今週もつまらなかったですね。機動戦士ガンダム ジークアクス。
博報堂に弟がいる宮崎駿監督を踏襲しているのか、広報に金をかけていてネットやSNSで露出して話題作のように世論を誘導しているようですけど。
と、アンチとして感想を書く僕に対して「見なければいい」というコメントをこのブログに書く人もいますけど、ここは単なる日記ブログなので。別に読まなくてもいいですよ。
ていうか、オタクとしての僕はロボット物もプリキュアもアイドルものもホラーもバトルも恋愛ものも割と節操なくなんでも見るタイプなので。
特に今までガンダムとか富野アニメに興味が強かったので、まあジークアクスもその流れで。ガンダムエースは年間1000円で読み放題の京都精華大学情報館にも置いてないので、ORIGINの終わりくらいに買って読むのをやめた。
(基本的な定期刊行漫画雑誌やアニメ雑誌のニュータイプとかアニメージュとか文芸誌のユリイカとか、ノンノとかのファッション誌とか政治系や社会学系の雑誌もある)
だって、雑誌ってつまらなくて読まない部分にも金を払うメディアなので、クロスボーン・ガンダムの単行本派になるよ。
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サムネイル画像用。大した意味はない
- つまらない理由
- 1.キシリア暗殺作戦
ハマーン・カーンの真似をしている。パラレルワールドで歴史改変を行っても似たような状況で似たような行動が発生する、というよくある藤子・F・不二雄とか星新一的な法則性がある。
法則性があると、だいたい予想がついてつまらない。
ギレンやその秘書など、過去のガンダムのキャラクターが出たという程度でキャッキャするほど、僕は若くないんだ。ていうかもう第10話やぞ。裏番組の「ある魔女が死ぬまで」ですら、死ぬかどうかの初期の課題を越えて、町レベル、さらに世界レベルの魔女に成長しているんだが。
さすがに僕もジークアクスの第4話(第3話までは先行上映で見てたし熱量が低かった)の感想を、本編を見ないでAI書かせるという暴挙に近い実験をしたけど、さすがに第10話になると、普通に感想を書こうかなって思う。
というか、前回、マチュの心がめっちゃ読める感じだったシャリア・ブルがキシリア暗殺作戦を知ってめっちゃ慌てて「キシリア閣下が一枚上手だった」じゃねえんだよ。
俺でも(あ、ハマーンのアレだな)って予測できてたけど?
GQuuuuuuXのすがたのデギン・ソド・ザビ公王は多分、ソーラ・レイで焼かれたわけじゃないっぽいけど毒殺されたんなら暗殺には暗殺で返すのは会話の流れで読めるし、そもそもキシリア様がギレン兄を殺したい気持ちはずっとあるに決まってるだろ。
サイコガンダム事件でキケロガ&ギャンでキシリア閣下を救出して恩を売っておいたから大丈夫とか思ってたのか?間抜けなのか?
いや、確かにな、Zガンダムのハマーン・カーンが「この耳飾りには青酸ガスが入っているッ!」って無茶苦茶言いだしたのは単独で、ティターンズの基地のゼダンの門(旧ア・バオア・クー)に入り、その謁見室でジャミトフ・ハイマンと会見している途中でいきなり毒を撒き始めたので、予測はしにくいんだけど。
でも、ジャミトフは凄く用心深いし、ハマーン・カーンが何するかわからん女ということは分かっていたので、護衛のジェリド・メサに注意させていた。(まあ、護衛の役がジェリドレベルしかないって言う時点で、かなりの人材がシロッコ側に引き抜かれていたりカミーユたちにぶち殺されていたというティターンズの懐事情なんだが)
ジャミトフですら警戒していたのに、汎人類史の一年戦争末期のア・バオア・クーの直接指揮でテンションが上がりまくっていたギレン・ザビならいざ知らず、GQuuuuuuXで5年も暗殺を恐れて引きこもっていたギレンが、キシリアの殺意を読めなかったのはどうなんだろ。汎人類史のテレビ版(世界線が多くてややこしいな)のギレン・ザビはシャリア・ブルに思考を読まれても冷静に指摘していたのでそこそこニュータイプっぽさはあるんだけどな。まあ、お兄ちゃんだから妹には弱いのかなぁ?
