玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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ベルリの殺人考察第3部第20話B 現実に裏切られるキア

  • 放送当時の感想

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  • 目次

「はじめたいキャピタルGの物語」・「ガンダム Gのレコンギスタ」感想目次 - 玖足手帖-アニメブログ-
Gレコ2周目の感想目次 殺人考察&劇場版(パリ) - 玖足手帖-アニメブログ-


  • 前回の殺人考察

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 Bパートの感想です。フレームのある宇宙での戦争とは?やっていきます。

  • ポリジットに裏切られるキア



 ジャイオーンはビッグアームをつけなければRX-78ガンダムみたいなシルエットで、かっこよくビームライフルを撃つ。かっこいいのだが、ジロッドのビーム砲でも破壊できないポリジットのシールドにはジャイオーンのライフルは簡単に弾かれて反撃される。
 前回19話とAパートの考察で「ジット団、特にキア隊長は演出と反してそこまで悪人ではないのでは?」と書いた。
 技術保全局長であるキア隊長の知識で考えると、ジャイオーンのライフルでポリジットのシールドは抜けないということはわかってたはずなので、殺すつもりはなくて牽制だったのでは?と考えられる。
 キア隊長が意外に思ったのは、むしろポリジットが素早く挙動して反撃する能力を持っていた、という点。ここらへんもキャピタル・アーミィの戦力を知らなかった序盤のベルリに似ていて、ベルリポインツ!



 キア隊長からG-セルフが地球人の手に渡ったと聞かされて、取り戻しにいくクン・スーン









 宇宙遊泳してG-セルフに転がり込むベルリ。18話のレイハントン・サインの一件からか、G-セルフは自分とアイーダのものだと愛着を持っている様子。冷静なラライヤさんには突っ込まれる。
 そこにジロッドが来る。



 が、バイトビットに挟まれたのに脱出して、ネオドゥのライフルで素早く破壊するラライヤ。

 心配するリンゴに、ラライヤは「ジット団は破壊が目的ではなかったから」と答えるが。


 当人のクン・スーンG-セルフを奪い取れなかったからか、ネオドゥを破壊できなかったからか、泣く。クン・スーンの目的からするとG-セルフは奪いたいので攻撃できないが、ネオドゥを倒せなかったのはミスだと思っているのか。ラライヤとの齟齬がある。
 クン・スーンは弱肉強食の思想でポリジットを殺害しまくっていたが、地球から来た人間を殺すのにはためらいがあったのだろうか?


 アイーダさんがG-アルケインへ、オリバーが空いたグリモアへ乗り換えるが、オリバーってレクテンの操縦もできたのか!アメリア軍人なのに。ユニバーサルスタンダードだからか。

 アイーダさんに補給をしてやるマニィはいい子なんだが、終盤は暴走する…。






 ラライヤの盾になるってアプローチする男子二人を「それで軍人ですか!」と押しのけるラライヤさんは記憶喪失の頃に比べて強くなったなあ。
 前回の19話でもリンゴとケルベスのアプローチが微妙に滑ってるのを描いたけど、こういう恋愛のユーモアを入れるのは良いと思う。リアリティがある。(最終回のエピローグでラライヤさんはケルベスとリンゴをいいようにこき使ってるようにも見えるので、強かなのかなあ)




 メガファウナに、ジットラボにまっすぐ入れば海の魚を食わせてやると和平交渉っぽく通信するキア隊長。もともとメガファウナはジットラボを目指しているのだが…。



 しかし、それはジャイオーンのビッグアームを付ける時間稼ぎの交渉だったのかも?




 キア隊長がポリジットを排除しろと部下に言うが、戦闘が始まってしまったので、しかたなく言っているのかもしれない。チッカラ・デュアルが戦端を開いてしまったしレコンギスタ宣言もクン・スーンがしてしまったので、彼女たち部下を否定できないキア隊長は徹底抗戦をするしかなくなるのかも。状況で戦闘をせざるを得ないように流されるのは、デレンセンの6話を思わせる。






