玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

伝説巨神イデオン36 さらばソロシップ

脚本渡辺由自 絵コンテ斧谷稔 演出谷田部勝義 作画監督坂本三郎
あらすじ
http://www.sepia.dti.ne.jp/stillness/ideon/story/television36.html



今日は早く起きようと思って、11時半にブラウザを落として、1時までオフラインで仕事をして、ちょっと調べものをして、2時には寝たのだが。
9時には起きれるはずだったのだが。
11時に起きた。
と、思ったら12時半だった。
ダレ過ぎ。
6時に寝ても12時に起きるしなあ。
サーカディアーン!
そんなわたしも、さっきイデオンを見たら一気に体がすっきりデトックスされて癒されて、モテ皮スリムの愛されキモヲタですよ。
って、変ですよね。終盤のイデオンは死と絶望に満載されているのに、何故、俺は元気なんだ!


いや、生存時間や生存確率の高さは、必ずしも生の充実感とは相関しないのだろうか?
かといって、充実感のために戦争状態の方がいいんだ、なんて言うジジイにはなりたくないんだが。


感想デース。


自律しはじめたイデはソロシップの人たちを利用し始めた。
ソロシップの人たちはイデを捨て、ソロシップを120個の時限核爆弾で自爆させようとした。が、無人のソロシップは亜空間レーダーに引っかかるような重力振(アクティブソナーっぽいもの)を発振し、バッフ・クランの先遣艦隊7隻を呼び寄せた。
ソロシップを奪おうとしていたマーシャル・フランクリン将軍の艦隊ごと、逃げようとしたベスたちも戦闘に巻き込まれ、生き延びるために仕方なくソロシップに戻る事になってしまった。
イデは人間を、特に今まで慣れ親しんだ人間を必要としているようだ。
これは、イデが赤子のように、欲求を満たすためのツールとして親を欲して利用している構造にも似ている。
と、同時に、イデは万物の祖先でも在る。人類たちを想像した創造主である。親です。
その親が、衰えた(というか、精神生命になったために失った)肉体的な力を利用するために若い子ども達をアンチボディとして利用している、という構造にも似ている。
うーん。
怖い。
で、まあ、結局の所、作中において核爆弾の爆発を封じ込めたのはイデのバリアの力である。
ここら辺は、ブレンパワード14話の伊佐未勇のものすごい長台詞を思い出します。

「お前は!図体がデカいからって、パイロットの乗ったグランチャーと戦えるようにお前は良く出来ちゃいないんだ!
 親父達が何と言おうと、お前達は人間を乗せるためのスペースを用意して生まれたんだ!
 それは何故だか分かるか!?えっ!?
 お前達が、この地球の進化の歴史の中で学んだことだよな!
 人間の反射神経と判断力と感性、それに生殖だけは人間のものを利用するつもりだからな!
 こいつのコピーは面倒だもんな!
 しかし!力を行使することは自分たちのものにした!
 ヘッ・・・人間ってヤツは、力の使い方を知らないエゴイスティックな動物だからだろう。
 だからお前達は、お前達が必要な人間だけを摂取して、
 地球が育てた生物の生体エネルギーの全てを吸収して、銀河旅行をするつもりだ!
 ・・・それがお前達だ!」

なるほどー。ブレンパワードイデオン同士の戦闘だったのかー。再見したいな。


それから、核爆弾が炸裂する一瞬前、すべての登場人物が線画となって交錯し、恐怖に震えるシーンが在るのだが、その中でパイパー・ルゥだけが色付き。メシアを身ごもっているカララ・アジバは半透明に輝く全裸。
あからさまだなあ。富野喜幸コンテだし。
動力源として、イデは肉の体を必要としているのだろうか?
赤ん坊はシュタイナーの4重存在としての自我体が発達しておらず、肉体やエーテル体アストラル体の方が主導権があるから、イデにとっては都合が良いのだろうか?
幼女のアーシュラでさえ、線画。


あと、なんとなく、精神生命体の異聖人が地球人に頼んで肉体を復活させて貰うというSF小説だったかTRPGだったかを思い出したけど、タイトルは忘れた。なんだったっけかなあ?


