玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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昔の富野喜幸と今の富野由悠季発言を俯瞰するが、好き。

いまさら神保町で買った機動戦士ガンダムめぐりあい宇宙編のパンフレットとか読んでる。機動戦士ガンダムIのパンフはスチルを切り抜かれていて死にそうになった。昔のアニメファンは・・・!スキャナが無いから!売るな!
まあ、DVDボックスの付録で復刻されたので、特に稀覯本では無くなったのだけれど。
昔のトミーノをみて、改めて富野喜幸監督の適当さを思い知った。
最近のトミノのマイブームは「スペースコロニーで人はすめません!ガンダムがリアルとか言う奴はアホ!」なんだが。
てめえ。
パンフレットを読んだら、「オニール博士」「NASA」「スペースシャトル」「現実の延長」とか、流行語でファンを煽りに煽ってるじゃないっすか。あははは。
松崎健一先生の文だが。
まあ、せめてコロニーをガンダムWみたいに二連結逆回転にしろよ、とは思うのだが、農場部分が高速回転してるのか?でも、農場が無い奴もあるし。
っていうか、グリプスは二連結式なんだが(同一方向に回転しているので意味は無い)、それをあえて分割するというキチガイだからなあ。分割するな!
あと、モビルスーツが18メートルはいくらなんでも・・・。
しかし、現実世界の法則ではリアルじゃないけど、その世界観の中ではそれなりに見えたし、モビルスーツがでかすぎるということを逆手にとって黙示録的に描いたのは興奮した。
だからまー、ガンダムは面白ガンダムと言う評価だけで良いかもしれん。
リアルな戦争と言っても、トミノ監督は

今の30代半ばの人たちは、ガンダムでリアルな戦争を教えられたっていうんです。あんなロボットアニメで戦争を知ったなんて、冗談じゃないと思うんですけど、だって学校でも戦争なんか教えてもらってないですもんという。考えてみたら、彼らが中学生の頃は、我々が見ていた戦争映画はほとんどなくなっていたんですね。50年代から70年代にかけて作られたシリアスな戦争映画をほとんど見ないで育って30を越えて。いきなり「パットン大戦車軍団」なんかを見ても、それは染みつかない。
http://tsun153.exblog.jp/7193619/

いや、あんたも映画で戦争を知った口じゃないですか(笑)。水木しげる先生をキャラデザに起用しろ。アンパンマンの監督をやれ。
戦中に作られた桃太郎シリーズがリアルなわけねえだろ!円谷はがんばってたけど。
っていうか、戦争なんか映画で知ってれば良いんですよ。あんなめんどくさいもの。
セックスだってゲームで済ませちゃう!
それはだめか。そうか。すまん。


http://ascii.jp/elem/000/000/142/142837/
ここを読んでたら、若手技術者を応援してる部分と自分ではコロニーを信じられなくなってる部分の半分ずつっぽい。
話半分に聞いて好きなことをやるのがいいな。
でも、富野の話は面白いな!面白い奴は好きだ。


まあ、僕としては、ガンダムはリアルじゃないけど、劇作をするという段階で、キャラクターにも小道具や大道具にも事件にも最低限の理由付けを付けていこうと言う姿勢をこそ愛したいな。
流して仕事をしないのはリアルだ。
ガンダムを黙示録的な巨人として荒野の戦場に置いたのも、うそ臭さを自覚しながらも、その意味性を意地汚く利用し尽くす貪欲さ。それは好きだ。


パンフレットにはトミーノがゲスト出演したオールナイトニッポンでのタモリ発言が載ってた。

 タモリの「オールナイトニッポン」に、富野総監督が出演した。いつもキビシーイ批評のタモリと、富野サンの話なんて、ちょっと興味があったんで、ダイヤルを回してみた。そうしたら、タモリが「ガンダム」をほめている。いわく―
「ベタベタした人間関係の描き方でない所がグー」
 わかってるとおもうんだよね、この人、と思うんだ。
「ベタベタした関係ばかりだと、いつか日本文化は滅びる」っていうのも、僕たちには考えさせられる話だったのではない!?

だが、めぐりあいのラストシーンは戦争でワケわかんなくなった状態でベタベタしに行って終る。
で、またバラバラに。
が、7年経ったらクワトロが主導でベタベタし始めてアムロが復活したりカツが死んだりハヤトが死んだりする。
んで、また7年経ったらシャアのベタベタがさらにこじれて隕石が落ちそうになったりするが、ベルトーチカとベタベタしてたら子どもが出来たりしてなんとか助かったりする。
そのあと、ベタベタした関係はダメだから人類の9割を殺そうぜ!っていう貴族が出て、パン屋に嫁を寝取られる。娘もパン屋に。
そのあと、シャアの子孫が豚を解体して、月からきた男までがパン屋になる。
1941年生まれの富野監督の幼児体験を考えると、やっぱり最終的には食い物を持ってる奴が勝つよ。
平和な時は役人が勝つよ。
普通の人は1週間戦争で半分死ぬ。ハハハハハ!



