玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

Gのレコンギスタ第2話「G-セルフ起動!」は女に褒められたい

脚本:富野由悠季 / 絵コンテ:斧谷稔 / 演出:森邦宏/ 総作画監督吉田健一 / 作画監督:[キャラ] 柴田淳、[メカ] 桝田浩史

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と、言うわけでガンダム Gのレコンギスタの第2話「G-セルフ起動!」を要約すると「女に褒められたい男の話」ということです。
以上解散。


前回は長々と絵コンテについて解説し沢山画像も貼ったが、ハッキリって今回はどのシーンも「女に褒められたい男」のキーワードでくくれるでしょう。
と、言うか、Gレコは割と世界観が独特な未来SFですし情報量単体で見ると、かなり多い。それを全部イチイチ書き起こしていたら時間がなくなるので。(というか、すでに1週間遅れているので)1話1テーマでお題噺の感想を書いていきたい。

  • 冒頭クンパ大佐

キャピタル・テリトリィーのタブー監視などをする観察警察組織である調査部のクンパ・ルシータ大佐が登場。
「すべて偶然だろう。こんな事しかけてできる事ではない」
まあ、とりあえずここは前回のおさらいとクンパ大佐の顔見せです。

  • キャピタルガード養成学校の昼休み

キャピタルガード養成学校は男子校っぽいんだけど、隣の女子校のセント・フラワー学園と昼休みが合わさっている感じ。というか、校舎も混在しているっぽい。原作の「はじめたいキャピタルGの物語」によると養成学校とセントフラワー学園は校庭が隣接しているので同じ学校だと生徒たちも誤解できて友達になれるという敷地らしい。
アホみたいにテンションが高いチアガール部が「昼休みの時間だウォオオオオ!!!」と渡り廊下を疾走しているんだが。滅茶苦茶テンションが高い。
ここのシナリオの草稿は富野監督の映像の原則改訂版の42頁に載っている。
これによると、チアガール部たちは1話の後にめちゃくちゃ怒られて3日間独房に入れられて反省させられたらしい。で、3話の会話によると1話の海賊襲撃事件から1週間経っているらしい。(2019年10月26日訂正 一週間経っても動かせなかったのはG-セルフではなく大気圏バックパック。なので、1話と2話の間はもっと短い)劇場では3話まで一気に先行上映してテレビでは1,2話連続放送したのに…。ちなみに、2話と3話の間は直結している。
そういうわけで、チアガール部たちがやたらハイテンションで「宇宙海賊やっつけた!女海賊捕まえた!偉い!!!!」と叫びまくるのは釈放された嬉しさもあるんだろう。(段取り的に考えると、調査部がG-セルフを起動するのに1週間かかった設定だが、チア部はすぐに褒めたいはずなので、その間を取るために独房入りさせられたという展開を入れたんだろう。アニメでは描かれてないけどね!)
そういうわけで、女の子が男子を褒めまくるシーンが入れられる。1話でも「未来の亭主探し」って言っているし、チアガール部が乱入する前に学校の食堂から出てきたキャピタルガード養成学校の男子を女子二人が追いかけるというモブのモテシーンが入れられてる。
宇宙世紀が滅んで人類が滅んで人口が10億人以下になっている世界で、しかもまともな自然が残っているのは南米のキャピタルタワー周辺だけらしい。なので、キャピタルテリトリーに寄り集まって生きてる世界で、北アメリア国とか、ヨーロッパのゴンドワンはキャピタルテリトリーからフォトンバッテリーという電池を配給してもらって細々と生きている。(アメリアとゴンドワンは戦争中)
なので、人材は貴重だし、その中でも文武両道のキャピタルガード養成学校の生徒はエリートコースなのでモテまくるわけですよ!モブですら。
ちなみに、1話で最初に出撃して撃墜されたメガネ男子のトリーティだが…。優秀なパイロットだったら生き残っているはず。ガンダムエースのマンガ版では出撃していない。そして、チアガール部のトリーティの彼女である男の娘(ややこしいなあ!)は2話ではすごく元気に踊っているので、トリーティは無事なのか、死別の哀しみから1週間で立ち直ったのか見解が分かれる。トリーティはシュレーディンガーの猫状態ですね。ただ、彼も褒められたかったんだろうなあ。
あ、ちなみに、トリーティの彼女の台本と設定では名前がチアガールAです。Aなので男の身でありながらノレドとマニィ以外のチアガールの筆頭ではありますが、名前が無いので今後掘り下げられることはないでしょう。トリーティとはいったい何だったのか…。
まあ、「女子が男子を褒めて、男子が頑張ってキャピタルタワーを支える仕事をする」っていう社会モデルがあるっぽい作品内世界の文化圏らしい。
その中で、「じゃあ、宇宙飛行士になるほど優秀ではない男子はどうしたらいいの?」という疑問の受け皿として「男の娘でもチアガールになってメガネ男子とマジラブしたい!」というラノベエロゲーでもかなりマニアックなキャラを設定したんだと思う。ハイレベルだなあ…。
(いや、まあ、宇宙飛行士やタワー保安局員にならなくても普通に事務職とかは居るっぽいけど。キャピタルタワーの運行局長であるウィルミット・ゼナム氏も女性で主人公のベルリの母だし、女性が宇宙関係の仕事に就けないということはないとは思う。富野は初代ガンダムでも女性も割と差別しないで戦場送りしてたし)


