玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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【第一話】さらざんまいは男を救うプリキュアになれるか?

 幾原邦彦監督54歳の最新作の『さらざんまい』「第一皿:つながりたいけど、偽りたい」が放送されてしまった。俺と20歳も違わないのに、この才能の差よ。
 輪るピングドラムも8年前の作品である。シスコンなのでBD全部買った。ユリ熊嵐は見てたけど、マリみてが終わったあとの俺は百合からちょっと距離をおいているので買ってない。シェルブリットとノケモノと花嫁は買ってる。


 ちなみにこのブログは怪文書です。
さらざんまい 公式スターティングガイド


 ところで、さらざんまいはプリキュアですよね。Twitterで「さらざんまい プリキュア」で検索するとさらざんまいはプリキュアだと言ってる人が多い。僕もそう思う。


 本家のプリキュアより、ちょっと展開が早くて信号機トリオの変身中学生主人公たちが8話ではなく1話で強制的に心を通じあわせてしまうけど、突然謎の生き物と出会って変身して謎の怪人(多分毎回声は同じ)と戦って急に自分の意志と関係なく歌うという構成は実にプリキュアです。


 ただ、問題は彼らが 男の子 だということです。
#1 つながりたいけど、偽りたい



HUGっと! プリキュア オフィシャルコンプリートブック (学研ムック)

 これはHugっと!プリキュア幾原邦彦監督の先輩筋の佐藤順一監督が母性のプリキュアを監督したことと関係があるのかもしれないし、無いのかもしれない。はぐプリでは男性のプリキュアも登場するし、全人類がプリキュアになれるという感じだったが、本当にそうか?はぐプリの男性プリキュアのキュアアンフィニくんはトランスジェンダートランスヴェスタイトという感じで文化コードとしての女装に近いプリキュアだったと思う。


 さらざんまいは文化とか理性ではなく、肉体としてのホモセックスです。男というか、オスです。ペニスです。尻子玉は肛門の奥にあります。アナルにスカルファックで敵を犯します。
 Hugっと!プリキュアの最終回で野々はな氏は赤ちゃんを膣から放り出して未来を作りますが、女性は子どもを生み育てることで人類に生物的に貢献して種としての未来を作ります。だけど男の子にはマンコがない。可愛い未来を生み出せない。はじまらないしおわらない。代わりに有るのは尻子玉というか前立腺。ケツマンコからは未来を生み出せず、欲望でつながりたいといきり立つだけです。
 男っていうのはそういう生き物なんだよ!



 生物の定義的にも子どもを産めない、生殖に関わることができないつながれないオスは生きていて同時に死んでいるのと同じなのです。しりあがり寿の方舟です。子どもを作らないセックスみたいなものだよ!
※追記 ケッピが蛙と間違えられるとカッとなって尻子玉を抜くのは、神話においてカエルが多産の象徴で家族に結びつくからなのかもしれない。単なる見た目かもしれない。


 そんな未来のないオスたちがプリキュアになれるんか????という幾原邦彦54歳の熱い問いかけがさらざんまいだと思う。


 欲望か、愛か。


 ペニスを他のオスの肛門かメスの膣に挿入したいというセックスのメタファーの東京スカイツリー的な男の子特有のお気持ちは欲望なのか、愛なのか。放り出すのは浅草のシンボル金のうんこなのか、未来なのか。


 裸になって箱をかぶりたい男の欲望や箱に猫を詰めたい男の欲望は愛ではない欲望なので主人公たちの敵になります。じゃあ、カッパ三人組は愛の使者なのかというと、そういうわけでもなくて、「手放すな、欲望は君の命だ」と言うわけで、愛は欲望に内包されたベン図関係なのです。まずつながりたいという欲望がちんぽというか前立腺の尻子玉でむくむくと発生してから、それが愛になるかどうかというのが思春期のオナニーのことばかり考えている中学生男子です。そんなやつがひらひらと可愛いアイドルみたいなプリキュアになれるわけ無いだろ!この女装癖が!気持ち悪いんだよ!お前が本当に変身するのはぬるぬるのカッパ!

