玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダムMS IGLOOを見た

ツタヤで半額だったから・・・。
と言うわけでもなく、やはり∀ガンダムを見る前に黒歴史のうちの大まかな所は見ておきたいと思ったのですよ。
しかし、まあ、ダムエーで連載萬画は読んでいたので、別に見ないでも善いかなーと思ったんですけど、いちおー見たほうが善いかなーと言う訳で、MS IGLOOの5話(オッゴ)と6話(ビグ・ラング)を見たぞ。
あさりよしとおid:kanabowさんも言ってたけど、戦場まんがシリーズなんだよねー。
僕は戦場が大ッ嫌いです!
沖縄に修学旅行に行ったとき、銃弾をアクセサリーにしている店を見て吐き気がした。基本的に、殺したり生き残ったり雄雄しく死ぬ人よりも大怪我する人に感情移入しがちです。病弱だったからねえ。負け犬根性。
撃たれたら痛いし血が出るし肉が混ざるし骨が内臓の中に飛び散るし細菌に食われるしなんだかテンションが下がったりするし全然いいことが無いではないか。
戦う事を美化する精神など、僕の中には無い。
戦ってまで守る価値の或る物なんてそんなに無いよ。家族を守るために家族のある人を殺すなんてナンセンス。
そこら辺、アムロはやけくそになって戦ってた感じがいいよなあ。最近のガンダムパイロットのように戦う理由をグダグダと言わない所がいいな。ヒロインに戦う理由がないと看破されてるし。そんで逆切れ。
戦争などと言う物は無知蒙昧な底辺の人間が騙されて権力者の尻拭いを命がけでさせられるだけの物ですよ。僕は精神的に貴族だから戦場のような不潔な場所には行きたくないですね。
何度も言いますが、僕の祖父はみなしごで、寺で育てられたんですけど、そういう根無し草の人間だったので陸軍中野学校で使い捨ての利く憲兵のスパイとして南方に送られたんですけど、戦争犯罪人になったせいで名前を変えて生き延びたと言う人間な訳なんですけど、その祖父が最後に残した遺言は「変な女に捕まるな」ですよ。
その程度かよ!それで父と母の中は険悪になるし。俺は変な女につかまるも何も25にもなって童貞だし。
つーか、俺はその祖父に「お前は何を考えているかわから内で不気味」といわれて育ったしな。おまえ、スパイだろ。
軍人と言う人種には嫌悪感がある。


だから、はっきり言ってms igLooのような作品は最低です!大ッ嫌いですね!
感想を書きますー。


案外おもしろかった。
そこまでひどくなかったよ。
戦場まんがモノとしてもセオリーをちゃんと守ってあったし。
嫌な奴だなーって奴が頑張ってたりとか。地雷を踏むように死んだり。俺たちの(生きる事が)戦いは始まったばかりだ!的な感じとか。
CG特有の動作の鈍さとか芝居のつけにくさとか、そういう問題もあるわけだがかなり軽減されているし、CG特有の人種の自由な再現とかスピード感のあるアングル移動とかでCGとしてのメリットとデメリットが拮抗して、若干良い感じになってるレベルになっている。
CGのくせに芝居ができるレベルになってるので、下手な役者よりは上手いと思った。上手い役者よりは下手だと思う。
あからさまに外国人の顔のキャラクターが日本語のリップシンクロするところはウーン・・・・。
ヒデト・ワシヤ中尉のアジア人顔がナイスだった。声も福山潤ジュンでルルーシュだ。


リアルなフィーリングなんだよなー。ニュータイプ的な演出がないというのもそうなんだが、富野的なカットインも無く、コミュニケーションがミノフスキーノイズの中の通信に限定されていたり、敵の顔が見えなかったり。
戦場の空気感も、トミノ的なやや主観に偏っているかもしれない物ではなく、つまり見せたい物を目立たせるためにカミーユがすぐにジェリドに捕まったりするのではなく、こー、弾幕の曳光弾とかモビルスーツの動きが矢鱈と速くて見えにくい。
今西監督はトミノよりは高橋良輔監督の舌での仕事が多かったようなので、そういうフィーリングなのかもナー。
ごちゃごちゃしている。ドラマが見えない。
だが、そこら辺がドキュメンタリータッチで宇宙戦争を描いたらどうなるのかと言う一つの実験的映像としてのアイデンティティーを確かに確保してると思う。
まー、そういう趣味があるなら自分の企画でやれよ、と言う気分もあるのだが、そういう趣味のために無理やり世界観や話を一から作るよりはガンダムを使うって言う企画はアリではあるんだよねー。
こういう映像実験とかスピンオフができるのも、やっぱりガンダムが一つのアニメから歴史的フィーリングを持った世界観の集合体と言う側面を獲得したと言う事なんで、それは嬉しいわな。大河ドラマとかでも歴史の視点を色々と変えて描いているし。ガンダムすげー。


