玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ベルリの殺人考察第3部第21話A 混乱!オーシャンリング

  • 放送当時の感想

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  • 目次

「はじめたいキャピタルGの物語」・「ガンダム Gのレコンギスタ」感想目次 - 玖足手帖-アニメブログ-
Gレコ2周目の感想目次 殺人考察&劇場版(パリ) - 玖足手帖-アニメブログ-


  • 前回の殺人考察

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  • 話の枕

 デレンセン大尉死亡回と同じくらい解釈が難しい、キア隊長が死亡する回、第21話「海の重さ」。それもあるし、体調を崩したりソシャゲをしてしまったこともあり、前回の更新から時間が経ってしまった。大槻唯のスタラン上げたい…。(ギル箱は17箱でした)
 キア隊長はファンも多いし、迂闊な解釈違いを書けばファンに怒られるので緊張する。
 であるが、兵庫県立美術館富野由悠季の世界展の10月27日の「劇場版GのレコンギスタI 行け!コア・ファイター関西最速上映会」に当選してしまいました。今までは1ヶ月に3話のペースで殺人考察をしてきたが、あと6話。今までのペースだと11月末の本公開に間に合う。すごく頑張れば10月27日に間に合う。できるかはわからないが、なるべく最善を尽くす。


 また、今回はスクショを300枚近く撮ってしまったが、終盤にかけてアクションシーンがキレにキレていて、300枚でも全然足りない。動画の一枚一枚に戦術がある。そういうわけで、このブログを読んでわかったつもりにならず、みんなもGレコの配信か円盤で見ていってほしい。
 また、今回は非常に濃い話なので、前回まではAパートBパートで書いていたが、今回はAパート、Bパートのキア隊長が死ぬまで、Bパートの後半という風にやっていきます。Gレコに対する僕の解像度が増していくのか、単純にGレコ自体の情報量が後半に連れて増えていくのか、どんどん分量が増えてしまい、サクッとわかりやすい解説、というふうにはできなくなってしまい、コアなファン以外には読みにくい文章になってしまい、申し訳ない。殺人考察なので、戦闘シーン以外は割愛していきたい。


 また、本放送のときの感想では「ギャグ回」と書いてしまったのだが、なぜギャグ回なのかというと、ギャグを入れないと悲惨になりすぎる内容だからだ。今回はギャグ要素ではなく、殺人考察としてその悲惨さに向き合っていくぞい。Aパートだけなのに1万7千文字あるぞ。


 前回ラストでは

 ふわ~っと海の上で対空していたG-セルフだが。


 今回冒頭では、




 渦巻く海面スレスレを飛んで状況を観測するベルリ。水面に触ったりして実体の水だと理解する。スペースコロニーの一種と言えるオーシャン・リングだが、大気があるからか、ベルリはヘルメットを外す。さっきまで宇宙にいたし、オーシャン・リングにも初めて入ったのでヘルメットをしていたほうが良い気がするが、ベルリはノーヘルの方がスッキリするのだろうか。(ヘルメットにはVR機能がなさそうなので(アサルトパックのフォトンアイは?)、全天周モニターのコックピットではノーヘルのほうが見やすいのか?ムチウチが怖いが、そんなことを言うとロボットアニメ自体が成立しない)髪の毛の芝居を見せたいのかも。
 で、ひとしきり海に驚いたベルリは「あの敵?!」とジャイオーンを思い出して索敵する。ここでベルリが海に驚いて敵を見失っていたのは戦闘中としては最大のスキで危険だが…。




 ジャイオーンキア・ムベッキも自分が海の底に穴を開けたことにおののいて硬直していた。

 が、十秒以内に立て直して狙撃!しかしベルリは先にジャイオーンの位置を見つけていたのでギリギリで回避。この数秒の思考の差で命が決まるモビルスーツ機動戦闘の恐怖!