で、モテ集団のキャピタルガード養成学校ですが、デカ鼻先輩はモテまくる主人公の飛び級ベルリと主席のルイン・リーと同じ班なのでイマイチ自分がモテてる実感が無く、まあ、不細工だからなんだけど、チアガール部に褒められるベルリに嫉妬して後ろから足を引っ掛けてルイン・リー先輩に「年下をイジメるなよ!」って注意されて、その返す刀で「ルインこそベルリをかばってベルリのおふくろに取り入ろうなんて、さすがクンタラ〜」とか言って、チアガールにもセクハラしようとしたりモテモテメンズ学校の中でガールフレンドのいない連中の負の側面を一身に背負っている。こんなにコンプレックスと差別意識の塊のデカ鼻先輩がなぜ養成学校の3年生までルインにボコられずに同じトップ成績の班にいられたのか、かなり謎だ。ルイン・リー先輩の器がデカすぎるのか、デカ鼻先輩は性格が歪んでいても成績は良いのか?
ちなみに、同じ班の残る一人のそばかす先輩は脇役としての自分をわきまえていてきちんと説明セリフを言うんで、モブキャラとしての仕事をしている。あ、でもラライヤを触ろうとはしたか。
しかし、ルインとベルリが夜のパーティの警備の打ち合わせのために学校に呼び出されて去った後、法皇様がダチョウマシンで歩いてきてラライヤを覗くんだけど、法皇様に礼をした後デカ鼻先輩とソバカス先輩は消える。ビビりなんですかね。


女子が褒める世界観ですが、偉い法皇様も民衆を褒める係だと思う。だから権威づけとしてオペラグラスでラライヤを覗いたんだと思うが、3メートルの距離でオペラグラスは失礼なので、ノレドに怒られる。
法皇様よりチアガールの方が上なのか?やっぱり女が褒める世界観ぽい。
法皇様的には女子の顔をアップでチェックしたかったんだろうけど。法皇様も”狙ってできることではない”と言うクンパ大佐と同じく、ラライヤなどが”アレ”なのか”考えられんか?”とか裏設定を知っているっぽい。
ちなみに、スコード教ゲル・トリメデストス・ナグ法皇ノレド・ナグさんと名字が同じなので親戚かもしれない。クンタラは差別階級だけど皇族もある意味差別されてるかも〜みたいな裏設定なんですかねえ。トリメデストスってのはいかにも法皇の洗礼名っぽいんだが。本名がゲル・ナグだったらゴーショーグンのケルナグールみたいだな・・・。