 ロザリオ・テンに対して、「現実は戦いとるものだ」と言うキア隊長だが、奮い立つために自分に言い聞かせているのかも?
 しかし、ベルリが前回、アイーダさんに「姉さんには宇宙にある海の夢と言ったものを見つけてほしいんです」と言ったことのネガとして、キアが「ロザリオ・テンは千年の夢を貪っている」と非難するのが面白い。
 ベルリはオーシャン・リングを知らない時点で「海の夢を見つけてほしい」と言ったが、そこで暮らしていたキアが「千年の夢」を否定するように言う。もしかしたらこれも「ベルリがオーシャン・リングで暮らしていたら同じように海の夢に絶望するのかもしれない」という未来のベルリの可能性としてのキアの描写なのかもしれない。次回、ベルリは海の底に穴が開いているのを見て、オーシャン・リングが不自然だと思って、海の夢に疑問を抱くし。ここも類似点というか、ベルリポインツかも。
 アイーダさんが姉だった一件もそうだが、Gレコは一貫して、ベルリが求めたものが手に入らなかったり、頑張ったことが無駄になったり、むしろそれで余計戦局が悪化したり人殺しをしてしまったり、というガッカリ感が描かれている。自分が正義だと思ってやったことが、自体を悪化させる、というのはキアの行動にも共通している。






 ガンガン殺していくチッカラとクン。ベルリもビーナス・グロゥブの近くなのに殺しまくるジット団への批判意識を高める。

  • ベルリとキアの対決

 ベルリがチッカラとクンの暴虐に怒っていると、ビッグアームをつけたジャイオーンのキアと対峙する。

 ベルリ「ジット団の親玉!?」
 キア「地球人よ」
 「そのG-セルフともどもジット・ラボに入ってくれれば」


 「ジャイオーンのフル装備を見せる必要もなくなるが、どうだ?」
 ものすごい8本のビームサーベルで恐ろしげだし、キア隊長は魔王のように上から問いかけているが。脅しのようだが、交渉で戦闘を避けようとしているとも取れる。
 もともとベルリもメガファウナもジット・ラボを目指しているので避けられる争いでもある。
 そして、演出的に悪人っぽくミスリードされているが、チッカラとクンと違って、ここまでリーダーのキア隊長は1機も撃墜していない。人殺しをしていない。

 キア隊長自身は殺してないけど、ベルリはキア隊長がジット団の親玉だと思っているし、オーシャン・リングの仲間を破壊した責任はキアにある、と言ってしまう。そして、キア隊長はキレる。

 ものすごいドアップで、「な、にっ!」と角度を変えて二段階アップする。とても感情的にブチ切れたようなカメラワークだ。
 すごいドアップで角度を変えるとか、非常に感情的だとわかりやすく示してる演出なので、キアがここでキレるのは重要ポイントなんだろう。
 僕も三十代後半だし、キア隊長と同じくらいの年齢だと思うけど。キア隊長は僕以上に社会的地位がある人だ。そういう人物が、荒ぶる部下を持ちながら、属する社会を改革するための思想を掲げて組織を作って、作戦を立てて、それでも犠牲は最小限になるように自分で細かく工夫して、地球人もいきなり殺したりしないで交渉してみせたりした。それで、キア隊長は自分がとても頑張っていると思っていたはず。それなのに、ビーナス・グロゥブの事情を何も知らないような蛮族の地球人の少年が正論ぶって「あなたは同族殺しでしょう」と痛いところを突いてくると、大人としてはキレるのは分からなくもない。
 理想の思想のために部下が殺人をするのは仕方ないと思っているが、キア隊長は自分ではあまり殺さないように工夫していた。そういう気持ちを知りもしないガキが偉そうに!って思う。(そして、アラフォー世代のガンダムのオタクとしては、そういうガンダムパイロットの青少年の敵になってしまうような大人になった自分を鑑みて、大人になった自分が果たして青少年に胸を張れる人生だったのかと反省させられる。富野監督から見れば40代も青少年だというインタビューがこないだ出てたけど…)


 そして、ジャイオーンG-セルフに襲いかかるが。




 G-セルフが強すぎる!ジャイオーンの左肩の3本のビームサーベルのうち、2本をG-セルフの左手に持ったサーベルでしのぎ、残り1本は左肘にマウントしているシールドで受ける!
は????
 2本の大型サーベルを左手の1本のサーベルでいなす時点ですごいのだが、同じ左腕の肘についているシールドで3本目まで防ぎ切るとか、どういう操縦技術なの???サイコミュでもないと敵の武器を多重ロックオンして片腕で全部防ぐとか無理だろ…。
 普通なら2本の大型サーベルに挟まれたら手首を持っていかれそうだけど、サーベルの刀身の根本ギリギリで2本とも受けきるのがヤバい。剣豪か。
 しかも、同時に右手に持っているビームライフルジャイオーンの左肩のビームサーベルの3本の基部を狙い撃ちにして撃退する。ジャイオーンが飛びかかってきてから撃退するまで、たった10秒しかたってない。殺陣が速すぎる!!!!
 富野監督の殺陣は速すぎる上に、戦術的な情報量も短い間に盛り込まれてる。Gレコを50回位見ている僕だが、速すぎたのでいつもはバンダイチャンネルのネット配信で見てるけど、今回は久しぶりにコマ送りできるブルーレイディスクを出してきてアクションシーンをスローで見た。一コマ一コマアニメーターがモビルスーツやビームのニュアンスを手描きで描いていて感動した。(そして、一コマごとに違う動作の意味付けがされていて、これはコンテ演出なのか動画で盛り付けてるのか、ちょっとわからなかった)



