玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

オーバーマン キングゲイナー20カテズで勝てず

今回、ゲイン・ビジョウなし。前回がゲイン回だったんだが、エンペランザの活躍が不完全燃焼気味だったので、ちょっとがっかり。


クロアチアスロベニアの国境に勝てずというところがあるとかグーグル先生が言うのだが、オーバーマンキングゲイナーの劇中ではモンゴルあたりらしい。でも、永久凍土地帯。モンゴルの2/3は永久凍土なのか。ヤーパンのメガロポリスに住んでてマスコミの報道しか知らされてなかったから全部草原と馬とドルジの親父の群れしかいないと思ってましたよ。
そんな場所にあるドームポリス・カテズが今回の舞台。
なんて名前だ。


脚本/浅川美也

コンテ/森邦宏・斧谷稔

演出/森邦宏・古賀理恵

作監大森英敏

なんか、久々に面白かった。
たぶん、斧谷稔コンテでいろいろ端折ってテンポを出しているからだと感じた。しょっぱなからいきなりカーチェイス。まだるっこしい出勤シーンは省く。ベテランの作為だが、うまい。Aパートでシベ鉄コンビとの追いかけっこをやって、Bパートではシンシアとゲイナーのオーバーマンバトル。スーパーロボットっぽい構成で、わかりやすくて面白い。
ガンダム(リアルロボット)っぽくない。富野監督もがんばったなあ。まあ、ライディーンの人だからな。ガンダム世代の若者よりはスパロボの気分はわかるか。ガンダムを作ったくせに。
サラとゲイナーのデートとかシンシアとの友情の芽生え追いかけっこのハラハラ感、オーバーマンのガチ戦闘っていう快楽描写とオーバーデビルのとってつけた燃え設定。そしてキングゲイナー発動。わかりやすい面白さを入れようとしてる。っていうかやっぱり富野アニメは発動だよなー。
こないだ、音楽に文句をつけたけど、今回は割りとすっきり聞けたかな。CM入りのときにいつも同じ音楽を使うのはどうかと思ったけど。
ドミネーターとキングゲイナーの戦いもオーバーマン(監督)富野由悠季のオーバースキル「バンクつぎはぎ」で、14話のきれいな絵を違うシチュエーションで使いまわしていて、とってもアトムでした。カミーユがヘルメットを開ける芝居を違う意味に使ったとき、「トミノはアニメーターを馬鹿にしている。表情がわかってない]という意見を目にして、それもそうだな、って思ったけど、おれはなんとなく見てるヌルヲタだからなんともないぜ。


ほんで、今回のテーマは、パッと見は「ゲームをしてたらゲーム脳になって現実とゲームの区別がつかなくなっちゃう」っていうジジイの説教に見える。が、そういうイデオロギーをいったん脇において、シンシアの境遇を見てみよう。だって、ゲイナー・サンガはストリートファイターII安田朗氏をモデルに西村キヌ氏がデザインして、ゲームしまくりでゲームのスキルと(漫画版ではネットゲームの収入で)生きていて、作戦中にでも本能的にゲーセンに入るようなゲーム狂だけど、強い主人公だから、ゲームのみを批判してるわけないじゃん。
っていうか、CLANNADってゲームなのに春原がデートでゲーセンに行ったら怒られたな。良いじゃん。ゲーセン。
なんか、ゲームの上手い子供を兵器として使うって言うのは、ロックンゲームボーイっぽいな。そういうのを見ると、トミーノはマリーガルとかカプコンとかのつながりでおそらく割りと本気でオーバーマンバトルのゲーム化を考えていたと思うんだが、なんで出なかったんでしょうね?A.C.E.に出たけど、あんまり格闘ゲームっていう感じじゃないですよね。まあ、僕はぼんくらなのでエースの適当連射ですら満足に操作できんのですが。
トミノVSカプコンとか出ませんかね?出ませんか。春麗が芋長の芋ようかんで巨大化・・・無理か。タツカプゴールドライタンは出る。出るんだ・・・。
生身のゲイナーが隆に殴られたら大変なことになりそうです。


