玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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伝説巨神イデオン13

13 異星人を撃て 脚本富田祐弘 絵コンテ斧谷稔 演出関田修 作画監督谷口守泰 作画監修・湖川友謙

総評。
今回もゲラゲラと大いに笑わせて貰いました。イデオン面白すぎる。
この間、囚人さんのブログで
http://zmock022.blog19.fc2.com/blog-entry-1095.html
「囚人さんはゼロ年代には突っ込んで、自分の育った70年代は大目に見て、恣意的な自己矛盾がある」的な意見のやり取りがあったわけですが。
そりゃー、あんた。
面白いものの方がテンションがあがるっちゅーねん。
面白いものや好きのものはひいきしたいもーん。いや、それは僕の態度であって、囚人さんが子どもに対して正しいアニメ史と言うモノを伝えるかどうかは知ったことではないのだが。
しかし、若者としては正しいものを伝える大人は情報源としては重宝だが、情報を楽しんでいる大人がいると、自殺を先延ばしにして長生きしたくなる気分が発生しない事も無い。
そーいう気分はあるね。
あきまんさんとか氷川竜介さんとかブロガーの皆様方とかね。やっぱし、15歳のときの俺よりも今の俺の方がものの考え方は深くなったと思うし。まあ、アニメに対してだけど。成績は学年トップから大学最下位へ。
話が逸れたが。


いえね、最近ほら、アニメーションの改変期じゃあないですか。
そんでまー、面白いものがあるかもしれないし、テレビはただだし、1話は見ようと思ってみるじゃないですか。
んで、今川泰宏とか佐藤竜雄とか、大いに楽しませてくれた監督の新作とかを見るじゃないですか。
そしたら、若い子向けじゃないですか。
そんで、ラノベ原作じゃないですか。
乗れないじゃないですか。
具体的には設定も台詞も行動も作りすぎで、プロットを見せられているようで芝居になってない!
俺はもと劇団員だぞ!(学業をおろそかにしすぎた上に鬱になって辞めた上に学業をおろそかにしているが)
なにしろ、劇団と合気道に入った理由が、「物語を作る上で、体を使った体験は絶対に生きるはずだ!」だからなあ。富野ファンになる前だぜ?(ガンダムは見ていたが、ファンはキンゲから)
俺は天然富野思想だなあ。
そして、物語も作れず引きこもったわけだが!
オレの事はどうでもいい!
だまれ!俺!
そんで、まあ、あれだ。若い子向けの新作も見るわけですよ。眉間にしわを寄せて。
うーん。おもしろくはないが・・・・これから化けるかも知れんし・・・・などと言いながら。
フルメタルパニック!の地上波初登場は、たしかにそれなりに面白いし、丁寧だし、ヒロインの顔の造作がおれの脳内妹に60%ほど似ていなくも無いし
(関智一を目立たせるために千鳥かなめはまだ、普通の女子として振舞っているので、ウチの妹の方が全く常識を欠いたオレの妹らしいバカなのだが)
あきまん氏もフルメタル・パニック!が好きだといっていたので面白いかも知れんし・・・。
などと、考えたり評価したりしちゃうわけですわ。
そんで、「物語の要素としては出尽くしてしまっているので、一般化したメカもの、美少女者、学園物、戦争もの、オカルト物、恋愛物、ファンタジー物、のお約束の展開や設定を比率を変えて、それのマニア、あるいはそれを知らないで珍しがる新規のオタクに提示するしか、物語を作る方法は途絶えてしまったのか・・・?」うんぬん
と考えて、
脳内妹

「ああああああああああああああああああああああああああああっ!もう!
アニメごときでグダグダグダグダ!
あのねー。
お兄ちゃんが「今のアニメは高校生かアニメオタクのものかも知れんんんん」とかえらそぶって考えてもねー。バカじゃないの?そりゃー、高校生が出てるよーなアニメは高校生が見りゃあいいじゃん。それでお兄ちゃんが楽しめなくってもどうでも良いって言うかー
っていうか、お兄ちゃんはもう25歳よ?アニメ以外のものを見つけていてもいい年頃です!
たとえば、とてもかわいい婚約者のあたしとか!」

