重課金兵のソーシャルゲームマネーでガンガン動かしているアイドルマスターシンデレラガールズの1クール目が終わって、今週から2015年は、1年まるごと「アイドルマスター」アニメ放送! ということで765プロバージョンのアイドルマスターの再放送が始まったわけですが。
いやー、こんなにTHE IDOLM@STER CINDERELLAGIRLSと雰囲気が違うとは。
もちろん、1話がちょっとコミカルな部分も多い、というのもあるんだけど。
やっぱり京都アニメーション出身のシンデレラガールズの高雄統子監督と、ガイナックス(トリガー)出身の錦織敦史監督とでは、アニメーションの作り方が違うな、と。
改めて同じ題材、同じ世界観、同じ制作会社、同じ放送枠だけど比較してみるととても面白いな。
- 主人公の顔の絵の描き方
どちらもTHE IDOLM@STERのCDジャケットなどを手掛けた杏仁豆腐さんをビジュアルの基点にしているのだが。
(なのでアーケード版のキャラクターデザインの窪岡俊之さんの絵柄ともまた違う)
・錦織監督のTHE IDOLM@STER 天海春香 水瀬伊織
いわゆる「アニメ塗り」で、特に影のつけ方はセル画っぽい。瞳のキラキラも抑えめ。線よりもフォルムで見せるタイプの絵。フラットなIllustratorっぽい絵。
・高雄監督のTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 島村卯月 渋谷凛
「美少女ゲーム塗り」に近く、ほほのチークや髪の毛のグラデーション影やハイライトなど、撮影処理による彩色処理がされている。瞳も結構キラキラとハイライトの入れ方に気を付けている。ここら辺は京アニっぽい。
キャラのフォルムや線だけでなく、背景効果や光源も込みで見せる絵のタイプ。Photoshopな絵。
高雄監督は2011年の錦織監督版のアイドルマスターでもテレビ版、映画版のシリーズ演出や絵コンテ、原画で参加していたが、絵の質感がかなり違う。高雄氏が所属していたころの京都アニメーションがkey原作のAIR Kanon CLANNAD をやっていて瞳のCGや撮影などでのキラキラに凝っていた(瞳の処理のための専門部署があった)のを思い出させる。
- ダンスや動きの作画
ゲイツで課金したダンス
いや、2011年版の1話の最後のダンスもかなり評判が良かったんだぜ?当時は。でも、アニメーターの技術が向上したのかモバマスの課金パワーの方がすごいのか、モバマスの1話では346プロダクションが既に大手芸能事務所だからなのか、撮影処理の演出が違うからなのか。手描きダンス作画としてはどちらも頑張っていると思う。
しかし、今回久しぶりに(BD持ってるけど)再放送を見て思ったのは、「うわっ中割少ないなあ!」ということです。
ここらへんの春香さんの動き、決して単体の絵としては整理されてないんだが、アニメーションの「原画」が動きのキーに成る部分部分を抑えているので、中割の動画の枚数は少ないのにかなり面白く動いて見える。
中割が少ないのでカクカクしている所もあるんだが、全体的に
金田伊功→今石洋之→錦織敦史っていうエヘクトアニメーターの系譜がある。一枚絵の丁寧さではなくフォルムと動画のつながりで面白さを見せていく感じ。
対して、高雄版はビジュアルでの良さを見せていく感じ。
同じ杏仁豆腐先生の記号を使いながらも、原作ゲームが3DCGダンスゲームだったTHE IDOLM@STERと、一枚絵のカードを集めていくTHE IDOLM@STERCINDERELLAGIRLSとの違いもある。(そして、アニメ系のスタッフが絵を描いているTHE IDOLM@STER MILLION LIVE!もある)
- ギャグ顔
ちょい魚眼レンズっぽい真美と、ジト目の律子。
結構ふにゃっとした線の伊織と、漫画っぽいというか、ダバ絵っぽい顔の真の口の位置が昭和のアニメっぽさを意識したキルラキルっぽい。
(この後で穴を掘っている雪歩もダバ絵っぽい)
シンデレラガールズの崩し顔のラインはこれくらい?><
ギャグ絵柄とか崩し顔でギャグをするというよりは、シチュエーションの面白さでギャグをする感じかなー?絵でギャグをやるんじゃなくてシュールなシチュエーションギャグと言うのも京アニでアニメ化された麻枝准さんのkey原作アニメやP.A.WORKSのAngel Beats!に近い。
シンデレラガールズ第五話 考察っぽいなにかと感想 - 淡さを形に
「シンデレラガールズ」にしては珍しいな表現をしているなぁと。こういう猫目みたいなコミカルな表現ってここまであんまり見なかった気がしたので。ギャグシーンの役割を果たしていることも示していそうですね。
- まとめ
というわけで、同じ世界観とスタッフを共有しているA-1 PicturesのTHE IDOLM@STERとTHE IDOLM@STERCINDERELLAGIRLSのアニメですが。
絵柄とか演出とか動かし方やアニメーションとしての制作方で、かなりはっきりとした違いがあって、それが監督の来歴とか趣味とか指向、もしくは原作ゲームの世界観や課金周りのビジネスモデルの方針の違いなどから微妙に感じ取れるものがある。
こういう風に見比べることができるアニメーション試聴体験と言うのは面白いですね。
そう言うわけで、再放送でもアイマスですよ!プロデューサーさん!
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