それに、キシリア・ザビがものすごく心を閉ざすタイプで、漫画「ARMS」の天才科学者サミュエル・ティリングハースト博士くらい、長年の人間不信からテレパシストでも心を読めないレベルか、あの独特のヘルメットが脳波を遮断しているとかの理由で、シャリア・ブルがキシリア・ザビの思考を読めないとしても、今回はハマーンが独断で突発的にやった毒ガス散布と違って、他の兵士にも防護マスクなどを用意させていたので、その末端の兵士から思考盗聴することは可能に見えたけど?
シャリア・ブルのニュータイプ能力にはスタンド能力みたいに射程距離があって5m以内に近づかないと心が読めなかったりするのか?場合によっては戦闘空域の範囲が数千キロにも及ぶこともある宇宙戦闘兵器のパイロットなのに?(小説版ガンダムの話を持ち出すのは少しルール違反だけど、前回は「密会」ネタがでたので言うけど、小説版ガンダムは映像作品と違ってカメラに映る範囲で戦闘をする必要がないので、アムロとかシャアなどのニュータイプは普通に数百キロ先から発射されたものを避ける。宇宙には空気抵抗と地球向きの重力がないので、(もちろん、地球や月からの距離とか、場所によって重力定数は変動するが)普通に数百キロくらいは実弾でも割とまっすぐに飛ぶ。ビームやレーザーも使用されるので、宇宙世紀の戦闘、流れ弾が怖すぎるだろ。デブリになってるやつとかもあるし)
(実は、ギレンは政治家としては優秀だけど用兵家としては割とレベルが低かったりする。ア・バオア・クーのSフィールドの配置ミスとか。開戦からブリティッシュ作戦を含む一週間戦争は電撃作戦で長期間の計画立案を経たであろう読み通りに進んだものの、コロニー落としがジャブローに当たらず、連邦軍によるレビル将軍の奪還と南極条約の不完全締結から旗色が悪くなり、地上侵攻してみたものの補給線が伸びてしまい、9カ月の戦線の膠着状態ではギレンの作戦はそれほどうまくいっていない。ドズルとキシリア、マ・クベとランバ・ラルも仲が悪くてジオン軍の組織が分裂していたし。幹部が協力し合わないのは悪の組織あるあるだけど)
なんかガンダムのオタクなのでガンダム知識を書いちゃって申し訳ないけど、僕のこのレベルに近いガンダム知識の発言でもジークアクスに関連して万バズ行ったりしているみたいだね。
まっ、僕はジークアクスのテレビ放送前にXアカウントを凍結されたのでそういう承認欲求レースからは離脱していたのだが。
なんか、キシリア・ザビがギレン・ザビを暗殺するという歴史の強制力やシナリオの都合のために緑のおじさんのシャリア・ブルがGQuuuuuuX世界で積み重ねてきた有能なヒゲマンとしての実力がいきなり下方修正されたみたいで、なんだそれって。
- 2.つまらない木星帰り
なんか別に聞かれてもいないのにマチュに対してシャリア・ブルが木星でヘリウム3の採取任務で経験したことを語る。(ヘリウム3はヘリウムの同位体で機動戦士ガンダム世界の宇宙世紀の核融合炉エンジンの燃料としてとても重要な物質)
シャリア・ブル自身が「つまらない任務だった」と言う時点でつまらないし、ピンチの原因も解決法も雑でつまらなかった。
他にも、今回9話のあたかもモノローグで会話しているかのようなシャリアブルとマチュのシーンは、現在のマチュの時系列と前後させているにも関わらず、一般的なアニメ表現として使われる過去回想フィルターなどをあえて用いない、まさに脚本と絵コンテ+演出の剛腕さが際立つ会話シーンとして舌を巻いたものだが
nuryouguda.hatenablog.com
って、前回の第9話を褒める人のコメントがあったけど、めっちゃ回想シーンらしい回想シーンフィルターだったな…。
あと、なんか宇宙漂流に近くなった状態のシャリア・ブルが生き延びるために同僚を殺害したような匂わせがセリフと並行した回想シーンの絵としてあるのだが、ニュータイプとして心が読めるかもしれないマチュが、そういう話を聞かされても別にシャリア・ブルが手を汚したとかそういうことには対してショックを受けなかったりというか、ノーリアクションなのがつまらない。
人が死んでもなんとも思わない空っぽのシャリア・ブルと空っぽのシャア・アズナブルというのを表現したかったんだろうけど、こないだまで普通に高校に通っていたアマテ・ユズリハの倫理観レベルがそこまで急速に空っぽになるのか?
