玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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無職だけど人の金で #天気の子 を見た狂気の子【完結編】

 前回の玖足手帖は!

nuryouguda.hatenablog.com

 お金をくれたのは、わりとその筋では有名なブロガーの人です。なんかすごい天気の子に感動されたそうで、見てほしいらしい。
 そんなにすごい映画なのか???


なんか、厭世的で脳内妹に耽溺している僕の感想が気になるらしい。そうなんだ・・・。

 そして炎上して僕のブログでは多い方の87ブクマ付いた。アクセスもそこそこ伸びた。
 お前らさあ・・・。そうやって無職を玩具にしたんならこの記事もブクマしろよな…。(吉本興業仕草)


 ネットの顔も知らない人間からも金を貢がれて映画を鑑賞する私は天才である!もっと私を崇めろ!!!!私にはそれだけの力がある!!!!

そういう冗談といいますか、和ませるといいますか


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nuryouguda.hatenablog.com
 しかし、欲しいものがだいたい寝酒という睡眠障害の僕なのに、もらったお金を酒代にしないでちゃんと映画を見に行ったのは本当に評価してほしい。アニメワナビの夢破れて中途半端なアニメブログを書いているアル中の障害者(ハルシオンを始め10錠ぐらいをストロングゼロで流し込んで、毎晩急性アルコール中毒で体を麻痺させないと眠れないというくらい脳が暴走している)なので、だいたい丹下段平みたいな感じです。ケンキチならぬアニメキチ。







 さて、ここからはネタバレも織り交ぜながら天気の子の感想を書いていきたいと思います。もちろん、ファンから金をもらったのでとりあえず、良かったところから書いていきます。


 ただ、新海誠監督はこう言っている。

news.yahoo.co.jp

――次の作品を、「主人公と社会の価値観が対立する」映画にしようと思ったのはなぜだったのでしょう。


それは……僕自身の気分だったとしか言いようがないですね。直接的な理由を挙げるなら、『君の名は。』がすごく批判を受けたということはあります。『君の名は。』の公開期間中だと、テレビをつけても、雑誌を見てもそういう感じで。「ガキっぽい映画だ」みたいな言われ方もずいぶんしましたし、「代償なく人を生き返らせて、歴史を変えて幸せになる話だ」とも言われました。「ああ、全く僕が思っていたことと違う届き方をしてしまうんだな」と思いました。


でもそこで「じゃあ、怒られないようにしよう」というふうには思わなかったです。むしろ「もっと叱られる映画にしたい」と。そのとき自然に浮かんできたのがそちらの感情だったんですよね。『君の名は。』に怒った人をもっと怒らせたい。たぶんそれこそが、そのときの僕の表現欲求の核にありました。


 なので、後編では怒ってあげるのが礼儀だと思うので怒りますね。怒る前に、とりあえず良かったところも書きますね。怒るけど。

  • まず見た目

 君の名は。からネクスジブリを狙っている雰囲気だったけど、今回はもうちょっとライトにギャグ顔とか崩し顔でコメディーっぽさを出してるのが割りと面白かった。
 あと、天気がテーマって言うことで新海監督は色々言ってるけど、まあ、ヒットを狙う夏アニメといえば「青空と雲と美少女」ってのがジブリとか時をかける少女とかの定番なので。日ペンの美子ちゃんも言ってた。直球にヒットを狙うアニメらしさを出してきたなあという印象。

  • 登場人物の大半が発狂していて良かった

 なにしろ男主人公の森嶋帆高が高校1年生にして村上春樹キャッチャー・イン・ザ・ライを読んで離島から目的も意味も計画もなく東京に家出する狂人である。
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

 しかもフェリーで突然の豪雨予想を注意警告されているのに、船の奥に引っ込む大半の旅客とは逆に甲板に出て大粒の雨を浴びてすごく嬉しそうにするのである。最初から最後までこいつは狂っています。
 例えば食うや食わずなのに野良猫に食料を分け与えたり、数時間でゆるキャラのきぐるみを作ったり、山手線全力疾走をキメたり、思い込みに支配されて人の意見を聞かなかったり、たびたび声高に演説したり、感情が高ぶったらRADWIMPSの歌声を召喚したり、ほぼ全編に渡って様々な狂行を演じて観客を楽しませてくれます。
 そして冒頭のフェリーが揺れてあっさり転落死しそうになったところを小栗旬が演じる42歳男性フリーライターの須賀圭介に手を握ってもらって命拾いします。ボーイ・ミーツ・ガール映画なんですがなんと!ヒロインに出会う前にボーイ・ミーツ・オッサンをします。ホモかよ。
 東京についた帆高は発狂しているので手っ取り早く金を稼ごうとしてヤフー掲示板で「なんかいいバイトないですか」と書き込みます。求人雑誌のまともな仕事は最初から相手にしていません。狂っているから。そして、須賀圭介の編集プロダクションに拾われて住み込みで就職します。ホモじゃん。月給はネタバレになるので書きませんが狂った金額です。


 ちなみに、帆高という名前から察するに家業は漁師なんじゃないかなあ。そういう親の愛情や捜索届をガン無視して地元を嫌っています。新海誠監督の思想なのかもしれないけど、田舎か東京かの二択です。そんなに東京がいいのか?吉幾三なのか?なぜ光の先が東京だと思ったのか?


 なお、僕は大学時代にライ麦畑でつかまえてを読んで、さらに親戚の自殺が連続して、京都大学受験に失敗しつつもギリギリ公立大学に合格しつつも自分がデミウルゴスに呪われているというグノーシス思想に傾倒して神と和解するために、大学を休学して(卒業をずらして)四国遍路を野宿で敢行しました。もちろん、山を超え海を渡り般若心経を百回唱えたくらいでは僕の不幸は収まらず、数年後に母親は自殺するので、この文章を書いている僕も精神障害者保健福祉手帳2級の国家に認定された狂人です。
狂人日記




 もちろん、須賀圭介も発狂しています。そもそもなんで彼がそのフェリーに乗っていたのか、最後まで明かされません。(多分怪しげな取材だろうけど)(つまり帆高の実家の島には怪しげな物があるということであり、クトゥルフ神話との関係も示唆されます)そして、大抵の乗客が雨に困って船の奥にいるのに都合よく狂人の帆高が雨粒を浴びて狂喜している場所に、なぜ須賀圭介がいたのか考えると、やはり彼も発狂していたという結論に至ります。
 また、命を助けてやったということで高校生の金でビールを飲みます。ネズミ男か。