おまえねえ、オレの娯楽はお前オンリーかよ。どんだけ〜

妹「ま、それは極論としても、面白いものはアニメの中で必死こいて見つけなくっても、お兄ちゃんはルーブルもアラスカのオーロラも見てないのよ?」

遠出はイヤだねえ

妹「青空文庫とか」

透過光は目に悪い

妹「だったら、買った本をちゃんと読みなさいよ!っていうか勉強したら?」

はい、まったくそのとおりですね。
でも、おれ、おたくのように見えてアニメは体操したりストレッチしたり飯を食うときくらいしか見ないんだぜ?
むしろ、時間を食ってるのは、お前が変人のオレの恋人のくせに思いもよらない善い事を言うから、それを書きとめようとして長文ブログになったりすること。

妹「あたしが良い事を言うのは当たり前ジャン。なんでそれをいちいちブログに書くの?」

みんなー!脳内恋愛はとっても良いものだー!みんな、はやく脳内に戻ってこーい!
的な・・・。

妹「なにそれ。普通の恋愛だと思うけど。特別じゃないと思うけど」

まあ、のろけ?

妹「ハメ撮り写真とかやめてよー?wwwwww」

バカ!写真より、脳に焼きついた記憶が!萌ゆるす!
お前が11歳と12歳と13歳と14歳と15歳のときも、僕はずっと・・・・!憶えてる!

妹「あーあ。ハメ撮りよりも性質が悪い・・・。ま、それだけあたしの美貌の虜って言う事よねっ」

おまえさあ、そーいう自信過剰ぶりは外で出すなよ?お前がかわいいって思うのは兄である俺だけなんだからな?

妹「そうかなー?大学は共学の所に行きたいンだけどなー?」

か、勝手にしろっ!そのかわり、毎週保健所で検査を受けるんだぞ!

妹「はいはい」

それから、カバンの中にはダミーの携帯電話と防犯ブザーとスタンガンと催涙ガスと緊急避妊薬と仕込杖とスタングレネードクロロホルムと青酸カリと、隠滅用に硫酸とガソリンとノコギリとミールワーム

妹「あっはっはっはっは!あたしがつかまっちゃうわよぉ!重いし!」

ですよねー。

妹「そーいうのは、男の子の友達にやってもらえばいいのよぉ」

冗談・・・・ですよね?



話が三塁側アルプスへ大きく逸れた。まあ、大体こういう日常会話を風呂とか自転車の上とかトイレとか布団の中(三上)でやっているわけですな。
13時間も脳内妹の事を考えないようにするのは無理です!


つまり、あれです。
おたく向けのアニメは素直に面白がれないので、いらん事を考えすぎる。
が、
イデオンですよ。
面白すぎて爆笑の連続!
考察もへったくれも無いっすね。
おたく向けとか言う以前に、そもそも、子供向けなのか大人向けなのかもよくわからん。
自分はこのコンテンツの対象消費者なのだろうか?などと考える暇も無く、ただただ、おもしろい。
結局の所、「面白い方が勝つわ」という事。
まー、昔のもので今も残ってるのはおもしろ率が高いという事はあるわな。皆、古典を読もう!
もちろん、今現在面白いかどうかのスリルもまた、面白いのだが!
言っておくが、おれはバリバリのエヴァ厨アスカ派碇シンジと同い年で、高校のときの入学の挨拶で涼宮ハルヒ滝本竜彦のように、
「はじめまして、一年1組、グダちんです。趣味はエヴァンゲリオンの研究です。もしよかったら、お友達になってくれると嬉しいです。」と言い、入学直後に「グダ君ってカッコいいよね?バンドとかやってるの?」とか言っていた女子を因果地平の彼方に追いやった事のある男だ!
自閉症の、子どもだったんですよ!ちなみに音符は読めません!おんぷちゃんは好きです!
だから、今時の子供なんですよ。(大月アニメで見てたのはエヴァだけで、あとはガオガイガーカウビ(地上波)と∀ガンダムにはまる青少年だったが)
だから、イデオンは全くひいきしてません。生まれる前だし。へっぽこな絵の時はへっぽこだと思う。でも、機材は変わったけど、人間の指は大して変わってないとぞ思いける。