 ベルリも果敢に応射!ビッグアームの残ったユニットを盾にして防ぐジャイオーンG-セルフのライフルを弾くのはなかなかすごい。

 ジャイオーンの最後に残ったソード・ファンネルを飛ばして攻撃!(ファンネルは漏斗という意味なので間違いなのだが、フィン・ファンネルがファンネルと言い張るのでこれもファンネル)ベルリはファンネルなどのオールレンジ攻撃を受けたことがない。(前回、クン・スーンジロッドはバイトビットでラライヤのネオドゥを攻撃したが、すぐに撃退されている)
 なので、ソード・ファンネルを上手く使えば、ポリジットの背後をビットで付いたクン・スーンのように、キア隊長がベルリに勝てる可能性があったかもしれない。しかし、ソード・ファンネルは直線的に飛んで、一発撃って海面で水蒸気爆発でG-セルフを揺さぶっただけの使い捨てで終わってしまう。


 前回、ベルリに接近戦でソードユニットを破壊される前にオールレンジ攻撃をすれば勝てたかもしれないが、キア隊長はオールドタイプだからファンネルが使えなかったのかもしれない。(R.C.や正暦ではオールドタイプでもサイコ兵器を使えるのかもしれないが、Gレコの事実としてはキア隊長はファンネルを上手く使えてない)
 それでも、G-セルフの動きが一瞬止まったのは事実なので、そこをライフルかビッグソードで追撃すれば撃破の目もあったのだが・・・。

 G-セルフが止まったスキに隊長として、キアはチッカラとクンがどこにいるかを探すのを優先してしまう。やっぱり戦闘センスがない・・・。


 キア隊長が開けた穴を通って、水面下からミサイルを撃ち、浮上したらすぐに肩からビームを撃ってG-セルフを攻撃するジャスティマのチッカラの方が戦闘センスがあるのだが、ベルリはさらに強いので水面下から飛んできたミサイルを回避する。レーダーで分かるようなタイミングでもなさそうだったので、ベルリの回避能力はニュータイプアムロに匹敵している。ヤバい。
 普通、初めて入った海があるスペースコロニーという異常空間の、海の底から飛んでくる新規乱入の敵のミサイルを回避とかできないだろ。なんでベルリはできるの?海面の盛り上がった動きを見て察したようだが・・・こわい。
HG 1/144 ジャスティマ (Gのレコンギスタ)



 さらにジャスティマは肩からミサイルを撃ち、距離を取ろうとするG-セルフの背後を狙うが。




 「二度は!」と気合を発しながら、ベルリはミサイルを5発もサーベルで切り落とす。達人!10メートルも離れていないミサイルを5連続で切り払うとか、ベルリの強さがどんどん規格外になっていく。



 ベルリもキア隊長と同じように仲間の助けを呼ぶが、ベルリが違うのはミサイルを切り払いながら背面飛行しつつ、動きを止めないで通信を叫ぶところだ。髪の毛の動きや背面飛行するアクションの動画が凝っていてカッコイイ。主人公っぽい。
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 松尾さんの絵コンテは凝った構図が多いと第12話でも書いた。


 キア隊長と同じくらいの年齢のおじさんの僕としては、天才のスーパーエリートで体力も動体視力も判断力もあるベルリくんには敵わないなあ、と思ってしまう。しかし、ガンダム世代に絶望している富野監督としては、さとり世代やスマホ世代よりもっと下のディープラーニング世代の天才少年に期待を持っているのだろう。ウッソ世代でもありロラン世代(そしてシンジ世代)でもある僕がもっとちゃんとしていたら世界を革命できたのかもしれないのだが、オタクになってしまい、申し訳ない。


 運良く海水と金星の磁気嵐の隙間でメガファウナと通信が繋がったベルリは海面にいることを端的に伝える。動きは止めない!スピード感!


 ベルリは高速戦闘をしているが、その通信を受けたメガファウナはゆっくりしている。演出の緩急。



 それでも地図データを照合して冷静にどうやったら合流できるか考えてくれるドニエル艦長やノレド。ギゼラさんのところでメガファウナの方向を調べるミラジさんなど、ちょっとしたギャグも挟む。

 ジャイオーンの開けた穴から宇宙に海水がドバドバ出ているけど、メガファウナがそこを通れるわけもないので、放置して桟橋を探しに行く。(前回誘導していたポリジットはどうした?)

