玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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感想 #アイドルマスター #ミリオンライブ!第4話「原っぱライブ はじめます!?」

 前回のミリオンライブ!
nuryouguda.hatenablog.com

  • アホ回と見せかけて…

 もう、「原っぱライブ」という語感の面白さ優先で脚本を起こしたんじゃないのか?というくらい何度も言われる「原っぱライブ」


 建設途中の765プロライブシアターの隣の原っぱ(シアターが完成したらたぶん駐車場とか資材搬入用地になると思う)でライブをしたい!という春日未来ちゃんが企画してLINEみたいなメッセージアプリでみんなに「原っぱでライブをしよう!」と呼びかけたことと、何でもやっていいと伝言ゲームを始めて早速物販を管理職に無断で発注してた野々原茜ちゃんとか飲食系アイドルで早速小麦粉を注文した横山奈緒(なんでや!阪神関係ないやろ!)と中華料理店の看板娘で隙あらばプロデューサーに物を食わせて太らせようとする佐竹美奈子が屋台を出すとか言って、室内で野球をする異常者の永吉昴がストラックアウトをしたいとか言い出し、それを見た室内野球仲間で声が上田麗奈さんの元気すぎる異常者の高坂海美が「何でもありのお祭りなんだ!」とか言い出して、37人いるアイドルが自分の個性でやりたいことを滅茶苦茶に言い出して、カオスになっていくのが面白かった。


 おっとり囲碁少女(囲碁と将棋のどちらが強いのかを独自に研究している)の宮尾美也と二十歳の異常者の北上麗花がさらに正気度を下げていくのが怖いけど笑えた。


 発案者の春日未来ちゃんは中学生で行動力の化身だけど頭はあんまりよくないので近所の人から借りてきたビール瓶のプラスチックの箱を何十個も原っぱに並べて「ここをステージとする!何を歌うのかは決めてないし知らない!」という小学校低学年レベルの行動を。


 芸術家系異常者のロコがロコアートと称して野外に積み上げていたガラクタの山を運搬中にゲリラ豪雨に見舞われて全てが崩壊し、救助に来たプロデューサーの上に落下して、人的被害が出たので、被害者のプロデューサーが「いったん落ち着こう!」と提案して緊急ミーティングとなった。


 自分一人で考えるなよ、とチーフプロデューサーに言われた新人プロデューサーが頭ミリオンの大勢のアイドルの自主性に振り回されていくのが面白かった。


 すごいアホな伝言ゲームの解釈違いが雪だるま式に膨らんで何もかも破壊していくのが面白くてすごく笑えた。


 しかし、アホな頭ミリオンなアイドルたちの自主性を描くからこそ、それぞれのアイドルがどういう考え方なのか、何が好きなのかを的確に見せて紹介していく構成が上手かった。


  • 仕事術

 実は、この回はすごくアホなんだけど、「仕事をするうえで考えるべきこと」の基本を描いている。まあ、仕事の話をアニメでするとつまらないのでギャグを重ねることで中和しているんだろうね。

s-coach.com


キャリアデザイン3つの輪
エッセンスは、「キャリアデザインの3つの輪」と呼ばれている図に表現されます。

ここでいう3つの輪とは、「やりたいこと」「やれること」そして「やるべきこと」からなります。自分の「やりたいこと」を明確にし、それをやるために「やれること」の力をつけ、同時に周りから期待されている「やるべきこと」を果たしていくというのが、キャリアを考える際には大切なことです。


 僕はスクフェスのおかげで倒産を回避したけどラブライブとうた☆プリのソシャゲがサ終して今は上場来安値の株価になったKLab株式会社で過労死寸前になったダメ社員だったので、あんまり社会人経験はない引きこもり無職おじさん(このブログの読者さんから食料を恵んでもらって生きている)なので、キャリアデザインについてはあんまり自信がないんですが(何しろ過労死寸前になって精神障碍者手帳が出るレベルのダメさなので)。
 僕はダメなんですけど、仕事の基本は「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」だと就活コーチも言っている。


 今回のミリオンライブの原っぱライブの場合、それぞれのアイドルがその三要素を主張している。


・やるべきこと
 新人アイドルとしてデビュー前のレッスンをちゃんとして実力と自信をつけること(高山紗代子、篠宮可憐)


 新人アイドルとして話題を呼んで知名度をあげること(松田亜里沙、野々原茜)


 プロのアイドルとして恥ずかしくない仕事をすること(周防桃子)


 765プロオールスターズのバックダンサーとしてツアーに参加すること(矢吹可奈、北沢志保、天空橋朋花)

 
 周りを見ておくこと(徳川まつり)


 怒ってしまって落ち込んでいた桃子を手品で笑顔にする(真壁瑞希)



・やれること
 たこ焼きや中華料理の屋台(横山奈緒、佐竹美奈子)


