玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第1.5節(設定資料)

サブタイトル[ラスベガスと王の心]   
前節:創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第1節 - 玖足手帖-アニメ&創作-
前書き:新たな敵が登場します。
敵と戦う前に、宇宙人の議論の読解を円滑にするため、奴隷諸国連邦の宇宙人の性質を先に紹介します。
今回はストーリーではないので第2日曜日ですが番外更新です。

  • 奴隷諸国連邦の宇宙人の共通項

彼ら奴隷諸国連邦の宇宙人たちは異次元に存在する、地球の属する宇宙とは物理法則や尺度の異なる宇宙空間での物質として実在する生物である。だが、地球の属する宇宙からは観測できない。彼らは独自の文明や機材を持ち、彼らの宇宙領域で生息している。地球宇宙に干渉するにあたり、地球上の物体の素粒子の間隙にある微細な空間に駐留地(租界)を形成し、租界基礎となった物体を通じて行動する。そのため、彼らは物を動かす幽霊のようにも見える。
宇宙人たちの食糧や機材のエネルギー源、および地球人の物理宇宙への干渉手段は主に重力場変動を使っている。これは租界と地球と太陽の宇宙空間内の自転公転などにより発生する重力変動を通じて宇宙人たちの機材にエネルギーとして取り込まれる。ホモ・サピエンスなどの地球生物のエネルギー源や食糧生産は主に化学的電磁力と光合成による光子と電子を基本としているが、この宇宙人たちは地球生物の生態系における光子や電子の役割を担う粒子を重力子に置き換えた生態系を形作っている。
地球における奴隷諸国連邦が取り出せるエネルギーは、彼ら宇宙人の使用する機材の駐留地における密度と、駐留地の物体の重さによって変化する。より重い物体により多くのエネルギー変換機材と人員が密集しているほど大きなエネルギーを発生させることができる。ただし、より重い物を動かすにはより多くのエネルギーが必要となるので、ひたすら重ければいいというわけではない。租界の質量と密度のバランスによって出力は変動する。個々に違う役目を持つ8つのしもべとしての租界は、憑依する物体もその行動目的に対応している。
彼らは12年前の地球来訪の折、頭令兄妹を抹殺して生き返らせた罪を償う、という独自の倫理観に基づいて行動している。
(第9話参照 創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年9月 第9話 第10節 - 玖足手帖-アニメ&創作- )
彼らの人口は各租界で数兆人だが、その奴隷となった人数は罪の代償に対応している。つまり、破壊された頭令兄妹の細胞の数とほぼ同じ。微細であるせいか、異星体であるせいか、地球の知的生物の細胞の一つ一つに人権を与えるという独自の倫理観を持つ。また、ホモ・サピエンス以外の生物にも知性と権利を認める。そのため、一定の大きさと複雑性を持つ多細胞生物の細胞死や個体死に心理的不快感を感じる特性があり、暴力を忌避する。

  • エリア0


通称:レイ
駐留地:イスラエル製人型戦闘ロボット、および死んだ人間の皮と衣服
地球人からの認識:頭令そらの養父の頭令礼一郎、兼、執事の宍戸隷司
役割:人間に擬態しての頭令兄妹の世話と警備全般。
特徴:鋼の錬金術師を軽く超えるレベルの物質操作と、スーパーサイヤ人レベルの格闘能力と、イデオンソードレベルの攻撃力を持つ。だが、知的生物の細胞を破壊する事を極度に嫌がるために殺傷はやらない。殺傷への嫌悪感は他のエリアも同じ。ただし死んだ生物を素材として利用することは多い。
廃棄されたイスラエル製戦闘ロボットの試作品を租界として選んだのは、地球に移住した初期の宇宙人にとって地球上で最も頑丈で重量と密度のバランスの良い人型の物体として認識されたため。租界そのものの物質的な頑丈さと構成員として駐留している宇宙人の能力が合わさり、しもべの中では最強。
タイプ:人型・中距離パワー型 
破壊力A スピードB 射程距離B 精密動作性A 耐久力B
(A(戦略レベル)、B(戦術レベル)、C(鍛えられた人間と同じ)、D(補助があれば問題ない)、E(補助があっても困難)の5段階。)
民族性:責任感が強く実行力のあるリーダータイプ
  
