玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

大富野教信者の生き様&富野由悠季講演会より〜富野、戦争と文化を語る。〜

ボイスレコーダーで録音した富野由悠季御大と杉井ギサブロー監督の講演の模様をmp3にしてlzhに圧縮してサーバーに上げて、精華大学の女学生であるところのムンクさんにそのアドレスを教えた。富野は外部に漏らすなと言ったが、身内に近い友達なので外部に漏らした事にはならないし、トミノが精華大学の教授なので聞かせる資格はある。
それで、聞いたのか!感想は!と電話をかけてみたら、
「グダちんって、マジで信者過ぎ。布教精神がきつい。まあ、トミノはいいこと言ってたと思うし、ためになったけど、グダちんはキモイね。必死すぎ」
って女の子に言われちゃいました!(;´Д`)ハアハア…!ドM!
グダちんが信者で何が悪い!俺は信者だよっ!2年前、講演会でサインを頂いた事がありますっ!
そういうわけなのだが。
また、トミノ発言が一部流出したことでトミノは政治的におろかだ、無知だ。という風に2ちゃんねらーに言われたりするので、むかつく。
原文を文字おこししてみた。

40代になった人がガンダムのことを実は、語ることが恥ずかしくなくなってるという理由が、特に今のその、戦争論、それから、テクノロジーのある雰囲気等という部分に間違いなくあるようです。で、それは僕自身がこの数年のなかで、えぇっと、うぅ〜ん、いろんな人と対談をさせてもらえるようになりまして、えぇ、実感した事です。
つまりガンダムで知ったから宇宙開発に行き、ガンダムを知ったから機械科系に行く電気系に進むというようなあのー、学生さん、それから、今や一流大学の教授になっているといった方の話も聞くようになるといった時に、極めて20世紀の最後まで人類が伝えていった物戦争論と技術論っていう風に触っていて、ガンダムから入っていくと戦争中に使われている技術論、科学論というのは何かということを考える時にも、モデル、つまり入り口になり得ていった。
それから戦争という物を単純に「陣取り合戦」という考え方だけで進めていったため、にです。えーと。
ガンダムの中に出ている敵味方論ていうものが、とてもわかりやすかった。ということから実を言うと、近代西洋史とか近代日本史の大学の先生になっちゃったていうような方もいらっしゃいます。(ボクの先輩にもガンダム好きで史学の大学院で研究されている人がいます)
で、そういうような事、事例から、どういうのかな、ロボットアニメだったんだけど、総論的に原則を触る、物語を作れていたんじゃないか、という事が一番その、大人になってもガンダムを語って良い物になっている。
えー、この話もわかりにくいチビちゃんたちがいるので、もう一つだけお話します。
ほんとに戦争物をやった時に主人公だけが活躍すれば、主人公メカだけが活躍していれば良いんです。ガンダムで初めてやった事があるならば、その、巨大ロボットを動かすためには絶対に補給論がいるだろう。ということをきちんと物語の中に組み込んだのはガンダムが初めてだと思う。
(未だに富野アニメ以外でそれをやっているアニメは・・・。(ボトムズ見てないけど)エヴァも最初はきちんとしてたのに。キングゲイナーも途中でポリチェフに寄ったり、してたな。)
で、当然その事は、その事は、実を言うと戦争全体を考えるといった時に、かなり難しい単語を言います。
「兵站論」
兵站という言葉をご存知の方は、えー、お年寄りには聞いていません。ようするに、戦争するための補給路なんです。だということを、僕はガンダムをやった時に間違いなく意識しました。
で、その事をやったために、マチルダさん(平坦なアクセント)というとても大事な女性キャラクターを殺してしまいました。で、マチルダさんを殺す事が大事なんじゃないの。
その、兵站論というのは決定的にあるだろう、補給論というのは決定的にあるだろう。そういうものを抜きにして、アニメといえども戦争を描いてもらっちゃ困る。て言う、ような事が、現在まで、大人になってもです。その、ガンダムを持ち出す事が、学生に対して持ち出す事が恥ずかしくなくなった。
ていうのは僕は、そういう原理原則を触っていた、いたからだろうし、ということは、あのー、ありますし。


