玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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木村拓哉のHEROを見た


途中まで帰りの車の中でケータイメールで感想書いた。


たまには現実家族とポピュラー映画も見るんだぜヘイヘーイ
一番の印象としては「楽に見れる映画だなあ」という所に関心した
ほとんどすべてのレイアウトがセンターポジションか左右対象で、眼球を真ん中に固定するだけでほぼ全ての情報が入って来た
これはテレビ放送で左右がカットされたりという事情もあるんだろうな
しかしまあ、カメラの移動も上手く注意すべきもの(話してる人など)が真ん中に来るようにタイミングを合わせていた
いやあ、ひな鳥の口に餌を突っ込むように視聴者の眼力を馬鹿にしてると思ってたさ。がね、プログラムピクチュアをそれらしく作るのも技術があるんだって関心したあ
まあ、それは当たり前の作り方で僕が普段から実相寺昭雄とか出崎統とか富野とかキューブリックとかリンチみたいなのばかり見てるオタクだから新鮮に感じたのかも
いつも映画は最前列で怪獣映画を見上げて眼球と頭を動かして体感的に見るのが好きだからなあ
ただ、今日は少し体調があまりよくなかったので楽に見れて有り難かった
左右対称が多いのは裁判の天秤を気取ってるのかも?
また木村拓哉中井貴一松本幸四郎が出る所は少しだけセンターを外したレイアウトもあった
流石にメインキャラくらいは視線を動かす権利があるんだな
他は本当にぼんやりとしてるだけで見れた
トミノ的には視線の変化イコールドラマの動きなんだがカットが切り替わってもほぼ8割方は徹底して視線が固定されてたのが関心した
イマジナリーラインや上下関係が微妙な所もあったがそれは瑣末なことだ
だが、これだけ親切設計にしていても、ドタバタシーンで松たか子の鞄にUSBの顧客リストを入れられたのや、犯人がバイトを抜けだした理由を親にわからないと言われ質問されたので、一般向け映画は大変だな
富野はわからない視聴者は無視するし俺はそのテンポが好き
何度見ても発見があるし
福井晴敏機動戦士ガンダムユニコーンは一般向けで文が長くてしんどい
富野作品は行間を飛ばして刺激の連続で興奮しっぱなしだから中毒性がある
ジャニーズ映画を見ても富野の話かよ!


富野や出崎は一時間半で尺が短く詰め込み過ぎと言われるが
HEROの二時間は長くて中だるみした
いろんな役者の顔見せもあるんだろうし、内容自体が宣伝でもあるんだろうが、尺は予算だよなあ〜
途中で飽きちゃったので、そこは脳内妹を抱きしめたり愛撫したりして紛らわせた。
っていうか、ここでCMが欲しいなあと言う感じ。なんか物を食ったりしながら見るのにちょうどいいテンポで、やっぱりフジテレビ映画なんだよなー


劇場はたくさん家族連れで埋まっていて、子供も大人も笑い声があったのはよかった
ただしそれは役者の力だな
エンドロールで席を立つ人が多いのはオタク向け映画ではないな
人気はあっても愛はない?



ドラマは親が見てる時にチラ見してたし、話は浜村淳がラジオでネタバレしたのでファンではないがわかった
キャラクターの名前もよく呼び合ってたし把握しやすい
わからないひとは流しても支障はなかったし


ミステリとしては簡単だがボーッと見るには十分な起承転結だった
いらん所もあったが
ちゃんとヒューマニズムもあったし
ヒューマニズムは大事だよな


木村拓哉はいつまでもやんちゃで変わらないのが、老けてしまった松たかことの対比になってて、国仲涼子の結婚も暗示になってる
そういう女と男の年の取り方の差でイライラするヒロインが面白かった。
木村はもっとセックスしたほうがいいが、一般向け映画なのだからアムロベルトーチカと別れさせられるしキスが精一杯
まあ、しゃあないわなあ。


ぼくは法廷物で、いつも主人公が弁護したり立証するのが正しいのは変だと思っている。有罪の奴を弁護する事もあるだろうし、無罪でも立件する時だってあるはずだ。
僕の意見では、弁護士も検察官も正義を守るとかそういうお題目よりは、事件をあるべき決着にスムーズに運ぶ作業をするだけの人だと思う。(医者は命を預かるとか意気込むよりは俺がちょっと不調なのを快適にする程度の人だと思う)
そこら辺が、松本幸四郎扮する蒲生弁護士が自文の損得や勝ち負けよりも厳密に正しい裁判を行なう事のみを追求する、巨大なライバルだが悪くない人、法曹界の人生の先輩として描かれていたのが好感が持てた。
ただ、松本幸四郎が「私はいくつもの案件を抱え、機械的に事件を処理する自分が嫌になって検察を辞めた」と、深い事を言っているのに、キムタクの仲間達は暇そうだし1つの事件に一丸となって時間を投入しているのがファンタジーっぽかったなあー。
まあ、娯楽作品だしそれでいいけども。


松本親子競演もおもしろかったです。


というわけで、星は35億六千八百個。ランキングなんてナンセンスさ。