玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ガンダム Gのレコンギスタのベルリの殺人考察第4部第22話A 殺人の責任感

  • 放送当時の感想

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  • 目次

「はじめたいキャピタルGの物語」・「ガンダム Gのレコンギスタ」感想目次 - 玖足手帖-アニメブログ-
Gレコ2周目の感想目次 殺人考察&劇場版(パリ) - 玖足手帖-アニメブログ-


  • 前回の殺人考察

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 というわけで、今までの殺人考察は1話書くのに4日かかっていましたので残り5話が間に合わないという計算になりましたが。睡眠障害で寝てばかりいた自分にキレたので、1話あたり2日で作業します。どうせ早起きしようとしても昼に寝てたので徹夜解禁です。
 というか、10月はキア・ムベッキ隊長の死ぬところを批評してから肺炎になって1ヶ月潰れたので。
 2周目のGのレコンギスタの解説という風にしていたので長くなっていた面もあるのですが、ベルリの殺人や攻撃に伴う気持ちに集中して書いていくことで速度をあげます。
 また、今回はベルリの殺人が前回に比べると少ないので、前回の死闘は300枚画像を撮ったけど、今回は140です。いや、それでも多いだろ…。

  • 開幕GIT団vsテンポリス

 ベルリの殺人考察だが、ベルリの殺人を際だたせるために、他のキャラの殺人との対比も行う。

 奥からテンポリスのポリジット部隊、フルムーンシップのマスト、移動するランチ、GIT団のリジット部隊、そしてフルムーンシップのデッキから観戦しているローゼンタールの頭、というスケール感の感じられる素晴らしいレイアウト。
 開幕1秒から緊迫の場面です。
 また、今回は戦闘シーンが、「フルムーンシップとポリジット」、「G-セルフとウーシァ」、「アイーダたち青少年とクンパ大佐たち大人」、「マニィのジーラッハとバララのマックナイフ部隊」と、主に4つです。
 が、どれも「画面向かって右の上手に善人(保守派)、向かって左の下手に悪人(?)(攻め手)」というレイアウトとなっています。富野由悠季の世界の図録でも(富野流)映像の原則のこの善悪の上手下手論は解説されていて有名になったかと思います。


 前回はキア・ムベッキ隊長とベルリの死闘に次ぐ殉死など、かなり複雑だったのですが、今回は逆にわかりやすいレイアウトを取ろうとしているのだろうか。(まあ、前回もコンキュデベヌスが上手から下手に移動しながら沈むという動きの方向付けはハッキリしていたのですが)


 んで、


 ジロッドから前回、クン・スーンを乗せて脱出したコックピットコアがマズラスターに移植されたようだ。
 ちなみに、GレコのMSのコックピットの内壁の全天周モニターにはアメリア、キャピタル、トワサンガ、金星と、陣営ごとに異なるラインが入っています。金星のメカは技術が高度だと見せるためか、終盤でハッタリを効かせるためか、ラインが金色になっています。また、モビルスーツモビルアーマーではラインの模様が違うのですが。ジロッドに搭載されていたときと、マズラスターに移植された後では、同じコックピットコアでも内壁のラインの模様が異なっています。ハードウェアの機械ではなく、ディスプレイ表示の一種なのだろうか…。列記して違いを紹介してもいいのだが、時間がないので省きます。各自、見て確かめるように。



 まあ、それは余談として。(ヘルメス財団のクレッセントシップからGIT団のフルムーンシップに移動した裏切り者のスタッフがフルムーンシップのエンジンの立ち上がりを助けたり、チッカラ・デュアルがポリジットに対して出撃する前にも100まで懸垂していたりという余談も有り)

