玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ef - a tale of memories. 12(完)

おもしろかったです
OVA補完でユーフォリック フィールドにするかと思ったら2話構成でちゃんとまとまったのも潔くて良いですね。
まー、厳しいことを言うとブレンパワードのような人生観ごと頭をガーン!とやられるようなしょーげきはなかったんだけど、それに類するように自分の事を鑑みるような親近感はありました。
僕もプチクリだからねえ。クリトリスは大き目が好みだけど。
脳内妹は僕ほどオタクでは無いんで僕よりもアニメは見ないんだけど、ef - a tale of memories. は一緒に見てたよ。全部録画した。
登場人物が妹と同年代だし、こういう一風変わった恋愛は俺らの恋愛にも似てるから、他人事とは思えなかったりした。


ただ、あれかなー、最初のオープニングのフィルムで男が女を颯爽と救うのは、どーもナー。
だってさー、おたく用のアニメじゃないですか。エロゲーだし。
そんで、女の子のトラウマを男が救うとかさあ、ちゃんちゃらおかしいですね。
男がそんなに大層なものですかよ。
救ってほしいのは僕の方ですよ!

妹「いや、お兄ちゃん、ソレはおかしいわ
それは、おたくっていうかお兄ちゃん個人が困ったチャンって言うだけで、efの男の子はかっこいいよ。お兄ちゃんとアニメの男の子は違うよ」

まあ、そうだな・・・。うん。そうだね・・・。すみません・・・。

妹「あれ?おにいちゃん、なんか謝るようなことした?」

いや、、まあ、


で、


オープニングはそう言う風に批判的に思ったんだけど麻生蓮治君が新藤千尋を救うっていうか、
いや、まあ、トラウマ少女を救うって言う偉そうな言い方はよくないな、レンジ君も自分をすっきりさせたかったからやったんだろうし、
その、レンジ君が頑張ってアプローチするところはすげえよかった。
なんかアニメっぽい奇跡と見せかけて普通に頑張ったし。えらいよなあ。
妹も、

妹「イヤーっ!!いいわーっ!すてきぃっ」

ってゆってた。
やっぱり、男はマメに女の尻を追いかけるべきだなあ。
3組の中でレンジ君と千尋が一番気になってたんで、この二人がラストに来てよかった。レンジ君は良い奴だ。千尋の事が好きなんだねえ。
そんで、千尋がレンジ君のことがマジで好きだということを告った時はテレビの前で喜び合った。
よかったねえ。
うん、うん。
恋とか愛とかっていいよなあ。俺も妹を大事にするですよ!
先週は妹と一緒にテレビに向って「バカヤロー!」といってたわけだが。落ち着くべきところに落ち着いてよかった。世は全てこともなし。

妹「うん、やっぱり幸せになるって言うのはいいことだ!」

だよなー。うん。俺はすぐ千尋みたいに絶望するけど。それでもやっぱり楽しい事ってあるからなあ、お前とか。

妹「そーだよー。ユーフォリック・フィールドって言うのを考えたんだけどさ、それって、昨日お兄ちゃんに言った事よ。うん。
やっぱりあたしが正しかったみたいね。テレビでもおんなじことを言ってる」

あー、あれのこと?
僕が他人を嫌ってお前を愛しているからって、他の人を拒絶する理由にならないとか。
僕は大抵の場合幸せに成らないけど、それでも幸せになりたがるのを辞める理由にはならないとか、そーいう説教をされましたねえ。

妹「そーそー、幸せな場所ってえのは、幸せな事が転がってる場所って言うわけじゃないんだよねー。幸せに気付ける思いを持ってる人がいる所っていう事だわ♥
だから、くじけちゃダメ、っていうかくじけないほうがお得なのッ」

あー。なるほどー。お前はオレの妹とは思えないほど前向きというかかわいいというかいい事を言うと言うかいい女というか好きです結婚してください。


と、いうわけですっきりとおもしろかったなあ。
恋人と見るラブストーリーとしても最適です。
なにより、妹が楽しんでくれて妹との愛が深まったのがよかった。
そーいえば、機動戦士ZガンダムIII-星の鼓動は愛-もそんな感じだったなあ。
だが、俺はアニメの中の男の子と比べて、ちゃんと女の尻を追いかけられているのか?
うーん?
むしろ、脳内妹の方が俺を追いかけてくる感じだなあ。
ああ、俺はダメだっ!