つーか、富野作品は本当に核爆弾が出るなあ。その割に放射線はあまり気にしない。破壊力中心か。
まー、禿たロランや白血病カテジナさんは見たくはないとは思うが。
でも、広島長崎で幼年期を過ごした僕としてはそこら辺はちゃんとして欲しいなあ。


それにしても、イデは誰でも良いというわけではなく、やはりソロ星の人たちが良いのだろうか?
ルゥとメシアがいるからか?
ソロシップがしたことは、重力振を発振してバッフ・クランを呼びこんだだけだが。
イデとしてはバッフ・クランが自分を手に入れても良かったのか?
それに対して、移乗したクラップ巡洋艦でDSドライブで逃げずに、ソロシップを再稼動させようとしたのはソロ星組の自己判断である。
イデの意志だけではない。踊らされていると思っているが、ベスたちの自己判断でも在る。と、同時に自己判断をも誘導されているからこそ踊らされているんだよな。混ざってるなあ。
うーん。


イデは親なのか?子なのか?
親の因果によって戦って、子供のせいで死んだりする。
間尺に合わない人生をロボットアニメに委託して表現してるんだろうか?
だから心を揺さぶるのだろうか。
エヴァか。
でも、エヴァンゲリオンは心理学用語を素直に出してきたよね。
あー、でも、イデオンの頃も謎本っていうか大全集ブームではあったかー。
オタクだなー。


個別突っ込み

  • パニックに陥ってソロシップから宇宙に逃げようとする男

キロルという。
八甲田山で発狂した人のようだ。
「もういやだ!こんな生活!俺は家へ帰るんだ!うちへ!」
彼にはとても共感するなあ。多分、僕がソロシップにいたら早晩こうなる。むしろ、キロルは36話までよく頑張った。
「こんな所にいたら、どっちにいても落っこちるだけじゃないか!どっちにいても!」
うわあ。ネガティブ・キャプテン・フューチャー。さびしいスペースマンだ。
本当の宇宙は、どっちを向いても過去なんだけどね。
未来は自分の中だけ。
「帰りたい家なんてもんは自分で作るんだ!男ならそうしなくちゃ成らないんだよ」と大人を一喝するコスモ。
まあ、21世紀は女もそう言う時代なのだ。
みんな帰る場所を無くした時代かもしれんが。

  • 敵に対して「もう遅い、お前達の帰るところは無くなる」

と、言い放ってイデオン波導ガンを発射するコスモ。
自分たちが帰るために敵の帰るところを破壊するのが戦争か、人生か。
ユウキ・コスモは大人になってしまったな。

  • で、ソロシップに帰ってきて

「嫌じゃないけど、帰りたくもない所だ」というコスモ
自分の作りたい家庭を作りたいと思っても、そんなもんかもしれん。
ひどい話だ。
新しい星は見つけられるか?
しかし、宇宙植民時代に新しい星はあるのだろうか?
「星の無い宇宙は、底なしか・・・。」
イデオン貴種流離譚でオチの付け方は異類婚姻譚っぽくもあるな。
カララは貴人だし。コスモ達もイデと関わって、半分異種に成ってしまってる。
典型的っちゃあ、典型的かも。
見せ方は結構上手いと思うけど。なかみは神代からのモノ。
そこらへんは、最近のトミノが談話で言ってる事だが。30年位前から一貫してんのね。
まー、手癖とテンプレ、という気もせんではないが。
それでイデオンだぜ?

  • 今回の敵

7隻の戦艦と多数の重機動メカと戦闘機を要するバッフ・クラン先遣隊を任されたのは新婚間近のガルババ・グラ。
婚約者の踊り子を部下に自慢し、部下も美しい奥方を歓迎しているという武家社会。
1話限りの使い捨てキャラを、実際に先遣隊という使い捨てに近い所で出世を目論む若武者というふうに描写するのは上手いし、印象に残りやすい。
また、今回のバッフクランの戦隊の同時展開の数はかなり多すぎた。先遣隊なのに。最終決戦の絶望感を予感させてくれている。
イデオンガンの重力渦の中で粉砕されながら、婚約者ミヤ・アイザック(ミヤヤではなく?ミイヤにも似ているな)のホログラムの光子映像だけが最後まで踊っていた、というのが恐ろしくも美しい。
イデオンガンは重いものから破壊するのか?
まー、例によって設定的な説明は一切なし。
それに、富野のことだからSF的表現よりも映画的雰囲気優先なんだろうし、それでいい。
が、ファンが設定妄想するのはお遊びとしては面白いからやります。

  • 今回の敵2

ソロシップを悪魔かどうか見定めたいと思ったマーシャル・フランクリン将軍のスカラベリィ艦隊。前回、異星人バッフクランのハンニバル隊と共同作戦を行なった人物ですが。
イデに取り付かれた、という感じもなく、異星人との融和を主張する主義者でもなく、まあ、簡単に言うとおっさんでした。
「本気でソロシップを捨てるのでしょうか?」という部下に「軍の命令だけが真理ではないよ」と言った。
軍の命令と言うのは明示されてないが、おそらく「無限力は有効なエネルギーだから持って帰れ」という命令で、それを捨てるのは信じられないって言うのが部下の考えなんだろうな。
が、それは危険なものかもしれん、とある程度は自分で見抜けた将軍はそれなりの人間ではあったのかもしれん。
とりあえず、どこぞで拾ってきた擬似太陽炉をホイホイ量産した機動戦士ガンダム00の人よりは賢いか?まあ、ガンダム00の太陽炉は人間が作った物っぽいから別にいいのか?
でもなー。古谷徹が悪いんでしょう?
まー、いいけど。