  

  • エリア1


通称:11の11の11
駐留地:2003年9月からは頭令倶雫が転院した巨大総合進歩的医療施設・ソレイユ病院第11セクション第011科11号室(No.1101111*1)。それ以前は某地方病院の脳神経外科異常症例用個室「イの1号室」
地球人からの認識:ソレイユ病院第11セクション第011科11号室(No.1101111)
役割:頭令倶雫の病室としての警護、観測。頭令そらとの面会時の迎賓。時空間制御。外部への頭令兄妹の隠蔽工作など。
特徴:奴隷諸国連邦の宇宙人は頭令そら以外の地球人からは宇宙人としての存在を秘匿している。また、頭令兄妹に仕えること以外の目的を持っていないので他の地球人とは関わろうとしない。エリア1は建築物に憑依しているために非常に重く頑丈でありエネルギー量も大きいが、その分機動性が低い。
主君の一人である頭令倶雫を守護するためしもべの中で最強のバリアーを展開できる。また、頑丈な建築物に憑依しているため安定性が高く、他のしもべよりも時空間を歪める能力も高い。
頭令倶雫の病室を中心に憑依しているが、病院だけでなく電線や水道管ガス管や光ファイバーを通じて地球に根を張っている。宇宙人は目的に応じて物体に浸透したり退去したりできる。その移動速度は音速よりは遅いらしい。情報伝達速度は超時空異次元通信を使うため光速を超える。
タイプ:物質同化型(←奴隷諸国全般であるが)拠点防衛型 
破壊力C スピードE 射程距離A(電脳空間を含む観測距離) 精密動作性A 耐久力A
民族性:倶雫を強固に守護する城であるため、保守的で慎重かつ排他的性格
  
  

  • エリア2


通称:サイドバイクロン
駐留地:廃車になったショベルカーと外国産軽自動車の半分をつなぎ合わせたスクラップで作られたサイドカー。地球人から隠匿して暮らしている宇宙人なので、彼らは廃棄物や行方不明の物に憑依することが多い。
地球人からの認識:大型のサイドカー
役割:テレポート以外のレイの移動手段、兼、頭令そらの送迎守護。
特徴:異様な車体なのは、地球人の文化感覚が理解できていない時期に有り合わせの素材でサイドカーを模造したため。ただし、地球人の認知に歪みを発生させる催眠迷彩という宇宙的技術を使っているので、公道を走っているのを見られた程度では異様だとは感じられない。レイよりも重い金属に駐留しており、個体型機動戦闘用のしもべとしては最も出力が高い。ただし精度に劣る。サイドカーを模している車輪は回転しているが飾りであり、地上より少し浮いて滑空して走行する。水上走行や飛行も可能だがエネルギーコストパフォーマンスが悪いので道路を走ることが多い。
タイプ:乗物型・高速パワー型 
破壊力A スピードB 射程距離B 精密動作性C 耐久力B
民族性:普段は寡黙で従順だが、攻撃的な軍事民族。男性的。戦闘での勝敗を価値観とする。

  • エリア3


通称:ミイコ・ミニコ・ミミコ
駐留地:3体のラブドール(ミニコとミミコは頭部にボディを格納し、ミイコの巨乳に合体可能。分離するとミイコは他の2体と同じ貧乳になる)
地球人からの認識:頭令そらのメイド
役割:頭令そらの生活補助。地球人との外交。頭令そらの富豪化に伴い、パチプロは9月からは引退した。内職などの軽作業を副業としていることもある。
特徴:頭部は人間に似た美少女ラブドールでボディは風船ダッチワイフである。これも催眠迷彩が施されているので、地球人からは人間の女性として認識される。ただし、軽い。
任務の性質上、買い物や留守番などで他の地球人と会話したり、身分を偽装することも多い。宇宙的技術の催眠術でごまかしている。
租界の素材が軽いため他のしもべに比べて出力が低い。その分、人間のふりをする演技力はレイを上回る。手先が器用であり、物体の原子分子を組み換えることに長けている。ただ、出力自体が低いため大きなものはすぐには作れない。もちろん、普通の人間よりは強い。合気道プログラムをインストールすることで大抵の成人男性は組み伏せることが出来るようになった。
タイプ:人型・分裂型・家政型 
破壊力C スピードC 射程距離C 精密動作性A 耐久力C
民族性:ややおっとりした温和な国民性。その分、他国との外交では調整と仲裁をする係。