 フルムーンシップの艦長が「ポリジットの妨害が厳しくなる前に出港する」と言うバックでさり気なく24話で活躍するユグドラシルの組み立てが映っている。
 キア・ムベッキ隊長が19話でクレッセントシップに4、5機のモビルスーツで強襲をかけたのは、クレッセントシップが降臨祭を終えずに、しかもスピードアップして金星に戻ってきたので、キア隊長のレコンギスタ作戦が不本意に前倒しにされたので戦力が整ってない。と、評論した。ユグドラシルなど組み立て途中なので、フルムーンシップのスタッフも前倒しになっていて、完全な作戦になっていないということが分かる。(そもそもリーダーのキア隊長が死んじゃった勢いで出港だし)
 メガファウナの仲間になった緑のザンスガットがGIT団の陣営で使われることは、演出上煩雑になるのでやってないのだが、ザンスガットもフルムーンシップにそこそこ搭載してある。

 強行突破すると思うクンに対して、

 20話でもキア隊長も言っていたようだが、チッカラ・デュアルは「自分たちの行いは正義なので同調者はいるはずだ」と思っている。クン・スーンチッカラ・デュアルの自分たちの攻撃に対する考え方の違いも考えてみたら面白いし、もしかしたら無自覚に自分の悪を悪だと気づかないドス黒さがチッカラにあったから、ああいう結末になったのかも。まあ、フラミニアさんルートもあるので、一概には言えないが。


 自分たちが正義だと信じてポリジット部隊に攻撃して殺害するフルムーンシップ。






 GIT団のMSもポリジット部隊を次々と殺害する。


 「自分の邪魔をするな」ではなく「キア隊長の邪魔をするな」という。これは後述のベルリの殺人に対する態度と対照的である。
 自分が自分のために殺す責任を感じる、ではなく、死んでしまった人という絶対に責任を取ってくれない存在の邪魔をさせないために殺す、という。GIT団は殺人に対する責任感を逃している。人は自分のために殺すのは苦手だと、「戦争における「人殺し」の心理学」に書いてあったが、同時に、富野監督が薦めていた「危機の二十年」における第一次世界大戦では「国の発展のため」というイデオロギーという実体のない物のためにたくさんの志願兵がガンガン殺し合いをしたということが書かれている。殺人の動機が自分のためではなく、イデオロギーとか正義とか仲間や家族のためという善行だと思うと、人はいくらでも残虐になれるのだ。というシーン。
 Gレコで全体主義を描きたいという富野監督の言葉もあり、責任を外注する人たちの殺人も全体主義で凡庸な悪なのだろう。




 宇宙で凍りついたコンキュデベヌスの中央の円形部品に光が反射しているという物理現象を「キア隊長が泣いています!」とロマンチックに意味付けして言ってしまう。音楽も感動的っぽいのが流れる。




(細かいところだが、アメリア帝国のクリム・ニックはラジオドラマを聞いてるけど、ビーナス・グロゥブにはテレビニュースがある。マッシュナー・ヒューム中佐の写真が出回るトワサンガにはインターネットがあるっぽい)


 テンポリスを殺しておいて、本当に身勝手だが、フルムーンシップの艦長は「ロザリオテンとテンポリスは、身をもって海の底をふさいだキア隊長の意思を弔ってやってくれ」と通知する。



 霊を弔うというのも、実は架空の概念なのだが。「フルライトだ!満艦飾!」と言って光をキア・ムベッキ隊長に捧げて出港するフルムーン・シップ
 GIT団は殺人の責任をキア・ムベッキ隊長という死んでしまった英霊に押し付けて正当化している。キア・ムベッキ隊長は細かく見ていくと別に死ぬつもりはそんなになくて、いろんなミスの積み重ねで死ぬ結果になってしまったと評論したのだが、GIT団の人たちは「身をもって海の底をふさいだ」というキア隊長の逸話、物語を以て「ロザリオ・テンもテン・ポリスもキア隊長の意思を継ぐ自分たちを認めるべき」と高揚していく。
 キア隊長本人ではなく、海の底をふさいだ英霊としての逸話をFateのサーヴァントのように崇めていく。
 前回の記事でも書いたけど、ルネ・デカルト方法序説の「過去は歴史になり、歴史は物語になる」という言葉に近い批評性がある。