マチュはコロニーの環境は偽物だと感じていた異常者だし、シュウジのシイコなどに対する殺人にも憧れていたから、殺人とかなんとも思わない奴なのか?
前回、念願だった地球に行っても、風俗店に入っても、あまり感情が動くところを見せなかった。
Zガンダムのカミーユは序盤で生身の軍警察官に対してガンダムMk-IIのバルカン砲を高さ18メートルからぶち込んで爆笑するような異常者だったけど、中盤では逆に反省して自分が殺した兵士のために自分の部屋に手製の祭壇を作って罪を詫びて、それでさらに精神的に摩耗していったが。
まあ、オッカムのカミソリやチェーホフの銃みたいな作劇テンプレとして、マチュがニャアンと同じく拳銃を所持するという段取り優先なんだろうけど。木星まで行った冒険がその程度なのはつまらないな。お前…。木星でこじれたクラックス・ドゥガチ総帥や木星じいさんを見習えよ。まあ、あの二人はちょっと拗れすぎているけど。
今回の「ある魔女が死ぬまで」では「古代魔法に術者の”感情”を乗せることで現代の理論的になった魔法では不可能なレベルの大規模魔法を成功させる」というエモを描いていたけど。
やっぱりジークアクスって前回同様、段取りとか周りの状況とか他人に言われたこととか勝手に動くモビルスーツとか元ネタのガンダムのオマージュでキャラクターが動かされているようで、自分で動くという怒りに燃える闘志とか絶望しに沈む悲しみとか愛に震える心とか、芝居に感情が乗ってない!
ともよを使ってその程度なのか!みりあやらないのか?
- 3つまらない戦闘
ビグ・ザムを倒すにはまず足元から実体槍で。まあ、それは連ジの基本。
ニャアンのジフレドが装甲の隙間(モノアイレールだっけ?)にビームライフルをぶっ刺して内部で銃撃して破壊するのも、勇者ライディーンやメカンダーロボなど70年代無法ロボの荒っぽい戦闘に似てて、それはちょっと面白かった。
汎人類史のアムロ・レイも、よく「ハッチを閉じようとするジオンの砲台や塹壕の隙間」にガンダムシールドやビームジャベリンをぶっ刺して念入りに中の人を殺したものじゃよ…。鬼か?悪魔か?機動戦士ガンダム!
