玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ラ・セーヌの星29[自由へのたたかい]

この時点でのトミノ監督作品は、
海のトリトン
勇者ライディーン
ラ・セーヌの星
なので、66パーセントがアンチロボットアニメ。
このあと、ザンボット3で「ロボットを出しておけば誰にも文句を言われないでオリジナルドラマが作れるぞ」と(韜晦かもしれんが)思ったらしい。で、ロボットの富野さんになるのだが。
うーん。トリトンもおねえさんに大人気だったよな。
ここで、「美少年や美少女を出しておけば誰にも文句を言われないでオリジナルドラマが作れるぞ」という路線に進む可能性も充分にあった。
ただ、時代がまだ萌えに成熟してなかったんだろう。
富野は30年早かった!
が、富野が30年遅れて生まれていたら、生まれなかった作品もたくさんあるんだろーなー。


今回のあらすじ

  • 三部会召集
  • シモーヌの地元からも議員を選ぶ事に成る
  • 地元の親方がアメリカで勉強してきた運動家のミランを推薦する
  • ミランのことが嫌いな貴族の親玉が金貸しを対立候補に立てる
  • 金貸しの旦那はポスターに勝手に地元の親方の名前を推薦人として書く
  • 親方は怒って金貸しのうちに行く
  • シモーヌミランは親方の内に行ったら会えない
  • 金貸しの家ではパーティーがやってて、親方連中が全員揃っていた
  • 親方達は金貸しに借金があるから推薦人にならざるを得ない
  • ミランを推薦していた親方はミランを裏切れないから、金貸しを推薦するのを断って帰る
  • 親方は帰り道で金貸しの手下の低脳そうな大男に殺される
  • 訃報を受けたミランシモーヌが親方の内に行ったら金貸しが泣いてて、逆にミランが推薦を外された事を恨んだと言われて犯人にされてしまう
  • ミランはめげずに街頭演説をするが、金貸しの手下に卵をぶつけられたりいじめられたりする
  • 金貸しは集票パーティーをする
  • 殺された親方の親友だった人がその席で金貸しが殺人の犯人だと叫ぶ
  • 暴露した人は大男に連れて行かれる。名誉毀損で訴えられる
  • ミランも誘拐される
  • やるだけやって金貸しは怖くなって貴族の親玉の家に逃げ込む
  • そのすきにラ・セーヌの星出動
  • フルボッコにしてミランと親友を救出。
  • 選挙の当日、ミランが投票ギリギリに会場に現れ、遅れたのは金貸しに殺されかけたからだと暴露
  • めでたしめでたし