と、いいつつ、決定的にリアルでないところもあり、特にチンピラ連邦軍を出すくらいなら顔の見えない射手として描いた方が戦場の恐ろしさが見えたのではないかと思う。わざわざ5話で「一般回線を開いたまま戦う素人の敵の声を聞いて逡巡する新兵」という演出が良かったのに。
チンピラ連邦軍を出したのは、今西監督は小説版『黙示録』の巻末解説で、本作はあくまでジオンの実直な一青年(マイのことであろう)の視点からの物語であり、顔も見えない連邦軍兵士達のキャラを立てるためにあえてヤクザっぽく描いたと語っている。(ウィキペディア
なのだが、それは連邦側の兵士のCGを用意するのが面倒だった事のいいわけだよねー。
つか、マイが連邦をチンピラと認識すると言う事はマイの中にもチンピラ的な面があるという事になっては仕舞わないか。ねえ。


あと、宇宙空間で音が聞こえたりその音がテレビ版の初代ガンダムに近い効果音だと言うのもリアルではないが、これはファンサービスでしょう。音楽も渡辺岳夫の主題からのモチーフが多かった。
その割に、モビルスーツの爆発は青い・・・。ピンクだろう。ヘリウム3の核融合炉の崩壊をリアルに考えたら青い炎の方が自然なのだろうか?そもそも爆発するかどうかも・・・。まあ、富野が爆発するといったらするんだろう。Vガンダムはどうかと思うが。∀ガンダムでは核融合炉よりもちゃんとした核爆弾の方が良く爆発してたな。


少年兵は高校生くらいなんだからもうちょっと体格が良くてもいいとおもった。リアルな白人なんだから。海外ドラマの高校生ってもっと強そうだよな。
背が低いんだよな。エルヴィン曹長の声は女性だし。そこら辺が悲劇性を高めると言ういやらしさなのかなあ。ブライトなんか19歳だけど皆に大人扱いされて・・・うぅ・・・。
ロランは御大将に勝つよ。


キャデラック大尉はかわいくねえなあ。今西監督はニナ・パープルトンと言い、皮肉屋で嫌味で偉そうな技術オタクの女が好きなのだろうか。
おれは宇都宮比瑪の方が好き。


基本的に、僕はメカニックにはあまり興味が持てない人なので、本作の目玉にはそれほど・・・。
キャラクターと言うよりも兵器として描かれている本作には、メカニックファンやミリタリーファンに向けて作ってあると思うのですが、そういうメインにはあまり・・・。
つか、漫画だし。架空だし。
といっても現実の機械にもそんなに興味が無いんだよなあ。車の名前が覚えられない。やっぱり、トミノ的な超能力とかがわかりやすいと思ってしまう。バカだから。


ボールが宇宙空間で空力を無視した(当たり前だ)高速のドッグファイトを繰り広げるのは面白かった。バーニアと重心の関係は考えてはいけない。


しかし、やっぱり、ジオンって悪いじゃん。毒ガスコロニー落し独裁。
それが、ユニフォームのカッコよさや男たちの潔さとかいってジオン最高とか言ってる奴は大ッ嫌いです。
公国のためって、バッカじゃねーの。末端がそんなことを言って自分によっている間に上は兄弟げんかと戦後の権力争いに夢中なんだよ。
そこら辺を、若いアニメファンがカッコよさを履き違えてしまうのはどうかなあと思うのですが、こういうアニメからでも結果的に命は尊いと言う風に思ってくれるならまあ悪くも無いかなーとネットを巡回して思わないでもない。
せめて、スペースノイドの独立とか、地球の権益を奪い取ってサイド3の食糧事情を良くして製糸工場に出稼ぎに行った妹に上手いものを食わせてやりたいというような庶民的な兵士が出てきたら広がりがあるかナーと思うんだけど、そういう兵士も庶民の延長で兵站論に立脚した視点は富野ガンダムくらいにしかない印象があるなあ。08も最初は頑張ってたか。
安彦良和の戦争ものは面白いのかどうか。OROGINは一部のシャアの悪行を除いてはなかなかおもしろいな。セイラさんが人殺しを出来るようになるところとか。


んで、結論としては、やっぱりリアルな戦争ものは気分が悪くなる。
最後は先輩が雄雄しく散ってメインキャラが生きててよかったという風にお茶を濁してあるが、いやー、死んでる!
主人公は「男たちの思いを後世に伝えたい」と言っていたが、
僕としては「こんな忌まわしい戦争など、埋めてしまえ!」
と、言う訳で∀ガンダムを見るためのステップとしてはなかなか良かったと思います。