  • クレッセントシップ解放


 カメラが切り替わりまして。

 人間爆弾の恐怖!なんだけど、人間爆弾だと思っている人と、おもちゃだと知ってる人の残酷な構図のギャグになっている。
 なぜかとても楽しそうなフラミニアさん。





 リジットのパイロットもフラミニアさんとヤーンがキア隊長の罠をバラすのを止めないでヘラヘラしている。しかし、なんで彼らがジット団の隊長のキア隊長の考えた策を台無しにしてしまったのか?もちろん、キア隊長とのホウレンソウが上手く行ってなかったのもあるだろう。キア隊長は格好つけたがりなので、クレッセントシップを拿捕したままジットラボに入れてから自分で種明かしをしてドヤ顔をしたかったんだろう。だから部下に人間爆弾が本当は水中花だということを教えてなかったんだろう。自分が有能だと思っていて、なんでもできると思っていた男が一度失敗すると、段取りの歯車が外れて、台無しになるという見本。
 あと、前回、フラミニアとヤーンはベルリに突き落とされて宇宙漂流をしてクレッセントシップに危うく助けられたので、テンションがおかしくなっていたんだと思う。恐怖体験を紛らわせたいと思っているときに、頭に水中花を乗せているおじさんがいたら面白がってしまうという。


 絵コンテと演出がヴァルヴレイヴの松尾さんだからなのか、Gレコ屈指のシリアスな笑い。
 そういうわけで、フラミニアさんの行動はジット団にとっては背信行為なんだけど、宇宙漂流の恐怖でテンションがおかしくなっている人、ということを念頭に置くと、はしゃいでしまうのは妙なリアリティがある。宇宙漂流は本当に怖いので。Vガンダムなので・・・。Gレコのギャグは怖さと紙一重なので。
 それで、クレッセントシップはジット団の支配からテン・ポリスの支配下に入ってしまう。そもそもモビルスーツ4機程度でクレッセントシップを思い通りにできると思っていたキア隊長の作戦が傲慢すぎたのだ。やはり拠点制圧には歩兵戦力がないと駄目。





 作戦が頭でっかちで下手なキア隊長に比べると、メガファウナの海賊たちは戦なれしている。メガファウナが後ろ向きにジット・ラボに接舷するというのがトンチが効いている。
 6基の後部機銃座と後部主砲で攻撃力を確保して(底部機銃も使える)、後部デッキからモビルスーツを出せるし、やばくなったらブースターを吹かして逃げることも考慮に入れているので、後ろ向きに接舷している。船が前向きか後ろ向きかっていう意味は普通のアニメでは視聴者は大して気づかないけど、細かいところで戦略的な意味を持って宇宙船を使っているのを見るとオタクとしては楽しくなりますねえ。
 ジット・ラボからは結果的に反撃はなかったけど、警戒してメインブリッジを守る体勢でもある。戦上手なドニエル艦長は有能だ。まあ、姫様のお守りを任されていたし、急進派のカーヒルクリム・ニックも乗せていたし、キャピタルタワーを経てトワサンガから金星まで戦い続けたのでメガファウナの実戦能力はすごいレベルアップしているんだろうなあ。



 でも、ドニエル艦長はゴリゴリの武闘派というわけでもなく、女子高生のノレドちゃんとくだらない会話をできる親しみやすさもあるおじさんなので。女子高生に嫌がられないおじさんで有能とか、良いなあって思う。





 さりげなくフルムーンシップが背景で登場しているのもニクイ。




 アイーダさんのG-アルケインのコックピットのモニターに表示されたレックスノーからカットインした、レックスノーの中のケルベスのカットが大きくなってカットが切り替わるという、かなりテクニカルなアニメーション表現。よくやるよ・・・。(劇場版のBDに絵コンテがつくけど、どういう指示を書いたんでしょうね)
 それで、こんどはアルケインの右側を飛んでるモランからカットインしたリンゴにカットが変わる。
 テンションは普通の会話シーンなんだけど、カットの変わり方が面白い。アイーダさんが要だという表現?



 テン・ポリスへの言い訳も面白い。


 しかし、ジット・ラボの鉄骨桟橋は本来なら拿捕したクレッセントシップとメガファウナを待ち受けるはずだったのに、何の動きもない。キア隊長が穴を開けてメディスペシーに入っちゃって、その対応で鉄骨桟橋の人員は動けなくなったんだろうなあ。頭がいい指導者の計画は一個狂うと全部ダメになる。
(ネオドゥにくっついていたノレドとマニィのギャグについては割愛)

 でも、モビルスーツがノーマルスーツの女子高生を振り回すの、死ぬだろって思うんだけど。今回はキア隊長が死ぬということで、悲惨な話なので、それを緩和するためかギャグが多い。



