玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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今頃、押井守の立喰師列伝を見た。クソ映画を損から特に変える方法


 というわけで、物議をかもしたインベスターZの「クソ映画は速めに見るのをやめた方が合理的」という話だが。


 しかし先日僕は友人と酒を飲みながら、押井守監督の立喰師列伝の上映会をした。


 押井守監督、名作も作っているがクソ映画もたくさん作っている。申し訳ないが天使のたまごは途中で何度か寝た。
立喰師列伝



 押井守監督は別に感動させるためではなく、単に自分が犬が好きというだけで犬を出すので余計たちが悪い。


 戦後史や学生運動や日本赤軍や資本主義に対する懐疑を描いているが、実はそれはほとんどウソなので。嘘歴史なので。
 というか立喰師という職業や異能者自体が架空のものなので、ほぼウソしか言ってない。
 ほとんどウソしか言ってないので別に政治的なメッセージもない。ただ、政治的なアジテーションみたいな文脈でウソをつくと盛り上がる、という感じで、ストーリーよりも設定よりもメッセージよりも演出が重視されているように見えた。


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 そして演出も"実写写真を取り込み、アニメーションを制作する新技法「スーパーライヴメーション」を駆使した作品"という触れ込みだが、18年前の作品だが、本当にしょーもない。LIVE2Dというより、ニコニコ動画の切り取り動画の方がまだわかりやすい。


 でも、なんか攻殻機動隊の押井守だしとか、奇抜な演出もアートだと思われて第63回ヴェネチア国際映画祭 正式招待作品だったりする。うーん。


 そして、白黒に近い色味で、何のメッセージ性もない立喰師の歴史というウソ(押井守監督は異常者なので、押井守監督の中には何かのメッセージがあるのかもしれないが)を延々とナレーションの山寺宏一さんが落語のような長いセリフで延々と解説する。


 うん。これはね、寝る。つまらなくて怒りを覚えて見るのをやめるレベルではなく、寝る。実はスカイクロラでもイノセンスでも僕は劇場で寝た。なぜ、押井守監督の映画は眠くなるのか。
 天使のたまごのVHSも京都精華大学の情報館で見たけど、寝た。天野喜孝さんのデザインで非常に美しい場面なのだが、延々と同じようなことが繰り返されるので、寝た。


 こんな見るたびに寝る押井守映画は見ない方がいいし損切りした方がいいのか?



 寝ないタイプの押井守監督作品のパトパトレイバー実写版も一番面白かったのはふざけているカッパの話だったので。



 だが、クソ映画という食材は変わらなくても、食べる環境は視聴者が変えることができるっ!(永野護監督のゴティックメードも基本的に映画館でしか見れないけど、マニアは再上映のたびに映画館の音響の質を比べに行く)


 というわけで、友人宅のプロジェクターで立喰師列伝を上映し、酒を飲みながら見た。押井守監督は確かに攻殻機動隊でジャパニメーションとか持て囃されたけど、基本的にはメッセージとかストーリーというより演出のための演出をする人なので。ご先祖様とか。そんなもん、酒を飲みながらテキトーに見てりゃあいいんだよ。


 いや、僕は信仰する宗教がグノーシス主義で脳内妹のいるイデア界が本当の世界でデミウルゴスが作った基底現実世界を見下しているというクズ野郎なんですけど、なぜか定期的に飲み会とか上映会とかキャンプをする友人がいる。まあ、働いてないので、意識的に人に誘われた時に会いに行くようなことをしないと本当に人と会わないと自覚しているので。


 まあ、友人に恵まれていると言っても一億円もらうほどではないんですけど。


 やっぱりね、立喰師列伝みたいな「押井守が神山健治監督とか兵頭まこさんとか鈴木敏夫、樋口真嗣、川井憲次、寺田克也、河森正治、乙一、滝本竜彦、冲方丁、立飛文彦など知り合いのアニメ関係者を出演させてるちょっと豪華な映画サークルの同人作品」みたいな映画は一人で映画館で無言で見るのには適していない。


 知人と酒を飲みながら「押井守の中にしかない価値観の映画だ」とか「今の神山じゃん」とか、つまみを食いながら「あー、これは一人だったら寝るやつだ」とか言ったり、「山寺のセリフなげーな」とか「庵野秀明出てきただろ」とか「自分の映画のカットシーンを入れるな」とか「嘘民俗学を載せるな」とか突っ込んだり、エンドロールで「えー、乙一の顔知らねー」とか言ったり、クソ映画をクソとしてクソを弄り回すようにヘラヘラとふざけてワイワイ文句を言いながら見るのにちょうどいい映画って言うのはある。


 なので何が言いたいのかというと、一人で見ていて全くつまらないし見ない方がマシで損切りすべきクソ映画も、見る環境を変えて、酒のつまみとして雑に見る方がむしろ面白い部類の映画って言うのはある。


 そこら辺のチューニングを見極めて、どんなときにどんな映画を見るべきか判断する能力を得るのは、たんにいい映画とダメな映画というデジタルな価値観で損切りするより、映画オタクとしての経験値が必要とされるんじゃないですかね。
 名作映画をじっくりと見たいときもあれば、しょーもないポルノを見たいときもある。映画というは善し悪しの軸だけでは判別できないのですねえ。


 逆にガンダムとかアニメの事を子供だましの漫画映画と思う人もいれば、名作映画だと思う人もいる。


 そういうのが映画なのですね。


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