玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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輪るピングドラム第18話その1山内重保は原因と結果のマジ連打!

脚本/幾原邦彦、伊神貴世 演出・絵コンテ/山内重保 作画監督/西位輝実、馬場充子
うおおおっ!俺の大好きな山内重保が俺の大好きな輪るピングドラムに参戦っ!
これは神すぎるので、エントリを分割して感想を書くぜ!

今回の山内演出はこれだよな!
もう、ね、すごい!僕は小説を既に読んでて、そこでも泣いたんだけど、18話って内容が多いので、「これ、どうアニメの20分に収めるんだろう?」って思った。
「多蕗の過去」「こどもブロイラーでの桃果の活躍」「多蕗と冠葉の決闘」「高倉家の秘密の暴露」「冠葉のがんばり」「陽毬の諦観」「苹果と多蕗の相克」「晶馬への苹果の信頼感」「ラストのゆりと多蕗、そして真砂子」とか、すごく内容がある。小説ではかなり多蕗の過去の変化など、かなり描写があった。陽毬を助ける冠葉と、それを追う晶馬はタイムサスペンス風だったり、冠葉の命がけの行動があったりして、量が多い。
それをどうアニメに収めるか?山内重保は内容の「原因」と「結果」だけを描いて、その過程は「視聴者の脳内補完」で処理させるという最高にクールな圧縮術を使ってきた!


多蕗の母と弟との関係を、夢喰いメリーの夢時空のような印象派絵の印象で説明をすっ飛ばして描いた!


陽毬の手のアップをポンと置いてから、冠葉のリアクションを挟んで


このフォローアップで陽毬の救出とか、すごい感動するよね。出崎統系の説明前インパクト演出だよねー。


多蕗のOFF台詞に被せて、ゆりの傷ついた布と


ゆりのきれいな顔のアップをカット割りで分けて見せるってのが、すごい女優が傷を隠すっていうキャラクター性を表現してるねー。山内はマジアップが好きだよねー。ゆりが斜めになってるのも、ゆりが精神的に無理をして頑張って傷を隠して立っているという意地を表してるよな。
そして、

落ちる日記のアップと俯瞰の説明カットを短く挟んで多蕗をぶってから、

傷だらけの服とゆりの顔を同時にバストアップで見せて、ゆりの息が荒くなって、ゆりの怒りを非言語的に表現してるよねー。意地を捨てるゆりのマジギレが、さっきの分割アップによってより深まってますよね。
ゆりは殴ってから怒り(仮面夫婦ではない多蕗への感情)を自覚したんだねー。でも、その時にはこの夫婦はもう別れてたんだねーって言う。

この幼馴染夫婦のすれ違い感覚!泣かせる!マジスゲー!



んで、「金網」=「鳥籠」の中の時籠夫婦の別れを、金網の外から見ている真砂子の登場!
真砂子の決然とした佇まいを表現して、上手から登場する真砂子で、真砂子が頑張っているというのもマジ表現されてるよねー。
夫婦が別れたっていう結果のあと、横長の舞台をカメラが移動して、ワンカットで即座に真砂子だからね。結果の連続だよ。


また「原因と結果」すらもハッキリ描かずに「視聴者の脳内での期待感をあおる絵」と「視聴者に結果を想像させる絵」をだけをドン!と置いて疾走する山内演出!特急列車乗っちゃって!

この桃果の右手が腫れているワンカットで、桃果が鉄拳で子どもブロイラーに侵入したという段取りを全て説明している!考えるな、想像しろ。
この子どもブロイラーのシーンは夢喰いメリーの白昼夢のような空間っぽいので、どうして夢の中に桃果が殴り込みをかけてきたのか、深く語らない。ただ、雰囲気を味わえ!そういう漠然とした勢いが山内だ!
(まだ18話だしね、謎は最終回まで)




Aパートラストの雲の動きが斜め上になってて、多蕗が自然に桃果に惹かれつつ、気持ちが上昇するっていうマジスゴイ斜めだよね!山内斜めだよー!
この斜めだけで多蕗の気持ちを暗示してるよ。わかる、わかるよー。


そして、視聴者に強制的に想像をさせると、視聴者はその過程で脳を使わされて、それが感動に転換する!泣ける!
しかし、視聴者が想像してくれない、興味を持ってくれないと単に意味がわからないだけの段取りの無い芝居になってしまう。
だが、そこをうまく視聴者が興味を持つような含みを持たせたトリミング!とか!
↓こういう風にトリミングで顔を見切って、視聴者の興味を溜めてから


この顔!