閑話休題
つまり、ゲームばっかりしてるシンシア・レーンより、シンシアの生活をゲームのようにしている大人たちのほうがどうかと思いました。
シンシアがドミネーターでセントレーガンをボッコボコにした時に、シベ鉄配下のスペツナズがセントレーガン隊員を収容して、おそらく大怪我しているであろう彼らの姿はシンシアは見てない。キッズ・ムントが見せないようにしてる。ザッキのアンダーゴレームを湖の底に捨てたけど、フォトンマット発生装置(背中の丸いやつ)は破壊してない。殺人処女なんだな。バキ的な意味で。キッズはシンシアを人格を持ってる戦士ではなくてオーバーマンを動かす装置として、ストレスがかからないように、自分で考えないように運用してるんだな。
これと同じ事を見たのは、スーパーロボット大戦F碇シンジ君が「なんかモビルスーツに暴力を振るうのはいかがなものか」とまっとうな事を言ったら葛城ミサトさんが「脱出装置があるから良い」と酷いことを言ったとき。いや、そういう問題じゃないだろ!
シンジ君が「いや、装置が故障してたら駄目じゃん」って反論したら「そこらへんは自己責任で!」とかロンドベルの人にゆわれてた。ゲームって怖いなーって思いました。
(そう考えると、ガンダム00アロウズが機械で虐殺する場面を兵士に見せて、ソーマ・ピーリスだけが他の兵士と違って凹むって言うのはレギュレーションとしてはおかしくね?ティターンズのエマ中尉やジェリド・メサやライラ隊は最初は人質作戦や毒ガス作戦のことをわからないようにジャマイカンに使われてたじゃん。まあ、すぐにボロが出るけど。)
つまり、大人が子供(とか部下)の能力のみを使役するために、彼らの当然の人間的な疑問に詭弁的な答弁をし、その上、彼らに嘘の情報だけを与えて納得させる構造ですな。幽遊白書の仙水のゲー魔王とか。
ゲームそのものって言うより、ゲームの楽しさだけで子供を囲い込んでしまう大人、子供が静かになるという理由でとなりのトトロをエンドレスで見させる親が悪いんじゃないっすかね。
それはドームポリスのピープルを囲い込んでいるロンドンIMAやシベ鉄のような巨大企業複合体にも似ている。現代ヤーパンにも。
デジタルネイティブの番組を見たけど、子供企業家って言うのも企業家投資ファンドのアイコンかもしれん。いや、あんま知らんけど。システムはシステムにしか過ぎないし、国の都合で通信規制とかあるよねえ。
ホリエモン外資自民党のアンチボディとして使われてたかもしれん。最近の堀江貴文氏は麻生さんの定額給付金はアホッっぽいと書いてるが。寄付運用ファンドを作るとか。まあ、それはよーわからんけどな。
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10163645915.html
僕はキングゲイナーは富野アニメっぽく道具と人間の関わり方を描いていると勝手に思ってるんですが、ゲームやオーバーマンという装置そのものは人の意図によって神にも悪魔にもリモコン次第です。スパロボだなー。一つの物事にもプラスとマイナスの見方があるとゲイナー君も言ってる。