 強い、強すぎる…逆襲のシャア時点のアムロ並の高速精密動作と正確射撃。G-セルフが金星のMSにも負けない高出力というだけでなく、ベルリの操縦技術が異次元。一応ユニバーサルスタンダードのコックピットらしいけど、本当にどういう入力方式なの????

 ベルリのヤバすぎる戦い方で、必殺技を10秒で破られて、やられそうになったのに、キア隊長はまだG-セルフの性能が高いだけだと思っているので、センスがない。



 キア隊長が被弾して後退したのを見て、即座にチッカラをG-セルフにぶつけるクン・スーンクン・スーンの方が戦闘センスがある?

 G-セルフビームライフルを避けて、

 ほぼ無敵のトワサンガシールドを切断するジャスティマの高出力サーベル!サーベルの出力の違いの順位付けを見せて、ジャスティマというマシーンのキャラ付けを演出してうまい。


 ベルリのピンチに、珍しくG-アルケインのロングビームライフルを当てるアイーダだが、ビームシールドに弾かれる。矛と盾を備えていてカッコいいジャスティマ。敵だけどプラモデルが欲しくなる。(ていうか、買って積んである)

 ジャスティマG-アルケインに襲いかかるが、ビーナス・リングを背にしているG-アルケインには射撃ができず、メガファウナの援護砲撃でジャスティマG-アルケインを叩けない。ジャスティマフォトンアイ付きミサイルを持っているので遠距離にも対応できるが、フォトン・バッテリーを背にされるとやりにくい。ビームライフルは今回持ってきてない。




 シールドを切断されたが怯まないベルリ。しかし、細かく見ているとジャイオーンとキア隊長は戦闘を避けがちで、ジャスティマジロッドに比べると撃墜していないのだが。しかし、ベルリは前回キア隊長に蹴られた印象もあるし、キア隊長を叩けばジット団は黙ると思ってジャイオーンを狙う。


 対するキア隊長は




 ベルリのパイロットとしての危険性を感じることができず、G-セルフのメカニックとしての性能面にしか意識が向かず、研究者としてコンピューターを奪い取ろうとする。想像上の場面でG-セルフの手足を切断できると思っている。頭でっかちな男だ。
 ここはベルリと違う部分。ベルリも第1話の序盤では自分の知識で世の中を全てわかったようなつもりだったが。ベルリには本能的に戦闘センスがある。(また、クリム・ニックも敵の技量を感じることができるだろうし、クリム・ニックは撤退判断もできる)


  • 宇宙のフレームの中での戦闘


 クン・スーンジロッドのオールレンジ攻撃とジャイオーンの接近戦能力を合わせればキア隊長にも勝ちの目があったかもしれないのだが、キア隊長は「女の前で偉ぶって格好つける男」なので、クン・スーンに助力を頼めないで独力でG-セルフと戦おうとする。しかも撃破ではなく捕獲を目標にしているので、舐めている。
 なめられている主人公が逆転するのはバトルとしてはカッコイイのだが、ここまで細かく見ていると、圧倒的にベルリの方が戦闘センスが高く、G-セルフのエネルギー出力もジャイオーンに負けていない。なので、舐めプをしているキア隊長の方が判断を見誤っているといえる。これはキア隊長がビーナス・グロゥブの人間を殺さないようにしていたのに、部下が殺しまくってしまい、ベルリにその責任を問われて、キレてしまって判断能力が低下したからとも見える。チッカラとクン・スーンがめちゃくちゃ撃墜しているので、隊長としては敵のエースを叩かなければ格好がつかないと思ったのかもしれない。
 初見では舐めプする悪人のジャイオーンを格好良くG-セルフが撃退するのでカッコイイ、と思ったけど、よくみたらキア隊長はそれほどの極悪人ではないという印象に変わる。それで、キア隊長は悪人ではなく人間性と理想を持った人だということが死んだあとくらいに徐々に伝わってきて、最終回のクン・スーンの語りで感動的になる、というふうに計算されている。
 キア隊長は人間爆弾と偽ってパーティーグッズを使うような人なので、弱肉強食の思想を持っているけど、殺人は苦手かもしれないのだ。メガファウナにもベルリにも戦う前に降伏を迫るし。