俯瞰ですれ違いを一気に描いてから、

多蕗がすれ違う所を苹果の顔で隠して


多蕗の顔が露出して、っていう!
そこでキーワードの「僕みたいになっちゃだめだ」を印象付けるとか!

スゴイ!



視聴者が絵を見るだけでも幸福感を感じるようなパワーのある絵とか!

馬越嘉彦軍団!大田和寛、西位輝美に馬場充子!しかも馬越さんの師匠でもある羽山淳一さんまで・・・。神すぎる!

小黒 ああ、いまだに現役の羽山ファンなんですね。
馬越 俺は、歳をとったら「羽山博物館」をやろうと思ってますから。
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神演出に神画・・・!
僕の大好きなキャシャーンSinsの人脈が!
美しすぎるだろ!!!
石田彰さんもキャシャーンSinsには2話のルート(アベックロボット)と12話のマルゴー(画家ロボット)で出てるし!キャシャーンSins好きの俺得ピングドラム!!!

この立ち方がもう、キャシャーンすぎる!

色彩設計の辻田邦夫さんもキャシャーンSinsからの繋がりで、背景美術や光の演出も美しいっす!ピングドラムのアナログ背景を大事にしつつエフェクトをかけて行く感じがマジスゲー。
錆の浮いた鉄塔とかワイヤーとか廃墟とか、キャシャーンSins過ぎる!!!!
いいねー。
山内いいね。


あと、普段使ってない新しいBGMのアレンジを乗せてきてるのも中ボス戦って感じを上手く盛り上げてたし、陽毬救出後のゆったりとした音楽の変化からエンディングへの繋ぎとか、音楽面でも良かったなあ。音響監督は幾原邦彦監督です。

(数時間経過)



えーと、意外と冠葉と多蕗の感情的な位置変化が四発の爆弾が区切りになってて面白かった。
だから、とりあえず、Bパートのあらすじと経緯をまとめてみた。




http://f.hatena.ne.jp/nuryouguda/%E3%83%94%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A918%E5%86%A0%E8%91%89/?s=entrytime#
http://f.hatena.ne.jp/nuryouguda/%E3%83%94%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A918%E5%B1%B1%E5%86%85%E4%B8%AD/
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こういう話だったので、感動しました。(小学生並の感想)
細かい話は次のエントリで書く。今日は寝る。



冠葉と多蕗の対決での話題と心情の変化、陽毬の揺れる心や落ち方、多蕗を見つめる苹果、時間経過に利用される晶馬などがおもしろいですね。
(経過をすっ飛ばして結論だけ書いた)




あと、この苹果の健康的な脚、力強い脚のアップで、彼女の力が表現されてるよね。って言うか山内さん、足が好きだよなー。

陽毬のこの脚へのスポットライトの落とし方とか、ホント、山内さんが足だよなーって言う。
「女の子の脚はそれだけで萌える!!!」っていう山内さんの哲学を感じますよね。

山内監督:
意識したわけじゃないけど、腰だとかよく言われたw
足→腰→胸から下のアングルとだんだん上に上がってきた。
たまたまメリーの場合ああいう服装だったからおへそがたくさん見えてw
ボクとしては普通のカット割りつもりだった。
ただそう言われると、あぁ、ヘソかーって。
作画監督藤井昌宏さん)がそっち系が得意で一生懸命書いてたね。
ヘソだけでも魅力あるんだね。
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ヘソからまた脚に行っちゃったかー。まあ、今回はへそ出しファッションがなかったもんなー。

このキャシャーン立ちはマジで腰!って感じだったけどな。


目のアップも山内(っていうか荒木伸吾さん)だけど、

今回はキャシャーンほど目玉のアップは無かったかなあ。
でも、



ペンギン1号が小宇宙を燃やしてパワーを発揮とか、スっゲー無理矢理感覚だけど、なんかすごいオリジナリティーとか説得力があってすごい。


ほんと、マジスゴイ。


とりあえず、あらすじと山内だけまとめたんで、細かい話はまたあとで書く。