内閣府によると。
- プレミアム付商品券とは?
・消費税率の10%への引上げに伴い、家計の負担緩和や地域の消費下支えのため、プレミアム付商品券事業を実施します。
・全国の市区町村が、対象となる方々(住民税非課税の方、小さな乳幼児のいる子育て世帯)に対して、25%もお得に買い物ができる「プレミアム付商品券」を発行・販売します。※おひとりあたり最大2.5万円分の商品券を2万円で購入。
※5千円分の商品券を4千円で、最大5回に分けて購入可能。
・購入いただいた「プレミアム付商品券」は、税率引上げ後の6か月の間、地域の幅広い店舗で日常的なお買い物にご利用いただけます。
www.youtube.com
私も住民税が非課税の貧民なので、案内が来た。正直めんどくさい…。
内閣府の動画によると、25%お得にお買い物が出来るらしい。本当にそうだろうか?
ゲットまでの流れ
https://www.02premium.go.jp/flow/
- ステップ1
・住民票のある市区町村から申請書を入手する
※多くの市区町村では対象の方へ住民税非課税の通知とともに個別に郵送していますが、届かない場合は市区町村までご確認を。
・申請書に必要事項を記入して、市区町村に提出してください。
※世帯全員が非課税者の場合は、全員分を申請してください。
※子育て世帯分は申請は不要です。STEP2からご覧ください。
- ステップ2
・市区町村から、ご自宅に購入引換券が届きます。
※非課税者分は申請書の記載の住所に、子育て世帯分は住民票記載の住所に届きます。
※子育て世帯分のうち、2019年8月1日~9月30日までに生まれたお子様に係る引換券は、11月頃の発送となります。
- ステップ3
・市区町村が指定する窓口で、現金(購入代金)と購入引換券・本人確認書類を示し商品券を購入してください。
・一度で限度額までまとめて購入いただくこともできますが、5千円単位で分割購入することもできます。ご希望の方法でご購入ください。
市町村の役場などで購入しなくてはならないので、そこまで移動するのがめんどくさい・・・。私の場合はチャリで行ける範囲なのですが、過疎地域などは最大5000円の利得のために交通費を払う必要が出てきそうです。
また、時は金なりと申しまして、僕の基本時給は1000円(安い)なのですが、申請書の記入や、指定された場所に行っての購入などで5時間以上かかると赤字です。ブログで執筆してたほうが(現金にはならなくて、広告収入が少なかったとしても、)好きなことをしているということには時給1000円くらいの価値があります。
また、過疎地域、いわゆる田舎の場合、子育て世代ではない風体の、いわゆる金のないオッサンがプレミアム付き商品券を使った場合、「あいつは貧困だ」という事がバレて、噂になったりするかもしれません。自分の地域の中でしか使えないので、都会に出て使うことができません。
プレミアム付き商品券の1枚の額面は500円なのですが、お釣りは出ませんので、500円以上の買い物をする必要がある。
- 果たして本当にプレミアム付き商品券は25%もオトクなのだろうか?
2万円で2万5千円の買い物ができる。
単純に2万5千÷2万=1.25なので、25%が得に見える。
しかし、問題をややこしくしているのは、これが単なる貧困層への単純な贈与ではないということ。消費税上昇に伴って消費が冷え込むことに対する対策としての施策である。
内閣府は貧乏な人がかわいそうだからお金をくれるわけではありません。自分たち政権が消費税を増税するが、そのせいで景気が冷え込んだと言われたり支持率が低下すると嫌なので、プレミアム付き商品券を販売することにしたわけです。あくまで政権が得をすることが目的であり、貧困層への優しさはないです。
なので、プレミアム付商品券は「お上が25%オトクな金券をくれるから得」ではなく、「お上が税金を上げて、貧困層があらかじめ損をしているので、それを埋め合わせるためのもの」として捉えるべきでしょう。あと、行政が現金をゲットしたいのかも。
プレミアム付き商品券を買うために現金を行政に支払う。プレミアム付き商品券の使用済み半券を小売店が郵便局に送ると、小売店にお金が送られる。しかし、それは本当にお金を送っているのだろうか?小売店の銀行口座に信用創造で無から金のデータを入力するだけでは?