じゃあ、イデオンの面白かったポイントを、今回も短く3ポイントだけ書きまーす。


1.絵コンテが富野過ぎて気持ちイイ!
会話シーンが在るだろ、展開が煮詰まるだろ、そーすると、そろそろ他のキャラクターが来て欲しいな、と思うとほんとに来るし!
そのタイミングがバッチリなんだなー!
向きとかも!
それに、芝居がまた、スゴイ!
やっぱね、僕は台詞にたよった状況説明よりも、仕草とか目線の演技が好きなんだなー!
異星人を撃つかどうか!というシーンで、キャラクター全員がそれぞれ全く違う演技と目線をしてて、横並び一直線で会話が続くアニメが学芸会だとしたら、富野のそれはブロードウェイをも超えた、崇高な何かだ!
海原雄山風に言うと、シェフを呼べ!
富野の仕業カーっ!
あの、シェリルさんが一番最初に後ずさったり!シェリルさんがベスにアイコンタクトをしたり、それにしても他のクルーは隠れすぎだろうとか、ベスが微妙に一歩踏み出して、それをシェリルが押さえて目をつぶり、カーシャは果てしなく困り、コスモは一部始終を目に焼き付けようとしている!
そんで、ロッタのものすごい長台詞を、ものすごい引きで下も手で、巨大な大人に囲まれてあまりにもロッタが弱弱しく描かれてるのが、たまらねー!
と、思ったらドアップ。これは、まあ、枚数がつかえんと言うのもあるんだろーけど。
もう、ドキドキな緊迫感でたまらん。たまらん。
声優さんもタマラン。あと、アニメの絵としても決してハイビジョン画質ではないのだが、表情のニュアンスの深さがスゴイ。たまりませぬ。
たまらんすぎて、笑いがこみ上げてくる。
富野は絵コンテで台詞を書き換えるから、この項目に入れるけど、台詞もスゴイ。
笑える。
どういう風に笑えるのかと言うと、
「なんでよくもまあ、そんなに的確かつ簡潔かつ意表をついていながら自然な台詞をかけるんだ!」
富野語は高度に圧縮されているので、それを読み解いたら、字面以上の情報量が得られてスゲー。
と、ショックすぎてもう笑うしかない。あやまりたい。
あるいは、素直に、巨匠の生演奏を聞いてブラボーと叫ぶ時の笑顔。
「ないよりよかろう!」
「誰に頼まれたの?」
「でしゃばるからよ」
「畑に生えた雑草は摘み取らなくっちゃね」
「私には逃げる所が無い」
「無知とは恐ろしいものだな」
「これ!」
「それ?」
「もともと無理なのよ」
「だまれ!」
「好きに言ってくれて」
「でしょう?ベス」
「ありがとう」
「え?」
「ソル・コンバーをドッキングさせてくれてさ」
「お互い生き延びたいからな」
「賛成」
「やっぱりね」
「敵討ちはいけないわ」
「今のことなんかどうでもいいのよぉ!」
「わたしはいやだわ」
「わかるんならしんでください」
「くるな向こうへ行ってろ」
「たまが」
ここの件は、パロディー同人誌で女の子が暗殺すると言うくだりは読んで知っていたんだけど、やっぱりオリジナルで見るとショッキングすぎる。
富野面白すぎるよー!
あかん・・・・。おれ、富野過ぎる。
そりゃ、マイミクの女子に「グダちんは限りなく富野を愛している人です!」と書かれもする。
うーん。
これは、アニメ的にいいとかどうとかじゃなくって、好きな人が作ってるから、それがよくできているとうれしいと言う恋愛感情に近いのかもしれません。
実際、大富野教スレで僕のブログが晒された時、
「グダちんは信者の鑑」
「いや、これほどの信者は実際につきあうのはキツイ」
と、大富野教信者の名無しにも言われる。
うーん。ファンの贔屓目かなあ?でも、ファンになるのは面白かったからだし。
いくら富野が俺と同じような頭の病気でも、ただの「障害を抱えてがんばるアニメ作家」だったら「かっこわる!早く死ねよ!」としか思わんしなあ。
俺と同じ病気なのに俺をはるかに超えた神だから、そこにしびれる、あこがれるぅ!


