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んで、それはそれとして、機動戦士ガンダム サンダーボルトTVエディションですが。見たときの体調が悪かったのもあるけど、あんまりおもしろくなかった。(精神障害なのか胃弱なのか、普通の食事でも吐き気止めを飲まないと体が受け付けないっていう、あしたのジョーの金龍飛みたいな体質になってしまった。親は死んでいる。その割に痩せない)
作画も芝居も高水準なんだけど。なんかこう、心が揺さぶられなかった。
いや、戦艦など一部メカの作画についてはむしろ描きこみが多すぎて「これくらいのカメラ距離なら、もうちょっとパネルラインとか省略した方が見やすいんじゃないの?」とは思った。
しかし、それも些末なことだ。
- 戦争の芝居が戦争ドラマすぎる
「誇り高きジオンのために死ぬんだ!」とか「俺たちは戦う必要がないんだ!俺も故郷を失ったんだ!」とか言うの。うん。まあ、感動的なセリフではあるんだけど、戦争物のテンプレって感じで、「別にいまさら手あかのついた表現のセリフを言わんでも」って気がした。
そりゃー、戦争を描いた作品なので戦争を描いた作品っぽいことを言うのも論理的ではあるけど、なんか孫引きのような感じは否めず。
イオが義手義足のダリルを見て「こんな体のやつに負けたなんて!」って言うのもそれっぽいんだけど、なんか小物っぽくなった気がする。(まあ、サイコザクの仕組みをイオは知らんので仕方ないけど)
イオが捕虜虐待されるのもまあ、ありがちと言えば…。
- 感情の句読点がわからない
フルアーマーガンダムとすごい強いザク(サイコザク?)の死闘はアニメーションの動きとして面白かったし、がんばっていたと思う。
でも、まあ、外付けのミサイルを撃ち尽くした後に追加装甲を外すのもテンプレと言えばテンプレだし。
ダリルが海にいる解放感もまあまあ良かった。でも、なんで突然、海にいるのかとかなんでアッガイとか、ア・バオア・クー以降も続くの?なんで?とか、なんでホワイトベースっぽいのが大気圏突入してくるの?とか、謎の情報量が多い。
多分、ドラマの感情線の起点と中間の動きは上手いんだと思う。
「ただ、結局どうなったの?」という感情の落としどころが少ない。多分、本来の話数より少なくしてカットされたシーンが多いからだと思う。
ガンダムの商業アニメとしては仕方ないところではあるが、やっぱりアトラスガンダムをねじ込むために「一年戦争編」でかっちり区切りをつけないで何となく俺たちの戦いはこれからだをしてしまった感じがする。
フルアーマーガンダムとサイコザクの戦闘が決着するところは、句読点がついてて絵としてもきれいにまとまっていたのでそこで終わってたらいいんだけど。
うん、アトラスガンダムはカッコよかったよね。面白い動きだったし。まあ、宇宙世紀0080年にあんなフレーム構造の機体があるのかって言うのがわからんが。(パラレルだが)
そもそも何のための地球降下作戦なのかがわからない。コムサイを機銃で迎撃しつつ、それを目印にしてアトラスガンダムがやっつけるのはロボットアニメとしてのカッコよさはあった。でも、「なんで戦っているのがわからん」ので、「コムサイを撃ち落として問題は解決したのか?」と投げっぱなしにされた感じがする。
Gのレコンギスタがわからない、という人はそういう感じだったのだろうか・・・。
連邦とジオンの両方に守るべき女性、みたいなのがいたけど、イオは艦長代理がいなくなったことに対するリアクションが薄いし、ジオンの先生は生死不明だけどリアクションを取る人がいない。(僕も見方が雑だったらすみません)
この感情はここで落としどころ、では次の課題、っていうドラマの積み上げ方の連続する納得感が薄かったような。
というか、機動戦士ガンダム 水星の魔女の放送休止期間に、新規ファンに他のガンダムのことも見てほしい、という企画で1月は閃光のハサウェイ、2月はサンダーボルト、3月はナラティブ、という区分けだと思うけど。
僕はサンダーボルトは今までアニメも見てないし漫画も読んでないんだけど、この3週間に編集された機動戦士ガンダム サンダーボルトテレビ版を見て「サンダーボルトを知りたい!」って言う気分にはあんまりならなかった。というか、「作画はいいけどよくある戦争物」という感じで、じゃあ、松本零士原作の「ザ・コクピット」やMSイグルーでいいじゃんってなる。
