創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」　2003年7月　第7話　第1節

サブタイトル：[そらの愛は地球を救う]
前書き　ハタチの話を今ごろになって清書すると言うのは、いろんな意味で非常にキツイ。
2年ぶりに連載再開です。次の6月までに54話まで書かないと死にますが成仏できません。頑張りましょう。
　　
前回
創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年6月第6話 [ファーストキス強姦殺人事件] - 玖足手帖-アニメ&創作-
　　
ここは頭令グダが入院し、頭令そらが通っている病院のホール。
テレビカメラの前にそらが居る。
　
　
チャリティーレポーター「はいっ！それではご紹介します。頭令そらちゃんです！」
そら「こんにちわ。頭令そらです。11歳です」
　テレビカメラに向ってペコリと頭を下げたそら。
　　
　
チャリティーレポーター「えー、そらちゃんの夢は何ですかー？」
そら「はいっ！お兄ちゃんにわたしのうたをきいてもらうことですっ」
チャリティーレポーター「そらちゃんの歌は病院の名物なんですよねー」
中川医師「そうですねっ！患者の皆さんも、いつも楽しみにしてらっしゃいます」
　
　

テロップ付きVTR（の大意を要約したもの）
「小さい頃の事故の後遺症から、今も難病で脳神経外科に通院している頭令そらちゃんは、同じ病気で昏睡中のたった一人の家族のお兄さんに歌ってあげています。そらちゃんは頭が壊れている上に貧乏なので、学校に行く事ができません。ですが、そらちゃんの純真な歌声は入院している人や病院の皆さんの心に元気を与えています。カンドー！」
　
　　

　現在、頭令そらの通院し、頭令グダが入院している病院に、24時間テレビジョンが撮影に来ている。入院病棟の患者を励ますレクリエーションの会での、そらの歌は評判が良く、テレビ局にも伝わっていた。そういうわけで、知的障害と困窮に耐えながら健気に歌い、周りの病人を元気付ける白痴美少女を取材しにきたのだ。
　収録は順調に進み、お兄さんの前で歌う、そらの若く明るい歌声もしっかり撮影された。
　
　
チャリティーレポーター「はいっ！そらちゃんの歌はきっとお兄さんにも届いた事でしょう！」
　
　
そら「お兄ちゃん！テレビデビューだよっ！テレビデビュー！」
　妹は兄にキスして、兄の夢を見た。

Jack　IN
2003/07/11http://www8.ocn.ne.jp/~ikitale/diary/7.11.html
2003/07/12http://www8.ocn.ne.jp/~ikitale/diary/7.12.html
2003/07/13

