玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングGに馬越が参戦

「模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG」 | バンダイチャンネル
http://bandai-hobbyproshop.net/gunpla30th/builders.html
ネット配信で見ました。今さら。
僕が一番好きなアニメーターの重田敦司さんがビギニングガンダムのデザイン原案と作画監督で、原画で馬越嘉彦参加・・・。うわぁ。あと上手い人たくさん。

だれがどのパートかは例によって知らんが。
でも、あんまりブレンパワード∀ガンダムの版権絵とかの重田敦司さんや、キャシャーンSinsの馬越さんくどい黒線はなかったなあ。主線は割と薄口。
AパーツのHi-νガンダムのアップは重田敦司さんの線っぽかったけど。

むしろ、動きが面白かった。カメラワークも、殺陣も凝ってて、面白い。そっちの方でアニメーターの力が発揮されてた。それぞれのモビルスーツの特性が旨く出てたし。
色んなガンダムが出てるだけでも楽しいし。
結構、過去のガンダム作品のアクションの構図とかをまねててオマージュが面白い。
ドムのジャイアントバズとか、サザビーが腹の拡散メガ粒子砲を撃つ姿勢とか、宇宙戦でHi-νガンダムビームライフルを撃つ所などが逆襲のシャアのアクションシーンの構図をまねてて、思い出して面白い。ある意味新訳?もちろん、富野絵コンテよりは多少スピードが落ちて、画面も見やすくなってるけど。でも、覚醒ビギニングガンダムの無双シーンはすごいスピード撃破だったなー。
それでいて、単なるオマージュを並べただけでなく、色んな作品のガンダムのシーンが混ざり合って相乗効果で面白くなってる。
終盤のア・バオア・クー戦にホワイトベースやムサイから、レウルーラ、ラー級、クロスボーン・バンガード艦隊、リーンホース.Jrなど、戦艦もたっぷり出てて面白かったなー。
監督の松尾衡さんが新訳機動戦士Zガンダムから色々フィードバックしてるなー。再構成の面白さとか。いろいろ。
脚本はガンダム00黒田洋介さんだが、「ガンプラマイスター」の称号を持つボリス・シャウアーがシャアなんだけど、主人公のイレイ・ハル君を「少年!」と呼んで導いたり、ミスター・ブシドーグラハム・エーカーっぽくもある。彼が暗躍キャラかと思わせて、本当にガンプラが好きなだけのオッサンで、逆にさわやかだった。
黒田氏はいろいろ変な思想が絡んでた機動戦士ガンダム00より、変に重くならないこういう振り切ったギャグを爽やかにやるっていう方がアイディアがかっ飛んでて面白いかなーって思った。まおちゃんとかギャグも多いけども。
ガンプラ選手権は、自分の作ったガンプラを操縦するゲームの大会で、殺し合いの戦争じゃなくてスポーツみたいなもので、どっちかって言うと、00やリヴァイアスより、おおきく振りかぶってに近いっぽい。黒田氏の作品の中では。主役が代永翼だし。
あくまでスポーツだから安心して見れるし、負けても爽やかな友人になれるって感じなのが良かった。(それでも大会に負けて本気で悔しがって泣いてる脇役もいて、そこも本気の試合ッぽかった)
シャウアーとの決着は謎だったが、楽しそうで良かったです。


あと、面白かったのは「見立ての想像力」ですねー。
顕著なベアッガイの「メガ粒子砲」とか、たて笛ビーム、ランドセルミサイルとか、アッガイと熊の融合とか、そういう要素の合体で、意味合いを見たてるのが面白い。

氷川竜介先生の富野由悠季論の授業を受けた時に、「富野由悠季の面白さは、戦闘宇宙服のモビルスーツを侍や怪獣のように演出したり、合体車両を伝説の巨神に見立ててヒーロー性を付加して面白みを出す『見立て』の上手さ」という話を聞いた。
まあ、見立てって言うのは、ちょっと辛辣に言うと、子供がおもちゃを英雄視してごっこ遊びする、って言う玩具ロボットアニメで特化した想像力に通じるもので、幼稚と言えば幼稚かもしれんのだが。
このアニメは大人も子供も本気でプラモでごっこ遊びする話だから、合ってると思う。
そういう富野ガンダムの玩具っぽさを上手い具合に継承してる。
それに、見立てというのは想像力の連想ゲームということで、象徴化の楽しさに成ってて、アニメーション自体の魅力としても良い。
デンドロビウムが無敵っぽかったら、巨大なザクレロに下半身を咥えられたザクがデンドロビウムと同じような装備に成っていて、互角の勝負をしたり、これはすごいごっこ遊び。デンドロビウムの要素をザクレロに置き換えて想像力を喚起してる。
GP03ステイメンが腕を伸ばしてビームサーベルを鞭のように使ったり、っていうのもいいイメージだ。
ガンプラでごっこ遊びして、ギミックを最大限に楽しんでいた子供心を思い出す。
見立てと言えばやはり最高なのはビギニング30ガンダムのビーム使いまくりですね。

重田敦司さんはVガンダム以降のガンダムをデザインするつもりで、って言ってて、ビームフラッグやビームローター以降なので、角ですらビーム。ビームサーベルは15本で、片手で3本ずつ持つwww.。
ifsシステムで出てくる楕円形のビームの光が、ファンネルと、バリアーと、光の翼と、ビーム手裏剣、イデオンソード、イデオンガン、超級覇王電影弾を兼ねてて、単なる楕円の組み合わせからいろんな形に変形して、アニメーションの想像力、見たての面白さを非常に感じた。
うん。やっぱりこう言うアニメは面白いな。


ガンプラの作り方も、僕も10代の頃はそれなりにエアブラシ塗装や水研ぎやパテ盛りをやってたので、懐かしかったなー。
まあ、地味な作業部分よりはやっぱりガンプラバトルの派手な所が面白かったし、尺も多いんだけど。
実際、ガンプラの作業工程を説明しようとしたら、もっと泥臭くてシンナ―臭くて時間もかかるんだが。でも、まあ、アニメのテンポとしては省略していいんじゃないかなーと。ガンプラバトルの所で「パチっと音が成るまでハメろ!」「ポリキャップが大事」とか、部分部分では結構ガンプラらしい会話があったので、それで良いか。
水研ぎとか調色とか、エアブラシの陰影のつけ方とか、塗膜の安定のさせ方とか考えたらきりがないのだが。


あ、でも、Aパーツの、ハル君がガンプラを作ってる時に退屈そうにしてるガールフレンドのスカートがすごくかわいかったです。
うん。オタの理想だよね。かわいい彼女をほっといてガンプラとか。
つーか、ベアッガイがパテの塊でマジ怖い。