玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。


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リーンの翼新装版3巻 第一章「帰還」

発売からすでに3カ月たって、やっと3巻を読み始めると言う富野信者失格の今日この頃。
しかし、新装版第3巻は久しぶりの富野新作と言う事で、とてもわくわくしながら読めました。というわけで一章ごとに感想を書く。
長いし。
まず、1ページ目の登場人物紹介から血が騒ぐし。異世界バイストン・ウェルに20世紀中盤の地上人の軍人が集まっている。
まるで、戦死した戦士がヴァルハラに集うかのようだ!2巻でスウェーデン人グーベルゲン・ニーベルが語ったラグナレクの準備をしているかのようだ。
いきなり3巻で増えた地上人は、
主人公で元桜花パイロットの日本海軍一飛曹、リーンの翼の聖戦士・迫水真次郎を筆頭に、
長崎のピカに遭った日本海軍技術将校蓼科宗一郎中尉(べっ甲眼鏡の大人)、
朝鮮戦争に従軍した米軍少尉ランバート・サッチャー少尉(陽気な少年)、
ロッテルダム空襲で飛ばされたオランダ人技師ヨラン・ファンベルデン(気の良い女好き)、
ムスタングに撃墜されて来たナチス・ドイツ機甲部隊偵察飛行部隊のホッブ・ローテンブルガー大尉(真面目だがドイツ映画を愛するロマンチスト)
ソ連戦車兵ウラジミール・カレッガ中尉(なぜかナチスのローテンブルガー大尉と気が合う)
V-1ロケットの爆撃で落とされたイギリス空軍公爵ジェフリー・スコット大佐(日本人を差別するが思慮深い英国紳士ちょびヒゲ)
とかが、第1章で登場します。
他に、ベトナム戦争から来るアメリカ陸軍大尉ラインハルト・エッゲナーや、東京オリンピック後の東京から来るポーランド人レフ・トラエカフや1953年のインドシナから招かれるアメリカ人ジョン・ロン、オランダ人女性クール・カレルギー等が今後登場する予定。
個性豊かすぎる!こうやって仲間を集めて行くのは七人の侍の仲間集めみたいでいいなー。しかも迫水は桜花とかリンレイとの国づくりとか三発目の原子爆弾の排除とか、1回も2回も3回も死んでるから、過去を背負いまくりのサムライで、用心棒とかみたいでもある。燃える。
なんか、地上世界の戦争で敵味方で殺し合ったというかむしろ死んでる軍人たちが、異世界に来てテレパシーで闊達に話して親交を深めながら、新しいオーラバトラーやオーラバトルシップの建造を行うというのは、なかなか胸が熱くなります。
軍事力の結集ギルドは迫水だけの意思じゃなくって、みんなでやろうぜ!Angel Beats!死んだ世界戦線のおっさんバージョン。AB!オーラバトラー
というか、ヘルシング以上に軍人たちの万国博覧会だな!厨ラノベすぎる。ハルケギニアもビックリだよ!プレデターズだよ!
で、地上の技術や軍人のセンスを使って、新しい諸部族連合国づくりを行おうとするメッオの国の部族の思惑も絡んで、たまらん。
機動戦士ガンダムF91のコスモバビロニア建国編のようなワクワク感だよ。∀ガンダムのウィルゲム離陸とかみたいな。
オーラバトラー戦記は最初の方しか読んでないけど、それもこんな感じ。
建国の前日譚が好きな富野由悠季
以下、ネタばれ
 
 
 