まあ、そこら辺はやっぱり作画カロリーの予算もあるし、ちょっとは見ごたえがあったけど、疑問としてはジフレドの小さいビットな。
あれ、ビグ・ザムから視認できるんですかね?ビグ・ザムが飛び回る小さいビットを避けようとして空振りして翻弄されていたけど。そもそもビットとかファンネルって相手に視認されないところから一方的に撃ち込む兵器なのでは……。
まあ、ソードファンネルみたいなところもあるんだけど、ビグ・ザムが小さいビットに翻弄されるのはちょっとよくわからなかった。
翻弄される前に、小型のビットは見えないと思うので、回避しようとする動きに説得力がない。
っていうか、例によってGQuuuuuuXでは殺される中の人はあんまり描かれないので。
ビグ・ザムという機械が慌てているのは見えるけど、中の人の感情が伝わってこない。ドズル中将はビグ・ザムに同乗した部下と話し合っていたし、Gのレコンギスタの巨大モビルアーマーユグドラシルでも2人のサブパイロットの男性に対してメインパイロットのバララ・ペオール中尉が恋愛の愚痴をめっちゃ中原麻衣ボイスで聴かせていた(闘いながら聞かされた方は最悪の気分だと思う)。
黒い三連星やゲーツ・キャパとか汎人類史のジオン軍理側のパイロットや、スーパーユニカムとか強化人間とかの強キャラになって、やっと中の人が描かれる。軍警ザクも暴れている時は中の人が描かれていたけど、死亡したっぽい描写は脱臭されている。
まあ、とりあえず今回はキシリア・ザビ派が勝つという段取りなので、それに沿った風にギレン派が潰される回なのだが。
派手に使った「イオマグヌッソ」(原義を調べる気はない)も、ゼクノヴァを応用しているらしいけど、物理的な破壊力がなんであるのか、よくわからんかった。
ニュータイプ能力がミノフスキー粒子の状態を変化させて世界に干渉するとか物体の消失やワープに関連するらしいけど。それが物理的な破壊力を持つのかどうかがよくわからんかった。どうせ向こう側の世界に飛ばして捨てるなら破壊しなくてもいいのでは?
もっと、こう、エンジェル・ハィロゥのウォーム・バイッブレーション!みたいな、質量もエネルギーもない謎の波動とかの方が…。
機動戦士ガンダムの汎人類史やGQuuuuuuXのBigininngで省略されたパートのソーラーシステム(いわゆるアルキメデスの鏡)で照射された太陽光もドズル・ザビ中将とジオン兵によって「レーダー反応なし、エネルギー粒子反応なし」 「レ、レーザーとでもいうのか?方位は?」と、ある程度はリアクションと説明をガンダムにしては丁寧なレベルで、されていたんだけど。
光子力とゼクノヴァの波動、どっちが物理的な破壊力があるのか、ちょっとわかんないっすね。
そんなよくわからんものを普通に兵器として実装するキシリア・ザビ派の意味が分からない。しかもイデオン発動篇のガン・ド・ロワよりも悪くて、試射もしてないからな。せめてテストくらいしようよ…。隠密作戦だとしても、訳が分からなすぎるものなので。「シャロンの薔薇」(汎人類史のエルメス)を手に入れたから早速武装転用するぞ!じゃねえんだよ。
Fate/GOのカルデアでも拾った聖杯とかはぐれサーヴァントとか特異点の産物の謎の兵器を使う時はもうちょっと慎重になるか、追い詰められるまで使わない気がするんだが…。
GQuuuuuuXのジオン軍キシリア・ザビ派突撃機動軍、メンタルも突撃嬢ちゃんかよ。突撃して槍で突く!
- 4つまらない主役二人
もう、成功体験をなぞったら売れるというスタジオカラーの手癖を捨てろ。
というか、キシリア・ザビとギレン・ザビの対面と、双方の戦闘マシーンやビックリドッキリメカ砲台の描写に尺を割かれているので、マチュとニャアンの感情的な因縁が薄いし、終盤に対峙する!という緊迫感があんまりない。
ニャアンがシュウジと一緒に逃げようと言ったのは、シュウジのようなクソ男をマチュから引き離すためという説をネットで見たけど、ニャアンもシュウジに会いたいという痴情のもつれだったようだ。そ、そんな古典的なテンプレで…。そんなよくある男女の関係のために謎の大量破壊謎遠距離狙撃兵器を使ったのか?