ikedanobuo.livedoor.biz
- プレミアム付商品券は消費しないと意味がない。
おそらく政権の経済担当の役人が消費税増税近辺の消費の冷え込みを統計データ上で緩和するために、消費税増税近辺までしか使えないプレミアム商品券を出したのだろう。つまり、貯蓄させないで吐き出させるための施策です。政治的措置です。支持率維持のためだと思う。
- では、具体的にいくらで損を取り戻せるのか。
消費税が8%から10%に増税される。
単純に、1万円の価値のものを買おうとして、これまでは1万800円払っていたところが、増税後は1万1千円出さなくてはいけなくなる。つまり、これまでの1万円800円の買い物ごとに200円の損が発生するわけです。
その損をプレミアム付商品券の最大購入額である2万円で買える2万5千円の差額である5千円で取り戻すには、いくらかかるのだろうか?
1万800円ごとにこれからは200円の損が発生するので、それを5000円で埋め合わせるには、
5000÷200=25
つまり、これまでの1万800円の買い物、増税後は1万1千円の買い物を25回しなければ、プレミアム付き商品券の5000円は有効にはならない。
プレミアム付き商品券で消費税増税による損を埋め合わせるには、
11000×25=275000
27万5千円の消費活動が必要。
そのうち、お得とされる5千円は、
5000÷275000=0.01818≒1.8%
消費税増税に伴う増額分の損をプレミアム付商品券で打ち消すのに必要な消費総額に対して、プレミアム付き商品券で加算された5000円は1.8%の役にしか立たない。
消費税増税が2%増なので、1.8%のプレミアムはむしろ少ない。やはり増税は増税。
内閣府によると「実質5千円貰えて、25%お得」と言われているが、消費税増税による損と組み合わせると、1.8%程度の効果しかないということになる。
(僕は数学は得意ではないので、数学科とか経済学部の人、間違いがあったら指摘してください)
- 視点を変えてみると
プレミアム付き商品券は27万5千円までは増税による損を相殺することが出来る。ただし、消費税が下がる見込みはないので、27万5千円以上支出すると、そこからは増税をモロに喰らいます。
27万5千円使うのに、子育て世代はどれだけかかるのか?
貧困層はあんまりお金を使わないし、データも少ないので、プレミアム付き商品券がもらえる子育て世代、夫婦と子供二人の4人家族の家計を検索してみた。
https://blog.ieagent.jp/money/4family-seikatsuhi-210770
- 生活費20万円の生活費内訳
家賃 約67,000円
食費 約53,000円
水道光熱費 約17,000円
通信費 約14,000円
趣味・娯楽費 約10,000円
衣類代 約15,000円
日用品・消耗品代 約14,000円
教育費など 約15,000円
貯金 約0円
合計 約205,000円
ここで問題なのは、プレミアム付商品券は家賃や公共料金の支払いには使えないということです。
.商品券の利用対象にならないもの
(1)商品券、ビール券、図書券、切手、印紙、プリペイドカードなど換金性の高いもの。
(2)不動産等の購入
(3)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第 2 条に規定する営業に係るもの。
(4)公共料金等公共性の高いもの
(5)事業活動に関わる仕入れや経費等の支払
(6)特定の宗教・政治団体と関わるものや公序良俗に反するもの
(7)医療保険や介護保険等の一部負担金(処方箋が必要な医薬品を含む)
(8)たばこ事業法(昭和 59 年 8 月 10 日法律第 68 号)第 2 条第 1 項第 3 号に規定する製造たば
この購入
(9)現金との換金・電子マネーチャージ・金融機関への振込
ですので、プレミアム付き商品券が使えるのは食費、娯楽費、衣服代(店による)、日用品となります。
その合計は53000+10000+15000+14000=92000