  • イザネル大陸の外交官のパーティ

外交パーティーの警備のバイトとしてルイン・リー先輩とベルリ・ゼナム君が呼び出される。ベルリについて調べたいクンパ大佐が裏から手を回したのかもしれないけど、養成学校でトップの成績の二人だから社会勉強をさせたいとかコネを作っておきたいという官僚サイドの青田買いの思惑もあるだろう。
外国の外交官に「若い学生でも立派に仕事ができる我が国の人材力」をアピールしたいという面もあろう。世界人口が激減しているので人材とか教育を受けたモビルスーツ騎士の価値は現代よりも高いかも。
人材力を外交でアピールしたいというのは、∀ガンダムのグェン卿がわざわざ大学入学前の男子のロランを女装させて「女性でもパイロットが出来ますよアピール」をしたのに通じる(趣味もある)。ターンエーガンダムではハイムの旦那様がロランを鉱山からスカウトしたりしてるし、それ以前の富野ガンダムの少年兵も現地徴用兵なので人材の青田刈りはガンダムの伝統。
それについて、クンパ大佐が褒めるんだが、ベルリの母のウィルミット・ゼナム運行長官は「負けず嫌いで手が早いだけで」と謙遜する。それを受けてベルリは「母の期待に応えようとすればこう成ります!」と答える。つまり、ベルリは「母も負けず嫌いで手が早い女傑なんですよ」とユーモアを言っているんだが、それに被せてクンパ大佐は「長官の御気性こそ、御子息には毒のようですな」とさらにユーモアを返していてハイセンスハイソサエティ。そして、長官は「嫌ですよ、ウフフ」と田中敦子少佐ボイスで応じながら、しかし女性らしく大佐に手を握らせてエスコートされてパーティ会場に入場。ちなみに、運行長官はシングルマザーである。なので、公の場で男性のクンパ大佐にエスコートされてみせるのはシングルマザーの高級官僚としての体裁でもあるので、この二人の熟年の関係もいろいろありそう。
「女が男を褒める文化」の世界でトップエリートに上り詰めた運行長官は「女は若いうちは男を褒めて結婚したら家事をやっていればいいんだ文化」と戦ってる人だと思うが、戦って負けるでもなく、男に成りすますでもなく、公の場で「女性としてエスコートされる」そぶりを作りつつ、仕事もバリバリやるし外交パーティーを仕切るのでジェンダーが一筋縄ではないキャラクターの練り込みになっている。
そういう女傑を描いた後に、臍とおっぱいを強調した何故か中華風の踊り子のラインダンスをイザネル大陸の外交官に見せるショーをやるので、フェミニズムだけでもなく、やっぱりお色気も好きと言う多重性をだな。
イザネル大陸の外交官は未来だからなのか、アフリカ人にしては白人ばかりなのだが。パーティー会場には東アジア人顔の人もいるし、セントフラワー学園やキャピタル官僚や軍人には黒人もいる。キャピタルテリトリィは南米エルライド大陸北部、カリブ海からアマゾン川流域に至る国土にある。キャピタルタワーは赤道直下にある。なので、常夏。
法皇様が先にパーティ会場に来ていて、花火が見たいと言う理由で早く来た外交使節団は運行長官を待っていてた。それに気づいたウィルミット・ゼナム運行長官は慌てて走って行って挨拶して、踊り子たちを出させて、外交使節団にクンパ・ルシータ大佐を紹介するんだが、大佐は運行長官と外交官をスルーして法皇様の背後に回る。
大佐、挨拶を返さないので割と外交官に対して失礼なんだが。
運行管理局と、調査部と、スコード教の僧侶と、アーミーと、外国人の力関係が不安定と言う伏線かもしれない。キャピタル・テリトリィ国家元首であるビルギーズ・シバ首相は外交パーティーには来ていない。ここら辺もどう描かれるのか。
3話でもクンパ大佐は黒幕ぶってゼナム長官に対して失礼な行動をするんだが、長官はいつかキレるかもしれない。


  • 宇宙海賊襲撃!

