テレビでやってたので見た。
ロボットって言うか、まあ、ガンダム世界ではモビルスーツと呼ばれる人型ロボットが戦うんですけど。
- モビルスーツの良かった部分
割と過去のガンダムをトレースしつつデジタル作画にアップデートしたような機銃の撃ち方とかヒートホークとかがまあまあ良かった。
とてもよかったのはダリルのザクとイオのガンダムの死闘ですね。残骸スペースコロニー内での無重力市街戦高速戦闘というのは割と珍しいし、迫力もあった。
フルアーマーガンダムが高出力ビームと高機動性と重装甲で強いんだけど、若干ガンダムに劣るダリルのザクはクソデカプロペラントタンクロケットとか多重マウント使い捨てバズーカやザクマシンガンって言う実弾をボコスカ使いまくってガンダムに肉薄していて迫力があった。
(フルアーマーガンダムはエネルギーパックを使い捨てにしてたのかな?短いカットなのでよくわからんかったが)
連邦は基本ビームでジオンは実弾、みたいな分かりやすさはあったなー。(大型のモビルアーマーになるとジオンの方が盛大にビーム使いまくるけど)
ザクに瞬きするワイパー機能くらいつけろよって言うかサブカメラがあるだろ、って思ったけど、指が多機能なのは面白かった。
まあ、作画関係は僕よりも詳しい人がいると思うんだけど。
おおむね楽しく、(まあ、戦争アニメを楽しいというのもよくないのかもしれないが)ロボットの戦いが観れた。
戦闘シーンにジャズや讃美歌をかけるのはなんかカウボーイビバップに影響されて背伸びした高校生の自主製作映画みたいな気がしたけど、まあ、そこまでダサくなく、そこそこ楽しかったと思う。
ちょっとよくわからなかったのはエンディングテロップの入るタイミングが早いというところで、テロップの後は、便宜上Cパートかな?それも戦闘シーンなのでさっさと終わる闘いかと思ったら意外と長く続いたので、うっかりしてたら監督の名前が出たところで見るのをやめていたかもしれない。最近はCパートでインパクトを出すのが流行ってるのかもしれないけど。
一応CMは入ってないので見続けられたけど。ただ、Bパートでテロップが出ていた時も激闘は続いていたので、うーん。
まあ、好意的に解釈すると元々は映画かOVAとしてつなげてあった作品をテレビ版で本来の意図と違って切って放送しているので、Cパートの激闘にはテロップをいれたくなくて絵を見てほしかったのかなーって思うけど。個人的な主観では、ちょっとテレビで見てるテンポ感で見てたので、テロップの入るタイミングでちょい違和感があった。まあ、些末なことですが。
- ロボットのよくない点
ジムの新兵。新兵が次々に死ぬのを見せたかったのは分かるけど、僕にとってモビルスーツは格闘型宇宙戦闘機なので、戦場で密集しすぎだろって思った。お肌の触れ合い回線も戦闘中は危険だと思う。(味方機でも相対速度が高かったらどっちも壊れるので)
うーん。好意的に解釈したら、超望遠レンズで撮影しているから密集しているように見える、のかなあ?
まあ、宇宙ロボットの高速戦闘を撮影するカメラって言うと、確かにそれなりの距離を置いた望遠レンズになりそうだけど(まあ、アニメなのでそこはかなり嘘ついてる作品の方が多いけど)
(ガンダムTHE ORIGINのジャブロー戦でザクがギャグみたいに密集して将棋倒しになるのは嫌い。モビルスーツは人間ではなく、戦闘機にも戦車にもなれるスーパーロボットなので、あんなに歩兵ファランクスみたいに密集するわけねーだろ!)