 しかし、格好つけたい男でもあるので、殺人能力や戦闘センスが低いのを部下に知られないように、G-セルフと戦おうとする。ジャイオーンが今回のラストで海の底に穴を開けるが、それは突発的な偶然というわけではないようだ。キア隊長にとってはクレッセントシップ帰還の予定が狂っていて慣れない戦場で、想定外の反撃を食らって、それでもメンツを保とうとして、徐々に判断能力を低下させていった結果、という風に見える。ちゃんとよく見れば順序立ててキアが破滅する段取りが描かれている。しかし、殺陣がめちゃくちゃ速いし、キア・ムベッキ隊長がジット団を代表する悪人、という風にミスリードされているので、わかりにくい。ベルリですらキアがオーシャン・リングのお仲間を破壊したと思っているし。でも細かく見たら暴れていたのはクン・スーンチッカラ・デュアルで、キア・ムベッキ隊長は1機も撃破してない。こういう裏演出はどうなんだろうな・・・。中井和哉さんにも富野監督は「キア・ムベッキはかっこいい」と演技指導しているが、本当は「女の前で格好つけたがっているだけの男」かも知れないし、自覚がない分、ラライヤに下手なアプローチをするリンゴやケルベス以下かもしれないのだ。
 また、知恵を絞って殺さないようにパーティーグッズを人間爆弾というように努力していたキア・ムベッキにとっては部下がポリスを殺しまくるのは想定外だったのかもしれないが、それも隊長の責任だし、ベルリに人殺しだと指摘されたので、罪悪感や失敗を認めたくない気持ちも含めてキレてしまったんだろうなあ。


 そして、技術保全局長として知識と技術を持っていて、自分はレコンギスタすらできる有能な人間だ、と思っていたキアは「G-セルフとベルリという圧倒的な暴力の現実」に裏切られるのかもしれない。
 ベルリも現実に裏切られてきたが、今回はベルリがキア・ムベッキに対する現実として作用している。

 G-セルフのライフルのビームを、ジャイオーンの右肩に残ったビームソードを器用に操って散らす技はすごいが。(オートマチック防御かもしれないけど)




 即座にシールドのバリアを展開したG-セルフに対して、単純な突きの連打で押し切ろうとするジャイオーンは戦闘センスがない。まだ破壊ではなく捕獲を目的にしてたからかもしれないのだが。(また、映像の原則としては、ジャイオーンの方が主人公っぽい上手側から攻撃しているのも、G-セルフの悪魔的な強さの表現になっている)
 ジャイオーンが主人公っぽい上手の角度からスタンダードなビーム攻撃を行うが、ベルリにはそんな単純な攻撃は効かない。


 G-セルフの頭部高速レールガンでジャイオーンの右肩のビームソードの基部も破壊される。というか、初見の敵の必殺武器のどこが弱いのか瞬時に見抜いて破壊するベルリ、アムロ並みにヤバイやつだ。




 しかし、キア・ムベッキベルリ・ゼナムと違って「金星のメカの方が優れているはずだ」という固定観念を捨てきれない大人なので、ムキになってしまう。

 シー・デスクに逃げ込んで攻撃を避けようとしたG-セルフに、熱くなって追撃をかけてしまう。







 ベルリのほうが冷静に「見境のないヤツ!」と見る。シー・デスクのフレームを何本か破損させるビームと火花の光の表現がうまい。




 メガファウナジロッドジャスティマの暴走から逃れてシー・デスクの下に入る。



 発砲は厳禁だと改めて念を押してから、ビーム・ファイト!で「ありえない!」というリアクションでメガファウナの面々も呆れる。





 ジャイオーンのビームを避けるG-セルフ、地味にフォトン装甲を発動させて分身している…。何だこいつ…。ほぼ無敵のシールドを持ちながら、分身回避までする…。チートだ。
 デザインしたあきまんさんによると「G-セルフは人類の文明でフォトンバッテリーがトレンドだった頃のそこそこ高性能の機体」ということらしいが、そこそこではなくぶっちぎりで強くないか?