で、結局はベスたちの隙をついてイデを奪おうとし、「バッフ・クランにソロシップを渡しちゃならんぞ!」と絶叫して死んだ。
ハンニバルに押し切られて同盟したように見えたが、ハンニバルの戦力が少なく死に急いでいる事を見抜いて協力しただけだったという事か。バッフクランとの友好よりもイデの捕獲の効率を優先したのか。
そう言う風にイデを使おうという人は殺され、イデを捨てようとしてもイデを正しく発現させる可能性も知っているコスモたちは呼ばれる。
うーん。
正しく発現して、どうなるんだ?


ちなみに、今回は地球側の戦闘機部隊も一方的にやられずに3:7くらいの頑張りだった。重機動メカには勝てなかったが戦闘機同士のドッグファイトは互角だった。


あと、巡洋艦クラップといえば、逆襲のシャアだが。なんか語源があんの?クラップ発振回路か、カチンコ(クラッパー・ボード)?

  • 殺意のリアルさ

戦闘が終われば、敵艦を拿捕してその乗り組み員と物資を利用する。
敵だったフランクリン将軍とも会談し、条件が合えば捕虜を引き渡す。
フランクリンもベスたちが地球に帰らず、他の星を見つけるというのなら反逆罪は不問とする。
しかし、ソロシップをフランクリンが奪う態度を見せたら撃ち落せとベスは命令する。
が、結局は威嚇射撃しかせずにソロシップに工作隊の侵入を許す。
その後、バッフクランとの戦闘状況に変化すると、ジョリバ達もソロシップに乗り込んで地球郡の工作隊と共に爆弾を解除する。


個人的な殺意やディフォルメされた狂気による殺人ばかりのゼロ年代アニメを見慣れた目には、個人の感情よりも状況を優先し、それによって「なるべく」自分と、「できれば」他人を生き延びさせよう、と言う大人の殺意が新鮮でした。
地球軍はある程度生き延びたと思うけど、また数十人は組み込まれるのかな?
混乱しそう。

  • アンチ情報戦

あと、宇宙の片隅で艦船や捕虜の譲渡や戦術レベルの同盟が内内に行なわれる現場主義はメディアが発達した21世紀の感覚よりは太平洋戦争時代の感覚に近いな。
そりゃー、60年経っても集団自決が在ったかどうか分からんわけだ。
ガンダムOOはメディアの発達で戦争の状況を共有する、という雰囲気を最初にぶち上げた割に、最後は指揮系統も何にも無くグラハム・エーカー登場。
いちおう、ソレスタルビーイング殲滅戦の一環だったんだろうが、それにしても援護も上司も何にもなし・・・。
まー、なんだかんだ言って、戦場と情報って言うのは古代から悩ましい関係だなあ。情報って言うのは敵情報告の略だからな。

  • バッフ・クランの命運がいつのまにかイデ殲滅に

 ハルルはガルババの艦隊が全滅したと知って息を飲んだ。もう巨人打倒にバッフ・クランの命運をかけるより他に道はなかった。


いや、ほっときゃ良いじゃん。
流星だけ撃ち落してたら良いじゃん。
何必死になっちゃってンの。
チェーンソー男にこだわるネガティブハッピー・チェーンソーエッヂの雪崎絵理ちゃんみたいだな。
「力」や「不条理」に対すると、それを「恐怖」とし、破壊するか屈服されるかしないと納得できず、目を逸らせないのが動物なのか。
あるいは、経済的に戦力をあまりにも破壊されたので、戦果を上げないと割に合わないという軍事国家的総動員心理か?
しかしねえ。
「人がたくさん死んだから、この戦争は死んだ人たちと同じくらい価値のある戦いに違いないのだから、特攻してまで戦い抜かないといけない」って言って負けちゃって、その後アニメばっかり見てるような国が在るんですけど。
いやー、ヘラヘラアニメ見てたら良いんじゃ無いっすかねえ?だめ?
うーん。そーいう風に人生の価値を損得の帳尻合わせにする感覚って、
「パチンコで5k投入したから10K取り戻すまで止めない」っていう気持ちとそんなに大差ないレベルだと思うなあ。
株の暴落とかもな。
引き際も肝心ですよー。
負けて止めたって良いじゃん。

  • 予告で

ネタバレ禁止!
Vガンダムといい・・・。ひどいぜーッ!