玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

「親父にもぶたれた事ないのに!」を甘ったれと言っていいのはブライト・ノアだけ

「親父にもぶたれた事ないのに!」というのは、過保護に育てられたと言う事ではなく、連邦軍乾坤一擲の新兵器を開発するような優秀な親父の生活を支え、ぶたれたことのないくらい、ちゃんとした生活をしてきた所の自分が、戦闘をするには体力の限界であり、おとりにされる戦闘に意味はないと判断して、戦わないのは正しい判断であり、また、正当な主張なのである。という訴え。
過保護と言うよりはアムロの誇りの高さなのではないかと。
実際、アムロのキレポイントは殴られた事よりも「安っぽい人間ですか!」だからなー。


ともあれ、正当な主張が異常状態では受け入れられない、と言う不条理を受け入れさせるためには「あまったれ」と感情レベルにいうんだなー。


そのブライトは1話でアムロの写真を見て「ガンダムが完成すれば子供が戦争に出ることもなくなる」と、テムに言われたのだが、そのアムロを自分がガンダムに乗せて戦争させる立場になるんだもんなー!ぶ、ブライトーッ!
せつねえー!
っていうそぶりを見せずに、自分が不条理な上司だと言う事を引き受けて殴ったりおだてたりフラウと二人っきりにしたりするブライトすげえ!無意識っぽいが。
アムロと親父の微妙に離れた関係を俯瞰して知っているのだが、それを隠して、アムロと同じ位置で、「甘ったれ」と言い放つブライトがカッコよい。
脚本がすごいのか。


あと、言いっぱなしなだけじゃなくて、「俺はブリッヂに行く」って、自分に出来ることをやる姿勢を見せるわけだ。リード中尉がダメだけど、自分は責任を果たすぞ、と。
まあ、それは当たり前なんだが、それを見たフラウ・ボゥガンダムに乗る責任を肩代わりしようとするんだな。
誇り高いアムロ・レイは女に押し付けることはできん。


で、結局はその誇りを守るためにアムロは闘って勝つし。アムロ
で、その誇りが高まって、「僕が一番ガンダム」につながる。
で、実際その通りにする。アムロスゲエ。
少年の気高さっていいよなー。
また、ガルマのプライドはキシリアに対するメンツで、自分に対する誇りを重視するアムロとの対比になってる。

あと、アムロを応援して全力を尽くすブライトと、ガルマ・ザビの通信機を引っこ抜くシャア・アズナブルのコスさの対比にもなってるよな。
シャアは「ガルマのプライドを傷つけちゃいかんと思ってな」と言いながら、ガルマを陥れようとするし、ここは意図的にアムロのプライドとガルマのプライド、アムロの仲間とガルマの部下を対比させてるなー。
っていうか、シャアサイテー


1話も、ブライトに殴られる9話も、独房に入れられる19話も星山博之脚本に斧谷稔絵コンテ。
一貫してるなー。神過ぎる。


ガンダムはちょっとしたセリフのつながりを30年経ってからも考えられるのでおもしろすぐる。 ガンダムすげえ。密度の圧縮スゲエ。


だから、「親父にもぶたれた事ないのに!」を冗談で笑うのはいいとしても、それがガンダムの本質で、アムロを情けないだけの男だと思う視聴者は表に出ろ!大気圏の外の、サイド6の領空の外に出ろ!流れミサイルに当たれ!


このセリフは全体の流れの中でこそ意味があるのに、部分的にネタにされる事が多いので、僕は何度でも言いますよ。
ガンダムを大事にしない人とは、僕は誰とでも戦います!