 どんなに忠実な歴史でも、読みごたえがあるものにしようと史実の価値を変えたり増大させたりはしなくても、少なくとも、はなはだ平凡であまり目立たない事情はほとんどつねに省かれている。そのせいで、残りの部分は実際とは違って見えるようになり、自分の生き方を歴史から引いてきた模範によって律する人は、我々の小説(円卓の騎士物語、ローランの歌など。ドン・キホーテも同時期にあったらしい)に出てくるとんでもない騎士のようになって、自分の力に余ることを企てようとするのである。

 そして、人は現実よりも物語に沿って行動してしまう。特に、GIT団はピアニ・カルータ事件の「人は弱肉強食の戦いで強化するべき。戦争が文化を進歩させる」という物語の信奉者でもある。同時に、宇宙世紀という人類が絶滅しそうになったタブーの歴史を研究して、その技術的な素晴らしさを誇りにしている人たちだ。宇宙世紀で人類が絶滅しそうになったし人肉食をせざるを得ないほど追いつめられたとかいう体感としての苦しみを経験してなくて、戦争技術の派手さ、かっこよさ、合理性などを信奉している研究者集団がGIT団なので。ある意味、宇宙世紀ガンダムオタクのメタファーでもある。
 (富野由悠季の世界展でのGレコのメモにキア・ムベッキピアニ・カルータの影だと書いてあった)


 しかし、僕はキア・ムベッキ隊長の行動を分析したのだが、チッカラやクンがポリジット部隊をガンガン撃墜しているのに比べると、キア・ムベッキ本人は一機も撃墜していないというのがわかった。演出的に、リーダーのキア・ムベッキ隊長も部下と同じくらい撃墜しているように思っちゃうように見せてるけど、殺してない。キア・ムベッキ隊長はパーティーグッズを人間爆弾と言って脅すような、なるべく人を殺さんように行動していた人物だ。G-セルフに対しても先制攻撃をせずに降伏勧告から入ったし。
 なので、キア・ムベッキ隊長が死んでなかったらフルムーン・シップはここまで暴走しなかったのではないか?と思える。ただ、死んだ人間に奉じるためとなったら、死んだ人間はストップをかけないので、フルムーン・シップは暴走する。(これは、カーヒル大尉とデレンセン大尉が死んでなかったら、とかにも通じる)
 ある意味天皇陛下万歳と言って戦争した日本軍の全体主義にも似ているが、キア・ムベッキ隊長は天皇ほど偉くはないので爆弾三勇士とか、特攻兵とかそういう英霊扱いなのだろう。満艦飾とか火垂るの墓だし・・・。
 富野監督のGのレコンギスタの前作が特攻兵が少女たちに信奉されて鎮魂されるリーンの翼だったのだが、Gのレコンギスタではそこから一歩踏み込んで特攻兵を見送った後の少女たちの暴走として、フルムーン・シップを描いている。ジット団は女性とオカマが目立つので。


 で、演出的に面白いのは、キア・ムベッキ隊長に満艦飾を捧げて弔う!という映像の派手な力によって、イマジナリーラインを超えて、ファーストカットでは下手の悪役っぽい反逆者っぽい位置にいたフルムーン・シップが逆転して上手から下手に順行しはじめる、というふうになっているところ。



 なので、映像で力関係が逆転したように見えるし、ドラマチックに見えるし、視聴者もキア・ムベッキ隊長はカッコイイんだなあって思わされるように仕掛けられている。

 まあ、そういうキア隊長はカッコイイし正しいというジット団の気持ちが地球圏に戦乱を呼ぶのだが。


 それでフルムーン・シップは地球に向かっていったわけだが。テン・ポリスは本当にレコンギスタしたい人もいたからフルムーン・シップ出港を許したのか、そもそもラ・グー総裁がフルムーン・シップの処理についてどういう指示を出したのかわからんのだが。とりあえず出港はした。ビーナス・グロゥブにおけるフルムーン・シップの役割がいまいちわからんのだが、大規模だし、そもそも軍用ではなく輸送船なので、ジット団専用のものと言うだけでなく、クレッセントシップに次ぐフォトンバッテリー輸送増便として建造されたのかも。だとしたら、予算もかかってるだろうし撃沈はさせられないか?ビーナス・リングのコロニーで巨大艦船が爆発したらコロニーもダメージを受けるかもだし。あるいはロザリオテンの平和主義の人たちは数百人以上は乗船しているであろうフルムーン・シップを攻撃して撃沈するという発想がなかったのか…。歩兵を乗り込ませて制圧できる規模の船でもないし、追っ払ったほうが金星人は楽なのかも。
(そして、ベルリたちにジット団に対抗できるパーフェクトパックや武装や新型MSを渡して地球で戦争させるっていうの、ラ・グー、意外とエグくないか?)


