玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

ガチ党のベスパは悪か?

ベスパが人殺しを楽しむのは、悪い。しかし、アニメにおけるドツクゾーンや宇宙人の悪さ、ではなく、人間としての普通の悪さなので、悪いけど、普通。
ウーイッグの周囲を爆弾と地雷で包囲してから市街地にヘリコを侵入させて機銃掃射で虐殺するのは普通の人間がよくする事で、アニメの悪役の悪業とはまた違うんだが。
富野はVガンダムの企画で「子供向けのアニメだから、分かりやすく悪い奴を出せ」と言われたのだろうか?
そして、ハゲは考えた。
悪い奴はどんな奴か?
ユーゴ紛争とか民族浄化とか資料をあさりながら本気出して悪について考えてみた。
せんでいいのに。
いや、確かに分かりやすい悪だけどさ!悪すぎて逆に普通になってるよ!
「チキュウのえなじーをうばうのだー。地球をほろぼすのだー」程度で良いのに。
分かりやすい悪だからって、本当に現実に在る悪を出してどうする!萬画でいいのに!
狂った皇帝に操られるクローン部隊とかでいいのに!
MS igrooのインタビューで庵野秀明(人殺しがとても嫌いだったらしいナディアっぽく)が「味方が死ぬのは悲しいけど、敵が死ぬのは気持ちいいと言うのがエンターティンメントです」と言ってるじゃないですか。
富野の中では「人類を抹殺する」=「ノコギリのついたロボットや機銃やデカイタイヤで丹念に掃射」
カイラスギリーとかも在るけど、あれはウッソが使っちゃうしなあ。コロニー落としや核爆弾は小説では「味気なさ過ぎて宇宙時代の人が闘争本能を燃やす戦争にはならない」らしい。でも、その直後に包囲爆撃にあったウッソが「こういう生々しい戦争もヤッパリ嫌だ!」と叫んだりする(笑)。
そういうわけで、ザンスカール帝国は一見わかりやすい悪役でありながら、構成員は普通の人間であったり組織の力関係や人事に悩んでたり、微妙に普通。
微妙に歪んでるからかえって真直ぐだ。でも、わかりやすい悪役の役を演じさせようともしてるので歪んでる。でも、それもテレビの前の人の見方の問題で、やっぱり普通?
見方によってはウッソを戦いに引き込んだりガ・ミリティアと悪度は同じくらいじゃねえの?たしかに個々の戦い振りでは民間のリガ・ミリティアの方がフェアプレーだが。(ミリシャでは逆転するよな)
それはたまたま。シュラク隊も正義の味方じゃなかったと24になって気付いたし。
ギロチンを未来で用いるのは子供心にアナクロすぎると思っていたが、小説版を平行して読んでると、未来だからこそ生の死を恫喝に用いるのはデジタル世代に有効かもとか思う。
香田証生さんの斬首動画を見たし。現代でこうなら、未来でもそうかもな。
でも、小説ウッソは「ガチ党は崩壊します」と看破したとおり、イラクの動画を見ても俺は思想的に動かなかった。
(というのは、オレが鈍感すぎるせいなだけかもね。)
んで、ワタリー小隊の人がカテジナに性的陵辱を加えようとしたのも、僕があの立場ならやるかもしれないと言う程度には普通。
だって、人殺しで高揚して自分も死ぬかもしれない時に、エリート将校殿が女をナンパして来たらむかつくもん。
人間なら、ソレが普通だろ。
一番悪役っぽい行動のウーイッグの虐殺も、あの時代のサイド2の宇宙人からしたら、
1地球特別区に住んでいる人間は資源を浪費するだけなので環境のために殺してよい。
2その上、ゲリラをかくまっているし、見分けもつかないので殺してよい。
(なんで富野は10年前にイラク戦争で初めてメディアが言い出した前線の消滅を描いてるんだろうか?ユーゴ紛争の時は俺が忘れてただけか?ガザC*1とか名付ける奴らだからなあ)
3自分たちは僻地の地上にまわされてフラストレーションが溜まっているし、宇宙の大衆にばれないので殺してよい。
4自分たちは新兵器実験部隊なので実戦に慣れるために引き金を引く経験を積んでおくべきなので殺してよい。
5動くものを見たら撃つように訓練されてるので殺してよい。
6マリア主義を知らない旧人類は殺してよい。
など、十分普通に虐殺理由はある。現実に普通にこうだよね。普通の人の普通の組織はこうするよね。
ただ、それは悲しいですよ!と叫んで白いモビルスーツが飛ぶのは、普通を超えて善い!