脚本 日野晃博 演出 長崎健司
今週は面白かった。演出もストーリーも、よかった。巨大兵器を中心にした作戦の進行と、メインキャラクターの相次ぐ戦死を山場とするプロットもスムーズでよかった。
ただし、死にざまに遺言をキチンと言ってから死ぬのは、段取り臭くて、ちょっと実戦の戦争としてはウソ臭く感じる死にざまではあった。(これはガンダムUCでも同じで、脚本段階でのテンポ操作の問題)だが、なかなかよかった。ストーリー上の矛盾も、ガンダムAGEにしては少なかった。
と、言うのは何故かというと、やはりこの話はフリット編とアセム編を繋ぐ人物の死亡を山場としているので、一部と二部を通じた一つのヤマ場であり、戦闘としても大きな作戦であったので、重要な話だったということだろう。だから、制作者、特に日野社長の中で、この話は初期プラン、プロットの背骨の主節として想定されていた話だったということだろう。だから、他の矛盾や演出ミスの多い話に比べて、構想の練り込みが深かったということだろう。
そういうわけで、つまりどういう事かと言うと、この26話は全体の中間点でもあるし、「作り手がやりたい話」だったのだろうなあ、と言う事で、だからこそ他の話よりも作画や演出もノリが良く、おもしろく仕上がっていたのだろう。
メインキャラクターの他にも脇役が理不尽に戦死する描写が幾つか挿入されていたので、やはり「人の死や、その喪失感を見せたい」という日野社長のメッセージのメインでもあったのだろう。
ただ、「やりたい話」が面白いのは当たり前と言えば当たり前なんだよね。そりゃあ、ノリもよくなるだろうさ。
今までの「やりたい話に持って行くための段取りの話」が面白くなかった。むしろ、段取りや説明の中にも娯楽要素やメッセージを少しずつ織り込んでいくのがプロの仕事だと思うけどねえ。
まあ、このガンダムAGEは後半年あるので、今後「やりたい話」率が増えるといいですね。
あと、地球の地表の状況がどうなっているか、半年たっても伏せられているのが不自然なんだけど、まあ、それも「UEが実は同じ地球人でした」っていう見え見えの情報隠ぺいと同じような伏線なんだろうねえ。多分、地球の地表の状況を見せるのも「やりたい話」なんだろうけどね。
そこに持って行くまでの途中の話も面白く演出してくれていると、いいですね。
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