 キア隊長から見ると、劣った地球人が作ったマシーンだと舐めてかかっていたら、ありえない高性能を見せられて、自分の攻撃は全部無効化されるのに自分の必殺兵器はすぐに破壊されるので、焦って判断能力がどんどん壊されていくわけだ。




 部下の女性の前で格好つけたいキア隊長に対して、姉のために戦おうというベルリだが。ベルリの方が良いものなのだろうか?




 初めてシー・デスクに入ったベルリは何度かフレームにぶつかってエアバッグに助けられていて、シー・デスクの構造とか距離感とかはわかってない感じだ。だから、G-セルフが海の底にぶち当たって停止したのは完全に偶然だと見えるが・・・。



 偶然なんだが、キア隊長は「好機!」と見る。


 そして、キア隊長はG-セルフを倒すことしか考えられない状態まで判断能力が低下している状況で、G-セルフが止まったので後先考えずに嬉しくなってしまう。それでビッグアームの一番太いビームソードを高出力で伸ばして、何本かフレームを切断してG-セルフを倒そうとするが、海の底に傷をつけてしまった!
 おそらく、キア隊長も初陣だと思うし、ビッグアームもコンキュデベネスと同様、新造品の追加武装だと思われる。最初は素のジャイオーンで十分、メガファウナもテン・ポリスも黙らせられると思ってたけど、予想外にメガファウナもポリスも反撃してきて戦況が悪化したので、途中でクン・スーンに持ってこさせる。なので、高出力で伸ばしたビームソードが、どれだけの威力なのか、ちゃんとテストしてなかったように思う。試作兵器の逐次投入は典型的な下策なんだけど、追いつめられていたんだろうなあ。
 おそらく、海の底の構造物に穴を開けるほどのビーム出力はどれくらいとか、わかってないで使っちゃったんだろうなあ…。(G-セルフに対して数百メートルか数キロメートルくらい伸ばした高出力ビームのはずだが、海の底に傷をつけた場面のソードが絵としては、他のガンダムでもよくある強めのビームソードくらいにしか見えなかったのはちょっと残念)そもそもシー・デスクの下で戦うという状況もキアにとっても初めてだろうし想定外だろうし。そういう道具の使い方の批評性はやはり富野アニメらしい。

 ビームソードの動きと、海の底に傷をつけたショックで、イマジナリーラインが逆転してキア隊長は下手側に移動して、敗北感が演出される。





 水を浴びて我に返ったのか、それともさらに混乱をきたしたのか、キア隊長はG-セルフとの戦闘を放棄する。

 今度は逆に上手に回ったベルリがジャイオーンを撃破しようとする。

 水流を登ったジャイオーンを追っていくG-セルフだが、水圧で追いつけない。(宇宙でいきなり流れてきた水の中に入ろうと思うベルリの勇気というか闘争心も相当なものだな・・・。一応構造図は序盤で見てたけど)

  • オーシャン・リングに入る




(水滴がついてる煽りのG-セルフの作画がすごく良いけど、重田敦司さんかな?)


 地球から遠く離れた金星で自然っぽい海を見せられて、さっきまでの激闘を忘れたように呆れてしまうベルリ。オーシャン・リングに海があるというのは知識としては事前に知っていたはずだが、いきなり見るとわけがわからなくなる。

 かなりニュートラルに「ボケーッ」っとした印象で浮いてしまうG-セルフ

 数秒前まで殺し合っていたジャイオーンを追っていたので、止まるのは危険なのだが、わけの分からない宇宙の海の渦を見て、リアクションに困りつつ、次回に続く。


 ベルリがアイーダに見せたかった宇宙の夢のある海のはずが、実際、いきなり見せられると、困るしかない。しかも穴が空いてしまっている。
 やっぱり、ベルリの期待はまた裏切られてしまうのだろうか。