 海に穴が空いたのだが、一般人はそんなことを知らんので「なんか海が荒れているなぁ」という感じでボケーッと見物している人が多い。スマホで撮影しているっぽい人もいる。
 災害が認知されるまでの段階の描き方もリアル。
 その後ろからコンキュデベヌスが登場する。ソード・ファンネルを上手く使えばベルリを倒せたかもしれないキア隊長だが、ビッグアームユニットをほとんど破壊されたのでコンキュデベヌスという巨大メカに頼ってしまう。戦術の臨機応変な戦士としての行動ではなく、メカの性能論のスペックで勝てればなんとかなると思ってしまうのがキア隊長なんだろうなあ・・・。




 ビッグアームユニットをクン・スーンに持ってこさせた時点で戦力の逐次投入という下策なのだが、ついに組み立て中のコンキュデベヌスに非戦闘員を載せたまま動かしてしまう。
 次回、数名が救助されたという報道がなされるのだが、裏を返せばこの作業員のうち何人かは確実に死んでいるということ。なので、キア隊長の自己犠牲という美化が視聴者にも印象づけられているんだけど、事情を飲み込めてない部下をその場の勢いで巻き添えにしているので、あまり褒められたものではないのかもしれない。Vガンダムのリーンホース特攻とか、格好つけてるけど実際はクソ、みたいな描写を富野アニメはしてくる。21話はギャグ描写が多いのだが、細かく見るとモブもたくさん死んでるので本当に悲惨な回。
 ジット団は革命勢力ではあるのだが、格好つけているわりに、実は実力はそれほどでもないかもしれないキア隊長(研究者としては優秀だったんだろうけど)に振り回されている組織かもしれない。なので、小泉進次郎さんが格好つけているのについていくのは…。という寓意もあるのかも。


 ひどい押し方だけど、リジットのアポジモーター(誤用)の見せ方がうまい。というか、リジットが浮いているので、オーシャン・リングの重力は地球よりも軽いのかな。
 



 また変なのが増えた…。ズゴッキーのプラモほしいよね…。1/144ではマニピュレーターの再現が難しいかもだけど。






 また、ジャイオーンのコックピットの主観カットから、そこに映ったジャスティマの中のチッカラのカットインという難しいカット割りを…。
 キア隊長はリジットに「地球人を爆発させずに仕留めろ」と命令するけど、チッカラは「海水を止めろ」って命令する。どっちに従えば・・・。というか、リジットは海水を止められないと思う。




 G-セルフを倒すために組み立て中のコンキュデベヌスを持ち出してジット団の構成員の多くを危機に巻き込んでいく、熱くなってしまったキア隊長に比べて、ベルリは「自分がコロニーの中にいるだけで陽動になるし、鉄骨桟橋に侵入したアイーダさんたちから敵の目を逸らすことができる」という戦術的に冷静な判断ができる。(民間人の家を盾にするけど)

 堕落した太っちょで臆病な夫婦がオーシャン・リングの民間人の代表という、ギャグでもあり、政情描写でもある。こういう生ぬるい世間が嫌でジット団は決起したけど、ジット団もそういう社会で育った人たちなので本当の戦いには不慣れで破滅していく。






 自分のメカを過信して、野蛮人の地球人を危険視して自分が危険なことをしていることを忘れるキア隊長。∀ガンダムでも繰り返されたことかもしれない。
 今回はキア隊長が自己犠牲する話、ということで印象づけられる話だが、キア隊長の行動はAパートではまだ穴を塞ぐための自己犠牲にはなっていない。むしろ戦線を拡大している。戦艦ほどの規模のあるコンキュデベヌスからは、まだ作業員の退去が終わっていないのに。


 ジャイオーンの風圧で飛ばされる作業員をつかむのはギャグっぽさもあるが、作業員の安全もあんまり考慮してないし、コックピットの水漏れも忘れて熱くなっているキア隊長の興奮の描写。キア隊長はジット団のトップなので諌める人がいないのが不幸なんだなあ。トップが暴走してしまうとグダグダになる。
 外のゲートから入ってきたジロッドクン・スーンが「鉄骨桟橋に地球人が居座っている」とキア隊長に伝えても、キア隊長はメディスペシーに入り込んだG-セルフを処分するほうが先だ!となってしまう。
「鉄骨桟橋に地球人が居座っている」という言葉を聞いた瞬間、キア隊長は「ギクッ」っとした顔をするので、その危険性は直感的にわかったはずだが、「G-セルフを取り逃がした失敗」をしたくないので、格好つけて「処分するほうが先だ!」と言ってしまう。