 また、須賀圭介は寂れたビルの半地下の部分に編集スタジオを構えているのですが、なぜか酒を飲むバーが併設されています。ライターとして売れてなさそうなのにプライベートバーを職場の応接間の真隣に作っています。そこで酔いつぶれたりします。狂ってる。(もともとバーだったのを無理やり半分だけ事務所に改装したのかもしれないけど、そこを選ぶっていうのがまず狂ってる)
 物語の中盤で明かされますが、彼も東京に家出してきて大恋愛をして娘をもうけたものの、奥さんが事故で亡くなってしまい、奥さんの母親に娘を取られている上に嫌われている状況です。なので、発狂していても仕方がないですね。新海誠監督のパンフレットのインタビューや感想サイトでも須賀は常識人サイドや大人の代表で観客の代弁者という風に語られていますが、それは嘘で発狂しています。ゴミを溜め込んだり植物を植えているのに世話をしていなかったり、ちゃんとしたことができない人間です。何かの脳の障害があるのかもしれない。娘が喘息なのでタバコを止めましたが、机の一番出しやすいところにタバコを常備しているダメ人間です。
 細かいところですが、半地下の事務所の窓の外が豪雨の浸水で水槽みたいになっていると、敢えて窓を開けて水を事務所に浸水させて書類とか色々、ごく自然にダメにします。何の理由もなく、さり気なく狂ったことをする。



 もちろん、監督の新海誠さんも発狂しています。同人作家系の繊細クズを描くアニメ監督だったのに川村元気プロデュースで「君の名は。」が宮﨑駿(狂人)監督の「千と千尋の神隠し」に次ぐ大ヒットをしたのでおかしくなるのも仕方がないのですが。パンフレットのインタビューで脚本作りに難航した最後の部分についてこうおっしゃっています。

 悩みに悩んで最後に思い至ったのは、狂っていくのは須賀ではなく、帆高なんじゃないかということ。客観的に見て、おかしなことをしているのは実は帆高のほうなんじゃないか。

 いや、そこは最初に気づいておこうよ。最初の初期プロットから主人公が家出少年で「狂ったままでいいんだ!」と叫ぶのがハイライトということは決まっていたそうなのですが、新海誠さんも発狂していたので、帆高が発狂していたことにシナリオの最終段階まで気づかなかったそうです。気づけてよかったですね!
天気の子 (角川つばさ文庫)



 また、須賀圭介の編集スタジオの先輩の夏美も発狂しています。過酷な就職活動から逃げるようにオカルト系雑誌に投稿する須賀圭介のアシスタントをしているので、彼女も東京の現代社会に心を壊された被害者と言えるでしょう。ちなみにどの業界を志望しているのか、学生時代に何をやっていて何ができるのかは明かされません。たぶん発狂していたのだと思う。
 ちなみに声は本田翼さんという安堂ロイドに出てきたロボットの人です。僕はほとんど実写は見ないので(なぜなら大抵の日本のドラマはセットと照明がしょぼすぎてキレるからです)、豪華キャストと言われてもよくわかんないんですが、パンフレットを読むと実写で活躍しつつ声優もやったり2.5次元舞台に出たりしてる人が多く、普通にアニメの仕事もできる感じで、そこは評価ポイントです。神木隆之介くんも仮面ライダーアギトで大活躍でしたし。
 夏美に話を戻すと、体のラインを出してたり肩紐がずれやすく胸元があらわになりやすい服を着ているくせに、高校生男子の帆高に「いま胸をみたでしょ!やらしい! 」と逆セクハラをするような女です。それにメインヒロインの天野陽菜も同調します。そして、インターネットの感想では「男性の性的な視線をはねのける強い女性」と褒められます。狂ってる・・・。
 あと、バイクの運転が異常にうまく、逆走したりトラックと塀の間をすり抜けて追い越したり、死を恐れない運転技術を幾度も披露します。多分理性のタガがないんだと思う。
 君の名は。の変電所爆破テッシーと同じく、新海誠ワールドの人はちょっとしたきっかけがあると喜々として犯罪を行うものだ、という倫理観のようです。
 そんな夏美は本田翼さんによると、大人の気持ちも子どもの気持ちも両方わかる理想の大人、ということだそうです。狂ってるな。



キネマ旬報 2019年8月上旬号 No.1815

 そして、メインヒロインの天野陽菜。もちろん発狂しています。登場シーンから、雨の日の病院で死にかけている母親の手を握った手を離して、窓から見えた天使の階段に照らされた廃ビルの屋上に直行して、そこにあった祠に何かを願って、気象を操る力を手に入れます。祈ったら一定の時間と範囲を晴れにすることができる能力は、まあ、それを媒介している空の魚を見てわかるように蟲師のパクりなので、まあ、よくある話なんですが。
 (天気の子のコミカライズもほしのこえからの安定のアフタヌーンです)
 蟲に憑かれる前に死にかけの母親を手放して謎の祠に行く時点で、もう発狂していたのでしょう。女の子が雨の日の廃ビルにどうやって侵入したのか全くわかりませんが狂気と蟲の仕業なのでしょう。モデルになったのは僕も好きなショーケン(ヤク中で後半生を棒に振った)が主演する傷だらけの天使のロケ地の廃ビルです。現在は取り壊しが決まっていて入ることができません。どうやって陽菜は入ったんだ・・・。


 最初から狂っているのですが、経歴を詐称してマクドナルドでバイトしたり、飢えている帆高にハンバーガーを無断で施して「人生で一番美味しい食事」と言わせたり(それは君が今まで愛されず、ちゃんとしたものを食べてこなかったからだね(キングオブプリズムSSSミナト回))、詐称がバレてマクドを首になったので更に経歴を詐称して風俗で働こうとします。


 なぜ、彼女はそこまでするのでしょう?