  
  

  • エリア4


通称:四つ辻の四つの塔の屋敷
駐留地:四つ辻の四つの塔の屋敷
地球人からの認識:頭令そらの住む豪邸
役割:9月までは被差別部落地域の河原に建造されたボロアパート四ツ谷壮404号室に憑依していたが、引っ越した。頭令そらの生活と学習の拠点。庭の花をそだてたり空気や室内や家具を清浄に保ったりできる。
特徴:日本の田園地帯に数十年前に建造された海外貴族の別荘であり、高級な石材と鉄骨とコンクリートを使用した高級建築洋館。地下1階、地上3階(尖塔部は3階)。
非常に頑丈であり、広く、使っていない部屋もある。そらの私物以外にも元の持ち主の貴族の所有していた古書稀覯本や芸術品も倉庫に眠っている。頭令そらが転居するために家庭教師の社やマセラティ家のものが整備する前は数年間持ち主がいない幽霊屋敷であった。最初の持ち主と設計者の趣味で、ピラミッドのように四辺が東西南北と一致している。四神相応の立地で北に山林、東に河川、南に田園地帯、西に高架道路がある。田舎に近い郊外の立地だが、山をいくつか隔てて、そらが受験を目指す聖ウォーター女学院に近く車を使えばすぐ。
エリア1と同じような特性で、強力なバリアーと情報収集能力を持つ。
タイプ:防衛拠点型 
破壊力C スピードE 射程距離A(電脳空間を含む) 精密動作性A 耐久力A
民族性:エリア1と同じく頑固で防衛的志向。そらのインターネットポータルと書庫を有する勉強の場なので、知識が豊富。参謀的な知恵者の面も。
  
  

  • エリア5


通称:ゴースト
駐留地:入れ子になった5つのボール。(バスケットボール、バレーボール、野球ボール、ピンポン玉、ビー玉)入れ子になっているが内部の物は原子間浸透により分裂する。
地球人からの認識:どこにでも転がっているボール
役割:5つの大きさの違うボールに憑依して、人間社会に溶け込んで諜報と工作活動を行う。そらの手投げ爆弾や、地雷や特殊工作員としても幅広く使用される。
特徴:小さく、目立たないので、転がったり飛行や瞬間移動をしたり、どこにでも移動する。小柄で出力自体は低いが、重量が軽い分スピードが出る。スピードがあるため、体当たりはライフル弾以上の破壊力を持つ。爆弾として使用されるときは化学的に熱燃焼するのではなく、宇宙人が共通して使うバリアを衝撃波として放射する。彼ら奴隷宇宙人の重力場科学は非常に応用範囲が広い。物体にも干渉できるため電子そのものを操作して地球のコンピューターを直接ハッキングすることも、印字された書類などをいつの間にか改ざんすることもできる。
タイプ:分裂型・諜報撹乱型 
破壊力B スピードA 射程距離C 精密動作性B 耐久力C
民族性:軽快で運動や処理能力が速い。サポート任務が多いため責任感が薄い。
  
  