ややこしいよ!30分の子ども番組でやる事かー!
富野だからやれんだろ!
いやー。本格政争劇っぽい感じですね。
こないだ、ガンダムWでozがコロニーの議会に侵入するのがわりとガンバって描けていると書いたが、やっぱりトミノは一枚上手だなあ。
ガンダムWでは、ozが力と情報操作で議会を騙していくのだが、ラ・セーヌの星では「うすうすわかっていながらも、騙された方が得だから騙される大衆」を描いていて、こっちのほうが一ひねりしてあるし、それでいて実際っぽい。
ここらへんは、日本大学自治会中央執行委員会書記長だった富野喜幸が体感として分かってる事なのかな?
そんで、そういう大衆のいやらしさは最終回でラ・セーヌの星が市民軍からマリー・アントワネットの子どもを救い出すところに結実するわけ。
ラ・セーヌの星は市民の味方じゃないのか!」
「私は弱い物の味方だ!」
島本和彦のマンガチックにいこう!では「それまでの主張を転換した。所詮お茶の間の正義」と言われていたのだが。
俺は島本先生も好きだが、富野の方がもっと好きなんだな。
正義の相対化はトミーノだと思うなあ。っていうか、正義である事の立場や理念に振り回されるよりはヤリたいようにやるほうがヒーローとして好きです。ぼかぁ。
っていうか、今回は正義とは何か考えさせられたなあ。
殺された親方の親友だった人は、最初は借金があるから金貸しの側につくのだが、金貸しが殺された親方の死を自分がいかに悼んでいるかとか言って、死者の同情を自分の票にしようとしてたのに耐えられなくなって、告発して、殺されかけるわけです。
論理的に考えたら強い方についていたほうがいいわけなのですが。悪いほうにつくと気分が悪くなって耐えられなくなると言うのも合理的判断かもしれん。
やっぱり、正義についたほうが気分がよいと思う。
死ぬけど。
でも、どうせ死ぬしなあ。生物は。
悪い人は権力とか衣食住の快適さとか快楽を求めて悪い事をするわけだが、それも所詮気分の問題に過ぎないわけだから、いい事をした方が良いと思うなあ。
まあ、どっちも気分の問題にしか過ぎないわけなんですけど。脳でしか物事を感知できんし。
でも、やっぱり正義の方が得をするわけです。なぜなら、僕はオタクだから。
大抵のマンガやアニメは正義視点で作られているわけなので、正義っぽい行いをしている方が感情移入して萬画を楽しめるわけですな。
もちろん、悪視点の作品も無い事は無いが、悪人は底が浅いのでドラマチックではないのである。あしたのジョーも最初は悪いが、底が浅い。ジョーがだんだん正義(でもないが、)正々堂々に目覚めて行くのが良いのであるな。
デスノートは悪人視点だが、夜神ライトの優等生バカっぽい所は僕に似てるので感情移入できたが、夜神ライトが成功者になると面白くなくなったと言うか、ネタ萬画になったな。感情移入ではなく、ネタを遠くから観察して面白がる萬画
コードギアスもそんな感じだったが、ルルーシュが妹のためになんもかんもかなぐり捨てる所は愛しいなあ。
というわけで、萬画とかだと女子を犯したりするのは悪っぽいので、俺は童貞でいいや〜〜〜
モテない言い訳ですよ
まー、モテたくないし。
ゼブラーマン山田玲司萬画は割と面白いのだが、「生身の女と戦って傷ついてから発言しろ」というオタク批判はどうかなあ?
傷ついて成長するのはいい事だが、そういう自分の成長のために生身の女を利用するのは失礼に当たらないかと思う。まー、女は利用されても自分を欲求してもらうことを快感だと思う回路がある人もいるっぽいので、そこら辺は相互依存なのかもしれんが。僕はそこまで女性を欲求しないなあ。
女性だろうと男性だろうと平等にガンダムを見せるだけです。
夢の中で黒人幼女の売春婦に「犯して」と頼まれても、「∀ガンダムを見たほうが気持ちイイよ」と言うような男だ俺は。
というわけで、僕にとって、この世で一番気持ちいいことはアニメを見ることなので、そのためなら正義に殉じて命を落としてもかまわないのだ。
機動戦士Zガンダムはアニメばかり見ていたら狂うと言う話なのだが。
それで、カミーユみたいに正義っぽい組織に荷担してオルグされると損をするという見方をする人も居るのだが。
損をしても、狂っても、正義のために戦うぞ!そういうカミーユはカッコいいです。
と思ったら20年越しに彼女をゲットしたー!
オレも正義になりてー!
まあ、萬画だから、そこら辺は理想論だが。
ラ・セーヌの星も正義の味方であるラ・セーヌの星が最強であるのはすごく萬画的理想論である。でも、それは気持ちイイからなあ。
悪が勝っても、悪人個人の快感しか価値を生み出せないのだが、正義が勝つと無限に良い事ができる可能性があるので合理的でもある。環境にもいい。
堀江貴文とか「金を儲けて何が悪いんですか!」と言う人をもてはやす人も居るが、ルール違反で金を儲けても自分しか得をしないだろう。金で買える快楽などたかが知れているのである。最低限DVDと萬画が見れる額があればよいのである。まあ、ブレンパワードは欲しいけど。毎日バックグラウンドでかけっぱなしにしたいくらい好き。
とはいっても、村上世彰が影でジャン・バルジャンみたいな慈善家だったら泣けるのだが・・・。


閑話休題


今回のラ・セーヌの星の戦い
今回の敵は2メートルくらい在る大男です。しかも、金持ちに雇われてて、顔もすごい不細工で、自分で考える事を放棄したような低脳っぽい空気頭でセリフも叫び声くらいしかないです。
雄の悪い部分を強調したような敵ですね。
それが2人も居る。武器は金棒とマサカリ。
馬をパンチで殴り殺したりする。
対して、ラ・セーヌの星は若干運動神経が良すぎるだけの女の子です。
そんで、太ももむきだし。
おーかーさーれーるー。大ピンチです。
富野担当になってから、心なしか、ラ・セーヌの星が女の子であるが故に非力だと言う事を強調することで視聴者の危機感をあおるという戦い方が増えたように見える。
トミーノはキャラクターの性能を考えた上で使っているような気がする。
まあ、ギャプランにマークツーが飛び乗ったりもするのだが。そこは会話優先で・・・。
そんで、今回のラ・セーヌの星は身軽さで敵の攻撃をかわしながら戦って、敵が挟み撃ちで全力パンチで向かってくるのを待ち構え、寸前でマントを翻らせて地に伏せ、マントに視界を遮られた敵がお互いをクロスカウンターで打ち合って自滅するのを誘った。
最近のラ・セーヌの星はマントで目くらましと言う戦法を多用するので、またかよ、と言う気分もあるが、大男をぶちのめしたラ・セーヌの星がニヤッと笑うのは艶かしいなあ。


今回のツッコミ
ラ・セーヌの星に助けられたミランは、彼女の馬を借りて、大急ぎで選挙会場に向う。
期限ギリギリに間に合ったミランの演説を見守る聴衆の中には、ラ・セーヌの星から戻ったシモーヌの姿もあった。
シモーヌ足はや過ぎ。他の馬を奪ったにしても、全速力だったミランと違う道を通って、着替えて、ケロッとしているのね。
シモーヌ
ちなみに、今回は恋敵を助ける話だったからか、仕事をしていたからか、黒いチューリップは出ません。