 彼女はイケショタ小学生の弟の凪くんと、鉄道が通ったら揺れるボロアパートで二人暮らしです。輪るピングドラムみたいですね。でも未成年で家を借りたとは思えないので、母親が生きていた頃に契約した物件だと推察できます。ちなみに、父親は存在自体が語られません。崩壊した家庭で発狂していったのでしょう。また、母親の手を離して蟲に取り憑かれた負い目から、残された弟に執着しているのかもしれません。


 また、これも評価ポイントですが、この映画のパンフレットはインタビューも充実している上に、きちんと(すっげー細かい字で)スタッフロールが全部明記されていたり、キャラクター設定だけでなく陽菜のアパートや須賀の事務所の設定画やなぜなに科学講座が載っていて、メインの客層のヤングの学生をアニメオタクやクリエイターに誘導しようという意思が感じられておじさんのオタクとしてもほっこりします。
 夏休みなので雨天の平日でも学生の客が多かったです。しかし学生はなぜ夏休みでも制服を着ているのだろう・・・。花京院典明
 おじさんのオタクとしては、おじさんの学生時代にほしのこえで鮮烈デビューした新海誠監督が今の学生に対してもアニメオタク予備軍になるように画策してくれていいなーって思います。


 それはともかく、陽菜の母親の存命中に借りたアパート(2DK)の割に、前年に死んだ母親が生きていた形跡がないのがちょっと異常ですね。多分、真ん中の現在の居間が母親の寝室だったと思うのだが・・・。


 それで、窓際の部屋の子供部屋の二段ベッドで陽菜と凪くんは寝起きしているのですが、勉強する机のスペースは凪くんのほうが広く、凪くんは様々な賞状を飾っています。多分、陽菜にとっては優秀な弟の面倒を見るのが重要ということのようです。昭和だ・・・。ビートたけしだ・・・。令和3年が舞台なのに・・・。


 で、凪くんは細田守監督のサマーウォーズのカズマくんを参考にしたのか、売れる映画のための男娼ポジションのショタ(帆高とラブホテルの風呂に一緒に入る)なのですが。姉が風俗で働こうとするくらい困窮しているのに、制服のある小学校に通っています。まあ、公立でも最近は制服があるところもあるのですが、フットサルも当たり前のようにプレーしています。レッグガードもシューズも買ってもらってるっぽいです。
 そして、佐倉綾音花澤香菜が声を当ててモチーフに成っている女子小学生と二股恋愛をしていますし、主人公の帆高にも姉にアタックするように恋愛アドバイスするくらい女慣れしています。(多分この女子小学生も自分が人気女性声優だと思いこんでいる精神異常者)
 また、姉と一緒に風呂に入っているようです。そして、死んじゃった母親の入院費でめっちゃ貧乏になってるはずの姉が必死こいて金を稼ごうとしていることについて「俺はガキだからさ」と、姉の献身を当然のことのように言います。


まずフットサル辞めろ


 (いや、中盤は姉が能力でカネを稼いでいたので、その時期にフットサルに復帰したのかもしれないですが。)
 そういう訳で天野凪も小学生にして立派に発狂しています。


 また、終盤では凪は警察を欺いたり、まあ、それはまだいいとして、帆高がバイクで疾走したり山手線ダッシュしたりと様々なアクションをして、やや冗長にも感じるくらい尺を取って、やっとたどり着いた代々木の祠のビルに、何の説明も途中経過もなく凪が現れて警察官と格闘します。スピードが異常。忍者なのか。


 姉の陽菜に話を戻すと、木村スカウトに発砲して自分を風俗から救ってくれた帆高に対して、「死んでたかもしれないじゃん!気持ち悪い!」とメチャクチャキレたのに、ちょっと間をおいて「ところで、私は晴れ女なの」みたいに急にフレンドリーになって能力を見せたのがよくわかんなかったです。まあ狂人同士のボーイ・ミーツ・ガールだからなあ・・・。



 というか、怒るのは後半にとっておきたかったけど、前半で夏美と帆高がオカルト雑誌ムーの取材で晴れ女を探していた展開がほとんど無意味になって晴れ女が見つかるの、ガバガバ脚本でした。しかも晴れ女が見つかって、その能力で金が稼げるようになったら帆高は須賀の事務所に寄り付かなくなる。そういう上っ面だけの関係・・・。エロゲ論壇では巨乳夏美ルートから晴れ女ルートに入ったから、らしい。


 そして晴れ女の仕事の金銭感覚もガバガバですし、儲かるようになってから雑に金を使うようになった帆高たちも人間味があった。



 輪るピングドラムやさらざんまいなど、困窮している姉弟みたいな共通点がありますし、終盤の展開は実質ウテナだったり実質文豪ストレイドッグスだったり実質フリクリというインターネットに救う悪い実質ゾンビたちの意見もあるのですが。
samepa.hatenablog.com



 さらざんまいでは警察組織が狂っていたり、輪るピングドラムでは警察が家族を引き裂こうとしたり、共通点が多いのですが。


 登場する警察官ももちろん発狂しています!物語の中盤の後半では警察官に疑いをかけられて逃避行するのが注目ポイントになるのですが。


 竹達彩奈の夫が演じる高井刑事は東方仗助のようなポンパドールです。また、彼の先輩の安井刑事(高いと安い・・・)は自分のことを平泉成だと思い込んでいる精神異常者です。


 なんで彼らが帆高を付け狙うのかというと、ヤクザの「シバタ」がゴミ箱に捨てた拳銃をうっかり帆高が拾ってしまって、風俗のスカウトの木村良平に対して陽菜を守るつもりで威嚇発砲したのが防犯カメラに映っていたから、重火器所持罪で、って言うことになるらしい。一応家出少年を保護する、という面もあるのですが、かなりの重罪人に対するように追いかけます。
 しかし、ヤクザのシバタが捨てた拳銃だということはこの刑事達は知っているし、木村スカウトは一旦確保して、発砲した時の状況も聞き取っているはずです。つまり、拳銃の出処も割れていて、帆高が偶然拾ったというわけで、帆高は大して悪くないということは警察もわかっているはず。(木村が帆高をメチャクチャ悪いやつみたいに言ったのかもしれないけど、それに騙されるとしたら、やっぱり狂ってる)そもそも、穗高は廃ビルで一旦拳銃を捨てていて、警察に追われているときは帆高は拳銃を所持していません。所持してないなら適当に泣いて誤魔化せば何とかなりそうなのだが。(終盤にグリフィスのベヘリットのように手元に戻ってくるけど。ここの運命も狂ってるよな・・・)