放課後カッパー

放課後カッパー

  • アーティスト:さらざんまい
  • 出版社/メーカー: Aniplex Inc.
  • 発売日: 2019/04/12
  • メディア: MP3 ダウンロード


 最近はトランスヴェスタイト(異性装)に対する理解というか、他人に迷惑をかけない限りホモとかレズとかをいじめるのは良くないんじゃないかという社会的な流れができているし、そういうジェンダーバイアスは滅べと公言してもいいと思っている女性漫画家が芸歴35年だったりする。で、幾原邦彦監督が作った少女革命ウテナ美少女戦士セーラームーンSとかもそれを文化的に後押ししてきたと思う。
少女革命ウテナ Complete Blu-ray BOX(初回限定版)


 その本人のイクニが「いや、トイレで女装する男子中学生とか、そんなの誰にも知られたくない恥ずべき行為だと思うだろ」って描いているのがすごい暴力的ですごい。っていうか、やっぱり男はキモいだろ・・・。ウテナ様は美しいから男装しても麗人だけど女装自撮りはキモいよ・・・。(まあ、もちろんこれも後々伏線として燕太とか春河(声は釘宮理恵さん!)とつながるために本人なりに必死にやっている何か大切なサムシングとして描かれるだろうけど、今回の時点ではやっぱり女装はキモいし恥ずかしいしギャグっぽいと描かれている)


 ちなみにこの怪文書を書いている僕も高校の演劇部のステージで女装して濡れ場を演じたら本当に女子かと思われて滅茶苦茶怒られて部活停止になったくらい、当時は可愛かったんですよ。今はアイカツおじさんだけど。女装は怒られるの!(まあ濡れ場の段取りが悪かったのと、男役が俺にがっつきすぎたのも良くなかったんだけど)


 いや、本当にこのアニメはぎりぎりのラインを責めているというか、尻子玉はそもそも水死体の肛門が開いていることから河童に抜かれたという俗説が出た妖怪なんですが、肛門を責めまくる男たちって、ゲイすぎるというか百歩譲ってゲイでもいいとしてもアナルは汚いじゃないですか。諏訪部順一も肛門から河童を産むし。赤ちゃんを生むとか、プリキュア的な幸せな感じじゃなくて肛門から妖怪を出すとか、普通にキモいだろ。キャラ作画の幼目の絵柄と河童のマスコット感でギリギリ吐き気を抑えて、背景美術とかのロケハンしてるけど適度に水彩タッチの優しい感じでマイルドで可愛くしているけど、アナルですからね。そしてこれからもゾンビのアナルを責めて尻から欲望の前立腺の塊を抜くのが毎週のノルマになるのかなー?(まあ、ピングドラムのバンクはバンクって言うほど毎回やらんかったけど)


 注意してほしいのは僕はこの怪文書を通じて実際のゲイとかアナルセックス愛好家を攻撃したいわけではなくて、なんだろう。プリキュアがマスコットと一緒に子育てしたり悪い敵を愛で浄化するのと同じようなことを男がするとこうなんだっていう男のどうしようもなさみたいなものを感じたので。
 魔法少女俺の筋肉とか俺、ツインテールになります。の女装コスプレよりももう1段階踏み込んで、女の子なら許されるプリキュア行為を男がするとどうしようもない感じになる切なさみたいなのを、描くのではないか。つまり作られたジェンダーとか社会の目も気にしつつ、概念としての「男が可愛くなるとどうなるのか」というか「男とは」を幾原邦彦監督は考えてくれているのではないかと思う。小説のシェルブリットはすごいマッチョだし。(まあ、あの小説は女もマッチョだったんだが)
シェルブリット サナフス68
シェルブリット I ADEN ARABIE (角川文庫)

 ユリ熊嵐は男は諏訪部順一の概念くらいしか出てなくて女を突き詰めて愛情とか空気とか女性同士の同質化とか、まあ、そういう感じだったけど、今回は男で行くんじゃないかと。
ユリ熊嵐 Blu-ray BOX



 でも、多分この作品は成人女性向けだと思う。ノイタミナだし。プリキュアは女児とおじさん向けで、おじさんは百合とか女性同士の関係を楽しみます。僕も東武動物公園キュアムーンライト先輩に握手してもらったし。(しかし、大学時代に一緒にコミケふたなりプリキュアを買いに行った友達が「娘ができたからプリキュアの映画を合法的に見れた」と言う父親になったのを聞かされるとブレンパワードのクインシィみたいなお気持ちになるな。おじさんだけど)
 で、さらざんまいは男女逆転したプリキュアみたいなのを、ウテナ世代のBL好きのおねえさまがたが鑑賞なさるのを効果として狙っているのでしょう。(深夜なので男女逆転プリキュアでも男児は見ないと思う。ニチアサの鬼太郎とスーパーヒーローを見てると思う)
 ですが女性の書くBLのやおい穴の清潔感とはまた違って、四つん這いの男の肛門に突っ込むみっともなさとか汚さとか肛門から排出される欲望のヌルヌルした生々しさとか、そういう男の哀愁をBLへのカウンターとして描くわけなんじゃないかなあと思います。
レオとマブ~ふたりはさらざんまい~ (バーズコミックス ルチルコレクション)

