ギジェなんかに騙されたりして!」と言われたが。そのカーシャも今回はギジェを仲間として認めて戦闘していました。
大ピンチの連続だったからな。

  • バッフ星の描写

ニュースや一般人の描写が無い!と前回書いたが、初めて?バッフ・クラン本星の首都が描かれた。
御簾越しのシルエットでズオゥ大帝も初登場。
どうやら、流星の被害をイデを手に入れることで何とかしよう、という認識が大帝にはあるようだ。
大帝にはそう言う情報が流れているという事だ。
その大帝の許可であろう、超巨大戦艦バイラル・ジン(ヤーパンの天井のような物)は建設され、大艦隊でイデを捕らえに発進した。
しかし、それを率いるドバ総司令は大帝を打倒するためである。
その発進の映像を、軍事ニュースで見て、先を越して出世しようとするハンニバル
一般人は今回も見れなかったが、軍事的な系統は何となく見えた。
前回、報道機関はどうなっているのか?と思ったら、早速出ましたね。
まー、軍事ニュースで観艦式を見るだけだったのだが。
あと、ドウモウ・スターについて、数秒でデータがプリントアウトされる描写があった。
流しっぱなしのテレビとかよりは、必要な情報を必要な時にまとめて手に入れられる宇宙を越えたネットがあるようだ。
まあ、軍人ばっかりなので、必要なことだけという空気は当然だ。
一般人は?
トリトンみたいに最終回でいきなり死体になった敵の一般人が・・・?

ここで伏線かーッ!
どうやら、34話にも成るとハンニバルでも地球語を苦もなく話せる翻訳機があるようだ。
イデオンでは相互断絶は言葉の違いよりももっと決定的な、個体の差、という所だという表現のようだ。
で、ハンニバルはソロシップを追ってきた地球の艦隊と交渉した。
地球の司令官は異星人慣れしていないのか、バッフ・クランの戦力を怖れているのか、ハンニバルの顔がデカいのか、押されっぱなし。
ハンニバル隊はほぼ壊滅状態なのだから、もっと強気に出てもいいのだが。重機動メカ一機も怖いか?
むしろ、「貴公らと同じ戦力の我々が一瞬にして巨人に破壊された!」と、全滅した事を交渉カードに使うハンニバルはスゲーなー。
で、「このままでは貴公らも同じようにやられるぞ。」と、暗黙の空気に持っていくのがすごい。ガタイがでかいだけでないハンニバル
イデが数億の意志の集合体で、しかも防衛本能を持つ、という事はギジェの解析と、グロリアの解析によって、地球もバッフ・クランも共通認識を持っているようだ。
ソロシップの面々と同じ情報レベルで、敵も地球人も知っている。
が、その上で共存共栄していくという発想になるには、人間はまだ幼く、また、イデは大きすぎるようだ。

  • ハタリの眉毛

おそらく、設定画の小さな顔を手本にしてるからだと思うんだが。
眉毛の太さが左右で違うのはどうにか成らんのか。
今日は作画が良かったのに。
それとも、空手バカなのか。


  • ナレーターを遮る流星

ナレーターの塩沢兼人が「流星はソロシップが生み出しているようであった。そして、それは事実・・・」というのが「宇宙空間を飛ぶ」流星の音にかき消されて聞こえなくなった。
塩沢兼人は「まさかナレーターが死ぬことは無いと思っていたが、ナレーターでも死の危険を感じた」と言ったらしい。
イデオン怖い。

  • 会議好き

結構、話の最初や戦闘の後とかに今後の目的や今回の総括とか、ソロシップのブリッジで情報のまとめが行なわれる事が多いなあ。
反省会とか。
でも、わけわからん。
いや、描写ミスとかじゃなくて、題材自体がわけわからんものをわからんまま描くというものだから。
でも、視聴者に区切りをつけさせるのはいい効果だと思う。
そろそろ佳境か、という感じはしますね。