サブタイトル[禁断のロリコンオーディション]
前書き:そらには女王の貫録が出たらいいなあと思って書きました。
- 病院の前
そらを病院まで連れて来ていたレイだが、そらが姫草ローラとして働いている時は、病院の駐車場などをぼんやりとしたボケ老人のように徘徊しながら警備をしているだけだ。
そのレイに、彼より少し背の高い190センチ位の、白いワイシャツを着た男が話し掛けた。タイガーの一味のドラゴンだ。
ドラゴン「宍戸隷司サンですね」
レイ「そうです。私は宍戸隷司と名乗っています。あなたは隣に住んでいる人です。こんにちわ」
ドラゴン「これを見ろ」
差し出した携帯電話には、薄暗い部屋の中で縛られて転がされているミイコが写っていた。もちろん、レイはそのことを知っていたが、人間としての宍戸隷司を装って驚いてみる。
レイ「これは我々の家の家政婦です」
手を挙げて宇宙人なりに驚いた風を装ったのだが、実際には淡々と事実を述べただけだった。そのレイに携帯電話を向けたまま、ドラゴンは発信履歴を素早く操作し、ミイコを監禁しているタイガーに繋いだ。
ドラゴン「話せ」
携帯電話を乱暴に宍戸隷司の耳の部分に押し付けるドラゴン。
タイガー『よーぅ。じじい。隣のタイガー様じゃ。わかるかー?』
レイ「こんにちわ。タイガーさん」
タイガー『あー、お前のうちのメイドな?なんか調べたらあちこちのパチンコ屋で荒稼ぎしとったみたいやねん。
そんでなー、ちょ〜っと上の人らもおこらはって、わしらから注意させてもらおうって言うことなんやけど。うん』
レイ「イカサマはしていません」
タイガー『ま、そこらへんもふくめて、ちょっとこっちに来てもらえへんかなあ?あ、もちろん警察とか、誰かに言うたら、おまえんとこの女にはちょっと苦労して貰う事になるさかいな。
おい、お前、ちょっと喋り』
タイガーが携帯電話をミイコの顔に押し付けて喋らせたようだ。
ミイコ『宍戸隷司サン。私は捕まっています』
レイ「ミイコさん。あなたは捕まっています」
宇宙人どうしの会話はオウム返しで全く弾まなかった。
タイガー『そういうことやから、そこのドラゴンといっしょにきてくれな。ほななー』
電話が切れた表示を見て、ドラゴンは携帯電話をズボンのポケットに仕舞った。
ドラゴン「来い」
レイ「了解しました。我々はそちらに向います。何分くらいで戻る予定ですか?我々は20時にはここに居る予定です」
ドラゴン「乗れ」
有無を言わさず、軽トラックの助手席にレイは載せられ、ミイコの捕まっている廃工場の地下に向かう事になった。姫草ローラこと、頭令そらの警護は、6番目のしもべ、クロムのロザリオに一任された。
そら自身の知らない間に。
↓その間に、そらは兄を見舞い、夢を見ました。
Jack In
2003/08/17
2003/08/26
2003/08/27
2003/08/28
2003/08/31
Jack OUT
- 数時間後、病院前
看護婦である姫草ローラに変装してのお仕事を終えたそらが病院から出て、レイを呼んだ。
そら「レイー。おつとめ終わりだよー。帰るよー」
クロムのロザリオ「そら様。レイはいません」
そらが首から下げている装飾の無い14面体の金属の十字架に宿った宇宙人が空気を振動させ、そらに囁いた。
そら「そんな命令は出してない」
ロザリオ「もうしわけありません。しかし、そら様のお手を煩わせるような事ではありませんので、本日は我々がワープホールを開いて、お送りします」
そら「ったくっ!あのバカッ!」
とりあえず病院の女子トイレからワープホールを開き、帰宅するそらだった。
- 四ツ屋荘404号室。
しかし、そらが自室に戻ってもレイもミイコも戻ってこなかった。代わりに、隣のタイガーがドアを叩いた。
タイガー「おかえりー、そらちゃん。ちょっと開けてー」
そら「あ、隣の人。なんですか?」
いつもどおりそっけなく応答する。
タイガー「ま、ま、ちょっと、この荷物やけど、そらちゃんに渡してくれって頼まれたんやな。なんや通りすがりの人にな」
そら「ああ、どうも」
タイガー「はい、確かに渡したで。ほんならなー」
なにやら入った紙袋と封筒をそらに渡して、タイガーはそそくさとアパートの階段を下りて中古のセダンに乗って去っていった。
そら「どういうつもりかしら?」
とりあえず、そらは部屋に戻って手紙を開いてみた。
頭令そらへ
おまえの召使は預かった。
返してほしくば、一人だけで20時に東京ドームの地下演芸場まで来い。
そして、封筒には地図と鋼鉄の鎖で縛られたレイとミイコ、ミニコ、ミミコの写った写真が人数分入っていた。そらはキレた。
そら「ふざけるなーっ!ロザリオッ!どういうことっ!バカッ!」
荒々しくロザリオはそらの首から引きちぎられ、振り回され、壁に叩きつけられ、足で踏みにじられながら、そらになじられて飛ぶ。
ロザリオ「そら様。我々は、ころあいを見計らってテレポートするつもりだったのですが、レイ、ミイコ、ミニコ、ミミコをさらったものたちは、レイ、ミイコ、ミニコ、ミミコをカメラとインターネットで監視しつづけております。ならば、我々が宇宙人だと地球人にばれてしまう危険を回避するため、テレポートを行う案は却下されました。現在議会で、帰還方法について討議しているところです。現在、同時に全ての証拠を消去し、回線を断った上で帰還する作戦を構築中です」
最後に畳を滑って壁に当たって止まったロザリオは、そう報告した。
そら「お前たちって本当に常識のない宇宙人ね。バカッ!バカッ!宇宙人!」
ロザリオ「申し訳ありません。そら様にはご迷惑をおかけしない方策を探しているのです。数日中には我々で解決いたしますので、それまではそら様の生活を我々ロザリオが管理させていただきます」
そら「いや、いいわ。あたしが行くから。奴隷の不始末は女王様が面倒を看てあげるっ。にへへっ」
そらはニヤ、と笑いながらタイガーに渡された荷物を吟味する。
ロザリオ「そら様!タイガーは犯罪者です。そら様には知らせていませんでしたが、ミイコたちを誘拐したのはタイガー一味なのです。ですから我々のためにそら様を危険に晒す事はメリットが少ないのです…って、そら様!何故いきなり全裸に!」
女王、そらは下僕が見上げていても構わず服を脱ぎ散らかした。
「この袋の中にサイズの違う衣装が入っている。一番ぴったりした奴をを選びなさい、ってさ。犯人様からのご指定よ!」
ロザリオ「は、はあ…」
美少女王元首の宣言に、六番目の下僕国家ロザリオの外交担当官は宇宙人のくせに生返事をするだけであった。真夏と言うのに、宇宙服や宇宙人のバリアに守られたそらの肌は、シミ一つない真っ白だ。しかし頬や腿の血色は桃色に美しい。
そら「よーし、服を選んだら奴隷解放に行っくわよ!」