ダリルのザク(これもサイコザク?次回のタコザクがサイコザクではなくて?)の手足を切断して神経接続するのがやっぱり意味わからんかった。
開戦初期に歩兵として従軍して、足を吹っ飛ばされて義足になって数か月して、モビルスーツパイロットになった、ってのは分かる。一昨日左腕を戦場で飛ばしたので右腕も切断して義手にします。っていうのは、あの、慣れの問題とかじゃなくて、普通に傷もふさがってないだろうし免疫系のアレルギーとか抗体反応とか痛みの問題で無理だろって思ったけど。
ジオン驚異の技術力、なのかなあ~~~~。エルメスのララァは素でちょっと大きめのヘルメットを被っただけでエルメス本体と数機のビットを操縦してたけど、フラナガン機関より劣っている研究部署なのかなあ?(ララァはフラナガン機関で優等生と自称していたので、ララァと同期の訓練生もいたはずなんだが)
ていうか、ダリルの義手と義足って膝と肘より先で切ってるので、あの、腕や脚を振り上げたり関節を曲げる信号が通っているのかわからん。運動神経ってそんなに賢くない気がする。指を高速で動かしてタイピングをするような感覚で情報を入力しているのだろうか?なんか体の延長として描写されてるっぽいけど。(確かに僕は口でしゃべるより早くタイピングができるけど、それはかなり無意識にやっている)
色んな人がツッコミを入れているけど、確かに鉄血のオルフェンズの阿頼耶識みたいに脊髄で接続した方がいいと思うのだが。
うーん。阿頼耶識システムはマクギリスの予想の上を行ってバーニアスラスターとか尻尾を拡張認識で制御できるけど。下腕と下脚の運動神経を接続してザクに積みまくった大量のバーニアとかランドセルについてるアームとかランドセルにマウントした状態でも撃っていたような感じの銃器を制御できるのか、よくわからん。ニュータイプの精神波動でもないらしいし。そもそも切断された運動神経が断面で機械に接続できるのかがわからん。切断するというより、腕や脚の内部の運動神経を残しながら筋肉と骨を向いてはがして、培養液を満たした容器のような物に神経組織を定着させる、みたいな方式の方がリアリティがあるかな。鉄血のオルフェンズのアインさんは元々四肢が吹っ飛んでたのでリサイクルって感じでしたけど。クロスボーン・ガンダムのドゥガチは培養液の中でモビルアーマーに接続してたけど、戦闘のプロではないので割とのろまだった。
でも、神経の信号をモビルスーツの複雑な操作に直結させるんなら、別に手足を切断せずに、ZZのハマーン・カーンや逆襲のシャアのシャアがつけてた脳波検知器で十分な気がするけど。うーん。未来だから現実にはない技術が使えるけど、未来の科学力をどの程度のレベルに設定するかって言う調節は難しいよね。
まあ、わかりやすい「傷痍軍人」の絵としてはそれっぽいし、太田垣康男先生の宇宙世紀ではそうなんだよって言われたら、そうっすか、としか言いようがないんだけど。
別に四肢が切断されるっていうのが戦争の悲惨さ、とは個人的には思わんなあ。戦争だけでなく色んな事情で四肢がなくなる人はいるし。僕もストレスから突発性難聴になったり、左半身が急に麻痺して転んだり心臓を刺されたような激痛がする病気を十年以上患っているので。治療法はない。医者からは「お前は症状とトラウマが多すぎるので病名を特定できない。書類は鬱病で通るから便宜上鬱病ということにしろ」って言われている。
ていうか、やっぱりアニメではなく連載コミックが原作で引きを強くする作風だからか、ダリルのパワーアップが普通の傷痍軍人のリハビリとかバイオ接続の段取りよりもスピーディーで、すごいとは思うけど、ちょっとリアリティは減ってる。(攻殻機動隊原作での素子のツレのサイボーグ手術は日帰りだったかな?でもアレは電脳化した脳殻を他の義体に移動する手術っぽいからちょっと違うか?)