 それは単に服装が女装だからとかひらひらしている感じだからとかじゃなくて、「男がそれをやらざるを得ない切迫感」のようなみっともなさと紙一重の必死さというか、そういう感情を通じて男という生き物を逆襲のシャアを作った富野監督より年上になってしまったイクニが描いてくれると思うんだなあ。島本和彦の熱血パロディ漫画路線とはまた違った方向性での、男という生き物。
 「知られて困るような秘密を持ってるやつが悪いんだーーーっ!」からの女装バレで親友に「俺達は変わらないよ」フォローからの「俺はおかしいやつなんだ!」という必死さ。自己を作るためのエゴかなあ・・・。でもつながるための女装なんですが。
オリジナル・サウンドトラック 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 完全版

美少女戦士セーラームーン プリズムステーショナリー 指示ボール ウラヌス&ネプチューンセット


 んで、女性はレズでもウラネププルがほたるちゃんをそだてる家族だし、精子バンクでレズ妊娠出産ができるんですが。男はホモ精子バンク代理母出産してホモカップルをして、それはつながりと言えるのかどうか。男は前立腺の尻子玉から欲望に反応して精子を射精する生き物なので、それは愛情とか家族とか、そういうプリキュア的なキラキラした明日なのか?
 ザーメンティッシュの欲望をゴミ箱に詰めて隠すみっともなさが男なんじゃないのかと言う。まあ、女性もね、ナプキンは汚いですけどね。僕は以前ホテルの仕事をしていたので(本当に俺は職を転々としているなあ)
 でもなんか女の子は家族とか赤ちゃんとかに近くて、男は遠いなあというのは生理的にそういう風に作られている結果からの影響にすぎないんですが、やっぱり自由主義が流布しても生物学的な機能からの影響はなくすことはできない。と、思う。


 そういう男の気持ち悪い欲望とか必死さとか自分ルールへのこだわりとかみっともなさをウテナ世代のBL好き女性に見せるのは、なんなんだろう。露悪的な不潔アピールではないと思うというか、もっと概念としての、男の欲望がつながりたいんだけど、女の子ほどしっかりしたつながりを信じられない切なさみたいなのかなあって思う。



 つながりといえば、映画の大ヒットを受けてテレビシリーズがそろそろ放送されるキングオブプリズムについて、まさに僕はつながりがテーマの映画だという感想を書いた。


nuryouguda.hatenablog.com


 ざっくりいうと、アイドルのヒロ様が大会でキングに即位する話なんだけど、それにむけて仲間とのつながりとか、母親とのつながりとかが有るのがキンプリ。で、キンプラでヒロ様はアレクの奴隷制による破壊と、カヅキ大統領による国土再建とルヰと女神のプリズム宗教的承認、というながれのつながりで王位を戴冠したわけですが。
 大ヒットした映画のボヘミアン・ラプソディもゲイが恋人や仲間や父親の宗教やチャリティの社会的ステータスでサクセスする話なんですが。



 つまり男の子もヒーローやアイドルや王子様になって王様に成れば社会的な地位を確立してつながりを実感できるのですが。(異世界転生ものも現実では社会的に認められないけど異世界で自分が社会のルールになることで褒められが発生する、みたいな構造が有る)
 20年以上前に女の子を王子様に憧れさせて、王子様のシステムからの脱出を描いた幾原邦彦、男の子がプリキュアになるような構図のアニメで、男の子を王子様にせず、生きているのか死んでいるのかわからない妖怪のカッパにする。
 Hugプリの最終回の前の男プリキュアは戦士とか王子様みたいな感じだったけど、そうしない。
 だから、カッパに変身は社会的にかっこいい認められた存在ではなくて、逸脱した、妖怪だけどかっこよくもないちょっと間抜けっぽいアレ。


 カッパは亀に似ているので、やっぱりこれも男根のメタファーだと思うんですけど、思春期のオナニーのことばかり考えている中学生男子のペニスのザーメンは受精しないので、そういう意味でも赤子育てるプリキュアより、つながりが不安定だし、生きているのか死んでいるのか不安定な領域。