まあ、それで色々と沢山、宇宙船とか壊れたので、マチュがちょっと怒るのは人道的には分かるけど、よく考えたらマチュって別にジオン軍にそこまで愛着ないし、マチュが単独で「イオマグヌッソ」を止めようとするのはシャリア・ブルに言われたから、以上の動機が薄いような…。
それに「イオマグヌッソ」の砲台的なデザインとして、シャロンの薔薇であるエルメスが発火剤になっているようなんだが。そして、シャロンの薔薇とよばれる汎人類史側のエルメスは量子力学的というか、異次元的な感じで光学的に位相がズレているので変に光って見えるらしい。が、そんな異常なものを物理的に地球の海からズゴックとかゴッグで拾って、宇宙まで持ってきたんだ。触っても大丈夫なのかどうかも謎だけどジオン軍の驚異のメカニズム凄いな。
まあ、粒子と波の両方の性質を持つらしいエヴァンゲリオンの使徒の残骸を碇ゲンドウとか他のネルフ職員もテレビ版では普通に触ってたしな。新劇場版では形象崩壊することになったけど。
そして、そんな異常で、「イオマグヌッソ」の発火剤でゼクノヴァの爆心になるシャロンの薔薇を肉眼で確認できるような位置に発令所というかモニタールームがあっていいのだろうか?そしてあっさり破壊されるし。あのさあ。(一回見て録画を消したので、モニタールームからエルメスが直視できるかどうかは間違っているのかもしれないけど)
シロウズくんもよくわからんし、シュウちゃんも消えたままだし、動静がよくわからん。なにがしたいんだ?
別に考察の余地があるとかではなく、たんに出てないだけというか。
「イオマグヌッソ」を制御するジフレドも、まあ、顔からケーブル接続するのは面白かったけど…。
マチュがそんな異常な機能と形態のモビルスーツのジフレドを見て、驚くでもなく「誰が乗っているんだ?」ってキレるの、キレる方向がおかしくないか?まず、全体的によくわからん状況でモビルスーツのパイロットが誰かを気にする状況なのだろうか?
まあ、マチュとニャアンの対決という構図を描きたかったんだろうけど…。
なんか決闘をするほどの因縁が感じられないというか。うーん。これは僕の感じているかどうかの問題なので、他の人から見るとマチュとニャアンが別々に行動していて知らんうちに立場が大きく違ってしまったという所にエモさを感じるのかもしれないけど。
僕は個人主義者だからか、マチュとニャアンも拾われたのがキシリアかシャリア・ブルかどうかの違いだけで、本人からの自発的な行動意欲とか、それに伴う感情の乗りが軽いなあって。
ニャアンが「イオマグヌッソ」を起動させたのも、「キシリア・ザビの手紙に書いてある通りにしただけ」なので、虐殺規模に対して殺意が薄い。(そもそも「イオマグヌッソ」の機能も目的もよくわかってなさそう)
G-QuuuuuuXにニャアンが初めて乗った時にオメガサイコミュを起動させたときの「世界を支配してやる!」という鬱憤はらしよりも殺意が薄い。えっ。終盤でその程度のやる気なのか?