プレミアム付き商品券で増税による損を相殺できる27万5千円を使うのに、月に9万2千円使っていると、3ヶ月かかります。逆に言うと、10月の増税の後、3ヶ月後には増税の負担が実感されるということ。
プレミアム付き商品券は貧困と子育ての合わせ技の最大でも5万円購入可能です。5万円購入した場合は55万円の買い物の消費税分を賄えますが、それも半年くらいで使えるようだ。使用期間は今年10月から3月末日までなので、使い残すということは少なそうです。
- 金銭面のまとめ
プレミアム付き商品券25000円分は27万5千円使うまでは増税の負担を先延ばしにする事ができる。一般的な子育て家庭だと3ヶ月程度は増税負担が先延ばしになる。
増税負担によるプレミアム付き商品券の補填が3ヶ月ごとにあれば、増税負担は軽減されることになるが、それはないので、結局増税は増税である。
- 地域格差について
半年で27万5千円も使わない、(月に3万円くらいしか使わない)僕のような貧困層が散財するのはオタク関係ですが。
池袋乙女ロードのある豊島区のウェブサイトを調べてみた。
http://www.city.toshima.lg.jp/465/premiumtop.html
豊島区プレミアム付商品券を使用できる店舗について
豊島区プレミアム付商品券は、「豊島区プレミアム付商品券取扱店」に登録されている店舗で使用できます。「豊島区プレミアム付商品券取扱店一覧」はこちら(PDF:746KB)よりご確認ください。
ビックカメラでは使えるようですが、アニメイトやとらのあなでは使えないようです。
また、秋葉原のある千代田区はどうでしょうか?
http://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/shigoto/jigyosho/shohinken.html
千代田区プレミアム付商品券は、「千代田区プレミアム付商品券取扱店舗」として登録されたお店でのみ使用できます。取扱店舗の一覧は、購入引換券を郵送する際に同封する他、最新の状況は「千代田区プレミアム付商品券取扱店舗一覧(令和元年8月27日時点)(PDF:1,123KB)」をご覧ください。
アニメイトやとらのあなでは、やはり使えないようですが、ソフマップ、ビックカメラ、エディオン、書泉ブックタワーなどで使えるようです。あと、アイドルマスターオフィシャルショップ。
ただし、池袋乙女ロードや秋葉原でプレミアム付き商品券が使えるのは、池袋なら豊島区民、秋葉原なら千代田区民だけです。なので、地域によって使える店舗が限られて格差がありそうですが。
なので、東京都民でも区が違うとプレミアム付き商品券は使えない。
ココカラファインやコンビニエンスストアやサイゼリアなどのチェーン店や加盟飲食店では使えるようなので、特殊なものではない買い物に使えるようです。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。など岡田麿里さんのアニメで有名な秩父、関東圏の少し田舎の地域ではどうでしょうか?
http://www.chichibu-cci.or.jp/category.php?id=113
⽂真堂書店ゲオ秩⽗⿊⾕店
くまざわ書店 ウニクス秩⽗店
この2店舗の書店くらいがオタクが使える店のようですが。秩父では残りは道の駅、大手ドラッグストア、コンビニチェーン、地域の加盟飲食店、などの一般的な商店で使えるようです。
秋葉原のビックカメラやソフマップに比べると、若干見劣りはしてしまう。25000円、ドラッグストアなら健康食品やプロテインや薬を買うと使いきれるだろうか。
日本一の高齢化、人口減少の過疎地、限界集落の群馬県南牧村はどうでしょうか?
https://www.02premium.go.jp/cities/gunma/103837/
全てが準備中で、使える店も決まっていないようです。子育て世帯は少なそうですが、貧困層はいるかもしれない。店がなかったら過疎地の貧困層はプレミアム付き商品券を使えないかもしれない。
過疎だけど一応、市の北海道釧路市はどうでしょうか?