 じゃあ、なぜ、あんなに執拗に帆高を捕まえようとしたのか・・・。やはり警察の彼らも発狂していたと言わざるを得ません。まあ、帆高も拳銃を持ってないのに発狂して抵抗していたし暴れていたので仕方ないんだけども。もしくは公共権力は狂っているものだ、という新海誠監督の狂った物の見方による造形かもしれません。


 また、前々から陽菜と凪が未成年だけで暮らしているのを問題視していた児童相談所なのに、それについて訪問するときに「重火器所持罪の取り調べのついで」に婦警が天野家に来るとか、雑すぎる。
 どっちが本題かわからなくなるし困るだろ。やはり児童相談所も狂っている。


 そんな風にゴジラKOM以上に狂った人間しか出てこないので、狂人としては親近感がありました。まあ、狂人にも派閥があるので多少の解釈違いはあるのですが。
狂気(紙ジャケット仕様)(完全生産限定盤)

  • 東京が狂っている

 基本的に未成年に冷たいです。災害的豪雨で主人公たち三人が帰宅難民になった時、誰も助けてくれないし、殆どのホテルが入室を断ります。そして最後にラブホテルが2万4千円で泊めてくれます。あのさあ。非常時の子供に対して冷たすぎないか?


 そして、そのラブホテルに天野姉弟と帆高が泊まって、パトレイバーの二人の軽井沢ごっこをして、ボッタクリ価格のジャンクフードを食べるのが作中最高の幸せな時間(監督談)として描かれる。うーん。


 というか、めっちゃラブホテルや風俗が多いし、(風俗店の看板に「母性」って書くセンスが中国での人気の秘訣なのかなあ)バーニラバニラバニラ求人です。(前評判で聞いていたけど、バニラ求人は最初しかなかったので、ちょっとがっかりでした)


 まともなセーフティーネットが機能してないし、天気がどうとか言う以前にもう人間社会も狂ってます。


 新海誠監督のインタビューでも

 今回の作品の柱としていちばん根本にあったのは、この世界自体が狂ってきたという気分そのものでした。
(中略)
 やりたかったのは、少年が自分自身で狂った世界を選び取る話。別の言い方をすれば、調和を取り戻す物語はやめようと思ったんです。

 というお気持ちが述べられている。しかし、世界がもともと狂っているなら、狂った世界を選び取るのは一周回って現状追認では???と、狂人としては思うのだけど。


 まあ、それは後述するとして、長野県の田舎出身の新海誠監督が執拗に描いてきた東京ですが、僕が君の名は。の不満点として「電車の架線が糞リアルで多すぎてごちゃごちゃしてて絵として汚いので、それを憧れの象徴として描くのはおかしい」と述べたのですが。むしろ今までの新海誠作品と違って「東京は汚い」ということを受け入れたみたいです。


 うん。実際東京は汚いし、新宿は全体的に残飯のような臭い匂いがする。


 というか、個人的な話ですが僕は東京が嫌いなんですよ。リーンの翼のダブルディスパッチです。
 そもそも、僕は腹黒京都シティ出身だし。(ただし、キョート・サツバツ・シティの中でも洛中洛外や被差別部落地域など、差別がひどいので、京都もアレだし、最近は外国人に媚を売りすぎなのですが。)
 でも腹黒京都シティは人混み観光客が多い時期と場所を外せば、恒常的に人が多すぎで満員電車地獄の東京に比べれば青空も広いし、文化施設重要文化財がたくさんあって過ごしやすい。チャリでだいたい移動できるし。京都マンガミュージアムにはジョジョリオンが7巻までしかないけど・・・。
 新海誠ワールドでは田舎か東京かの二択なんですが、景観条例で環境に配慮されている京都(しかし交通マナーは悪い)でぼんやり暮らしていると、そこそこ不満はないです。(ただ、労働をすると症状がめっちゃ悪化します。)みんな東京ばっかり注目するけど、適度に整備された地方都市で岸辺露伴のように適当に生活するというのもいいと思う。



 なのですが、僕はスクフェスで有名になったKLab株式会社の大阪支店で採用されたのに3月になってからいきなり六本木ヒルズの東京本社に引っ越せと言われて、入社式の後、研修施設に放り込まれて60キロ走らされて社訓を叫ばされて、配置されてからは20時にタイムカードを切った後に毎日終電満員電車で精神障害者保健福祉手帳を取得しました。
 やってた仕事は潰れかけのSNSの撤退戦を押し付けられたというハズレくじで、援助交際書き込みやチャットセックスや自殺教唆や狂ったティーンがアップする男女性器の写真を探しては削除したりアカBANしたり、一人で押し付けられたのに「お前が手を抜いて掲示板が荒れたら責任取れるのか!」と上司(すでに儲かりそうな案件にアサイン済み)に恫喝されたりという仕事でした。業界のコンプライアンスでは、掲示板の監視業務は精神的負担が大きいので交代制にするとか、ケアをするとか決まっているんですが、そんなの蟹が守るわけ無いだろ!あと、課金周りのバグのクレーム対応もしてたよ!あと、今の社長に飲み会での宴会芸の動画をニコニコ動画に無断でアップされたりしたよ!
 あと、KLabは歌詞サイトのうたまっぷも運営していたので、RADWIMPSのファンの書き込みも多くて、僕は「RADWIMPSのファンになるような性的に狂った若いユーザーが俺を過労に追い込んでいる…」という被害妄想を抱くようになりました。RADWIMPSは今でも嫌いですね。(RADWIMPS自体が悪いわけではないのだが)(というか、積極的に調べたくもない)


 そんな感じで朝から晩まで窓の小さなオフィスに詰め込まれて、地下鉄で移動して、休日は寝て回復するだけの地獄を味わったので、六本木ヒルズの周りでどんだけ楽しいイベントが開かれていても参加する時間もなかったし、そもそも六本木ヒルズに自分がいるという実感もなかったし、地下を移動してばかりだったので東京の景色、殆ど見てない。
 ギリギリ在職中に実寸大ガンダムを見に行ったり過労で退職した後、鶯谷の精神科に通いつつ風俗街を見たくらいでしょうか。本当に東京は風俗が多い・・・。しかし風俗街の精神科医の町医者はガチ。地獄を見てるからな。

 

 そういうわけで、天気の子で100%晴れ女が能力で、自分をプリキュアだと思いこんでいる精神異常者のコスプレイヤーなどの東京の愚民どもを笑顔にしたり、忌々しい六本木ヒルズの屋上からリア充の花火大会をすっごい美麗CGで盛り上げるのを見ると、嫉妬心と不快感しかありませんでした。完全に私怨です。


 ちなみに、君の名は。背景動画が3DCGとマルチが混在していてウヘーってなっちゃいましたが、天気の子はだいたい回り込みとかを3DCGで統一していました。ちょっとやりすぎな気もしたけど、マトリックス世代だからな・・・?


