ガッチャマン クラウズ インサイト 01 クラウズ論壇復活！全体主義問題！

GATCHAMAN　Crowds insight 01話　contact point　はバンダイチャンネルで見放題！www.b-ch.com
今日の正午に配信されたから見たよー。

何を隠そう僕は2年前、あの悪名高いクラウズ論壇だったのだ。
前期はたくさん感想も書いた。BDも買った。d.hatena.ne.jp

ガッチャマンクラウズインサイトは面白いアニメだなーってのが第一印象ですね。うん。オシャンティーな感じの実写コラージュオープニング映像とかスタイリッシュなGスーツの新規デザインとかカッコいい歌と音楽とかカラフルな色使いとか形とか面白かったですよ。

とりあえず面白アニメとして素直に楽しみたい。

ガッチャマンカッコいいよなー。

しかし、疑問もある。
前期は毎回オープニングが変わってGスーツの謎（特にうつつとOD）が徐々に明かされる感じだったし、ガッチャマンと言う組織自体が謎めいていて、それに入っていく新人の一ノ瀬はじめの視点とか、彼女に振り回される清音先輩などを通じて徐々に理解していく感じだったのだが。

1話から馴れあいすぎじゃないですかね…。

なんかテレビに出てるし。

新潟県で馴染んでるし。

丈さん、0話で菅山首相を赤いクラウズのVAPEから助けてガッチャマンションに匿ったっぽいんだが、なんか偉そうに総理大臣に意見してるしな。丈さんの癖になー。こいてるなー。煙草の代わりに飴を舐めて禁煙アピールをしてるのにジッポをいじってダーツをして、なんかこいてるわー。

「リーダーは私だけじゃない。みんなだ。それを支えるクラウズはみんなの希望の星。私はみんなを信じる」
「でも総理、残念ながら人間はみな同じではありません。一部のサルのせいでこの国には社会と言うものが生まれないんです」
「それが現実です…。現実を正確に判断し人々を動かすのが俺たちの役目なんです」
こ・・・こいてる・・・。総裁Xから降ろされた情報を見てるだけなのに現実を正確に判断してると自己認識してる枇々木丈さん。そんな丈さんはギャラックスで「みんなよろしくな！」「清水市長に清き一票を！」ってネット選挙運動をしている。こいてる。ヒーローとしての自分の立場を政治に持ち込んでるよー。うわあああああ。
丈さんが調子こいてる時は基本的にボロクソにされるフラグなので。多分スマホ選挙はダメになるでしょうね！主に丈さんのせいで！
なんか、カッツェさんが大人しくなった分、丈さんが炎上屋になってないか？自分で気づいてないだけで。
バイオレンスAPEのことを言ってるんだろうが、国民の一部を猿呼ばわりする丈さん…。ナチズムに目覚めちゃうのか？なんか中二病っぽくなってるし、一度世界を救っちゃった自信が彼をダメにしている気がするので、またボコボコにされてほしい。
ていうか地方公務員の癖に総理大臣に「市長秘書ともなると言うことが違うね」って皮肉られてドヤ顔する丈さん…。お前…。本当に成長しない地方公務員だな…。

マスコミとズブズブになってるO・Dも気になる。

大学に日本刀を常時持ち込みしているのに女子にキャーキャー言われてまんざらでもない橘清音。どどど童貞ちゃうんか？調子こいてんなー。まあ、7話くらいでまたボコられるんでしょう。

また前期のMESSに対するように謎の宇宙人ゲルサドラを「かわいいー」ってハグするはじめだが。
普通に足の突起が刺さりそうなんだが。

でもなんか花澤香菜さんに変身した。人に好感をもたれる能力があるのか。
ゲルサドラは他人に共感される容姿と声優ボイスに変身する能力があるっぽくて、あと「ゲルルルル～」って魔法の言葉を唱えたら人の気持ちを吹き出しで表示させる能力があるっぽい。