https://www.city.kushiro.lg.jp/kenfuku/fukushi/syakai/page00021.html
オタク系ショップや大手家電店はなさそうですが、飲食店やコンビニやスーパーが使えるようだ。
転売は禁止になっているが、ネットではそういうサイトも有るようだ。
- まとめと私見
プレミアム付商品券自体は25%得が出来る券だが、消費税の8%から10%への増税と絡めて計算すると、最大購入2万円で買ったプレミアム付き商品券25000円分の券のお得分の5000円で、27万5千円を消費に使った場合の増税分の穴埋めになる、という程度。
27万5千円の10%の消費税の2万7千500円のうち、増税分の2%の5500円がプレミアム付き商品券の実際の得だという計算になる。あれ?500円得している?(どっかで計算を間違えたかな)
(追記)(計算間違いをしていた。27万5千円の支払いに含まれる消費税は2万7千500円ではない。計算に手抜きした)
結局、政権の官僚は賢くて、プレミアム付き商品券で貧困層や子育て世代のことを考慮していると見せかけているけど、決して国民に得をさせるつもりはなく、増税分のことを考えるとちょうど消費税増税で政権に入る額で賄える。
また、半年で27万5千円使わない貧困層はあんまり・・・。逆にお金を使う子育て世代も約3ヶ月分消費税増税が(日用品や食料品に限り)先送りされる程度で、その後はずっと増税。短期的には消費を喚起するかもしれないけど、その短期的に消費が冷え込まなかったということで、政権がドヤ顔して消費税増税は正しいと言うための方策のようだ。
なんだか、やっぱり小手先の施策という感じで、大して貧困層や子育て世代の保障にはならないような印象です。むしろ末端の行政職員や地域の店舗の仕事が増えて、行政中枢は現金をゲットするのがねらいかもしれない。
政権がこういう回りくどいセコい商売をしだすのはあんまり印象が良くない。やはり、人気取りというか消費税増税の批判を躱したいという意地汚さを感じる。
「5000円得する」と喧伝しているが、そもそも消費税で消費者には損害が増加するので、まとめて考えると、一般家庭で3ヶ月分の増税が先送りされるという程度。
2万円で2万5千円を買うのは25%の得だと言われるが、そもそも増税されているし、消費しなければ有効にならないのがプレミアム付き商品券なので、僕の計算では増税額の補填(5000円)を有効にするために使用する金額(27万5千円)に対して1.8%程度、ほぼ増税と同程度かそれ以下の効果しかないという結果になった。そして、27万5千円以上の支出になると、もうずっと増税。
なので、結局大して得もしない割に面倒くさい感じという結論になりました。5000円だとそんなに贅沢できないし…。
消費税増税のたびに景気は悪くなってきたのですが、今回はどうなるのか、僕は経済の専門家ではないのでわかりませんが。
この程度の単純な計算でも、あんまり期待感が持てない結果になりましたね。めんどくさいので申し込まない可能性が高い。
- ベーシックインカムについて
今回のプレミアム付き商品券は結局、増税と釣り合う程度のもののようですが、ベーシックインカムに近いものでもある。
政権の消費税増税という行動によって悪影響を受ける人に対する補助金として考えれば、プレミアム付き商品券は手続きが煩雑で額が少ないという問題を除けば、救貧政策として良くなりそう。つまり、もっとたくさん、安定的に貧困層や子育て世代にお金をくれということです。
まあ、そうはならんやろうけど。
https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/6FXSDSAVKI1Z
著者へのプレゼントはこちら
nuryouguda.hatenablog.com
このブログは最後まで無料で読むことができますが、著者に食料を与えると執筆期間を伸ばすことができます。資料を与えると文章の質が上がります。オタクグッズを与えると嬉しいです。
最近は太っているので糖質制限ダイエットをしているので、昼ごはんはプロテインに置き換えていますので、プロテインやチキンソーセージがほしいです。
貴方好みに私を育ててください。
(この記事が良いと思ったら読者登録お願いします!)