リーンの翼のエイサップ・鈴木君は迫水王からの密命で騙し討ちの密書を読んだとたん「こんな作戦につきあるか!」って正義の怒りを燃やして普通にホウジョウ国を裏切るけど。
ロボットアニメのパイロットなら、怒りと正義の感情を臨界点まで持っていく速度をもっと速くしてほしい。
感情や殺意が乗ってない刃やロボット兵器は殺傷力が強くてもドラマ性が感じられない。僕にとっては。
- 5つまらない自由
シャリア・ブルが自由になったけどつまらなかったと言っている時点でつまらないんだが。
そもそも、僕が機動戦士Gundam GQuuuuuuXの先行上映で指摘したのは、少女革命ウテナやその元ネタであるヘルマン・ヘッセの思想であるグノーシス主義なんだけど。
「向こう側」といえば、僕の好きなグノーシス主義です。少女革命ウテナです。
「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく。我らが雛で、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ。世界を革命するために。 」
『鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生れようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという』
鳥と言えば白鳥のララァのモチーフですね。そして、GQuuuuuuXのBeginning編というか、一年戦争パートの機動戦士ガンダムの冒頭を模倣した冒頭ではわざわざ鳥がいなくなっています。
「外の世界はある」、「しかし、外の世界へ突破するための鳥がない」というグノーシス主義の地獄的現世がGQuuuuuuXのアマテ・ユズリハ(マチュ)が感じるスペースコロニーの中の偽りの学園生活の閉塞感です。鳳学園ワールドですね。
自分が真に自由になれる、真の世界に向かって飛ぶ鳥に象徴される自由を「GQuuuuuuX」で描くのかと思ったんだが。
ジークアクスはそれに囚われていないのだ。モビル”スーツ”たるこのロボットはマチュ以上にマチュなのであり、その時彼女は自分自身からすら自由になれる。ままならぬ己の心からすら、自由になれる。だからコア・ファイターはララァのところへマチュを導き、そして決然とマチュ1人を乗せて再び飛び立ったのだろう。天然の重力や宇宙があれば生まれるわけではない、本物の自由をこの少女に見せるために。
「機動戦士ガンダム ジークアクス」に対して割と肯定的な感想を毎週書いている闇鍋はにわさんが「ジークアクスはマチュを自由にするために飛び立ったんだ」と先週書いていたけど。
そして、確かに前回のコア・ファイターの鳥のような飛び方はグノーシス主義やウテナにおいて世界の殻を破壊して飛ぼうとする鳥に近い物があった。
でも、今回の冒頭、マチュはまた大人しく強襲揚陸艦ソドンの半分幽閉されている牢獄部屋に戻り、モビルスーツ訓練を汎人類史の機動戦士ガンダムの前半のアムロみたいに定期訓練をしている時だけ、部屋の外に出させてもらえる。
自由になってない…。
それに、訓練飛行をしている時は自由かというとそうではなく、お肌の触れ合い回線でシャリア・ブルと密談をする場として使われているので、緊張感が高い。交感神経優位の緊張状態。
シャリア・ブルにヒゲマンというあだ名をつけて、コモリから「パイロットスーツを真面目に着ろ」と言われて断る程度の自由しかない。(ノーマルスーツじゃなくてパイロットスーツなのか?)
独房の居室ではコモリのジャージを着て、感謝すらする。オシャレしたい年頃だろうにね…。
パイロットスーツとしては、あの、シャリア・ブルのニュータイプ用頭デカいヘルメットだけど、キケロガのコックピットの座席のヘッドレストと無駄にぶつかっているように見える。もうちょっと隙間を開けるとか、角度とか…。
そんで、キシリア暗殺計画とか、「イオマグヌッソ」とかでシャリア・ブルとかエグザベ君とか周りの人に振り回されて、ニャアンと対峙するところまで持っていかれるけど、あんまりマチュが主体的に動いているように見えない。
まあ、最終的に奇跡的な力で「偽物でも本物でも関係ない!」とか、そういうエンディングにもっていくような感じはするんだけど、「自由を目指す」ためには、序盤の「不自由を自覚する」というニーチェのラクダの状態だけでなく「自由のために戦う」という獅子の状態が描かれる必要があると思うのだが、あんまりマチュは自由を求めて戦ってないし、周りの人に言われるがままなところがあるので、なんかアムロやウテナみたいなNTR超人になりにくそうな感じがする。
- 6予想が当たってつまらない
ジークアクスは毎回展開の予想とかファンアートがSNSで話題になって、そういう人間関係とか承認欲求もファン活動の原動力になってそうなんだけど。
シャアとシャリア・ブルが空っぽで虚無ということは僕は先行上映からわかっていた。
それを第10話で戦闘の規模が拡大した終盤になって「私たちは空っぽだ」と自白されてもな。うん。それは分かってたから。別に言うだけ野暮だよ。って思う。
でも、ララァ・スン抜きで、ザビ家をそこまで殺してないシャアは、アムロ・レイ以上に戦う理由も守りたいものもない虚無です。虚無なので消えます。
だから、今回のシャリア・ブルは生えてきたBLホモ要素のように見えるけど、女を削除されたけどサイコミュ兵器だけは持っている男同士が、なんとなく近づいているって言うだけ。
むしろ、「ララァ・スンという最高のバディを消した状態でシャアにあてがわれるマヴ役」と言った方が通りがいいだろう。
nuryouguda.hatenablog.com
あのなあ、俺は40歳過ぎてるのにずっとガンダムの話をしているすっごいオタクなんだぞ?