 食材の野菜の提供、虫の駆除(木下ひなた)


 ダンス( 舞浜歩)


 巨乳セクシーアピールで客を呼び込むこと(百瀬莉緒、巻き込まれた豊川風花)


 会場や人員のスケジュールの日程を調べること(セクシーをしたいけど事務仕事が得意な馬場このみ)


 知人に声をかけること(二階堂千鶴、所めぐみ)


 動画配信での宣伝(望月杏奈)


 室内での「野球とかサッカーとか」を禁止して安全性を高める事(田中琴葉)


 茜にツッコミを入れる(ジュリア)


 ホワイトボードに課題をまとめる(七尾百合子)


 音声をみんなに聞かせる(伊吹翼)


 その他、雑務、各所調整、衣装とか(新人プロデューサー、青羽美咲、音無小鳥)


 フォロー(チーフプロデューサー)


 資金(高木社長)



・やりたいこと
 とにかくステージに立ちたい(春日未来、最上静香、箱崎星梨花)


 やきう(永吉昴)


 プロレス(福田のり子)


 サンバ、お祭り(島原エレナ、高坂海美)


 なんでもあり(北上麗花、宮尾美也)


 虫取り(大神環)


 お茶会(エミリー)


 ロコアートを中央に展示する(ロコ)


 桃子に対してやっぱり「原っぱライブをやりたい」と言って桃子をみんなの輪に戻す(中谷育)


 など、キャラクターの数が多い分、ビジネスで重要な「やるべきこと」「やれること」「やりたいこと」を複数のキャラクターに分担させて主張させている。


 前回のミリオンライブ!では「アイドルは夢を見せるものなので、リアルなお仕事要素はアバウトにぼかしている」と感想を書いたけど、意外とこういうギャグ回の合間にお仕事の3要素を丁寧に入れている。お仕事要素ばかりでは見ててしんどくなるので、適宜ギャグを挟む。


  • やりたいことをやる

 で、面白いところは、現実のビジネスでのキャリアのアドバイスをするコーチングでは「会社では最終的に期待されているやるべきことをするのが仕事です」、と常識的なことが書いてあるのだが。
 このアニメはそういうリアルな仕事ではなくてアイドルの輝きを見せるアニメなので、3要素の中で「やりたいこと」を重視している。


 あんまりものを考えてなかった春日未来の「やりたいという気持ち」を他のメンバーにも聞かせたとは言え、そこで仕事だから「やるべきことをやるんだ」ではなく、「プロデューサーもやりたくてワクワクしていた」、「みんなもやりたくなってきたからやる」ということで、改めて原っぱライブをやる方向にまとまる。


 もちろん、「やるべきことを重視したいアイドル」のことは否定していない。仕事として、それも大事な要素。
 先行上映では「第4話の周防桃子は嫌われ役を務めた」との感想がSNSであったけど、周防桃子は元子役(今も子どもだが)なので、大人以上に背伸びをしてプロとしての仕事意識が高い、という個性を描いている。
アイドルマスター ミリオンライブ! B2タペストリー 周防桃子 2


 なんだけど、「お仕事としてやるべきことをやってるアイドル」ではいまいち、アニメとしては楽しくないので。


 アイドルはもともと夢を見せる仕事で、さらにアニメも夢を見せる娯楽なので、その掛け算だったら、リアルなお仕事のやるべきことをこなす、っていうより「やりたいことをやっているアイドルが一番輝いている」という方向性のアニメになっている。


 その「やりたいこと」が考えたらずだったり、自分の趣味に走っているものでも、それもアイドル(のキャラクター)の個性なので、それを伸ばして輝かせるのが一番楽しいよねー。って。


 まあ、それもアニメは虚構だから現実の仕事とは違って「やりたいことを優先」というファンタジーを描くことで、現実のストレスとかを視聴者が発散できる娯楽物語になっているともいえる。


 でも、まあ、娯楽なんだからそれでいいじゃんって言いたいですね。


 それに、沢山の現実的にはあんまりあり得ない個性的なアイドルキャラクターが出てくるアニメなので、「理想的なアイドル」として似たような揃ったパフォーマンスをするより、バラバラの個性を見せて行った方がアイドルマスターミリオンライブ!という作品の売り方としても正しい。


「このアイドルは何をやりたい子なのかな?何が得意な子なのかな?」
 、という興味をテレビの前の視聴者に持たせてゲームや楽曲やコミックに誘導するのがニチアサアニメの「やるべきこと」だったりするので。


 アニメやゲームも、まあIPビジネスという点では芸術というより仕事なんですけど、作中のキャラクターがやりたいことをやるのを見せるというのが、作品の作り手としてはやるべきことなんだよなあ。
 やりたい事とやるべき事が一致する時、世界の声が聞こえる!!
 『STAR DRIVER 輝きのタクト』でも銀河美少年がそう言っていた。



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