 まあ、そういうエグさとかジット団のヤバさを一旦リセットするように、美少女がジーラッハで暴れる。一見ギャグっぽいけど、大事故につながりかねない…。



 バックパックをつけてないので、本当に突発事故だったんだろうな。


 モビルスーツが4機がかりで止めるほどでかいジーラッハだけど、バックパック無しで真ん中を押させるG-セルフはやっぱりすごい…。




 ノレド・ナグさん、ラライヤが独り立ちしたので看護師になりたいと言ったのを、キラン・キムさんに「歴史政治学をやりなさい」と言われたのが偉い、みたいな展開があったのに。結局マニィに対抗してMSに乗ってしまう女子。戦争の激化を演出していきたいのかなあ。まあ、ノレド・ナグさんはもともとスリングショットを持ち歩くような武闘派女子だったけど。それを止めるベルリは責任感があるようにみえる。現地の刑務所に入れられるとかいうのは、ビーナス・グロゥブの法律を調べたのか、キャピタル・ガードの憲章から推測したのか…。ベルリはやっぱり優等生だな。

 という女子高生のワイワイシーンで気分をちょっと楽しくさせてから、アイーダラ・グーのトップ会談。
 ラ・グーを見るアイーダさんのカメラワークの巧みさについては本放送の時に述べた。








 ラ・グー総裁は高潔な人物だからか、反逆者であるジット団やピアニ・カルータについて怒った様子がない。むしろ、6つめの海が満ちる時代のビーナス・グロゥブで人の心が緩んだり、ムタチオンとボディースーツで人が絶望することの結果として反逆者が生まれるのも、変わらない人類の当然の行動だと認知しているようでもある。ラ・グーピアニ・カルータの間にどんな人間関係があったのかは知らされされないが。
 クレッセントシップのエル・カインド艦長はトワサンガビーナス・グロゥブの成り立ちを「宇宙に取り残された、絶望した人々がいたからこそ」と語っている。富野監督はGレコの世界観について「文明がこれ以上発達してはならない世界。夢や希望がない。しかし、個人の幸せのために闘いがある」と言っている。
 夢や希望がない、絶望した人々の末裔がヘルメス財団であり、ラ・グーなのだろう。絶望しながら地球をはるか未来に銀河に飛ばすために統治をしているラ・グー。自分が絶望しているからこそ、心が緩んで希望をいだいてレコンギスタしたいと思うジット団を糾弾できないのだろうか。6つめの海が満ちる時代、という言葉を聞けば、そもそも最初はビーナス・グロゥブも最初はこんなに豊かで上品な世界ではなく、水も地球から水の玉で圧縮して持ってこないと無いという絶望的な環境だったのだろうと想像できる。宇宙世紀が滅びるかどうかの頃にフォトンバッテリー発電所だけが金星の近くに無理やり作られたというのがビーナス・グロゥブの最初のショボい成り立ちだったのだろう。
 でも、ビーナス・グロゥブで文化や科学技術を保全したり、生活する人もそれなりの豊かさを求めたりして千年が経つとジット団のような希望を持って技術を発達させ直そうとする勢力が生まれる。トワサンガ産業革命が100年前に終わってレコンギスタを企むドレット艦隊が生まれた。アメリア帝国とゴンドワンも豊かさを求めて戦争を面白がる世代が生まれた。金星と月と地球で同時多発的にレコンギスタというか文明の復興を求める動きが生まれたのだ。