宇宙人とかヒーローとかが出てくるのに1年くらいかけて慣れたのがクラウズ2期の国民なので「なんで出来てるんだろう？」とか言う割にその後吹き出しが出っぱなしでもそんなに気にしてない。ゆるい・・・。
うーん。なんかこの1話はガッチャマンがそれなりに安定して日本を守っていて、みんなもそんなに地上に慣れて馴れ合ってる空気を感じる。まあ、多分崩壊するでしょう。
前期は謎の秘密結社だったガッチャマンが世間に浸透していく過程での位置エネルギーの変化みたいなのを描いてエンタメにしていたけど、今期はガッチャマンが世間に受け入れられて安定してる所に外の宇宙人が来たり自分たちの内面が暴露されたりしてまた位相が変化するんでしょうな。

• みんなと空気

ラブライブ！のみんな主義とかユリ熊嵐の透明な嵐の空気の同調圧力を描くのがテーマっぽい。
吹き出しのどの色が何を表してるのかよく分からないけど、ゲルちゃんは人の心を可視化して、その上でなんか優しくて良い事を言って吹き出しの色を同じにして「みんなの空気がまとまって良くなったねー」って思わせる全体主義的動員が能力っぽい。みんなに好かれる能力。花澤香菜さんだし。

ただ、弟が戦死してるゆる爺（百歳）と、前期から超然としていて「人生２周目」みたいな達観した意見を清音や累やベルク・カッツェに言ってたはじめたんだけは色が灰色で変わらない。はじめたんの精神年齢百歳なんだ…。いったいどんな人生を歩んできたんだろう。震災に関係していたっぽいと前期で匂わされていたが、「おかあさん」とちょっと電話しただけでほとんど過去や家族が描かれなかったはじめだ。
今期の新主人公の三栖立つばさは逆に実家の花火師の家系と近所がサマーウォーズっぽく濃厚に描かれていて、はじめとはまた正反対な感じ。

そんで、はじめは最初に心の吹き出しが出たのを見た時に「うわー。みんなバラバラできれいっすねー」って言ってる。
んで、ミリオネ屋で怖いクラウズの事件を見たゲルちゃんは「みんな一つになればいいのに」って言って、つばさは「超感動だよねー！」って心の吹き出しをみんなと一緒にしている。

ガッチャマンクラウズの基本設定として、「はじめちゃんはいきなり結論を言う」なので。「みんなバラバラできれい」ってのが２期の結論で、「みんな一つになればいい」っていう空気の優しさに包まれた深い悪意のような圧力と対決するのかもしれん。
「みんな一つになればいい」って三栖立家の人が盛り上がっているシーンの直後にはじめとゆる爺が戦死した弟の話をしてて、すごい露骨に「みんなが同じ意見になるのは戦争の軍靴の音だよね～」という政治的意見を出してる番組だ。どうなるんすかねー。

空気を吸うだけでなくちゃんと吐けとゲルちゃんに言うゆる爺、これも政治に対する意見なのかなー。「時代の発展する空気」に流される立川の女子高生もいますが。時代がそう進んでるから仕方ないって空気を受容するのもあれですね。空気を自分で作るのも必要だけど、一億人以上の人がバラバラに行動しても万民の闘争状態になるしどうなんですかね。

あと、タッチパネルが嫌いで未だにガラケー派でスマフォで選挙に参加できない人には選挙用に端末を配布してくれるんですかね。途上国に端末を渡せばいいって言う人がいましたねー。端末は電力を食うからインフラも必要なんですけどねー。

• まとめ

絵的にも設定的にもガッチャマンが2016年の日本の空気に受容されて馴れ合っているし、戦闘シーンが無い分ゆるい印象があった。だが、着実に不穏さや問題提起意識もあって、今後が楽しみですね。
最近はギリシャで「C」が起こりそうですし。中村監督は政治意識あるよね。

あと、人の心がビビッドに可視化されるのは「空中ブランコ」を思い出したっスー。

「GATCHAMAN CROWDS insight」Vol.1　Blu-ray