 それでハコゾンビの欲望も、まあ、愛じゃないですよね。愛とは他者とのつながり、他者の尊重、みたいなそういう文脈で幾原邦彦作品で語られてきたわけですが。
 裸で箱をかぶりたい欲望とか猫を箱に詰めたい欲望とか、愛とか家族を作ることとか未来に繋がらない系の倒錯した実らない欲望ですよね。それが敵なんですけど。
 BLに親和的でも有るウテナ世代の女性がターゲットでもあるのだけど、BLってやっぱり実らないじゃないですか。だって男は卵や果実を持っていないわけだし。ハコゾンビのアナルにスカルファック決める主人公たちもある意味BLセックスしているんですけどそれは実らない。でも、それを通じて心が通じ合う。心が通じ合うけど、特殊性癖の隠したいみっともない部分が通じてしまう。


 さらは脳に近いというメタファーなのかなあ。かわうそは河童に近い川の妖怪というくらいしか今のところよくわからない。


 そういうわけで、ロスジェネ世代の非モテ論争の時代を家族を持たないまま過ごしたおじさんとしては、このさらざんまいという作品は、まあ、基本的には女性向けなんだろうけど、実らなかった人生のおじさんおたくとして感情移入と多少執着を持つ感じになります。


 と言うかむしろ、輪るピングドラムで高倉兄弟の自己犠牲によって陽毬の家族が再生されたわけですが、家族を持つこと自体が社会的ステータスとか格差とか、(かつて批判した王子様のような)社会システムの一部になってしまった平成の終わりに、
「輪るピングドラム」 Blu-ray BOX【限定版】

 つながれない、実らない欲望を抱いたまま社会から隠れて箱という匿名性で顔を隠したおじさんを最初の敵として、(アマゾンの箱はどんなエッチなものでも隠してやり取りされる)つながりたいと願う少年を主人公に「男」というやっぱり生理的につながれない性質の生き物を描くさらざんまいは幾原邦彦作品としても自己批評的だ。
 また、欲望フィールドが普通の人には見えないというのも、社会から逸脱した、(悪というほどではないのだけど、社会に認められていない)汚い欲望を隠した空間で、それは家族ではないという描き方も、アマゾンほしいものリストから読者さんにオナホールを箱詰めで何個ももらっている僕に刺さった。だってオナホール気持ちいいじゃん。

  • 男は救われるのだろうか

 で、これは多分、キンプラのような王子様が王様になるためのサクセスストーリーでは無いと思う。王子様に変身しないし。変身するのはカッパだし。いや、ケッピはカッパの王子様だけど。でも、カッパの王国は社会的ステータスじゃないしなあ・・・。


 んで、以前、富野由悠季ファンのオフ会で幾原邦彦ファンでもある女性にお会いしたことがあって、その時の話ですが。彼女がおっしゃるには、「幾原作品では女性が描かれてきたけど、大人の男が報われない。鳳暁生が見捨てられて、渡瀬眞悧も孤独な空間に捨て置かれて、あと高倉兄弟も概念になってしまい、ユリ熊嵐では男がほとんど登場しない。ノケモノと花嫁でも父親は否定されて幽霊になった。なので、次回作では幾原邦彦監督に大人の男の救いを描いてほしい」ということだった。
ノケモノと花嫁 THE MANGA 第四巻


 まあ、サンプル数は1なんですが。大人になったBLも嗜む女性向けアニメとしてのさらざんまいで、大人の男が報われるのか、そういう報われる大人の男を見たいという需要があるのか、それに応えるのか・・・?


 ちなみに僕はあしたのジョーのオタクでもあるので、「男は別に報われなくてもさすらうだけなのではないでしょうか」と、つながれないような事を言ってしまい、メアドゲットできなかったのですが。


 キンプラもアンコールで王冠を投げ捨てて青春に別れを告げてさすらいの旅に出たしなあ。いや、テレビシリーズがどうなるかわからんけど。アプリは申し訳ないけどプリシェイで挫折したというかアイマスが・・・。


※17時追記:プリキュアの男のラスボスの心も救われないで放逐されがち(妖精は救われる)ので、男は救われるべきなのか?


 そういうわけで、この怪文書は終わりです。来週もさらざんまいとキンプリSSSが楽しみですね!
さらざんまい (上)
「さらざんまい」ラジオ番組「ぷれざんまい」DJCD 第1皿


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nuryouguda.hatenablog.com
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子どもでいたいずっとアニメおたくキッズ大好きなガンプラの箱に囲まれて〜。大人になんかなりたくない僕らは子供部屋おじさん!(レッドショルダーマーチの節で)


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