 ラ・グー総裁は絶望しているし、反逆者についても出るのは仕方ないと思ってる節がある。ビーナス・グロゥブの安定統治の方を重視していて、ジット団に追撃する軍隊は送らない。(クレッセントシップと一緒にメガファウナに同行するポリジットはいるけど)
 まあ、ビーナス・グロゥブは平和主義のバッテリー発電集団なので、ポリジットがあっても宇宙艦隊や軍隊という物自体がないのかもしれんけど。
 で、トワサンガアイーダさんはロルッカさんとミラジさんに「時代は年寄りが作るものではないのです」って言い放ったけど、200歳近い高齢で一見美形だけどムタチオンして絶望しているラ・グーという老人を見て、どう思ったのだろうか…。アイーダさんはベルリにもラ・グーとの事は語らなかったそうだが。
 200歳近いラ・グーが淡々とビーナス・グロゥブという閉鎖環境を維持して時代を作っていたけど、そこから反逆者も出てしまう。それをアイーダさんはレイハントンの末裔として討伐するべきと思ったのだろうか…。



 ムタチオンの是非や、それを絶望とともに受け入れるのを良しとせずにレコンギスタをするジット団の思想が人類としては自然な発想、というようなラ・グーの言葉を受けて、アイーダさんはどう思ったのだろう。泣くけど。
 「人類の女性として健康」と言うけど、アイーダさんは不健康だけど長寿で金星を維持しているラ・グーを否定するつもりはなさそう。泣くしかないのかなあ。解釈が難しい乙女心だ。ちょっとここはハッキリした解釈を保留したい。まあ、最終回のアイーダさんの振る舞いを見るに、レイハントンを知り、宇宙世紀末期のことも知るラ・グー総裁から何かを託されたという責任感のようなものは強まったのだろう。

 アイーダさんの涙を見て、料理中に唐突に体重を測るノレド・ナグさんの乙女心も割と謎。

 アイーダさんに「時代は年寄りが作るものではないのです」って言われたけど、忠臣ぶっているロルッカとミラジ、ジット団のモビルスーツアメリアに提供するとかいう。彼らなりの生存戦略なのか。まあ、アイーダさんもあとでクリムの顔を見てダーマとダハックとトリニティのアメリア所属を認めるけど。
 アイーダさんが「人類の女性として健康」と言って背景が光ったら、それがトリニティの目の光になるのはちょっと面白い。



 で、クレッセントシップに同行しているジット団の技術者はよく見ると前回、G-ルシファーノレド・ナグさんに奪われた人のようだ。前回のG-ルシファー班の人はキア隊長の班のコンキュデベヌスを出したりする行動から外れていたようなので、ジット団も一枚岩ではないのか。チッカラは「ジット団はひとつ!」って言うけど、クレッセントシップからフルムーンに乗り換えた人もいれば、その逆もいるようだ。

 クレッセントシップの規模なら客室も充実してそうなものだが、リンゴとかが雑魚寝しているので、結構沢山の人が定員オーバーで乗り込んだのか?ジット団以外にも地球に行きたい人はいたんだろう。


HG 1/144 ガンダム G-セルフ (パーフェクトパック装備型) (ガンダムGのレコンギスタ)


 ベルリは組み立て中のパーフェクトパックに文句をいう。パーフェクトパックは技術者の理屈と言うが、このあとフォトン・トルピードを使って、次回ガイトラッシュに圧勝して慢心したりもする。

 しかし、ベルリを思いやって整備してくれるハッパさんの隠れヒロインっぽさある。



 とかなんとかやってるうちにめっちゃ早く地球圏に帰還する。宇宙戦艦ヤマトイスカンダルからの帰りは向きが下手から上手に逆転してめっちゃ早くなっているというのはアニメオタクには有名な話だが。
 フルムーンとクレッセントシップは上手から下手に行く感じだ。「クレッセントシップが地球に戻る」と言うより「フルムーンシップが地球に行くのを追う」というニュアンスか。クレッセントシップは後ろを見せているので、復路っぽさも出しているけど。
 そして、メガファウナもクレッセントシップの艦長の命令で第二戦闘配置になる。安心して戻ってこれたという感じはしない。むしろ追いついたから戦闘が始まるという。
 ドニエル・トス艦長の「自分の家の庭に帰ってきても、これだってんだから何だってんだ?」という文句が妙に韻を踏んでいておもしろい。

  • 地球を見る


 地球周回軌道のナットまでおりてくるフルムーン・シップ。発光しながら来ているのはキャピタル・タワーに対する脅しか?