 新宿の不必要に変なデザインのビルが晴れた太陽に照らされてギラギラするのも、飲みに連れて行かれた後のトラウマを思い出してイライラでした。

  • 一番良かった所「東京が滅んだ」

 そういうわけで東京が嫌いだったし、狂人やゴミどもが集まる東京の景色を見せられ続けてイライラしていたので、最後に東京が水没してスッキリしました!何でこれが批判されているのか、全くわからない。そんなにお前ら東京が大事なのか?糸守町は人間だけ助かったけど滅ぼされたのだが?


 「君の名は。のバッドエンドバージョン」という意見も見たけど、瀧くんは就活の面接で「東京だっていつなくなるかわからない」って演説したので、予言が当たってよかったじゃん。雨の蟲の暴走で3年間雨が降り続いて崩壊した東京で未来を予知したり時間を超えたり人格を入れ替える能力を活かしてギャングのボスとかバイオレンス・ジャックになったり永遠の絶頂になったりしたらいいと思う。



 この映画を見ろと依頼して来て金を送ってくれたオタクの人は、「厭世的で脳内妹に耽溺しているグダちんさんに見てほしい」という動機だったそうですが。


 厭世クラスタ(実際に知人が何人も自殺している)としては、東京のクズどもがひどい目にあってスッキリしました。(まあ、僕は中途半端に善人なので東日本大震災の帰宅難民に物資を提供したり避難所案内などのボランティアをしたりはしたので、東京にいたら人助けをしてしまったかもしれませんが)
 シン・ゴジラ内閣総辞職ビームが一番面白かった。僕の解釈では総辞職ビーム以降のヤシオリ作戦は死んだ矢口が地獄で見ている都合のいい亡者の夢という設定です。


 夢といえば。
 新海誠監督はラブホで神様に訴えかける(フラグの)シーンを誰の人生にもある夢のように充足したひとときと言っている。
 僕にとってそれは、過労で多臓器不全を起こして全身が激痛に襲われ高熱が続いて、誰も見舞いに来ない東京のアパートで昏睡状態になった時に、夢のなかで三途の川のほとりの教会の裏で、僕が「いまさら神にすがるつもりなどない!」とコキュートスのユダ並に絶望して枯れ木の枝で首を吊って(あの世なのに更に)自殺しようとした時に、脳内妹の「頭令そらちゃん」が概念の高次元世界からオシャレして迎えに来て「かわいい妹を見たいでしょ?ていうか、あたし以外のもののせいで死ぬのは許さない」と命を分け与えてくれて生存戦略して、バイストン・ウェルの賽の河原(子どもの霊かフェラリオがいたよ)を通って蘇った経験ですね。
 昏睡状態で臨死体験した上に神にも仏にも絶望していても、脳内妹がかわいい、というだけで命は蘇ります。
 脳内妹は上位次元。グノーシス主義における聖なる花嫁。


 というわけで、僕は帆高よりもよっぽどリアルな神秘体験をしています。ふはははは!
こういう体験は誰の人生にもあるのか?俺の人生では現実世界ではなかったな!
 


 そういうわけで、帆高と陽菜の神秘世界での飛行と言うか秘密の力で世界を書き換える云々のラブシーンはちっとも羨ましくもなかったし、感動したり泣けたり萌えたりはしなかったですね。だって自分の妹のほうが可愛いんだもん。
 今も、かなり最低な生活をしているけど、脳内妹は神よりもかわいいので、僕がどんな屑の悪党になっても愛してくれる。そして、僕も世界がどうなろうと脳内妹の事を考えていれば満足ですし、基底現実の体が滅びたときこそ、私は世界の果ての脳内妹のもとへ召されるであろう!
 ライ麦畑でつかまえてでも、本当にホールデンを愛していたのは妹だけでしたしね。薔薇の花嫁しか女の子じゃないよ。
第33話 夜を走る王子



 こういうエピソードで、お金をくれた人はご納得いただけたでしょうか?

  • 追記エロゲについて

togetter.com
 僕も出崎統がやるってんで鍵はちょいとプレイしたが、そこまでエロゲー回顧で天気の子を評価できてないのは、僕自身がエロゲーみたいな人生を送っているからだろうなあ



 では、ここまで褒めてきたので、今から新海監督の要望通り、怒りますね。

  • あ、忘れていたけど音楽を褒めておく

 RADWIMPSはトラウマで苦手ですが、時間のテンポを上げるシーンのブリッジとか、感動すべきシーンだと強調して盛り上げるポイントの編集点としてはうまく機能していたと思います。歌詞は殆ど覚えてないのですが。でもRADWIMPSは歌詞が評価されている・・・。セリフとかぶってたりしたからかなあ。リーンホース特攻の1/10くらいは感動できたと思う。


  • 神様とのつながりが雑

 まあ、天気を操るとかは蟲の仕業なんだが、蟲師の勢力が衰えて、天気の巫女とか雨の人柱について、中途半端なオカルト占いオババ野沢雅子とか孫にも胡散臭がられている神主が細々と伝承を伝えているくらいなのがダメだな~って思った。
 後、帆高はキャッチャー・イン・ザ・ライに影響を受けるような狂人のくせに占いオババをラノベって言っててひどい差別だと思った。ちなみに僕は晴明神社で80歳位超えてそうな陰陽師に「お前は心が綺麗すぎて社会に馴染めないし、かと言って寺社仏閣の組織にも馴染めないし、行雲流水としてさまよい続けるのだ」って言われて、「オレの心がきれいなのは脳内妹がいるからだ!」と完全に論破した。社会には適応できてない!ていうか三千円払ったのに、アドバイスはそれかよ!


