玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ラ・セーヌの星32予期せぬ罠

今回のあらすじ
バスチーユを奪った事で、パリは民衆が制圧した。
主人公シモーヌの幼なじみミラン(富山敬)が三部会副議長に昇格した事を快く思わないド・モラール侯はパリ警備隊長ザラールを使い、ミラン暗殺を企てる。
その計画をベルサイユでザラール自身に聞かされたシモーヌの義理の兄であり市民派貴族のロベール・ド・フォルジュはマリー・アントワネットに直接掛け合い、暗殺を止めるように進言する。マリー・アントワネットはあくまでも噂であり、自分で止める事は出来ないが、噂で知った暗殺計画をロベールに伝える。しかし、マリーがそのように話すことはド・モラールに指示されたものであった。
ロベールは従者を使い、ラ・セーヌの星であるシモーヌに計画を伝える。
ラ・セーヌの星が罠と知って現場に行くと果たしてミランが暗殺されようとしていた。
それを撃退するラ・セーヌの星だが、ザラールとド・モラールの真の企みはマリー・アントワネットがロベールだけに話した情報どおりにラ・セーヌの星が現れたことを証拠にロベールをラ・セーヌの星に内通する反逆者として逮捕する事だった!


今回はストーリーもミステリ風味で印象的だったが、演出が特にいつもと違って印象的だった。
あおりの構図の多用
後姿で喋らせる
後頭ナメで奥の人物と会話
キャラクター視点でのレイアウト
多重露光っぽい分身
スローモーション
透過光で光るイヤリング
ドアップと引きの多用と併用
カット頭で静物をアップしてから引き
カットをまたいでこぼすセリフ
等、
微妙に、出崎弟っぽい画面演出である。


展開の演出も、上手い。
裾を上げて水汲みをするシモーヌがイケメン貴族で義理の兄のロベールに見られて恥らう太ももがエロイ。子どものダントンに見られても平気。
セリフの端々に省略した展開や伏線や心情をさり気なく混ぜる。
三角関係も面白い。
シモーヌミランを助けて愛しているが、自分がラ・セーヌの星だと言う秘密は話せない。秘密を持つ事に不安を持つが、ロベールが自分の全てを知っていてくれるのを支えにしている。
ミランシモーヌが好きだが、フランスに革命を起すために頑張っている。そして、いつも助けてくれる謎のラ・セーヌの星に惹かれている。
ロベールにとってミランは恋敵だが、ロベール自身フランスを良くするために戦ってきたし、そのためにシモーヌラ・セーヌの星にしたのだからミランを見殺しに出来ずラ・セーヌの星ミランを助けさせる。
うーん。恋愛描写は子どもアニメということで前面には出ないが、雰囲気で匂って来るんだよなーッ。


罠と知って戦いに赴くラ・セーヌの星の戦い方も、一工夫。
ギリギリまで隠れておいて、敵が油断した所で馬に乗って飛び掛る、と見せかけて空中で飛び降りて敵の馬車の屋根に飛び乗る。
鉄砲を持った兵士4人とザラール警備隊長を相手に、鞭と剣を器用に使って大立ち回り。
力ではなく、技と機転で戦う女剣士!でも、基本体力は凄い!
そして、敵の馬車を川に落として自分は颯爽と白馬に飛び乗る!
「警備兵の皆さん、水泳の用意をしておいて下さい」
カッコええーッ!!
女の子の憧れーッ!



と、おもったら絵コンテは阿佐みなみ富野喜幸だったーっ!さすが富野!

うーん。メチャメチャ古いアニメなんだが、25歳の俺でも充分面白がれる面白さだ!
政治的駆け引きとチャンバラアクション!たまらん。
革命の渦の中に恋の駆け引きもちょっぴりあったりして。
富野作品は何でこんなに面白いのか。