そしてそれよりまた、一般、一般論もです。
物語というのはまず、基本的に、そのー、原、、、「人の心」の情の「原理原則」という風に触っていなければいけなくって、
お前程度の、つまり一漫画家、一作家、一シナリオライターの、お前程度の心情の物語なんて言うのは百万人のお客さんは見もしないし、読みもしないだろう。
ていう所に、えー。思考回路が行っていただけると良い、な、っていう風に思っています。
今の最後の話は精華大学の学生さんに向かって喋っている事です。」
(2年前に、ボクもマンガを描いてますといったら、同じ事をいわれて怒られた。嬉しかった。ショックで寝込んだ。)


京都精華大学の先生「あのー。今の話の中で言いますと。補給論という物を作品の中で、こうはっきりと描いたという事を言いますと、もちろんその、太平洋戦争で、ちょっと、たとえば半年ほどで短期戦だと日本はもしかしたらアメリカに勝ったかもしれないけど、長期戦になると補給路が確保できないんで・・・」
おハゲ様「その話も絶対にウソ!」
ビビっている精華の先生「そ、そうですか(苦笑)」
トミーノ「真珠湾で勝ったからと言って日本がアメリカになんて勝てるわけ無かったの!
なのに勝つといった山本五十六はアホですっ!

(会場笑 拍手)
(この、会場が拍手をするというのも、物事の真偽よりもインパクトや面白さを求める大衆性だなあと思った。
この問題については、太平洋戦争が、よく言われるように無謀な(=勝ち目のない)戦争で… - 人力検索はてなを読んだりしてみた。
山本五十六は勝つといったのか?ただし、兵隊として暴れるだけで自分は終戦の事は考えられないといって戦争するという態度も指揮官としてどうかと思うなあ。東条英機ですら自責の念に囚われながら戦争していたというし、もう、やめとけばよかったのに。
で、トミノはどの程度この問題について考えているかはよく分からなかったんだが、この時は精華大学の講師がポロッと、関係があまり無い上に戦後世代らしい愚かで、それでいて一般によくある誤解を、無意識に言っちゃったから、トミノも切れちゃって注意したという感じ。
だから、富野自身がどのような文脈でどれほど山本五十六がアホだと思っているかはよくわからん。それに、この問題について富野自身も長く喋りすぎると講演の内容が変わるから、短く切り上げようとした印象。
短く切り上げながらも、神はスゴク深いこと言うので、神!)
「戦争を考えるのは気合ではないんですよ。気合で無い事がわかっていないから、またブッシュさんが平気でまた増援をするという事が起こっている。
で、そこに、さっきからあの、僕が注意してかかっているという事があります。」
「20世紀までの大人たち、20世紀までの人類が考えている戦争論と、実を言うと、21世紀以後の戦争論、21世紀は戦争論がありえないと思っています。地球上では戦争をしていられない、している暇がないという風に思っていますから、戦争論というものがそういう風にありえない。
なのに、それを一般の論調として取り上げる事が出来ずに、某北朝鮮が核開発をしたからという事で食糧支援を50万トン、あ、50万トンは石油です。―をよこせみたいな、力関係で物事が進むと思っている人たちは、ジオン以下です。
朝鮮民主主義人民共和国だけでなく、力で物事を進める人たち全般がジオン以下ということ。だから、20世紀末の∀ガンダムは戦争ではなく、民兵と市民軍の小競り合いと政争と暗殺事件と暴動程度の戦いであって、決勝トーナメント的な全面戦争ではなかったのだろうな。ていうか全面戦争って一年戦争だけジャン。だからSEEDはそこら辺は頑張ったよね。描き切れなかったけど)

一部分の発言だけで、神の発現の真意は深遠すぎて測りかねると思ったし、神の発言を僕程度のオタクが要約して書くと、真意が伝わりにくいと思ったので、できるだけ、トミノがどもったところも含めて忠実に書いてみました。
とりあえず、僕の考えは感想程度にしか書かないので、富野由悠季の発言の価値は皆さんが原文を読んでから、その上で個人個人で判断していただきたい。僕は原典主義、原理主義なのだな。
音声をアップしたらいいんだろうけど、とりあえず、トミノに「外部に漏らすな」とも言われたわけだし、必要最小限の部分に留めたいわけだが・・・。ジレンマ。