  • まとめ

 いかがでしたでしょうか。
 キア隊長は初見の印象とか演出の雰囲気としては悪人に見えていましたが。次回からの展開や、ポリジットを1機もキア隊長は撃墜していないということと、攻撃より先に交渉をする態度などを見ると、そこまで好戦的な悪人ではない、ということが見えてきました。
 これは僕にとっても意外なことだった。Gレコは見るたびに印象が変わる。
 女性の前で格好つけたがるキア隊長は機動戦士Vガンダムのシュラク隊隊長のオリファー・イノエっぽくも見えました。(妊娠させるところとか、頭髪がちょっとアレなところとか)
 また、女性の方がマシーン戦闘では猛々しいというのはVガンダムっぽいし、マリア主義ぽさもあった。ジット団に影響しているピアニ・カルータ事件の弱肉強食の理論はコスモ貴族主義の匂いもある。
 キア隊長は本来はやっぱり研究者で戦士ではないのかもしれないのだが。弱肉強食の理論を信じてしまい、武力を手に入れてしまったために自分らしくない戦闘を起こしてしまって判断を誤って破滅する。武器を手に入れてしまう人間の不幸という風にも見える。同時に、チッカラ・デュアルが筋トレしてムタチオンを怖れていたのと同じ理屈で、キア・ムベッキ隊長も力を求めて弱肉強食の理論で戦おうと思っていたのかもしれない。ムタチオンして弱くなる恐怖を忘れるために強い宇宙世紀の戦闘マシーンに頼ったと見ることもできる。
 そして、富野監督のキャラクターデザインや演技指導で「キア・ムベッキはかっこいい男」とされているが、「かっこいい男を演じているだけの男」なのかもしれない。「かっこいい男を演じざるを得ない立場の男」なのかもしれない。10年前のガンダム30周年のイベントのGACKTさんとの会話(だったかな)で、富野由悠季監督が言っていた「イケメンのどうしようもなさ」みたいな発言から通じているニュアンスがあるのかもしれない。
 女性の部下の前で格好つけて戦士のふりをして戦うキア隊長、というのは人類の伝統でもあるのだが、アイーダノレド・ナグさんに「あなたは優れた戦士です」「男をやれって言われてるんだろ!」とおだてられて戦わされる主人公のベルリくんにも当てはまることかもしれないので、男はつらいよ
 Gレコ序盤のキャピタル・ガードの学生も「女学生に認められたい、褒められたい」という感じだったけど、ダンバインのニー・ギブンとかZガンダムのジェリドの頃からある「女の前で格好つけたがる男」のどうしようもなさみたいなのはあるよなあ。


 ほとんど戦闘シーンの連続だった第20話だけど、細かく見ていったら30代後半で組織のリーダーをやる男の見栄とかプライドとか部下の女子に手を出しちゃうところとか、それでさらにカッコつけちゃうところとか、なかなかアラフォー世代のガンダムのオタクとしては、「ウッ」ってなる心理描写を見つけてしまった。アラフォー世代の頭でっかちなオタクの男は死んでしまうしかないのだろうか…。きつい…。
 ドニエル艦長みたいにデブおやじだけど水着グラビア大好きで女子更衣室に入っちゃう図太いおっさんになるしかないのか…。エル艦長はいいおじさんだった。(キャラクターデザインワークスによると、エル・カインド艦長はトワサンガまで往復する仕事だけど、地球に降りるタブーは決して破らない理性のある、自制心のある革新派という監督指定があった。まあ、最終回で海賊にめちゃくちゃされるわけだが)
ガンダム Gのレコンギスタ キャラクターデザインワークス


 Gレコを子どもに見せたいアニメだとした場合、大人のキャラクターは「こんな風になるなよって言う見本」である場合が多いので。ベルリ少年とかクリム・ニックとかマスクなど若者に感情移入できる小学生からティーンエイジャーの人が見るべきアニメなんだろうね。(オトナ帝国になってしまっているガンダムの現状はあるにせよ)
 駄目な大人になってしまったことを実感するオタクとしては、Gレコを見たら結構「ウッ」ってなる。ランバ・ラルみたいに戦士として美化してないし。そういう「ウッ」を否定したい中年オタクは岡田斗司夫先生みたいにアンチになるとか、宇野常寛さんみたいに「Gレコは富野監督がアニメ界に向けた嫌がらせでしょう」とか言ったりする。


 でも、いつまでもクリム・ニックみたいな気持ちでおれは天才だー!って言いたいしはしゃぎたいし美女にチヤホヤされたい気持ちもある。せめてハッパさんみたいに役に立つオタクになるべきなのだろうなあ。ハッパさんは凄いよ。時代や場所が異なるメカを自由自在に組み立ててしまうハッパさん。たぶんコンピューターの言語もたくさん覚えている。声が同じプリパラのクマとか、プリキュアのプルンスとかそういうマスコット的なオッサンのポジションを狙っていきたい。
 Gレコのアクション解説をしているつもりが、中年の危機に直面してしまった。うぐぅ・・・(石動雷十太)

  • 次回

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