ミノフスキー粒子が散布されたぞ!要人が集まる外交パーティーをぶち壊しにするタイミングなのは黒幕が手引きをしたのかもしれないんだけど、攻め手の宇宙海賊カーヒル大尉とジョバンニはMSグリモアと飛行マシーンの3機ずつという小部隊で来ているし、目的も外交団の殲滅ではなくアイーダの奪還ぽい。
(まじっく快斗なら、パーティーの花火が黒幕による宇宙海賊への攻めるタイミングのサインと言うトリックが明かされるのかもしれないけど、ガンダムはスルーするんだろうなあ)
宇宙海賊の末端戦闘単位であるカーヒル大尉自体はアイーダを救出したいという気持ちなんだが、1週間を開けての攻撃が、なんでわざわざ警備がいつもと違う外交パーティーにぶつかったのか、ドラマを盛り上げるためなのか、黒幕の思惑なのか…?とりあえず、中立国のイザネル大陸の外交官には「アメリアが攻めてきている」という印象を与えることに成功した。私掠船部隊の末端戦闘単位の感情を外交に利用するとか、戦争の描き方のレイヤーが深いっすねー。
雑誌に載ってた裏設定ではカーヒルがキャピタルタワー制圧作戦の立案者と紹介されているが、本当はどんなもんだか。そそのかした人がいるのかもしれない?たった3機で首都制圧は素っ頓狂すぎるでしょ。カットシーを圧倒してたけどさ。


ターンエーガンダムでもパーティ襲撃が伏線になったので、パーティーはぶち壊されるもの。
ブレンパワードのカント君のパー券は破られるし、F91の学園祭もクロスボーン・バンガードに襲撃される。リガ・ミリティアも結婚パーティーを利用して暴動。ザンボットでも「誕生日の死闘」・・・。富野アニメにおいて「パーティis危険」というお約束や掟があるっぽい。
相手の顔に泥を塗りたいときは最悪のタイミングでやろう!まあ、パーティis襲撃ってのはケネディ暗殺からの伝統でもある。アルドノア・ゼロとか。007もそういうところあるし。


あと、なんかよくわからんけど、記憶喪失中のラライヤ・マンディが「囚人の塔」を「おうち!おうち!」って呼んでたけど、幼児退行して屋根のあるものをなんでもおうちと言うのか、それとも囚人の塔で実際育てられたのか?審議中ですね。

そして、ラライヤ・マンディノレド・ナグとノベルはマニィ・アンバサダが運転する大型二足歩行メカのシャンクでパーティ会場場所に向かうし、そこに小型シャンクでベルリとルインも来て鉢合わせする。当初の予定では「カッコよく会場を警備してる彼氏を見に行って褒めよう!」という「女is褒め」の予定だったと思うが、海賊が来たのでなんか心配して出てきた感じになってしまった。


で、ルインとベルリには「囚人の塔か25番ハンガーの警備に行け」って言う命令が下される。多分、クンパ大佐あたりが出した命令だと思うんだが。どうでしょうねえ〜。
めちゃくちゃロールプレイングゲームっぽいんだが。選択肢アドベンチャーゲームですよ。ダンガンロンパですよ!
で、「25番ハンガーには海賊のモビルスーツがあるよ!」ってルインが冒頭で言っていたので、主人公は「では、何があるかわからない囚人の塔の方に行ったら新イベントが発生するんじゃないのか?ヒロインがいるんじゃないのか?」って考えて囚人の塔に行く。エロゲ原作アニメかよー。天下のガンダムがエロゲ脳…。いや、天下の出崎統監督も晩年はエロゲアニメ監督だったんだ!エロゲisヤングアダルトコンテンツ!Fateエロゲーから息が長いですからねえ…。ToHeartのアニメも評価が高いし。


「女の力でー!」
完璧にマリオの横スクロールアクションですわ。


グリモアが桟橋を破壊しているけど、橋の端は破壊されないから通れるよ!マリオだ…。


コの字型のダンジョンになってダミー階段のある囚人の塔。ドラクエだ…。
兵士の目や爆撃のタイミングを避けて進もう!ロックマンだ…。
ロボットがダンジョンの天井を破壊しました!新しい道が出来ました!ヒロインが居る!がんばれゴエモンだ・・・。


ちなみに、アイーダさんの「G-セルフです!」「私が名づけました!(ドヤァ!」もポケモン感覚。
72歳の富野由悠季監督がこんなにゲーム脳丸出しの展開をするとか、日本はどうなってしまうんですかね。ヤング視聴者を開拓しようとしたんでしょうね。ゲーム世代に受けるといいですね!