あと、ブレンパワードなんか美少女とイチャイチャしてるのを見せつけたらなおるよ!という。決定的にベタベタしたアニメでしたね。
キンゲも。
富野監督は一人の人間の中で触れ幅が広すぎるから面白い。だからハゲたり病気になったり治ったりするんですよ。


しかし、パンフレットには80年代初頭の空気が見えすぎる。
特に、後半の野辺忠彦氏が企画してアニメ誌とガンダムファンの合同でファンの盛り上がりを書いた部分は、流行語を書きすぎて気恥ずかしいな。
まー、ネットのある今とは違うので、ファンの存在が在るという事を認識するためだけでも正規の出版物を使わないといけないのは分かるんだが。
せめて、

村上龍氏の芥川賞受賞作「なんとなくクリスタル」から、クリスタル族が流行。
ちなみに松竹宣伝部では、「ガンダム」のとなりに「クリスタル」班があった。

って、書く前に田中康夫の事をもっと知ってあげてください。怒られた?
ガンダムというサブカルチャーが文芸と言うメインカルチャーに肩を並べたのが嬉しいのは分かる。
が、嬉しがりすぎるのもどうかなあ。


結局、ただ寂しい小市民が慰めあってるだっけじゃないの。イージーに自分にも価値があるんだって思えるもんね。それって。
我々はニュータイプだ、ニュータイプのアニメファン同士だから分かり合えるのだ!という嬉しさが先立って、周りが見えなくなってる。
村上と田中くらい!
トミノもそれを煽った面もあるよね。イデオンのキャラクターをパロディ・カットの形でガンダムのパンフレットに載せるとかな。友吹愛弓とかが勝手に描いたのかも知れんが。
ただ、商売で飯を食う人間としては間違いとは言えない。
だが、若いファンの力といっても、それもまた昔と同じような政治的力学と自己肯定欲求でしかなかったのかもしれない。



そういうわけで、

’82年3月13日「めぐりあい宇宙編」公開

ガンダム」よ、さらば。また、どこかで会おう。

3年後に会うわけだが。
Zガンダムで「アニメばかり見てちゃ、狂うよ!」ってニュータイプがことごとくダメ人間になるというのはガンダム当時からの人間観察の結果だったのか。ダンバインが売れなかったからむかついただけか?
イデオンでもコスモとドバが分かりあった上で殺しあった後に仲直りしたよな。ならいいか。
Zガンダムも「アニメファンにむかついたから狂わせたけど、そういう風に作るのは作品に悪いから直すよ!」とか。
なんだよ、それ!
って思うが、愛と憎しみの混沌なのだろうか。
トミーノはかなり支離滅裂だと思うんだけど、それでも総体としてはやはり富野なんだよなあ。
その、変わって行くんだけど変わり様も含めて人なのだろうかと。
だから、おたくの若気の至りと言うものも盛り上がったり反省したりを繰り返しながら続いて行くんでしょうなあ。



おたくに冷や水を浴びせるには機動戦士Zガンダムよりもその3年後の宮崎勤事件を待たなければならなかったわけだが。まあ、事件自体は勝手に起きたものなので、松も糞も無いんだが。
しかし、おたくだからといって人を嫌うのも、オタクだからと言っておたくの自分を嫌うな!という態度も、人間の深みとしてはどっちもどっちだと思います。
一つところの現状認識で行動するという点においては。


こう、わけのわからないものでありながら、それを包括するような決定的にオーガニックな何か・・・。
有機化合物と言うのは、生物の、とか、炭素の、というよりは、「安定性質」に対する「動的関係性」というようなものとして捉えたいと思うのだが・・・。
成績はあまりよくない。
まー、電子とか量子もゆらいでておもしろいんですが。




あと、僕が小さい頃に持っていた傘に書いてあったのはムテキ戦士ガンダーというものだったという事が分かった。
なるほどなー。
あれとゲッターのおかげで、幼年期の僕は基本的にロボットは白兵と砲兵と戦車だと思い込んでいたのだった。



あと、富野が曰く

社会というシステムに対して、我の手に入れたる技術をどのように投下して、どのようにして人々が安心して、地球の人類の総人口を100億から30億に減らすかという工学を達成するという目標を、今、皆さん方は否が応でも突きつけられているんです。

あんたのやろうとしていることはただの人殺しだ!

富野由悠季マスターアニメ!あんたは間違っている!んなぜならば!
あんたが減らそうとしている人類もまた、脳内認識から生まれたもの!いわば夢中遊行の一部!
それを忘れて、何が精神の再生だ!
そう、共に生きつづける人格を抹殺しての理想郷など、愚の骨頂!
俺はあんたを超えてみせる!
せきはてんきょうっ!脳内恋愛いいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!
脳内妹はとてもうつくしゅうございます。
流派!脳内恋愛はっ!
王者の恋よ!
全神経列!電波驚濫!
見よッ!
脳内は、赤く萌えているううううううううううううっ!!!!!!
「さらば現実!恋愛マスターグダちん、脳内に安心して死す!」



死ぬのは俺かよ。
人が安心して眠るためにはああああああああああアアアアアアアアアッ!
確実に脳内妹がいないと一睡もできないという体験があります。


富野のことを考えると、確実に僕はわけがわからなくなる。
トミノ脳内恋愛を一度に考えるとどうしようもないな。