 
迫水が消滅した後、2巻で覇権国家ガダバを倒し再興が成ったシィとキェの連合国家シッキェは、女王リンレイ・メラディが戦死し、武者頭領アマルガン・ルドルは闘いにしか興味が無く流浪の身に戻ったため、求心力のない文官が残り、いたずらに技術を発展させオーラバトラーを開発して新たな覇権国家になってしまった。
ある意味、Zガンダム以降の地球連邦のような腐敗した文官政権ですかね。
サコミズから取ったサッコウの名を冠したオーラバトラーで庶民の一揆を鎮圧する所は、ガンダムMk-IIティターンズのよう。
富野らしいというか、綺麗に存続する平和国家を描かないんだなあ。富野さんは。
そして、迫水が新たに降り立ったのは、そのシッキェの国に対抗して独立を守りながら独自の技術を開発しようとしていた部族連合国メッオ。自分の作った国が敵となる迫水!
第1章50Pのラストでシッキェとの艦隊戦とオーラバトラー戦闘まで描かれる!これはとても良くできたロボットものの第一話。
オーラバトラーは迫水が作ったものじゃなくって、迫水がアマルガン達と戦っていたころから北方の田舎のメッオで少しずつオーラ機関の研究がおこなわれていたのね。
それはちょっと肩透かし。というか、空中戦艦やバイオロイドのオーラバトラーが戦場の主役になったら、ちょっと空が飛べて腕が立つ程度のリーンの翼の聖戦士迫水真次郎は主人公としての地位をどう確立していくのか?
 
 
メッオの国が地上人の協力で初めて作ったオーラバトラーは、尻尾の付いた虫と人間の合いの子のような化け物でフランケンシュタインの怪物だが、それにメトロポリスから「マリア」という名前を付けるナチのローテンブルガー大尉はロマンチストだな。
 
 
メッオの国の族長たちも自らのオーラシップ建造の文化と技術に誇りと夢を持つ男たちのようだが、迫水の側室争いで諸民族に火種の予感!
 
 
あと、以外に迫水がケロっとしているのが意外。リンゴの唄に対して2巻ラストで「英霊を無視して勝手に平和ボケしてるんじゃねえ!こんな国には戻りたくない!」とブチ切れしていたようだが、3巻になってバイストン・ウェルに居る蓼科中尉に「明るい歌で、日本は復興すると思えました」などと落ち着いていた。もちろん、蓼科中尉に対する面子や礼儀もあるだろうし、魂で体験した地上と、再びバイストン・ウェルで肉体を得た疲労による落ち着きもあったのだろうが…。
 
 
そして、バイストン・ウェルの海に投げ出された迫水を初めに見つけてくれた少女アピア・メッレがリンレイ・メラディに似ていて、また船でロープを使うところや物腰が丁寧な所は1巻に登場したゲリィ・ステンディにも似ている。あー、これは迫水は惚れるわ。
っていうか、バイストン・ウェルに戻る時の大怪我をアピアに看護されて、キスをしたかもしれない仲に早速なってる。さっすがあ!
ダース・ベイダーみたいにいきなりダークサイドに落ちたわけでもないのか。普通に次の女を見つけとる。迫水は男らしいなあ!アマルガンに対する恨みつらみもそれほどないみたいだし。(やや解釈しにくいが、迫水の心中の問題だからな)
まあ、地上人たちの集まりって言う居場所を手に入れられたから安心したという面もあるんだろうね。
簡単に絶望しただけでは生きてないっていう人間のある意味したたかさやしなやかさか不実さを人間らしく書いてる。
 
 
3巻の一番最初の描写は、一度世界と一体化するまでに悟った迫水が、動物の声を聞き、そしてそれが聞こえなくなり、体の痛みを感じ、代わりに少女と出会い、人間の男に戻るというものすごく素晴らしい転生の描写でした。精神と肉体の関係はアベニールをさがしてでもやってましたね。
ジャコバ・アオン風に言うと「まったく、しようがない・・・」のだが。
そして、堀江由衣のエレボスも既に登場。あ、フェラリオって幼女体形でも結構年食ってるんだ…。
ホッチャーーーーーンホワアアアアアアアアアア!
特に説明もなく、フェラリオの羽は背中から腰に移動した。ダンバインバージョンからリーンの翼OVAバージョンに変わった。まあ、いろんな種類がいるんだろう。