なんか戦争より重要なものがあるとかいう謎のおばあさんも謎だったし。(ガンダムにこんな人いたっけ?)ってなった。謎宗教っぽいのも謎だった。謎のまま放置された感じ。
まあ、かなり乱暴に構成を変えられたようなので「モビルスーツの作画はいいんだけど…」という感じでモヤっとした。
- ガンダムのプレミア感が薄い
ダリルがイオに「悪名高いガンダムのパイロット!」って言うけど、ア・バオア・クーにガンダムもどきがいっぱいいるし、そもそもガンダムはアムロのものだし。なので、イオのフルアーマーガンダムの特別感がわからない。
主人公ガンダムはやっぱりプレミア感が欲しいんだけど、なんかジムが壊れたのでフルアーマーガンダムが支給されましたー、くらいでそこまですごいガンダムに見えなかった。(イオが最初に乗ってたジムにもコアブロックシステムがあったし)
ダリルのサイコザクは動かすためにパイロットの手足を切断するくらい重みがあるロボなのでフルアーマーガンダムのドラマ性がちょっと少ない気がしたんだよなあ。まあ、学徒動員兵部隊を見捨てて単騎で戦う、というのはちょっとドラマ性があるけど。でも、コーネリアスとかと合流したイオは前回、「生き残ったらまた会おう」みたいに演説した少年兵(何人かは生きてたよね?)に何の挨拶もなく。
まあ、フルアーマーガンダムはプラモ狂四郎世代の人には愛着があるのかもしれないけど。
色もまあまあ、大人っぽくてカッコよかった。
そこからなんでアトラスガンダムにいきなり乗ってるのかわからん。
なんでガンダムがこんなにたくさんいるの?とか、結局、こいつらはなんのために戦ってたのか?って言うか戦後から何日くらい経って、なんでダリルは地球におるの?
突然のビグロ。
とかがほぼ謎。
- 初心者の導入に向いてない
まあ、機動戦士ガンダム サンダーボルトは大人のガンダム?みたいな高年齢層がターゲットなのかもしれないけど、一応「日5」という子どもも見る放送時間帯じゃないですか。そこでまあ、残酷描写がどうこうっていうのは、無粋なので言わんけども。
これを見た小学生って、機動戦士ガンダムサンダーボルトのフルサイズ版をわざわざ見ようとか、原作を読もうとか思うのか?
僕の見方が雑なのかもしれないけど、「OVA版は全何話で、原作のどこまで映像化しているのか」とか「原作はどういう区分けで、今回のテレビアニメでは第何巻までの話なのか」とか、「そもそも漫画の存在が視聴者にわかるように紹介する気があるのか」というのがわからなかった。
パズドラコラボのCMを2回もするんだったら、原作漫画への導入とか、「OVA版の第何話に続く」とか、ちょっとは導線を作ってほしかったなー。
(掲載誌のスペリオールは角川書店ではないのでスポンサーの関係で難しいのかもしれないけど)(サイダーボルト自体が外伝的作品なのにさらにその外伝も多くてややこしさはある)
うーん。Gレコがわからないって言われて反発していた僕ではあるが、サンダーボルトもGレコくらい何回も見たらわかるのだろうか?テレビ版はライト層向けだと思うので「テレビ版でもなんとなく分かった気になる」というのが大事だと思うし、それだったら細かくカットして改変するとか話数を減らすとかアトラスガンダムをねじ込むとかせずに、「一年戦争編をまとめました。続きはOVAの第何巻から見てください」って言う方がきれいかなーって思う。1分くらいの紹介動画を放送するとか、放送時間に足りないなら、「よくわかるサンダーボルトYouTube動画」とかを紹介するとかしてほしかったな。
まあ、アトラスガンダムは動画映えするのでねじ込みたい気持ちは分かるんだけど。それなら枠をもうちょっと増やしてあげてほしい…。水星の魔女は何回かお休みをもらったのに・・・。
最悪な感想だけど、「オタクはモビルスーツがかっこよかったら面白がるんだろ」っていう企画の態度が透けて見えた気がした。
- ほしい物リスト。
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