 ジット団の面々はアメリア艦隊、キャピタル・アーミィ、ドレット艦隊を見て「地球人が宇宙で戦争するなんて、最悪だね」という。自分たちは金星に反逆したのに…。
 やはり自分たちの暴力は正しくて、他の人の暴力は間違っているし野蛮だと思う先進国特有の慢心がある。



 減速のタイミングで静止衛星軌道がキャピタル・タワーとずれるというのは、宇宙マニアの富野監督らしい。それで、24話で、フルムーン・シップにいるマニィがガランデンと遠くになるというドラマの理由付けにもなっている。

 フルムーン・シップの艦長は文句をいうけど、処女航海で初めて来た惑星の静止衛星軌道に船を乗せるってすごいよな。



 対してクレッセントシップ。カシーバ・ミコシをパスして、ポリジット部隊も警戒している。

 エル・カインド艦長はG-セルフとMS部隊が出ることに苦言を呈するが、

 キャピタル・ガードとしてのベルリが気になるので調査したいと申し出たようだ。


 ベルリが発案したキャピタル・タワー調査だが、むしろラライヤとノレドの方がはしゃいでいるっぽい?




 ベルリは、アーミィのものになったタワーに対して緊張しているし、初めてのパーフェクトバックパックに疑念も持っている。このブログでは何度か「飛行順はやる気の順番」と書いたけど、ラライヤのほうがベルリより先行している。マニィはまだ慣れていないのか後方だ。





 編隊飛行しながら、視線をジグザグに交差させて、仲間意識っぽさを出してる。マニィのことを案じながら、ワンジラから出たノズル光に気づくグリモアに乗っているルアンは古参兵としてなかなかに優秀。(ザンクト・ポルトの構造も割と早くわかっていたし、ルアンは脇役だけど結構賢いし気配りできるな。ケルベスもだけど)




 ベルリたちがキャピタル・タワーに事前に通告したのかどうかはわからんのだが、ベルリにとってはキャピタル・タワーは古巣だが。メガファウナは海賊行為を仕掛けた相手だが。
 ウーシァ部隊が攻撃的に出てきて、ベルリは養母の心配をする。金星まで行ってきたけど、その間に地球に残した母のことを案じていたのだろう。だから最強勇者なのに戦闘嫌いのベルリにしては珍しく自分から発進を発案したようだが…。その母へのベルリの優しさがBパートで殺人につながっていくのだった…。そして、母と会うけど、それはそれで…っていう。
 ベルリが善意や成功欲求で起こした自発的な行動は、だいたいベルリをひどい目に合わせて心を傷つける。サクセスは歌と違ってあんまりつかめない。序盤のカーヒル殺しもベルリの善意からだし。ベルリは、よく学習性無力感とかカミーユとかシンジ君にならなかったものだと思う。そのくらいGレコはベルリに当たりがきついアニメ。まあ、ベルリが第1話に行くまでのキャピタル・ガード飛び級生でエリートとして自己肯定感を育てて、運行長官の息子として責任感を養ったことがベルリを支えていたんだろうなあ。そうでなければ、まあ、アイーダさんに怒られたり姉だとわかったり金星に行ったら溺死の実況中継を聞かされたりして、心は折れるだろう。本当に罰ゲームみたいなアニメだけど、ベルリが嫌いというより、それくらいひどい目にあっても元気にしろって言う富野監督なりの叱咤激励なのかなあ…。
 とりあえず、Bパートに続く。


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 Gレコ劇場版第1作までは睡眠障害の治療も棚上げにしてブログに集中して一気に書き上げたいが。果たして


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