 キア隊長はジット団のトップなので求心力を失うことが怖いので、失敗することが怖くてできない男。本来の予定ではクレッセントシップとメガファウナを鉄骨桟橋で鹵獲するはずだったし、そこに人員と戦力を割くべきだったのだが。前話の前提である「クレッセントシップのスピードアップ」の時点でG-ルシファーなどジット団メカの完成が間に合わず、予定が狂って、クレッセントシップの制圧もG-セルフの奪取もできず、ビーナス・グロゥブ内の戦闘では予想外の苦戦をしてしまった。キア隊長は失敗したくないし格好つけたいし、頭でっかちで技術者特有の一直線な思考で「予定外の事態」を認めることができない。なので、それ、すなわち「G-セルフの撃破」をすれば予定外の失態を無かった事にして本来の計画に戻れると思いこんで、臨機応変な戦力の振り分けを考えることができなくなる。
 結果、ジットラボは無防備になり、メガファウナの部隊の侵入を許す。



 G-セルフと戦えとエース級のクン、チッカラ、ローゼンタールに命令するが、ローゼンタールだけでも鉄骨桟橋に残しておけば…。メガファウナの侵入は非常に困難になっただろう。



 G-セルフにビームソードで切りかかり、水蒸気爆発させるジャスティマ。(途中で補給を受けたのか、ビームライフルを持っている)

 ゼーガペインっぽく、その波しぶきの向こうから殴り掛かるG-セルフ。光の表現が上手いが、上手から攻めかかるジット団にとっては下手側のG-セルフは悪魔的なパワーにも見える。


 サーベル使いに対して間合いを短くしてインファイトでボコボコに殴る。GレコのMSは第18話でクレッセントシップの間でメガファウナを押す描写などから、手首もめちゃくちゃ強いと描写されている。なので、ボコボコに殴る。


 ベルリの左手の動きに連動しているように殴る。

 大ぶりのパンチで飛ばされて間合いが開いたジャスティマの斬撃を避けて、後ろに回り込んで蹴り飛ばすG-セルフ。はやすぎてスクショできない。Gレコの強さは入力の速さなところがある。相手が1動作する間に2,3動作するほうが勝つ。格ゲーか。




 ジャスティマを受け止めて、G-セルフを威嚇しながら隊長命令で後退するズゴッキー。部下を引かせる判断はできるキア隊長だが、自分は引くのが下手なんだなあ。(ここがクリム・ニックやマスクなど生き延びる若者との違い)キア隊長はメンツが大事な隊長なので。

  • ジットラボ侵入



 クレッセントシップからジットラボの反乱分子を牽制しろと言われた、という大義名分で侵入していくアイーダさんたち。ポリジットはいまいちジット団の反乱を理解していない。(前回のクン・スーンの決起宣言はロザリオ・テンのポリスに聞こえてなかったのか?ロザリオ・テンも組織的なホウレンソウが出来てない?前回のビーナス・グロゥブのポリジット部隊は手ごわかったが、オーシャン・リングの部隊は練度が劣る?)
 アイーダさんやラライヤさんの迫力に押されたように、ポリジットも地球人のメガファウナ部隊の侵入を許す。

 



 前半でマスクに「落下する戦闘しかできん」と言われたグリモアも浮いているのだが、クレッセントシップでばらしたときにミノフスキーフライトでもつけてもらったんだろうか?重力が弱いのか?そして、やっぱりジット団のこの組み立て中のメカがクレッセントシップの入港に間に合っていたら…。クレッセントシップがレイハントン・サインのヒッグス・ルート・カプセル解放でスピードアップしたのがキア隊長の予定をぶっ壊しているので、レイハントン家のパワーが味方したとも見える。細かい因縁の連鎖が勝負に影響していて戦争は怖いな。


 それで、ラライヤたちはオーシャン・リングの中のメディスペシーの海を見るのだが。



 さっきはのんきに海を見物していた民間人が多かったが、逃げ出す車が走ってたりペットが混乱したり、災害の度合いが上がっている時間経過。



 ネオドゥから降りて顔から着地するノレド・ナグさんが細かいところでギャグを入れて面白い。


 そしてぬこ。女子高生が徒歩で侵入できる感じなほど手薄になってるジットラボ。キア隊長の采配ミスである。



 が、ラライヤたちが右のジットラボの発着場を調べようとしたら…。


 ほんの数秒の差で後退してきたズゴッキーとジャスティマとかち合う。(キア隊長がジャスティマG-セルフにぶつけないで早めに後退させていたらアイーダたちはジットラボには侵入できなかったかもしれないのに、っていう。Gレコの戦況は本当に数秒の判断の差でメッチャ変わるので)






 ズゴッキーのドリルパンチを2発もまともに受けて、水を出す柱を折るくらい叩きつけられたのに無事なグリモア、装甲とルアンの生命力が強くなってないか?頭のバルカン砲も2門に増えているし。ズゴッキーのパワーはそれほどでもない?