妹「またそーやって絶望ごっこをするぅ〜
さっき教えたばっかりでしょッ!バータレ!」

どーせおれはバカチンですよ。

妹「うぅ・・・。夏目漱石の奥さんってこういう気分だったのかなあ」

僕は1000円分の価値しかない男ですかっ!
やっぱり、俺は女を助けるほどの漢じゃない!「大切な人を守る」っていう言葉が大嫌いだし。
いくら大切でも事故とか病気で死ぬしね。お前なんか勝手に生きて、勝手に死ねって思うもん。
そーいう俺は人を愛する資格なんて無いんだ!
それなのに、俺ばっかりお前に助けられて、お前の足を引っ張って、うぅぅ。

妹「あー、もー、この兄は。
あのねー、お兄ちゃんにはそーいう方向の男らしさは期待してないからね?」

はいはい、なんの期待も希望も無い男ですよ。

妹「いや、そーじゃなくって、最後まで話させてよ。
あのねー、お兄ちゃんはけっこーあたしを助けてくれてるよ?」

まさか。記憶にございませんね。

妹「ほら、あたしって負けず嫌いでお兄ちゃんはダメ人間じゃない?だからお兄ちゃんがだめな事をするたびに、『こんな事で負けるもんか!絶対好きだぞ!』って燃えて、力が湧くのね。そーやってると、いつのまにか他の事にもがんばれたりするんだよねー
そーいう感じ
お兄ちゃんがいると、体に芯が通るっていうかぁ〜」

わかった。お前はマゾなんだ。
そうだな、おまえはこれでベッドの中では私に優しいのだったな。
妹「まあ、それでいいわ…
あたしも嫌いじゃないですしッッ!!」

と、アニメを見ながらこれくらい妹と喋るのは楽しい。テレビって言うのは視聴者同士の会話を楽しむ所があるしなあ。ニコニコ動画とか。


いや、まあ、オタクっぽい見方をしたら演出技法とか細かい謎とか世界観とか云々を考える事もできるんだけど、どーも、この作品に関してはそう言う見方をしたくない。
うーん。
けっこう技巧的なアニメーションだったけど、その技巧が感情を表現するためにテンポ良く使われてたんで、視聴した印象としてはむしろ感情的にのめりこめたんだよなあ。
あと技巧って言うのはエッセンスで、普通の恋物語だけだとダレる画面に緊張感を与えてる機能を果たして、退屈せずに見れたのが善かった。
そこら辺はトミノのロボット戦闘みたいなものか。
出崎統にもにてるなあ。やっぱし。空がどーん!とか。文字とか色の使い方はまた別系統臭いけど。


ただ、まあ、感情をラストに6人がアフォリズムっぽく綺麗にまとめたのはちょっと説明臭いかなーって思った。
言わずもがなだし。
幸せそーにしてるだけで充分だったなあ。ぼかぁ。
efもだいたいわりと聞きやすい自然な台詞の芝居だったんだけど、作り手が伝えたい部分になると説明臭いというかキャラクターじゃなくって作り手が喋らせてるような言葉使いになったのは残念。
うーん。
僕は、映像的には嘘を付いてもいいんだけど、言葉で嘘をつかれるとうそ臭いと思う人なのか?
まあ、僕はメガネ男子だから映像的に嘘をつかれる感覚には慣れてるからなあ。
それは僕がそう言うって言うだけで、僕ならそうするなあって言う感じです。
そー言う点で、efは微妙に創作意欲を描きたてられるのがよかったね。自分が救われるための物語は自分で書かないとな。