で、シンシアですが、彼女の周りにはシンシアを天才(と見せかけて、かなり投資された英才教育)という能力としてのみ評価する大人しかいなかったわけです。アスハムもシンシアが凹んでいたら「人はそうやって強くなってゆくものです」と、都合のいいことばかり言う。大人というか、男社会か?
同時に、シンシア・レーンはオーバーマン乗りだった死んだ母や祖母のマルチナ・レーンといった女三代の女系因縁にも囚われてる。クインシィ・イッサーっぽくもあり。
で、キッズ・ムントは偽の父親として、そういう女の部分も利用しつつシンシアを使役するのだな。
キッズ・ムントやカシマル・バーレ、あと五賢人とか、キングゲイナーの大人世代って割と未成熟な部分がある大人として描かれてるんだよな。富野より年下だし。
そういう団塊の世代レベルの大人の子育ては子供を人格的に成長させるって言うよりは能力的な部分にのみ注目って言うのはあるかもな。もちろん、彼ら自身が戦後にそういう教育を受けたって言うことなんで、因果はめぐるよなあ。
ゲイナーを傷つけたのを見て、今までオーバーマンを撃破した罪を実感したことでキッズに対する疑惑は生じるだろうかね?


それはそれとして、シンシアって少女っぽいよなあ。写真写りを気にしたりっていうのは自分の理想の顔を気にする少女っぽいし、ガンガランでゲイナーを見たときは「ダサい」って言ってたけど、ゲイナー君がシベ鉄に突き出されそうになったときにシンシアとサラを男らしく守ったり、[髪の毛のオーバーマン]のパイロットだって思ったら「やっぱり私たちライバルなんだ!」って少女マンガのようなことを!恋に恋してる。
でも、ゲイナーが理想の相手とは違う振る舞いをして、戦いで手加減をしたら殺そうと。
一つの側面や自分の理想しか見えないのは女っぽいところだよなあ。ゲームおたくって言うよりは、そこらへんは普通の女子。
それから、女の子としての部分を誰も見てくれなくて仕事ばかり(あと、ケジナンに欲情される)っていう欲求不満が戦いやコスプレ趣味に傾倒するっていうのも女の子っぽいな。チョキチョキ。
で、われらが主人公のゲイナー君はそこらへんを了解しているので「戦う道具さえ奪ってしまえば!生身のシンシアのカンシャクくらい受け止めてやるから!」という。男らしすぎる。
ゲイナー君はここ最近、アデット・サラ・ガウリ・ゲインに次々と認められて、男度をアップさせすぎてるからなあ。シベ鉄に追われてるときも「女にモテて追いかけられてたんです」とかゲインみたいな言い訳がするっと出てる。
このままサラとイチャイチャするとつまらんので、ヤンデレのシンシアに怪我をさせられて、っていうのは一拍おくのに良い展開。(モニターがあんなふうに破れる素材って言うのはうそ臭いので、ドミネーターに直接切らせたほうがわかりやすいが、作画の都合?)
脚本の浅川美也さんは9話でアデット先生についていった生徒が敵にやられて肩の関節を外したり、「ガンダムの主人公は敵を殺して一人前」っていう以上にフィジカルで地味な怪我で男を成長させるのが好きなのかもしれん。確かに、敵を殺すだけの兵隊よりも怪我をした兵隊のほうがトラウマを負いやすいし。それを乗り越えて一人前か。アニメ的にも敵を殺して排除するよりは身内が怪我して、しかもその人と今後も付き合っていかないといけないって言うほうが視聴者の胸を打つ。
浅川さんの演じたマヤリトと交流のあったジョゼフも地味に怪我するしなあ。マニューピチ編の脚本は浅川さんは書いてないけど。
ちなみに、マヤリトはドカーン。


で、ゲイナーは怪我して男らしい。自分を傷つけたシンシアを気遣って「いや、いいんだ・・・」って言ったり、相手に怪我させられたことよりも「気がついたら僕は本当にシンシアを本気で倒そうとしてしまった」「怖いんだよ。キングゲイナーが僕に何かをさせたがってるみたいで」と、自分の中の闇を気にしたり。どれだけ高潔な少年なのか。富野主人公だなあ。ゲイナーは日常的にキングゲイナーにニンポーカラテを教えたり、機体のスペックを独自に研究していたりするのも富野主人公だ。基礎学力だなあ。