  • 女の戦い

アイーダ・レイハントン(自称)が「ベルリ・ゼナム君!」と呼ぶ声がする!ヒロインイベント発生!
で、アイーダを見た次の瞬間にノレドは「こいつくぁ〜〜〜〜!!!」と即ガン切れしてハンティング用のパチンコを引き絞る。好戦的過ぎるよ!
まあ、女海賊は実際犯罪者だし、ベルリやノレドたちを1話で襲撃した悪い奴なので怒ってもいいんだけど。グリモアカットシーの戦闘で囚人の塔が壊されてアイーダが壁に引っかかったベッドごと落下しそうな姿勢って分かる前に、とりあえずノレドはキレるので、頭より先に武器が出るタイプ。富野設定では、パチンコを持っているのは生まれながらにクンタラとして差別されて日常的な暴力にさらされているノレドが生存本能として持っているから、らしい。
まあ、1話でも蹴られているしデカ鼻先輩からは性的対象として日常的にセクハラを受けているので、こんな子に成ってしまうのも仕方ないのかなあー。
ベルリがアイーダを助けに行くので、一旦はパチンコを戻したノレドだが、アイーダがジタバタしてベルリの救助を待たなかったので、ノレドは「お尻を出さない!」と注意するという名目で暴力パチンコ。
弱めに当てたと言い訳するが、最初からキレていたので暴力の名分が欲しかっただけなんだろうな…。切っ掛けがあると暴力が炸裂する。それが富野アニメ!小説だとSMプレイになります。
でも、ノレドに怒られて言うことを聞いたり、おとなしく主人公の助けを待つだけのお姫様ではないので、アイーダさんは「オラー!」って壊れたベッドから壁に飛び移ろうとします!強いプリンセスを描くのはアナ雪っぽいですね!でもアイーダさんはポンコツなので失敗してベッドも壁もぶっ壊れて、ベッドは池に落ちます。あーもうめちゃくちゃだよー。ベルリはカッコいい王子様ごっこに失敗。
でも、アイーダさんはノレドの胸の中に飛び込みます。百合!でもアイーダさんはポンコツなのでノレドもアイーダも大転倒して「あんた、強くあてたでしょ!」「本気で当てたらあんたのお尻に穴が開く!」と、きれいな百合にはならず穴行き口論…。エルガイムのレッシィとアムの口論より、今のところギャグセンスはありますね。ノレドは1話ではラライヤと優しい感じでガールミーツガールをして仲良くなったけど、アイーダとは恋敵だから女の戦いが発生します。でも富野アニメの幼馴染でこれだけストレートに「好き好きアピール」をしてる女子は意外と珍しいかも。フラウもファも微妙に屈折していたし。ノレドさんには幸せになってもらいたいものだ。
ちなみにベルリは普通に上の階から壊れた壁を伝って降りてきます。あ、この落差の描写はアッサリなんだ…。

  • 王子様になれるのかベルリ

塔から落ちる姫を助ける王子様行動に失敗したベルリですが。
アイーダ・レイハントンさんが自分の名前を憶えていてくれて「G-セルフを動かした飛び級生」と評価してくれるので、また調子こきます。
女に気を取られて調子こいて女に褒められたいんだよ!男は!
という熱い欲求を感じる。親がエリートでモテモテエリート学校に飛び級してノレドに好き好きアピールをされている超モテ主人公のベルリ・ゼナム君はモテすぎてモテ感覚がマヒしているのか、「謎の女宇宙海賊」という地雷案件に突撃します。あーーー。
「女に褒められるisグッド」っていう価値観を冒頭から日常描写として繰り出されている2話なので、地雷案件女に突撃するベルリのギャルゲー脳行動もあまり唐突と言う感じは、しない、かな?まあ、薄めようという努力は感じる。
王子様はお姫様にアプローチするのが物語としての最低限のお約束なので、お姫様がどんなに怪しげな地雷案件ポンコツ女でもアプローチしなければいけないのです!その説得力を出そうという努力は評価したい。
そして、王子様は国家の代表選手でもあるのでアプローチに絡めて姫に政治の話をします。
Q.「何であなたのような人が、宇宙で海賊なんかをやるんですよ?」(口説き
A.「地球上に太陽光発電のパネルを張ればいいのに、キャピタルはそれを禁止しています!それって独裁でしょ!(ドヤァ!」


で、言い返すベルリ
「地球

突然のロボット戦闘!