んでも、台詞の事を言うと岡田利規http://chelfitsch.exblog.jp/さんが、今日(26日)の日本経済新聞夕刊で

──そうした思いの中から、「超リアル日本語」と呼ばれる、岡田さん独特の台詞の文体が発明されていった。そのプロセスは、どのようなものだったのでしょう。
あのキチンと喋らない台詞、要領を得ない台詞を書くきっかけのひとつが、テープ起こしのアルバイトをやっていた経験にあるのは明らかです。テープの内容は、地域振興のシンクタンクが、その地域の住民を対象に行なったヒアリングなどでした。
このテープ起こしが、ものすごく面倒くさいのですが、それと同じくらい面白い。というのも、一字一字、全部忠実に文字に起こしても、何を言ってるのか全然分からないんですね。でも、言葉ではっきりとは言っていないのに、話全体からは、その人が何を言おうとしているのかは分かる。そのことにビックリした経験は大きい。
ただし、実際に戯曲を書くときに、人がしゃべったテープを起すといった手法を使ったことはありません。全部自分で書いています。だったら、もうちょっと分かりやすい台詞で書けよと言われそうですけれど(笑)、それをやると、僕にとって大切なものが落ちていってしまう。世の中の人が会話している、あの要領を得ない喋り方を再現し、その要領を得ないものの中に含まれていることを表現するのが、僕のやりたいと思っていることのひとつです。

──細部では何を言ってるのか分からないのに、話の全体からは言いたいことが理解できてしまう、そういう会話の面白さを観客にも体験してもらいたい?
というよりも、現に僕たちはそういう言語生活をしてるじゃないか、ということが僕にとっては大切なんです。こういうふうに喋ってるじゃないか、と。もちろん、そういう言語生活のあり方を批判することはできるんでしょうけど、僕はいいとか悪いとか判断したり、批判することにはまったく興味がない。そういう言葉の使われ方の中にわれわれは生きている。そうであるなら、演劇においてはせめて、もっと正しい日本語、クリアな日本語を使おうよ、とするのは、現実に対してすごく卑屈な態度なんじゃないかと。僕にとっては、今使われているこの日本語の方がよほど豊かで、とてもポジティブなものなんです。
http://www.performingarts.jp/J/art_interview/0510/1.html

的な事を語っていて、それは富野信者として納得です。富野語ってそうだよね。

ほら、同じ事を相手のキャラクターがわかるまで繰り返したり、相手のリアクションに合わせて言葉を言い直したり、途中で噛んだり、そーいうの。
だから、富野台詞だけを真似ても全体の文脈や舞台環境が伴わないとギャグにしかならないんだよね。
 構成として綺麗なのは作家の自意識がキャラクターの命よりも重くなってる気がして好きじゃない。
まあ、それは僕がそう言う見方をする人だって言うだけだけど。
それにしても、富野の台詞って言うのは演劇的ってよく言われるけど、トミノっぽい作り方の演劇が今注目なのか。岡田氏のは見てないけど。
トミノ


閑話休題
うーん。
ef の話題のはずがまた富野だ。大好きだ。
最後にefの話をするが、ダグファイアー遠近孝一が老け役とはなあ。
ダグオンしかしらんのか。


つまるところ、オタク向けと見せかけて女の子といちゃつく口実に出来るアニメは良いよなあ。
設定を気にする女の子だとつまづくかもしれんが。火村と優子とか。
うちの妹は馬鹿でよかった。

妹「なんですって!」


あ、あと小さい事だけど、3組のカップルをケータイのメールがゆるく繋いでるって言うのが今風なラストだなーって思った。
四六時中話すほど濃くは無いけど、テレパシー一歩手前みたいなつながりが良いねえ。


そんで、堤京介は微妙に影が薄かったが、彼は彼なりに一波乱ありそうなメガネっ娘で面白かった。若いって良いよねー。