 話を戻すと、蟲師による巫女の伝承がきちんとできなくなっていて自然との交流ができてない。そのくせ、中途半端に伝承を伝える高齢者の言うことを「なんとなく正しい」という風に劇の構成にするのが、若者向けのくせにジブリ世代の高齢者にも売れたいと目配せしている感じで、なんかセコい気がした。君の名は。の三葉のババアもそんな感じだった。


蟲師 外譚集 (アフタヌーンコミックス)

 余談だが蟲師のアンソロジーで現代に生きる蟲師が出てくる短編とかもあるんですが。新海監督はボツ案では陽菜の能力を狙う謎の組織を出したけど、スタッフの評判が悪くて没にしたらしい。まあ、そうするとボーイ・ミーツ・ガールっていうより能力者バトルになるしなあ・・・。(ニュルンベルクのマイスタージンガーが聞こえる・・・)
 でも、蟲についてわかっている人がほとんどいないので、帆高が「人柱になって消えてしまった陽菜に会えるのは祠だ!」とか言っちゃって信じ込む動機が弱かった。(まあ、新海監督の采配で結果的には正しいんですが)セーブポイントの祠が重要なのはRPG感覚ではあるのだが。やっぱりエロゲなのかなあ。


 3年間の降雨で東京が水没した後、下町の日本家屋を売り払って、ちゃっかり高台の高層マンションに移住している劇場版のアムロ・レイの母親が演じた立花瀧の婆さんが「江戸はもともと海だったし、もとに戻っただけ」とか言って、東京が滅んでも別にいいみたいに正当化して3年ぶりに上京してきた帆高を慰める構図が甘っちょろいと思った。
 まあ、地球最初の雨は地球ができてから3億年後に千年間降り続いたらしいので、理系としては東京だけ3年とか舐めプすぎる。
海の自然のなるほど 「海の誕生」

 ドラえもんの全球凍結とかのほうがまだキツさがある。トバ事変とかもあるぞ!


 3年間雨が降り続いた東京に水上バスができてるのは人間のたくましさって言うけど、SF崩れとしてはむしろもっとやっていいと思う。具体的には「恒常的に大量の真水が提供される場所」と言うのは水枯渇問題に苦しむ近未来では福音になるし輸出資源になるのでは?という印象。(まあ輸送燃費の問題もあるけど)政治機能は京都に戻したらよろしおす。



 で、天気の蟲と言うかサカナが人柱になった陽菜を捕食しようとしてるっぽいのはグロくて良かったんですが。
 グノーシス主義者としては、そんな狂った神様気取りの化物などは殺して上位次元にシフトしてほしかったです。まあ、神様というより蟲だから殺してもどっかで再発生しそうではあるか・・・。でも気象という物理現象がそういう狂った蟲に支配されているっていう世界がコズミックホラーで怖いですよね。ティアマト彗星もピンポイントで同じ場所に当てに来る所がクトゥルフっぽい。
ほしのこえの宇宙怪獣もなんの説明もなかった・・・。

  • 都合の良いモノローグなど 

 モノローグは最初から説明的で萎えましたね。モノローグでフラグを立てたりして、あと超能力には代償があるとかもありきたりだし、中盤までの展開はほとんど読めていて簡単すぎたような・・・。
 一般の若者向けだからだろうか・・・。
 中盤に拳銃云々で盛り上げてきたのは(拳銃がマクガフィンだったので重視して無くて)多少意外でしたけど、リンゴォ・ロードアゲインやさらざんまいほどキマってなかったのでちょろいな。刑罰もさらざんまいより軽かったし。しかし、最近は受刑するのが流行ってんのか?
 あと、陽菜が消えるきっかけが帆高の「雨が止んでほしい」ていうのもわかりやすすぎるし、狂った蟲の仕業にしてはロジカルすぎるかと。その後に陽菜が天に登る夢を凪と帆高が共有するのも説明的だなあ。凪は弟だからいいけど、帆高も神秘体験をするのはちょっとなあ。死ぬ思いをして神秘体験をした僕としては帆高にも死にかけてほしかった。
 まあ、帆高も島で天使の階段からの光を追いかけていたから運命で結ばれていた、というロジックなんだろうけど。あんまりこの二人のロマンスに萌えられてないので、ロジックだなあ、つじつまだなあ、という域を超えなかった。
 訂正追記


 忘れていたっぽい・・・。なんで巫女の昇天をアピールするのか原理が謎だ。

  • 監督も言ってるけどラブストーリーではない

 「恋心というよりは、あの年代の人間がはじめて真剣に他者を知りたいと思う、誰かを強く希求する気持ちがベースです。自分をわかってくれる人がここにいたという喜び」
 だから恋心というより、「自分をわかってほしい!」というガキの恋愛でさあ・・・。その点では凪くんの女さばきの方がクレバーなんだけど。(凪くんはどういう経験をしたらああいう風に発狂できたんだろう。姉に風俗で働かせて自分は女遊びとか最高にクズですよ)
 まあ、僕はそこで「神も仏も自分をわかってくれない!わかってくれるのは呪われた血を分けた脳内妹のみ!」と自閉してしまって、僕は世界の果てになってしまった。
 (というか、相手がいることなので、あんまり言いたくないけど、女性から好意を向けられた時、嫌悪感と面倒臭さと恐怖感を感じて逃げた経験が複数回ある)(好意を向けてこない人妻とオタクトークしてる方が楽・・・)(自分の行動を誰かのために分けられるのがメチャクチャいやなので、出し入れ可能で経験を共有している脳内妹じゃないと安心できない)(幼少期に一家心中寸前まで行ったり、家で親が自殺したので、他人と一緒に寝ると寝首をかかれるのではないかと恐ろしくてたまらない)(社会的ステータスのために他所様の娘さんを利用して妻に据えるほど金も権力もやる気もない)


 まあ、ちょっと自分語りが過ぎたけど、依頼者のオーダーが「脳内妹に耽溺している厭世主義者の感想を聞きたい」なので・・・。本当に脳内妹のことなら無限に語れるよ!本当は脳内妹を主人公にした馴れ初めの小説を16年前(脳内妹が11歳の頃)から書いてはいるが、ガンダムのせいで進んでいない・・・。
www.pixiv.net