「ズゴッキーの伝統、装甲は頑丈で、このマニピュレーターでチビのあんたなんか!」
ネオドゥの溶接機ビームライフルが弱いだけかも)





 たまに活躍するリンゴくん。ズゴッキーの大きさと3者の距離感がわかる、上手いパース。


 このやり取りもギャグっぽいんだけど、ガチで殺し合いしててたまたまマニピュレーターを切るだけで済んだってだけなのがGレコのギリギリ感。





 負けがこんできたチッカラは準備ができているフルムーンシップを頼りに行く。それですれ違って、ジットラボで組み立て中だったマシーンが地球人にパクられる。チッカラの判断ミス。というか、やはりチッカラも戦士というより技術者なので「完成しているフルムーンシップの高性能メカの装備を使えば勝てる」という一直線な思考なんだな。敵の斥候の危険さとか、そういう戦術論はあんまり良くわかってない。
 ガンダム00釘宮理恵さんみたいに、チッカラが一発ビームライフルをノレドとマニィに撃ち込んでおけば、このあとの戦局が大きく変わって、彼女は生き延びられたかもしれないのに…。(ヒロインが途中で死ぬとかグロ展開になってしまうけど)
 Gレコは本当にギリギリの運要素が強い。運要素が強いけど、その一瞬の判断ミスの積み重ねでキャラクターの性格の描写になっているし、最終的な生死にも関わってくる。深い。

  • 続くが


 G-セルフに果敢に斬りかかるリジット。ビームサーベルの柄が三角形というのは珍しいな。

 かかと落としで撃退。そこへ、

 オーブンを加熱させながらコンキュデベヌスが襲来!

「次から次へと、なんだって言うんだよ!」というベルリ君。こっちのセリフである。今回Aパートは細かい遭遇戦の転換が多すぎる。そして混乱したままAパートは終わってBパートに続く。
 めちゃくちゃだよ・・・。G-セルフの一回ごとの攻撃の速度が速いのだが、その分、戦闘の回数が多い。視聴者のペースとかそういうのはぶっちぎる。1話で戦闘が1回ということはない。複数の場所で複数の戦闘が起こったり、同じ機体が別の場所に移動して戦ったり。


・上空のジャイオーンG-セルフの撃ち合い
・海から砲撃しつつ出てきたジャスティマのミサイルを切り払うG-セルフ
・ジットラボに対空警戒しつつ接舷するメガファウナ(ジットラボの抵抗なし)
ジャスティマをボコボコに殴るG-セルフ、ズゴッキーが威嚇してジャスティマ退去
・ズゴッキーとグリモア、レックスノー、ネオドゥ、モランの遭遇戦
・リジットとG-セルフの斬り合い
コンキュデベヌス登場


 GレコはCMを除くと24分でAパートはキッチリ半分で、オープニングテーマを抜くと10分30秒しかないんですが。
 7回も戦闘局面がある。その間にメガファウナの侵入やポリスのリアクションなどの段取りもある。「次から次へとなんだって言うんだよ!」
 しかも、敵や戦闘が多いっていうだけでなく、ジット団のキャラクターの性格や技術者の習性を行動で見せていくし、オーシャン・リングという新しい形のスペースコロニーの環境や社会をも「突然のMS戦闘」と「水が抜ける事故」を通じて見せていく。そして、終盤に登場するメカの伏線も張っておく。
 情報量が多い!
 すごく疲れました。Aパート10分を見るだけでまた徹夜です。Gレコはさあ、本当になんなんだよ!まあ、それを5年もかけて解説している僕もアレだし、企画に7年かけた上に映画にしている富野監督とサンライズもどうかと思うし、みんなおかしいわ!(シャクティ


 腰痛が悪化したままBパートに続きます。
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 Gレコ劇場版第1作までは無職でいたいですね。働いてもいいけど、労働者としての僕はほとんどカスだからなあ。社会貢献する気持ちも薄いし、社会好きじゃないし。オタクとしてはそこそこ気持ち悪いけど。適材適所…。


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