2003/07/16

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2003/07/21

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2003/07/25

2003/07/26

2003/07/30

2003/07/31

JackOUT
　
　
　　

四ツ屋荘404号室

そら「さぁて？そろそろ映るかなー？」
　帰宅した後から、ずっとテレビの前で待ちわびていた頭令そら。ゴールデンタイムの19時となったので、そろそろかと思いながら、404号室に宿る幽体宇宙人がレプリケートした合成有機物ウェハースと栄養汁の夕食を食べていた。
　
　
・・・・・・数分後
　
　
そら「花ちゃんはいい！チャリティーマラソンなんかどうでもいいっ！お兄ちゃん！お兄ちゃんを映せ！お兄ちゃんは！」
404号室「映りました。そら様とグダ様が映ったのは生放送です」
　　
　　
そら「・・・・・・はぁ？」
404号室「映りました。そら様とグダ様が映ったのは収録と同時の生放送です」
そら「いつぅう？」
404「4時15分から4時42分までです」
そら「ええーっ？でもさでもさ、今日だけじゃなくって、こないだから結構たくさん撮ってたよ」
404「録画した物を映します。」
　ヴォ〜むッ、テレビの映像が巻き戻り、先ほどの病院の風景、そらとグダと宍戸隷司の境遇のまとめ映像、歌うそら、暖かく見守る人々、眠っている兄、感激するチャリティーレポーター、感涙するチャリティー司会の徳川光輝、アイドルグループのTECHNO等を映し、15分で終わった。その間にも2分間のCMが2回在り、終わってからまたCMが流れ、チャリティーランナーの花ちゃんとか他の障害者とかの映像に切り替わった。
そら「あれ？何これ。こんだけ？」
404「24時間テレビジョンの全てにおいて、そら様とグダ様が映ったのはこれが全てです」
　　
　　
そら「ちょっと待って！おかしいおかしいおかしいっ！だってさっ！24時間テレビってかわいそうな人のためにお金を集める番組でしょ？あたしがいちばんかわいそうじゃん！」
レイ「それは、我々には判断つきかねます」
そら「あんたは！あたしがかわいそうだから、あたしの面倒を見てるんでしょ？地球に一種類しかいない宇宙人のあんたがめんどうみてるのは世界であたしだけ。
だったら、あたしが一番かわいそうじゃん！」
　頭令そらによる、完璧かつ自己中心的な証明が展開された。
レイ「それは、我々に対しては、当てはまります」
そら「宇宙人でもそうなんだから、地球の人はもっとあたしにやさしくするはずでしょ？」
レイ「それは、我々には判断つきかねます」
そら「うーーーーーっ。
そりゃ、あたしだけで24時間の内容になる、なんて思わなかったわよ。でも、なんでそんな中途半端な時間に放送すんのさ。
ゴールデンタイムにやるべきでしょ！だって、あたしとお兄ちゃんよ！」
　全身をくねらせて不満を表現し、そらは畳の上をジダンダと可愛く踏み鳴らした。
レイ「しかし、それは、テレビ局が決める事項です。そして、既に放送は終了しました」
そら「まだやってんじゃん！クソつまんないやり取りを延々とさあ！なによこれっ！あたしの方が絶対可愛いって！
あああああああっ！なんかムカついてきたっ！また映る！テレビ局に行くよ！」
　
　
地球の各所に総計数十兆人宿っている宇宙人群体の世論調査アンケート
1位ええええええええええええええええええええええっ！！！！
２位何を考えてるんだこの人は！
3位また無理難題を言われるんだ・・・
他
　という国民の感情的反応はそらには見せず、微小宇宙人群体国家の公式発表を音声にして、連邦国家元首である頭令そらに上申する。
レイ「そら様。これは仕事です。２４時間テレビジョンからは正当な依頼を受け、出演し、取材協力費として1万円を受領しました。また、グダ様が入院している病院には5万円が寄付され、グダ様の治療に役立てられると言う事です。契約の変更はありません」
　
　
そら「ちょっと、今なんていった」
レイ「そら様。これは仕事です。２４時間テレビジョンからは正当な依頼を受け、出演し、取材協力費として1万円を受領しました。また、グダ様が入院している病院には5万円」
そら「ごまんえんんんっ！
なにそれっ！あたしよりも病院の方が5倍偉いって訳？ふっ！ふざけんじゃないわよ！」
宇宙人の世論調査
1位外交に失敗した。
2位情報は正しかった。判断はそら様に任せるべき
3位保留
他
レイ「しかし、そら様。報酬の額は我々には問題にはなりません。そら様の生活に必要なお金は、ミイコ達がパチンコで稼いでおります。この件に関しての取引は終了しています」
そら「あたしも、お金の問題で怒ってんじゃないのよ。こんな番組じゃ、あたしとお兄ちゃんの良さがちっとも伝わってこないのがむかつくの！なんか映りが悪いし、お兄ちゃんもちょっとしか映ってないし。
これじゃあ、あたしが、「お兄ちゃんが目ざめなくて不幸だけど、周りの人を元気付けてるから満足ですぅ〜」みたいに思われるじゃないのっ！どこかじゃーっ！
全然間違ってるっ！
あたしが、本当のテレビを教えてあげなくっちゃ！」
頭令そらは雄雄しく、そして可愛らしい使命に燃えて立ち上がった！
そら「ええい！車を出すわよ！」