メンタルがガキのままの無職ということを自覚しているから男女交際はせず、脳内妹と閉じた結婚生活を固有結界の内部でするほどだ。
そういう子供部屋おじさんの私がアニメを見ている理由がわかるか?私は現世を捨てた男だ!現世で見れないものを見たいからアニメを見ている!それしか生きる方法を知らんからだ!
というわけで、先行上映で予想された範囲でシャアみたいな異常者が動いていたり空っぽのままで話があんまり動いてない(戦闘描写ではなく、ドラマチックな感情の分野の動きの話ね)だと、
「予想通りでつまらん」ってなってしまう。
先行上映の時点で「世界からララァ・スンや男女関係が意図的に削除されている」って見抜いたけど、じゃあ前回と今回で密会みたいな娼館ララァとシャロンの薔薇の部品ララァが描かれて、新しいものを見たとは思わず、がっかりしたよ。
シャロンの薔薇の部品ララァって結局シン・エヴァンゲリオンの初号機のコアとかゴルゴダオブジェクトの部品の碇ユイと同じじゃん。
同じネタを同じ会社で2回も3回もするんじゃねえよ。
それで碇ユイ的な部品の神様的なパワーのシャロンの薔薇の部品のララァが時空を超える奇跡の力を発揮するのか。ふーん。前に見たから別に。
ララァが出るとか出ないとかじゃないんです!
ララァがいることで発生する男女間のめんどくさい感情が大事なんだよ!
でも、ジークアクスの男女関係、やっぱり浅い。娼館も「男性が女性を搾取する」というわかりやすい域だし。ゲーツとドゥーのことはほとんどみんな忘れているし、マチュの父親は出ないし、カネバン公司の女社長も出なくなったし。
シュウジ・イトウも「隣で下着になっても女子は何とも思わない」という性的に安全な美形で妖精みたいな生々しさのないキャラクターという一線を越えない状態で、ガンダムと一緒に失踪したし。
人がたくさん死んでも生々しい辛さや痛みは描写されないし。
シュウジ・イトウ失踪後に別々の道に行ったマチュとニャアンも、お互いが目の前のことで手いっぱいで、周りの人に動かされるままのようで、「離れていても、会えない時間が、お互いに恨みを募らせていく」というアムロとシャアとか富野作品の主人公とライバルみたいな拗れ方をしてないので。
他にもガンダム00のグラハム・エーカーとか特に会ってないのに勝手にガンダムに対して拗れていってたしな。GQuuuuuuXは、そういう感情ネタを入れる代わりに汎人類史の機動戦士ガンダムの小ネタやメカのリメイクを入れていて、尺の都合上、主人公たちの感情が掘り下げられていない。
と、僕はそう感じるんだけど。
ジークアクスのファンの人は、「上流階級に触れたニャアンは圧倒的成長!」とか「ララァと出会ったマチュは深い恋心を知った!」とか思うんだろうか?