あと、今回の肝はサラ・コダマでもある。
彼女はオーバーマンバトルにおいては蚊帳の外だったりする。でも、パンサーに乗ってたり、戦場に入るんだよな。主人公ほど強くはないけど戦うって言うのはファ・ユイリィっぽい位置?ファはフォウのことは知らなかったけどTV版ではロザミアのことを気にしてくれた女子だもんな。
ゲイナー君が女を受け止める父性なら、サラは母性か。ゲイナーに「私がいるから大丈夫!」ってゆったり。うーん。受け止めるのは女で発破をかけるのは男っていうだけでなく、流動的に補完しあうってのが富野流?
あと、シンシアにゲイナーの傷を触らせるって言うのはちょっとストーリーとしてもお説教っぽい。だが、サラが孤児ということを考えると、孤児院でケンカをした時にお母さんみたいな人たちから「自分のした事をちゃんと見なさい」っていう教育を受けてきたからだと行間を脳内補完した。孤児にそういう教育を受けさせるって言うのは、日本のフリースクールで多発するキライじゃないぜみたいな事件を見ると、うそ臭いんだけど、修道院的な地域的な宗教組織の倫理観があったんかなあ?ドームポリスにも。それがミイヤ教っていうんなら、サラ・コダマのミイヤ・ラウジン崇拝も筋が通ってるものなんだな。とわかる。脳内補足だが。
そういうわけで、やっぱり、この間のブレンパワード感想でも書いたけど、「大人は子供を道具にしかしないが、子供同士で人間として接しよう」「親が親をやるやり方を忘れて、子供が大人になるやり方を見失っているが、子供同士でも優しくしあって大人になれ」っていう部分があるのかもな。
いや、キンゲの大人はゲインとかママドゥとかコナとかアデット先生とかメダイユ公とヤッサバの終盤とか、子供を人格として扱う大人も出てるけどな。でも、そういう人って管理社会から離れたところで、若干大人気ない振る舞いをするときに子供を尊重してたりする?
それがエクソダス
富野っぽい個人主義でもあるが、宮崎駿未来少年コナンみたいなローカル共産主義っぽくもあり、そこらへんもキンゲサンライズジブリアニメなんだよなあ。スタジオジブリも参加してるし。
ただ、冷戦後に宮さんが少女主人公に内向していって、逆にトミーノがVガンのカサレリアやブレンのひだまりの館や∀ガンダムのビシニティのような共同体を描いていったのは対照的か。その前にも神ファミリーとかあったわけだが、トリトン族とかは割と酷かったよな。やっぱり非血縁の共同体か?
保母さんとかの方が、素人の親よりも子育てになれてて、子供も下の子供の面倒を見て親に成る練習をしたり?
血縁の大家族だったら長女は下の弟妹の面倒を見るけど、自分を見てくれる親のスペアを求めて行きずりの男と妊娠したりするしなあ。割り切りつつ気にしている関係の方がいいのか?
それはかなり注意深い人じゃないとできん気もするが。


アスハムはロンドンIMA的には行方不明扱いになってんのかなあ?シベ鉄はカシマル運行部長を失った後に適当な才能をリクルートしたいっていう事情はあるが、セントレーガンはそういう人事でいいのか?裏取引とかがあったのかなー?そういう行間を大胆に省くのが富野アニメ。まあ、ちゃんとみたら大体予想はつくが。

しかし、その行方不明通知を受け取ってリマン・メガロポリスまで来ちゃうカリン・ブーンの妹パワーがすごい!やっぱり妹!いやっほう!
オーバーデビルのことをキッズはシンシアには秘密にしていたみたいだが、アスハムがそんなに詳細に調べて教えたのか?アスハムすげえ。地味に。主人公と戦わないときや描かれてないところでは強い。シャアとか。クロノクルとか。バーンバニングスとか。へたれ悪役の系譜だなー。



っていうか、長くてキモい。
大分端折ったんだけどなあ。