〜だからなんですよ!」

突然のビンタ!

アイーダさんはポンコツなので、口説かれてもビンタですよ。あー。ベルリの政治議論をロボ戦闘で有耶無耶にするビンタ!
ターンエーガンダムでソシエちゃんがビンタされるところでも、謎の牛で理由が有耶無耶にされた。女のビンタには理由は必要ないのだ!それが女の暴力!)
伏線でもあるんだろうけど。


で、エロゲーで言う所の「頼れる同性の友人」のルイン先輩が都合よく助けに来てくれて「あなたを解放しろと海賊から通信があったんです!」と都合よく情報を提供してくれて、エロゲーヒロインぽくアイーダさんが「カーヒルが来てくれた!(ポワヮ〜」とメスの顔をします。


ベルリ王子様に成れなかったね…。
アイーダさんはカーヒルの攻撃のせいでさっき死にかけたのに、ポンコツなのでメスの顔をします。で、ノレドはアイーダが死にかけたことについて「宇宙で海賊をやったら、そりゃー死刑でしょ」って「死ねよ糞女」と言います。正論。

  • 隠れた王子様

25番ハンガーにモビルスーツがあるってアイーダにばれるところの情報台詞も巧みなんだが、ルイン先輩は壊れた橋を徒歩で歩いてきたので、メカでは渡れないって言います。

突然のケルベス・ヨー

飛行マシーンに乗ったケルベス・ヨー教官が壊れた橋の代わりに一行を都合よく助けてくれます。
マニィが一瞬落ちそうになって、彼ぴっぴのルイン先輩がメカで助けるんですが、ケルベス・ヨー教官はそういう危ない飛行状況でも教え子たちにシートベルトを締める前に状況を説明するために飛行機のコックピットを開けて話してくれます。
優しい!!!
「女に褒められたい!」っていう男の気分が共通しているんだが、ケルべス教官はデレンセン大尉殿が「海賊のモビルスーツを動かせ!」ってベルリに命令する伝言を忠実にこなす。
女に褒められなくても、仕事をきちんとするし、ガールフレンドのいない連中のこともかんがえてやれる。
締め直したシートベルトもまた外して教え子に声掛けをしてくれる。
そして、ケルベス・ヨー教官は金髪で下まつ毛が長いのでイケメンの記号なんですね。エリートモテ学校を卒業して就職するエリートキャピタルガードの教導士官だし、実際有能だ。アーミーの兵士が逃げていてもてきぱきG-セルフの起動準備もしてくれるし、指示出しも上手いし。
そういうわけで、ケルベス・ヨー教官は腐女子人気が爆発するわけです。ガールフレンドいないしな(ボーイフレンドがいないとは言ってない)。
「女にモテたい!褒められたい!」という男社会の中で、「俺は女に関係なくても仕事をちゃんとするからね」というイケメンの価値、尊い
しかし、ケルベス・ヨー教官はモテるけどメチャクチャ面食いか、スゴイ性癖があるのかもしれない。
男の娘が普通に女子校に馴染む世界観なので、どの程度変態性癖が許容される文化圏なのか、未来だしちょっとわかんねえな。