機動戦士ガンダム サンダーボルトはモビルスーツのシールドや機能性を増やした機械的なリアリティはあるんだけど、サイボーグ技術や神経接続の生物学的リアリティは低いので、ちょっと微妙な齟齬がある。
ゲッターロボやGガンダムくらい、雰囲気と気力でスーパーロボットを操縦するって言う方が逆にリアリティレベルが統一されているかもしれない。
- 人間のダメさ
モビルスーツの戦闘としては、まあ、面白かったんだけど。
ほぼほぼ、イオとダリル以外の人間がモブになっていて人間ドラマとしての進行速度は遅かった気がする。
一応、イオとダリルの側にそれぞれ「守るべき女性」みたいな人が配置されているけど、それも割と古典的だなあ。
「守るべき人のために戦う」って言うのが、個人的に嫌いだし。大切な人を最も効率よく守る方法は、最初から誰も大切に思わないことだ、って個人的に思っている。僕は僕の都合でしか動きたくないね。自分の殺しの原因を「守るべき大切な人」に押し付けるのは嫌いだ。俺は俺の気分でぶっ殺す。カビとかダニとか、シロアリとか。や、やだなー。僕が人間を殺すわけないじゃないですか~~~~。
というか、戦争している戦艦で、いい大人がギャーギャー騒ぐのはちょっとみっともないなーって。まあ、これもドラマの盛り上げ方の一つで、太田垣康男先生の作風はこうなんだよって言われたら、そうっすかとしか言いようがないんだけど。
イデオンのフォルモッサ・シェリル博士はギャーギャー騒いでアル中になるけど、コスモとかからは「そんな場合じゃないのに騒ぎやがって」みたいに面倒くさがられていたような…?
ていうか、連邦軍側の戦艦の副長(?)が生存していた艦長代理に暴力を使う理由が分らんかった。指揮が下手くそだから負けたって思うんなら、その前に自分で作戦を立てるとかしろよ。負けてから女に責任を押し付けて暴力をふるうのはクソ過ぎる。そんなにヘイト溜まってたのか?
まあ、イオと艦長とメガネの三人組の青春の悲劇性を高めたいんだろうなーって思ったけど。ちょっとそこでモブ副長のヘイトを起点にするのはうーん。
- 戦争体験
まあ、現代日本での戦争体験ってだいたい国粋主義と、敗戦とGHQの占領からの西側属国で共産圏に対する盾としての歴史だと思うのですが。(そもそも鎖国しがちな島国だったのでユーラシア大陸の領土争いには、蒸気機関などの艦船の進歩以降の日清、日露戦争まであんまり参加してなかった)
でも、リアリティのある戦争マンガを描くために戦争を起こしたり、戦争に参加すべきって言うのは主客逆転だと思う。戦争はなるべくしない方がいいと思う。火薬ももったいないし。
僕は臆病者なので、足の爪が剝がれただけでも痛くてたまらないし、その数十倍痛い銃撃とかを受けたくない。そして自分が痛みを受けたくないからと言ってそれを他人に押し付けるほど自信もない。
最近ははだしのゲンを学校の図書館に置くの、置かないのって話題があるけど、戦争は一握りの金持ちのためって言うわけでもないんだよね。僕の祖父は地方豪族の妾胎で陸軍中野学校からスパイになってWWIIの戦争犯罪から逃げるために戸籍を偽造して戦後は公安幹部をしていたような人だし、その祖父の虐待が僕の母親の自殺の遠因になった。
というわけで、戦争をするような奴はクソだし親の仇だけど、そういう祖父がいたから俺は存在しているという善悪の彼岸にいる。
なので、正しい戦争描写とか正しい戦争というものもないと思っているのだが。
とりあえず人を痛めつけるのは紳士的ではないので、なるべく避けたいし、人を殺さないと生きられないようになったらそれは自分の落ち度なので自殺した方がいいと思う。でも、ムカつく奴をぶっ殺したら生き延びられるとか、生牡蠣を生きたまま食うのがおいしいとかそういうのもあるので、なんとなくやります。
まあ、そういうてもやな。ガンダムなんて戦争をエンターテインメントにしているロボット残虐ファイトコンテンツに過ぎないんだから、それで正しい戦争を知ったとか、ガンダムの戦争描写が間違ってるとか言うのも阿保な話なんよね。
淡々と歴史を読むしかない。(安彦良和先生は歴史に詳しいのに、なんで戦闘描写はあんななのか…)
まあ、一億人いたら一億通りの戦争観があるんだろうね。
- ほしい物リスト。
https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/6FXSDSAVKI1Z
↑グダちん用
著者へのプレゼントはこちら。
匿名で住所を伏せてプレゼントを送るための、つかいかた
nuryouguda.hatenablog.com
このブログは最後まで無料で読むことができますが、著者に物を送ることはできます。
note.com
noteでは金銭のサポートができます。
(この記事が良いと思ったら読者登録お願いします!)