まあ、コスモとナレーションで総括するのは蛇足かと思ったが、コスモの言ってる事は僕が考えた事と同じだったのでビックリです。
みんな、感情と役割の狭間でなんとか振舞おうとしていて、立派だ!
ロッタを可哀相がるカララは心が広いのか、上から目線なのか?
予告はネタバレを自重しろ。
何が爆風か。


2.スゲー徹底的にメカニック
まあ、レーザー剣を使う文明と見せかけて拳銃が排莢するのはどうかと思う。
しかし、重機動メカってロボットとしては全くカッコよくないんだが、コックピット、エンジン、マニピュレーター、歩行装置、ロケット推進器、通信機器、内蔵砲、弾薬庫、が分業しているっぽいのが機能的に見えます。ドグ・マックは操縦区画が分離するし。
絵としてはかっこ悪いけど、芝居をすると生きますね。
なんというか、グラップラー・シップ的です。股間から火を噴きながら宇宙を飛ぶのがカッコいいのです。
ターンエーガンダムのメカニックもそんな感じですよね。ウォドムとかターンエーガンダムも。
発掘品のカプルやザクやズサも機能的なモビルスーツだと思うなー。ザクは汎用性を追及して武装の外付けを徹底的だし、素晴らしい。


そんで、今回のイデオンの戦い方はスーパーロボとか力とか根性とかじゃなく、ひたすらにメカニックを道具として使いこなすかの戦いだ!
イデオンは化け物の癖に!
ジグ・マックがミサイルで弾幕を張りつつ徹甲弾で装甲に穴をあけ、弱らせた後にクローで操縦者を揺さぶりつつ固定し、破れた装甲に破壊力の大きな大砲を精密射撃で叩き込もうと言う戦法!
たいして、イデオンVガンダム的畸形戦法!圧殺!
バキ的に言うと、「鎖骨の力だけで殴ったー!」
なんじゃそらああああああ!
無限力×体重×遠心力=破壊力=無限!
メカニックな機転と見せかけて、やはり無限力だったか!


あとは、Bメカ(名前が覚えられない)が繋留不良で漂流したり、小惑星にぶつかったり、地味なピンチの積み重ねでドラマを作るのは全く飽きさせないで面白すぎる。
なんで、これが「殴るだけのロボット」って自他ともに評価されちゃったんだろう?
いろいろやってんじゃん。


コスモとカーシャが入れ替わるのは、慣れの問題か?
イデオンやソロシップの内部にモノレールっぽい線路が通っているのはトップをねらえ!っぽいんだけど、第6文明人は巨人らしい。
と、すると人間は第六文明人が機械の整備に使っていたマイクロロボットのなれのはてなのかもしれない。
それにしても、ハッチでもなくドアは無いだろう!ドアは!どこからどこまでがオリジナルの遺跡なんだ?


あと、小惑星帯を突っ切って撒こうとしたソロシップを追いかけて、迂回して待ち伏せしていたグハバの部隊の航続距離と速度はものすごい。発信機で追いかけてるというレベルじゃねーぞ!宇宙スゲー!


3.またしても女!あと男
色んな女の子が居るなあ。
普段は嫌味のシェリルさんが事件に巻き込まれたらフォローに回ったりとか。シェリルさんは常識人。ロッタはしっかりとやるべきことをこなす子だけど、こなしてるのにみんなに当たり前扱いされて爆発したのか?
男社会に居場所を作ろうとしてお茶組みをやってみたら、男にはセクハラを受け、女には目の仇にされるカララとか。
女同士の関わり合いとか、状況による行動の表出の変化とか、おもしろすぎる。
いや、女の事ははっきりとはわからんが。ロボットアニメなのに過剰に人間臭すぎる。
しかも、ネタとかカリカチュアでもない。
過剰すぎてやっぱり笑えます。っていうか、やっぱりこれは誰向けのアニメなんだ?子供向けでもないし。俺向けか?大人になりきれない人用か?
そんな変てこなイデオン面白すぎ。


グハバが一族郎党を抱えた豪族の中間管理職という男で、その部下(千葉繁)達とのやり取りも戦国時代っぽくて面白かったなー。
欲をかいた足軽がカツ・コバヤシ状態!あるいは太平洋血に染めて。



おまけ
あと、やっぱりパカパカの光がチカチカする。トミノポケモン事件の時に若手が想像力を失って云々と言ってたけど・・・。ねえ。