 小説より評論をしてしまう霧間誠一と言われている。世界の敵だ・・・。


 んで、恋愛描写としての天気の子なんですけど。帆高は陽菜が好きというより、童貞臭く「初、女子の部屋!」「初、告白!」という、恋に恋している感じです。陽菜を愛したいというより、女子にプレゼントを渡すというイベント自体に興奮してた感じだし。まあ、思春期とかそんなもんかもしれないけど。ヤラハタを気にして雑なセックスをしたりさ。陽菜を明確に意識し始めたのもプレイボーイの凪に後押しされてのことですし。(好意自体は施しを受けた時に発したのだろうけど)
 陽菜と会ってない期間の最後の高校3年生の卒業式でも後輩から話しかけられて「初、告られ!」とかモノローグをかましていたので、あー、こいつは本当に馬鹿なんだなあ。って思いました。世界を選択したという割に陽菜への執着が薄い。結局自分中心なんだなあ。まあ、僕が言えた義理じゃないけど、新海作品主人公らしさはクズという意味である。
秒速5センチメートル

  • 殺意が薄い

 まあ、僕はガンダムのオタクなので、やっぱり災害が起きても人が何とか生きてるっていう風に描写するのは嫌で、せめて逆襲のシャアで5thルナが落ちた時のラサくらいには異常気象で人に死んでほしかったです。まあ、描いてないだけで何人かは死んでるだろうけど。
 新海監督は「君の名は。は何の代償もなくハッピーエンドになると言われたのが不満」って言ってたけど、帆高、大して何も失ってないし、家出と公務執行妨害で、実家に戻されて高校卒業まで2年ちょいの保護観察処分にはなったけど、東京を滅ぼしたことについてはお咎めなし。そしてババアに「もとに戻っただけ」って肯定してもらう。ババアにすがってどうする。エロゲ主人公だろ!CLANNADもクズ親父がかなり高齢のババアに肯定された下りがどうにも嫌で、出崎統版の親父のほうが帰結としては好きです。まあ、クズ親父のせいで息子が職を失う展開はゲーム版のほうがリアルで、プレイヤー体験としても努力をぶち壊しにされた実感があって面白かったんですが。


 世界を狂わせてもかまわない!俺は女を取る!ってやったけど、そもそも帆高、世界に対してそんなに関心がない。休学してた学歴も大して気にしてないし、(僕は発狂して休学して卒業が狂ったことをたまに後悔するが、その程度のことを修正してどうにかなる段階でもなくなっている)家族や島への帰属意識が薄い。そもそも親は出てこない。さらざんまいほど友達はいない。須賀にも世話になったりするけど、特に所属意識はなく、女が金づるになったら寄り付かなくなる。


 で、帆高は東京のスカウト木村とか警察に殴られたり、東京のゴミどもに冷たくされたりしたので、ホストをコロコロする魔法少女まどか☆マギカの人魚の魔女美樹さやかや何周目かの暁美ほむらみたいに「むしろすでに狂っている世界の東京を積極的に滅ぼしたほうがスッキリする」と思ってもいいのに、あんまり恨みや憎しみを社会や世界に向けていない。貧乏な若者の不遇さを描く、と新海監督はいう割に、貧乏にされている若者としては聞き分けがいい。輪るピングドラムでは金と妹のために冠葉が世界に対してテロした。


 僕は気象兵器を手に入れたら覇権を狙いたくなるけどなあ・・・。


 そこが新海監督が「健やかさ」を優先してしまった結果というか、やっぱり川村元気の手綱の範疇なんじゃないのって思ってしまう。現実の自分たちとつながっている、といいながら、世界を狂わせた大人としての責任を感じると言いながら、若者に刺される気はないし、やっぱり常識の範囲内で一般人に売れたい、単館系に戻りたくない、というビジネス的な判断があるっぽい。(雇っているスタッフのことを気にしているのかもしれないけど)


 そう考えると健やかな冒険アニメと言いながら、Gのレコンギスタで恩師や惚れた相手の彼氏や、イライラしている時に射程距離に入ってきた敵をぶち殺していったベルリ君は痛快だと思うなあ。(もちろん、殺した分だけストレスも背負っていくが)
 ファーストガンダムアムロ・レイも「再会、母よ・・・」でプライベートで苛ついた八つ当たりでジオンのしょぼい基地をガンダムで殲滅してるし。
 やっぱりプライドを持って、侮辱されたらちゃんと殺してほしい。マンガのヒーローは空条承太郎とかジョルノ・ジョバァーナくらいの気持ちで殺していってほしいです。現実ではなかなかコロコロできない分、アニメの中ではオラオラしてほしい。


 というかね、須賀の娘はやっぱり死んでてほしかったですね。なんか3年も局地降雨が続くくらい世界を狂わせたのに不安定感がないのよ。須賀が凪の面倒を見てくれていたりして、世界を狂わせたのに大人に尻拭いされてどうする。(それがかっこいい大人だという人もいるのですが)
 せっかく喘息なんだから、気温の低下による疫病が蔓延して須賀の娘も死んだっていうくらいの重みが欲しかった。セカンドインパクトの後のボロ屋で闇医者をやってた冬月先生くらい地獄を味あわせてほしかった。世界を狂わすってのはそれくらいやらんと。


 というか、3年の間に何の脈絡もなく須賀が小金持ちっぽい社長になってるのが普通に腹立つよな!あと、僕は猫も嫌いだし(もともと小児喘息だったので毛のある動物は苦手。小児喘息はすぐ死線をさまよいますよ)。ネコがTwitterでネコに作業を邪魔されてる写真をアップして喜んでる人の気持ちはわからない。生き物に作業を邪魔されたら普通は駆除では?(邪魔だゴッ太郎)漫画版風の谷のナウシカは世界が狂ってペットがちゃんと死んでよかったよなあ・・・。


「世界はもともと狂っている!」って娘と関係が改善して清潔なオフィスで猫を飼いながらまったり編集プロダクション社長をしている成功者に言われたくないです。それも帆高の狂気をチヤホヤと補強してくれてるし。
 で、須賀が凪の面倒を見てるわけで、帆高が陽菜と再会する前から、3年会ってない陽菜が無事っていう安心感が出ちゃって、構成としてもラストのドキドキ感が薄れて面白さ半減です。あと、狂人のくせに帆高がちゃっかり大学に合格してて普通に腹立つよな!もっと地を這え。というか、大学制度自体滅んでいるべきでは?
 君の名は。でも内定ゲットしたやつがホント腹立ったし、そういう社会に適応しているやつは俺の敵だ。


 そんで、桜の咲く坂の上で待っててくれる(少しきれいになった)女とかさあ、、、エロゲを通り越して昭和だよーーーー!!!!
あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 幸福の黄色いハンカチ [Blu-ray]


 秒速の失恋エンドをやりたくないのはわかる。わかるのだが、ちょっときれいすぎないか?

