玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダム4話「ルナツー脱出作戦」

脚本・山本優 絵コンテ・貞光紳也 演出・貞光紳也 作画監督・富沢和雄
意地悪なワッケインの話。
今回はツッコミどころが多く、オリジンの方がきれいにまとまっている。
シャアはセイラにスパナをぶつけて銃を飛ばしたんだな、とか。
でも、オリジンはオリジンで「セイラさん!」というアムロの言葉を聞いたのだからアルテイシア確定なのだが・・・。
『「大人は嘘つきだ」と思った少年少女の皆さん、どうも済みませんでした。大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです。』 荒木飛呂彦


今回、シャアは「アルテイシアはもっとやさしい・・・」とシスコン全開なことを言う。いやあ、兄が妹を見くびっていても、妹もやっぱり女として強いわけですが。


ツッコミどころとしては、まず、やっぱり、マゼラン座礁。
っていうか、工作員が入ってきているのに対してマゼランを出すなよ・・・。
哨戒艇や空間戦闘機の1機も無いの?ルナツーしょぼい!トリアーエズは設定だけで没!かわいそう!
連邦の大鑑巨砲主義を象徴するにしても、あほ過ぎる。
オリジンでは、先にムサイの艦砲射撃で陽動をかけていた。
そして、マゼラン座礁を排除するのに、ホワイトベースの主砲で、基地内で核融合炉を爆破。
うあああああ。
その爆風でザクを一機撃破したのだが、ホワイトベースの方が吹き飛ぶだろ!セーフティーシャッターってレベルじゃねえぞ!
だが、その振動でパオロ・カシアス艦長死んだ。ルナツーの基地の安全な病室にいればいいものを、ワッケインを説得しブライトを激励するためにホワイトベースの環境になぜかわざわざベッドごと戻ってきて、ショック死。
オリジンでは、普通に病室で衰弱し。
安彦さんは尻拭いだなあ。いや、面白いですよ。絵もきれいだし。
ファーストガンダムはテレビ版の尺に押し込めるために色々と舞台設定がおかしいですね!





ツッコミどころは多いが、ガンダムを封印したりとか言う所は実際の軍事的な感じで、ヤマトを軽く越えているな。
やっぱり、ツッコミどころを越えるリアル描写もある。だから、ガンダムは名作だし、ピーキーなんだ。
パオロ艦長には丁寧だけどブライトには偉そうに思い込みをぶつけてくるワッケインとか。(じゃあ、艦長は病室に入れて置けよ!)
そのワッケインに対してアムロ(若さとガンダムの性能)、ブライト(現場の意見)、ミライ(女としての感覚)、パオロ艦長(俯瞰で考える年寄り)の順で説得していくのは人間的で面白すぎる。
ワッケイン自身も中間管理職として発展途上のキャリア組なのである。
でも、艦長は病室から電話回線でもよかったと思う。


電子ロックは電源が切れたら解除されるとかアムロの教育型コンピューター談義とか、ミノフスキー粒子の有視界戦闘の説明とか機械的なガジェットのやり取りはあったのだから、通信技術をさらっと使えばいいのに。テレビ電話くらい当時にもあったのに。


それにしても、アムロが食ってる青色のペースト弁当は糞不味そうだな。スターウォーズルーク・スカイウォーカーが飲んでた青色のドリンクは実際に不味かったとマーク・ハミルが言ってた。
でも、兵隊は食いたくなくても食う物だと言うのはいい描写。
ガンダムシリーズでは良くこの描写がありますよね。


そして、今回も律儀に潜入から戻って、シャアザクで攻めて来るシャア・アズナブル。正直、歩兵だけで基地を制圧して虐殺する方が手っ取り早かったような気がする。電源を落とせたのなら、皆酸欠で殺せるのに。まあ、非常用電源までは破壊できなかったから一度ムサイに戻って攻撃しなおすと言うのは策ではあるんだが、シャアは潜入部隊の指揮までとらずにモビルスーツ部隊の第二波として波状攻撃を仕掛ければ勝ってたかもしれん。
デニムが兵を押さえられなかった反省か?
というか、ガデムもだけど、ガンダムは指揮官が前線に立つので戦国時代っぽいですね。
武勲を立てろ!
ピピニーデンは椅子を尻で磨いていればよかったと思うが。向き不向きはありますよ!付け焼刃で何が出来るか。


しかし、毎回毎回敵はシャアザクです。
最近では仮面ライダーシリーズとかで、ライダー同士の戦闘と言う事でライバルが固定される事も多いわけですが、それでも各話のやられ役怪人と言う物はあります。
特に、ガンダムの時代は一話完結のアニメが多かった時代なのになあ。
おもちゃのCM番組でこれをやるのはスゴイ画期的で勇気の要ったことだろう。
かといって、それ以後のガンダム「シリーズ」のように連続ストーリーと言うわけでもなく、機動戦士ガンダムは一話完結としてもまとまっている。
これは、ガンダムの敵が、ロボットや怪人や犯人のような目に見える敵ではなく「状況」だからだろうなあ。
でも、これを考え出すのは大変だ。
これが出来たら名作なんですけどね。
海外ドラマとかでは、結構こういう作りもスタンダードっぽいけど。
というわけで、海外ドラマを参考にしているらしい機動戦士ガンダム00は逆にガンダムっぽいのかも?



最後に、ワッケイン司令のセリフ。
TV
「ジオンとの戦いがまだまだ困難を極めるという時、我々は学ぶべき人を次々と失ってゆく。寒い時代だと思わんか?」


劇場
「ジオンとの戦いがまだまだ困難を極めようという時、我々は素人さえも動員していく・・・寒い時代だと思わんか?」


オリジン
「あの艦には連邦の命運がかかっているかもしれないのに、我々にできる事と言えばサラミス一隻つけてやるだけ…。寒い時代だと思わんか…」


それぞれ趣が違いますなあ・・・。
TV版はパオロ艦長のセリフとも相まって世代交代的な要素が強いです。若者の力ー!
それがニュータイプ
でも、ララァニュータイプとしても現れや小説版のニュータイプは若者というよりは、もっと仏教的なものを感じる。まあ、こういう悟りって言うのは、リーンの翼とかでも繰り返されていたので、富野氏のライフワークなのかもしれないなあ。最近もカミーユを新たな即身成仏にしたし。


劇場版のワッケインは、ホワイトベース隊の不安感を高めて、映画的な興奮にしているんだろうな。
オリジンではサラミスの紹介など、ストーリーを分かりやすく解説。
なるほどなー。


5話が大気圏突入と言うのは、ガンダム00はオマージュ?突入しなかったけど。
にしても、予告の

重力に任せて落ちれば燃え尽きてしまう大気圏突入。その瞬間にシャアはホワイトベースに奇襲を掛けた。我も危険なら彼も危険、共に大地を見ることができるのか?

って、講談調にもほどがある。
富野監督は若井おさむには「いつまでもガンダムネタだけをやってるんじゃない」と言うが、がんだむ講談会の旭堂南半球さんには「しばらくは一年戦争ネタに絞ったほうがいいんじゃないか?」という。
適材適所?