アイーダにめちゃくちゃ惚れられてるカーヒル・セイント大尉、名字がセイントだし黒いグリモアに乗った大人の王子様だ。(クリム・ニック君は大統領の御子息だがポンコツ姫にも相手にされないオタクだ)そんなカーヒル大尉がベルリたちの25番ハンガーまで、一個一個ハンガーを潰してだんだん迫ってくる。
だんだん迫ってくるライバル王子って言うのが、プリンス・オブ・エジプト感ある。映画的です。全盛期のクラシックコレクションも歴史映画っぽい。歴史を一瞥するところで、カーヒル大尉のインテリっぽい大人の王子様みたいな、鳳暁生カー的なアダルトな落ち着きを感じさせる味わい。
対して我らがベルリ君は、もう一回落ちそうになってるお姫様を助ける王子様行動をします。お姫様は落ちるもの。
でも、アイーダさんを引っ張り上げる時にアイーダの背中の素肌(パンツは履いてないかもしれない)を見て照れる。で、それを隠そうとして虚勢を張って「僕だって(G−セルフを)動かせるんですからね!」と落ち着きが無い。G-セルフの起動実験の事をペラペラしゃべるのも落ち着きが無い若者っぽさを感じる。
黒MSに乗ったカーヒル大尉のアダルト大人王子様ぶりと、ベルリ君の若い王子様ぶりの対比になってる。
あー、ピンク髪女はこういう大人王子様にコロッとやられちゃうよね。ウテナ33話とか。わかる。
でも、ベルリ君がG-セルフを動かすと「カーヒル大尉にも、クリム・ニックにも動かせなかったのに!」って感心して、「車に乗ってるイケメンにコロッとやられるピンク髪」のテンプレ行動をして。あー。もう、ピンク髪なんだなーって。若者の車離れを食い止めようとする富野アニメ!
カーヒルとベルリの間でアイーダはフラッフラする。


そのフラフラ心情をなぞるかのように、G-セルフのコックピットハッチを閉めないまま、カーヒル大尉とジョバンニの攻撃を受けて、アイーダはまた落ちそうになる。お姫様は落ちるもの。もう、しつこいなあ。
微妙にシールドの陰になってカーヒルは落ちそうなアイーダが見えなくて「アイーダさんがバックパックを背負って動かすか!敵対行為!」と森川智之イケメンボイスで名言を吐いてG-セルフと戦う。ジョバンニはG-セルフカットシーと見間違えて発砲!戦闘では優勢のグリモア部隊のジョバンニも敵の機体の形が分からないくらいテンパってる。
ジョバンニのグリモアを頭部高速レールガンで撃破するG-セルフ。機体の頭部が爆発したジョバンニは王子様ではないので生死不明。
そんな部下に引っ張られたのか?カーヒルグリモアG-セルフに殴りかかる!
「そいつをキャピタルに渡すわけにはいかんのだ!」という大人の論理ですが、「口実があれば暴力が炸裂する世界観」っていう伏線をノレドがやってるので、それの延長と言う感じもある。
みんなちょっと興奮している。
なので、ここでカーヒルが大人の王子様としての振る舞いを捨てて暴力男になった時点で、彼は王子様としての資格を失います。王子様でない人間は、死にます。
「女に褒められたい!」と言う世界なので「褒めてくれた女が俺に逆らうなんて!」と、かわいさ余って憎さ百倍でもある。女に褒められたいという動機付けの演出が連続しているので、その動機づけが逆回転した時に酷いことが

  • ロボと人間とは

グリモアの左ジャブの連打は、ちょっと笑えたけど、νガンダムも連打してたし…。そもそもロボットは高速で繰り返しコマンドができるものです。トヨタとか。F91でも入力したら途中からオートでモビルスーツは動くって説明していたし。


むしろロボットが自動的に動く、って言うのがG-セルフグリモアのコックピットを正確に焼き殺すことの伏線の説得力。やられたらやりかえす。そして、G-セルフは3話でも見せたようにベルリが触ったり興奮すると生体反応を読み取って光るようだ。光るのはフォトンバッテリーなのでマシンパワーに直結している。