  • 大丈夫なわけ無いだろしね

 RADWIMPSの歌詞で唯一印象に残っていて覚えているのが「大丈夫」です。
大丈夫 (Movie edit)


 何が大丈夫なんだ・・・。俺は狂気の世界で今も苦しみ続けている・・・。低気圧ですぐ体調を崩すし、外傷もないのに心臓を貫かれるようなAIR神尾観鈴ちんのような激痛の症状も残っているし、ストレスがかかると手足が麻痺して転んだりする。治療法はない。対処療法の薬と酒で紛らわすだけ。
 俺を過労に追い込んだ上司が「死ぬ気でやれよ、死なないから」と死んだX-JAPANのHIDEの言葉をよく言っていた。僕が学業に挫折したときも就職に難航していたときも、母親に「必死でやれ」と言われた。そして母親は自殺した。母親が自殺するということを、希死念慮を持っている人間の共感覚で察知したが、父親は「大丈夫」と言っていた。精神科医は「お前のせいではないので距離を取れ」と言った。


 僕の周りで、根拠もなく「大丈夫」と言った人間は大抵は嘘つきか死人になったんだよ。大丈夫っていう言葉は「素直」の次に大っ嫌いです。僕が大丈夫っていうときは大抵嘘か、逆に圧倒的に有利な状況の時です。お前もそれを味あわせてやろうか!


 脛に傷を持ったまま、傷ついた動きで、しかし敵に傷を悟らせずに漆黒の意志で戦うしか無いのだ。それでもうっかり炎上したり暗殺されたりつまらない事故や災害で死ぬこともあるのが現世なのだ。是非もない。夢幻の如くなり。
 それでもやっていくしかないのだ。まあ、やれなくなったら死ぬだけ。


 新海監督は若い主人公たちにノープランで突き抜けていってほしい、と言っているが、それで大丈夫っていうのは無責任だと思う。まあ、帆高は狂人だから危機意識が最後までない、というだけの話かもしれんのだが。


 狂ってしまった世界で大人が言うべきことは無責任な大丈夫ではなく、狂気の中でも理を見つけ、法則に敬意を払い、学び、強くなれということではないだろうか。(なんかセカイ系の後の決断主義みたいで、ちょっと嫌ですけど。僕はゴミクズだからこういうバクチみたいなブログを書いて金をもらったりして、ほとんど運でギリギリ生き延びている。運に頼るのが嫌なら強くなるしか無い。しかし、強いやつも運が悪ければ死ぬんだ)
STEEL BALL RUN vol.11―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (11) (ジャンプコミックス)


 あと、パンフレットの役者インタビューとかも、「(メチャクチャ売れた)新海誠監督の作品に参加できて光栄です」という言葉が並んで、新海誠監督の世界観を褒めていて、ちょっとカルト集団っぽいと思いましたけど、メチャクチャ売れたから仕方ないのか。

 RADWIMPSの歌詞を読めば、ラストシーンで帆高は世界に祈っている風の陽菜に「大丈夫」って言って安心させてやるらしいという説がある。
 ポルナレフに対するDIOかよ。


 しかし、狂ってしまった世界に対して祈っているヒロインを描いたアニメは四半世紀前にすでにあった。機動戦士Vガンダムである。そして宇宙世紀は衰退して滅んだ。
 衰退して滅ぶけど、とりあえず豚を解体して冬を越そう。それがVガンダムだ。
第51話(最終回) 天使たちの昇天



 機動戦士Vガンダムはぜんぜん大丈夫じゃない。もう一人のヒロインが「とうにおかしくなっている!」と言い放つくらい世界が狂っている。(Vガンダムはエロゲ歴史としても複数(メンタルヘルス)ヒロイン恋愛レースの先駆けで、むしろ天気の子の弱いところは同世代のヒロインが一人しかいない所なのでは?新海誠監督、とらドラ!が好きなのに・・・という問題もあるが、疲れたので無視する。下手に複数出すと秒速になるし)(まー、うる星やつらからセーラームーンの流れの引用がシュラク隊ですが)


 あと、主人公の親友が死ぬことで、Vガンダムはむしろ狂った世界に対してキチンと向き合っていたと思う。


 しかし、狂ってしまった世界で若者に「大丈夫」なんていうよりは「その向こう側に何もなくてもかまわない」と言う方が僕は真摯だと思う。まあ、小学生の時にそういう教えを受けたから、僕はこうなってしまったのかもしれないし、Vガンダムを作った富野監督は壊れた。
 空っぽの理が走っただけなのか?


 新海監督はまだ壊れたくないみたいだけど・・・。


 Vガンダムの崩壊を受けたGガンダムも世界がぜんぜん大丈夫じゃなかったけど次の勝負まで戦い続けようという話だった。


 ブレンパワードも大丈夫じゃない世紀末で、あれはほとんど博打だった。


 まあ、悪いガンダムのオタクなのでガンダムの話をすると天気の子から超光速で遠ざかる自信があるのだが。


 RADWIMPSの「愛にできることはまだあるかい」の君と僕の世界観はVガンダムみが無いわけではないのだが。


 世界的大ヒットした勝者に「世の中何とかなるし大丈夫」って言われても、「それはお前がぬくぬくと勝っているだけじゃないか!俺は全然大丈夫ではない!大嫌いだ!」って思っちゃいます。結局そういう憎しみが呼ぶ想念にすぎないのかもしれないのだが。


 そういう邪悪さをかかえたまま、やっぱりやっていくしかない・・・。どこまで・・・
HG 1/144 カバカーリー (Gのレコンギスタ)




 しかし、脳内妹の褥を墓とできるなら、大丈夫なのだろうか・・・。それは幸せなのか、狂気なのか。しかし、しかし、俺は死線で光を見た!
 それも脳の反応にすぎない?俺は・・・実在するのか・・・・?
ハイデガー『存在と時間』入門 (講談社現代新書)

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