  • エリア6


通称:クロムのロザリオ
駐留地:クロムのロザリオ
地球人からの認識:頭令そらのアクセサリー
役割:頭令そらの首にぶら下がって、直接警護、他のしもべとそらとの通信役を担当。そらの手持ち武器や道具にもなる。
特徴:基本的に自分では動かず、そらに振り回される。宇宙的技術で重力レンズを応用した見えない望遠鏡になったり、通信機になったり、インターネットや電話の端末になったり、そらの周囲にバリアを張ったり応用範囲は広い。6番目のしもべのクロムのロザリオの租界のみ、地球で拾われたものではなく宇宙人が原子組み換えにより試験的に製造した物体。純度の非常に高いクロムの体心立方格子単結晶で出来たロザリオで、一辺が2センチほどの6つの立方体を組み合わせたシンプルな十字架に穴をあけ同じ素材のチェーンのひもを通してある。全長8センチ。宇宙人が試験的にシンプルに作ったものであるので、完全な平面と直角の断面を持ち、バリアーを張らなければ非常に切れ味が鋭い刃物となる。バリアーを共振させることで、装甲車を紙のように切り刻める武器にもなる。また、頭令そらを一番近くで守護するしもべなので、バリアは水爆の直撃をも遮断する。
タイプ:道具型・通信型・守護型 
破壊力B スピードD 射程距離B 精密動作性C 耐久力A
民族性:防衛的だが、そらに付き合わされて、人間社会に詳しい面もある。内向的な国家と実働的国家との仲介役。
  
  

  • エリア7


通称:セブンセンサー
駐留地:七つの大気層の粒子・七大陸地表(含む月)と七つの海および川の水面・その他物質表面・地球磁気圏に密度を変えて分布
地球人からの認識:空気、空間
役割:地球圏全ての情報収集。そらや他のしもべの瞬間移動補佐と情報流通のインフラ網。たまに天候操作。
特徴:駐留する宇宙人の人口密度は、頭令兄妹の都合や気流や重力変動や宇宙放射線などによって適宜変移する。仮に十兆人のセブンセンサー構成員が空気に均一に分布しているとした場合、地球の表面積が約5億平方kmなので、1平方キロメートル当たり2万人の宇宙人がいることになる。大気上層のオーロラの高度が100キロメートルなので、大気1立方キロメートルあたり200人。ただし、宇宙人の観測装置は地球人の物とは全く違う。宇宙人が使用する無人機もある。地球の生物が奴隷宇宙人を体内に取り込んでも害はないが、奴隷宇宙人は地球の生命体の変動、特に死に対して精神的に敏感なので、生物の体内に積極的に入ることはしない。
主人や他のしもべの瞬間移動の媒介もするが、瞬間移動はエネルギー効率が悪いのでやりたがらない。やるべき時はやる。本星や宇宙空間に分布する彼らの仲間との交信も基本的にはセブンセンサーが務める。
タイプ:不定形型・情報&物質流通型 
破壊力D 情報処理スピードA 射程距離A 精密動作性B 耐久力-
民族性:密度とパワーが薄く、直接行動をほとんどしない。その代わりに情報を収集し提示することに長けている。淡々とした秘書タイプ。

  • 本星

世界の隙間に在る別の宇宙(ダークマター領域)にある奴隷諸国連邦宇宙人の元居た星。自称ブラックホール周辺領域諸国連邦。光速を超えて位置が変化する。頭令兄妹との接触によって地球次元宇宙を認識し、人間界宇宙を探索している。1991年の頭令兄妹との衝突事故により銀河系に飛び散った頭令そらの精神体を回収したのも本星から派遣された部隊。ただし、頭令倶雫の精神や魂は宇宙のどこにも見つからなかった。
地球に居るそらの下僕たち数兆個体の数億倍の宇宙人がいる。
地球にいる奴隷諸国連邦の宇宙人は本星の諸国連邦から、(彼らの精神的安定化のため)頭令兄妹への損害賠償要員として棄民された奴隷たちである。
そのため、地上の8つの奴隷諸国連邦が地球で活動するにあたり、ほぼ本星からの支援は期待できない。
物理的にも次元的にも非常に遠くにあり高速で移動しているので、不定期的な交信は可能だがリアルタイムな連携はほぼ不可能。なので、頭令兄妹に直接仕える八氏族の奴隷諸国連邦は本星のブラックホール周辺領域諸国連邦よりも頭令兄妹を頂点の元首とした独自の身分制度を文化として持つ。

次節
創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第2節 - 玖足手帖-アニメ&創作-

*1:これは2進法で111を表す