なんか僕はそう感じないんだよな。まあ、これは感じるかどうかって言う感覚的なものなので個人差が大きいと思うけど。まあ、物語芸術なんて突き詰めたら気持ちの問題だし、気持ちが動かないなら、別に山にも美術館にも映画館にも演奏会にも行かないよ。でも、僕は気持ちを動かすためにそういう所に出入りしているんだよ。
なにより、「シャロンの薔薇」の部品という、すごくめんどくさい状態になっている汎人類史のララァ・スンを確認したっぽいシャア・アズナブルのようなシロウズが特にそれについて大してリアクションをしてないというのが盛り上がりに欠ける。顔を隠してネタや視聴者の興味を引っ張る方向。
だって、シャア・アズナブルがララァ・スンと接触したら、その時点でめんどくささが発生するに決まってるだろ。
(あと、アルテイシアもBigininngで顔を隠した状態でちょっとしか出なかったし)
いや、あと2話あるからシロウズもなんかするんだろうけど。でも、残り2話で派手なことをするとしても、「溜め」が足りてない気がするだよな。
「トップをねらえ!」もぶっちゃけた話、ガンバスターが登場した後半3話より前は「溜め」でしたからね。
新世紀エヴァンゲリオンのバトルアクション編も精神崩壊編までの溜めだったし。
うーん。
アニメを作ったり、生きるのって難しいね。
これもガンダムAGEで見た。
過去のオマージュネタの多い作品は知識の多いオタクの方が楽しめないのかもしれない。
でも、「ある魔女が死ぬまで」はすごくわかりやすく、成長して、人間関係を広げて、助けを得て、困難に立ち向かい、謎を解き、人を救い、そしてまた成長するって言うよくある話なんだけど。
オマージュとかは「魔法使いは箒に乗って飛んだり魔法陣を描いたりする」くらいだけど。「ある魔女が死ぬまで」は面白いんだよなあ。僕が大知慶一郎さんの脚本が好きなアイカツおじさんだからか?でも、同期シリーズ構成の「宇宙人ムームー」の大学生スクールカースト感はあんまり好きじゃない。どちらも原作付きではある。忍者と極道はどちらも倫理的に好きではない。
まあ、アイカツ!とか他のアニメのスタッフまで話を広げるとジークアクスの記事として破綻するからやめるけど。
というか、つまらないアニメのつまらない点を書くだけで時間がかかってしまった。
うーん。
僕はやっぱり頭がおかしいガンダムのオタクなんだろうな。でも、これくらいの感想は見た瞬間に3分以内に思い付いたけど。1万文字くらいは数分で思いつくな。3万文字くらいだと、多少は構成を考えたりする必要があるけど。
AIに書かせる方が早いのかもしれないのだけど、作品のあらすじをデータとしてAIに食わせても、「つまらないと思った理由」は人工知能には感覚がないから出ない気がするんだな。
「面白い部分を宣伝するように書く」って言うのは、多分AIはSNSの反応とかを見て、できると思うんだけど。
「俺が個人的に気に食わない」という美学とかそこら辺の好き嫌いはなかなか人工知能に任せるのはなあ。
僕の人格自体も僕が人生でニューラルネットワーク学習した脳によるものだから、僕の人格をコピーするAIを作る時間があったら、その時間は多分僕の人生の数割くらいの時間がかかりそうなので、僕自身の人格を強化した方が効率的な気がする。
適当にソシャゲでもして寝ますね。
※追記
ちなみに、論点を整理するためにディベート形式的に「アンチの立場から書いている」という体裁の文章にしているだけで、
技術的には褒めようと思ったら褒める文章も書けるんですよ。僕はそういう書き手なので。
でもそういう太鼓持ちみたいなウェブサイトや雑誌はいくらでもあるから、僕がジークアクス を褒めてやる必要はないんだよな。適材適所というか狭いニッチを狙う野良ブロガーって言うか。
- ほしい物リスト。
https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/6FXSDSAVKI1Z
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