玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

謎の彼女X 2話3話 原作ファンの立場から

アニメ版第2話「謎の絆」 第3話「謎の試験管」

謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)

原作0話「謎の彼女X」は特別カラー読み切り、1話「謎の絆」は連載開始カラーと言う事で、どちらも月刊誌としては長いページ数だった。0話が82P、1話が44P。で、2話からだいたい30Pくらいのページ数になっている。
というわけで、原作の0話と1話を再構成したアニメ版1,2話は非常に濃厚な密度だった。

僕は富野由悠季出崎統といった、濃い監督のアニメを好んでいるので、こういう濃い構成は好きだ。


今回も出崎統風の演出が決まっていた。
具体的には入射光とか・・・。


追記


光るゲロから発展した光る涎、光るパンツ。


鼻血の色が血にしてはちょっと赤紫っぽいのも光るヨダレのように印象的。血の色にしては明るいんだけど、このアニメでは鼻血は「傷」とか「痛み」とか「欲望」とか「残酷さ」ではなく「恋人の絆」を象徴するものなので、こういう色合いになっているんだなあ、と、感心したのである。


原作漫画には無かった行間を埋める芝居やイメージシーンの追加とか。パンツ・ハサミという変な語感の必殺技を定着させるための追加シーン。





追記



オープニング・フィルム・テーマ・ソングも非常に出崎統だったねー。出崎光る海とか、出崎光る花びらとか、出崎電車とか。あとはカモメがあれば完璧だけど、このアニメはカモメと言うよりは蝶だよね。
ハレーション*1気味の過剰なライティングとか、も出崎統っぽい。
本編もハレーション気味で中央が過剰に明るくて、それを強調する感じで画面の隅の方が暗くなってる撮影処理が加わってて、出崎統っぽい。


もちろん、それは単に「オシャレな撮影技法で格好付けた」っていうオタク的技巧主義ではない。そこがいい。四隅を暗くしたり明るくすると、テレビという画面の大きさが変わらないモニターでも、コマの形が違う原作漫画のようなニュアンスを微調整できるのだ。


たとえば、卜部美琴が椿明に舐めている飴玉を渡す前に一度、椿と別れるシーン。
原作1話9P目。
これは原作萬画では平地なのだが、アニメ版では卜部は左右を壁に塞がれた階段の路地を一度登って、降りている。
アニメ版ではこういう風に細かく背景やカメラワークを変えている。
原作萬画で卜部が椿に駆け寄る上記のシーンは縦長のコマで脚を描いたものなので、横長のモニターで表現するには、左右が詰まった背景で縦パンする必要があるの。
こういう風に、細かくメディアの違いを意識してアニメ化しているのは非常に基本だけど、芸が細かくて良いね。原作ファンとしても嬉しい。
原作ではなかったことになってる行間の段取りシーンをアニメで追加されてるけど、それも単なる段取りや説明ではなく、上野や椿という卜部よりキャラの薄い一般男子の生活感や存在感を高める効果がある。原作萬画では卜部中心で良いのだが、アニメは、読む速度が調節できる萬画とちがって、時間が一定の速度で流れるので段取りシーンも飛ばさず面白くする必要なんだよなー。
ここら辺の段取りも面白くしようという意気込みは富野や出崎統に通じるサービス精神で良い。


アニメ版3話「謎の試験管」は原作2話の「謎の写真」を飛ばしているのだが、それも初恋の早川さんのドラマをアニメではまとめて描こうとしてるんだろうなーと言う構成意図を予感できて良い。アニメの1話でもすでに丘がモブで映ってたりするのが、原作ファンにはいいよね。あと写真部の彼とか。


あと、原作ファンとしては、卜部が学校で寝てばかりいる設定、忘れてた・・・。


ストーリーは知ってるので、特に記すべき事はない。アニメから入った人は、楽しんで行って下さいねー。特にネタバレするべき事もないし、卜部のかわいさを愛でる感じで。
まー、僕は植芝理一で言うと原作0話の卜部の絵柄か、夢使い虹の卵編かディスコミュニケーション内宇宙編の変態っぽい絵柄が一番好きなので・・・。


ああ、卜部のかわいさと言えば、アニメの卜部は卜部を総括してる感じ。長期連載の原作でもかなりキャラが変化してる卜部だけど、アニメ版はそこを短期間で毎週描いていくし、マンガ版の2話60P分を1話に入れてるので、密度が濃く、だらだらと連載で変化してる卜部をまとめているな。


んで、今回気付いたのだが、卜部が結構明るくなるのは最近2年くらいの連載の卜部だと思っていたので、アニメの序盤から卜部が意外と明るい声でしゃべるシーンがあるのは意外に思っていたのだが。そういう明るいトーンの声のシーンって原作漫画に照らし合わせて見たら「!」ってビックリマークがついてたんだな。
萬画だと前髪が隠れていて表情が読めないから、自分の中で卜部はもっと抑揚のない声で話していると思っていたけど、アニメを見た後に原作を読み返すと、ちゃんと「・・・〜〜〜!」「〜〜〜!」とか吹き出しの中の感嘆符で卜部の台詞の語調が描かれていた。
これは、原作ファンの私も気付いていなかった点だったので、アニメ版はちゃんとそこら辺を本当に細かく読み込んでいるし、視線誘導や上手下手や左右も紙面と画面の違いに合わせて再構成していると感じる。
良いと思います。


先週、何で2話のブログを書いてなかったかと言うと、最近、実務が忙しいので、あまりザンボット3が見れず、トミノ禁断症状で風邪が悪化して倒れていたからです。
うう・・・。精神病人は辛い・・・。
このブログを書いただけでめまいが・・・。


ちなみに、週末は輪るピングドラムの大阪トークライブ ピングウェーブに行きます。
よろしくね。

*1:写真の像で、特に強い光の当たった部分の周りが白くぼやける現象。感光乳剤の層を通った光が反射し、再び感光層に作用するために生じる。光暈(こううん)。