玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダムAGEアニメは最終回まで地味

去年、一話を見てから機動戦士ガンダムAGE第1話 映像の原則1stと比較して地味 - 玖足手帖-アニメ&創作-って記事を書いたんだけど。
やっぱり最後まで地味だったなあ。お仕事で仕方なくやってる感じで熱意が感じられなかった。いや、本当は熱意があったのかもしれないが、僕には感じられなかった。
ガンダムの感想ブログなんだけど、結局序盤で感想を書かなくなったし。なんか、書く動機や書きたいことがなかった。
やっぱり、演出が地味で訴えかけるものがなかったんだと思う。
ストーリーやシノプシスの良さなどは結局は2000年前から人間の感動回路はあまり変わってないと思うんで、やはり演出が弱かったんではないかと思う。まあ、あんまりAGEはいいストーリーでもなかったけど。


逆に、同じサンライズでも直後にファイ・ブレイン神のパズル2の最終回を見たら、はストーリーやパズルが解りにくいのに、演出で面白かった。あとホモ。やっぱり、演出の力とか、熱気とか、生命感とか親や友人やホモへの愛憎とか生っぽい感情の表現があった方がいい。


ガンダムAGEはストーリーもバトルも分かりやすいのに、高揚感がなかった。なんか説明書やゲームの攻略本のあらすじを読んでるみたいだった。
まあ、遊びであるゲームに付録するシナリオとしてはこの程度でもいいと思う。シドとかイゼルカントクローンの取って付けたような突然出現する感じは魔界塔士Sa・Gaの「かみ」とかSa・Ga2 秘宝伝説の「ぼうえいシステム」みたいな感じだと思うので、ゲームでは面白いと思う。アニメだと物語性として変だった。
ゲームのアニメバージョンとしては、今期はニコニコ動画メダロット戦国コレクションを見ている。メダロット戦国コレクションの方が原作のストーリーの薄い部分を演出やネタで盛り上げていて、アニメスタッフのオリジナリティを感じた。(というか、戦国コレクションの原作ソーシャルゲームにはストーリーが存在せず、アニメの戦コレは映画のパロディで強引なシナリオを書いて、それに演出を載せているだけなのに面白いというアニメノチカラ


主人公のキオが一般論しか言わないのも、わかりやすいんだが、戦争状態を語る物語世界ではちょっと合わないというか、説得力に欠けた。「戦争はよくない」「人が死ぬのはよくない」って自動的に言う人みたいで不気味でした。いや、まあ、それは現代日本人の常識としてはそうなんだろうけど、ガンダムAGEという戦争中の時代に生きる人物としてのキオの行動原理が変に見えた。
一年を通してデウス・エクス・マキナとイベントのための使い捨てキャラクターと過去のガンダム作品の引用の連続で物語としての真摯さに欠けた。ガンダムWガンダムXも過去ガンダムのイベントをなぞるような部分が多かったのだが、Wは美形たちの苦悩や狂気とか、Xではガンダムファンが作ったガンダムという問題意識とベタな恋物語と「戦後」の描写など、オリジナリティがあった。
しかし、AGEはなー。まあ、SEEDもそうなんだけど。00はちょっと「わかりあう」という事への押し付けがましさとイオリア計画のデウス・エクス・マキナがなー。


まあ、なんだかんだ言って毎週見てたんだけど、僕はオタクなのでたいていのアニメは苦しみながら見てますよ。「来週は面白くなるかもしれない」って思いながら見て裏切られる方が多いね。それでたまに面白くなる作品を見つけるために見てるんですが。安定して面白いのは富野、出崎統くらいかなー。


ガンダムAGEは作画があまり崩れていなかったが、でも序盤はドワーフが気持ち悪かったりした。後半はドワーフ族が減ったけど。
作画は悪くもないが、かと言って0083などの90年代OVA全盛期のような緻密な描き込みではない。CGによるコロニーや戦艦の表現もSEEDや新訳Zガンダムから進歩していない。
レイアウトも単調で面白くなかったし、絵コンテのテンポもだるかったので、絵としてのインパクトも少なかった。
大張OPも過去の大張作品の引き写しという感じだったし、過去の作品を見たほうが手っ取り早く面白がれそうだと思った。


というわけで、ガンダムというビッグタイトルだしたくさん宣伝とかしてたし、レベルファイブのゲームと連動したりして、商品展開とかで予算はあると思うのだが、その割に地味だったなー。なんだろうね。
小説は評価が高いそうだが、私は富野小説をまだ読まずに20冊くらい持ってるのでAGEの小説までは読まない。アニメとしては、こんなものか、という印象。
設定自体は多少面白かったので小説は面白いのかもしれないが


なんかすごく「お仕事でやってるだけ」って感じがあって、「ガンダムブランドが中継ぎをするために作ったコンテンツ」という感じで、商業主義としてはわかるけど作品にはなっていない。
まあ、でも、70〜80年代に粗製濫造されたおもちゃの宣伝ロボットアニメの1つと同レベルだと考えれば、まあ、こんなものか、という感じもする。
これも一種の原点回帰かもしれない。


でも、コン・バトラーVを見てたら単発のエピソードでもストーリーや演出の熱量が高い時もあるんで、うーん。
いや、コンVもつまらない回はつまらないんだけども。