そういう、ちょっとユーモラスにも見える機械の自動的な挙動が、考えなしに人を殺すことになる。コワイ!
機械は人型をしてるけど機械は機械だよね。
富野監督は実寸大ガンダムが建設された時「ガンダムは兵器だけど、色が白と赤青黄で玩具っぽいから大衆に愛されるんだね」とコメントを述べたんだが、猫耳っぽくて目が大きくて一見かわいらしい見た目で姫様にポケモン感覚で名前を付けられたマスコット的なG-セルフが「自動人形」として殺人をする。
グリモアが撃破されるところの作画の打ち合わせがG-のレコンギスタの先行上映の特典BDの「富野由悠季から君へ」というメイキングドキュメンタリーで撮影されていた。富野監督は「ビームのマズルフラッシュが派手すぎると、中の人間ではなく機体をのものを壊したように見えるから抑えて」とリテイクした。
なので人を殺したんだな、ということが自覚的に演出されているわけだが。
ダメ押しで、「パイロットが即死しているのに、マシンのグリモア機械的に左手で受け身を取るが、次の命令が無いので停止する」という、人が死んだ後にもマシンが動くということで、人型ロボットの気持ち悪さを表現している。だが、そこで「人形とは…」というバーチャルリアリティーな所に行くのが押井監督で富野監督は「人を殺したぞ!」というリアルな地獄に行く。

  • 人殺し

1話でベルリは海賊行為をしたアイーダがデレンセン教官にビンタされても口論している時、「そう言う気分でいるから、人殺しをするようなことになるんですよ」と(なに言ってんだこいつ)みたいな上から目線の独り言を呟いた。
そんなベルリがマシンのオート機能とは言え、戦場に出て交戦をした。2機撃墜。1人は確実に殺した。
はじめたいキャピタルGの物語」の主人公のベリルは小説媒体でもあるので優等生で内向的で独り言が多いキャラだったが、Gレコのベルリ・ゼナムでは明るく外交的で活発な性格に変わった。
そんなベルが1話で唯一言ったポエムが「そういう気分でいるから〜」なんですが、その頭でっかちっぽい認識が、認識が追い付かないままやっちゃった決定的な暴力の実感のない事実に直面して、やられるかもしれない。
ちなみに、初期案の「はじめたいキャピタルGの物語」ではポエムの内容がちょっと違う。「なに言ってんだてめえは!」とは言われている。
で、「なに言ってんだ」発言を1話のラストでやったベルリがアイーダに「カーヒル大尉を生き返らせて下さい!」というもっと「なに言ってるんですか!」という激昂をぶつけられて、「庇ってやった」と供述するが、それでアレかよ・・・。


僕も身内が何人か目の前で死んだことがあるんだが、人が死んだ直後って結構理不尽なことを言いますね。わかるなあ。
しかも、物語としてはベルリが先に理不尽発言をして、それがブーメランするという構図なので現実よりも整理されてますね。分かりやすい。
また、ベルリがG-セルフを動かした時にカーヒルとベルリって言う二人の王子様の間でアイーダが揺れるというラブストーリー展開があるので、愁嘆場が単なるアイーダのカーヒルに対する悲恋だけではなく、「わたし、普通にカーヒル大尉とベルリを比べたら普通に失恋して普通にベルリに乗り換えられたかも、好きになれたかもしれないのに裏切られた!」という感情にもつながってる。
「女が褒める」という展開を繰り返して、最後に「褒めてあげてもいいと思ったのに男に裏切られた!」という女の号泣で締めるという逆転の演出が光る。恋愛脳とかギャルゲーとかゲームみたいな若者の発想に近い冒険劇、落ちるお姫様と助ける王子様の繰り返しの御伽噺をやった後に、全部ぶち壊しにする。


ケルべス教官とルイン先輩、ノレドとマニィはベルリの味方になってくれたから救いはあるが。しかし、泣き叫んでいるアイーダをベルリから引きはがすこともしなかった。(それは調査部がやる)
アイーダポンコツだというのはある意味笑える展開だというのだが、笑ってると笑えないことになって、笑いの位置エネルギーが混乱させられてインパクトになる。うーむ。匠のシナリオ。


1話は四角形の動きを多用した後に「回転」で動きのインパクトを出したが、今回はシナリオ面で逆転劇を作っています。逆転劇は爆発力です。
そう言う風に、毎回ごとにテーマを見つけていきたいですね。



そして、怒るでも泣くでも褒めるでもないラライヤ・マンディとは・・・。


つづく!

  • 放送局

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