http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20080129/1201534517
↑胎動篇
http://tomino.s252.xrea.com/
↑大富野教信者の会、過去スレ
http://tomino.s252.xrea.com/kako/s65.html
↑胎動編スレ
http://www.4gamer.net/games/043/G004340/20080213051/
↑4gamerのまとめ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1203351636/203n-
209 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/23(土) 11:32:33 ID:???
で、これは周知の通り、先月の講演のものなんです。もっと早く投下してるつもりですが、
先週は思わず伏兵(4gamer)が出てきて、思いっきり被ってて慌てました。
でもせっかくなので、やっぱり全部貼りましょう。
ダブる部分に見返す気のない方はその部分をスルーしてください。
kaito2198さんがやってくれましたよ!
「8歳と9歳と10歳の時と、12歳と13歳の時も、僕はずっと・・・待ってた!!」
「富野監督詳細レポートだろ!!」
438 :通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 00:22:00 ID:???
>>435
それは>>152でも書いたとおり、
「監督作品のオープニングの中で、いつも手を振るう仕舞があるのはどうしてですか?」
に対する実演です
439 :通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 00:43:07 ID:???
>>225
>台湾の人のリーンの翼の捉え方ってどんな感じだろ?
リーンのDVDはウチで売ってないので、概ねの人は大森氏のダムエー連載から(あとACE...)
あと、ちょっと自分の意見を述べれば、
>それから政治的なプロパガンダを正確的に与えるためのモノを映像戦を見せるのかということです
にちょっとグッとした 最初に頭に浮かぶのはもちろんアレなんです(あるいは○BS粋)
果たしてアレのことを言ってるかどうかは知りませんけど、政治的なプロパガンダをやってるアニメは記憶の限りではそんなにいないはず
>この1、2年間、これから十年ジブリは持つかどうかということについて、
>大変厳しいと思ってる風聞も多少お聞きました
これも一見みんな知ってることですが、やっぱり業界の中でもそう思うらしいかな...?
↑前回の残り
211 :(01):2008/02/23(土) 11:35:57 ID:???
(講演台の向こうに立って、写真参考)
あのー、このスタイルじゃいやですね。
(聴衆、笑う)
えー、大陸風に、あのー、威張ったスタイルでお話するのは、とっても嫌なキャラクターです。
(聴衆、大笑う)
(舞台の中央に移動)
ですので、この形でお話しするのが良いと思います。
が、今日のテーマ、おそらく事前に紹介のとおり、カルチャーミックスが次の時代を作る...えー、
カルチャーミックスが次の時代を通るという、そういうタイトルに絞めましたので、多少、あのー、固いのテーマの話になります。
ところが、そのような予定したテーマでお話にしようと思ったのですが、この間、昨日と会場の方を見させて頂きました、
特にノミネートされたコミックス、えっと、あのアニメのそのショート・ショートの作品を見させて頂きまして、予定を変更せざるを得ませんでした。
テーマにしていましたカルチャーミックスということについて言えば、大雑把に言ってしまうと、こういうことです。
異文化を重ね合わせた作品を作っていくということが、今後100年の、えー、アーティスチックなワーキングにとって、とても大事なことだというふうに考えていました。
212 :(02):2008/02/23(土) 11:39:05 ID:???
このことは現在のゲームのことを含めてそうですし、実はその、パソコンで作り上げられたネットワーク社会、それから、えっと、
いわゆるデータといわれている、その、まあ、情報なのですけれども、その情報のようなものが...
このように技術が手に入れることができたのは、西洋文化の結果だと思います。
我々はこのように開発された技術を使って、今後の芸術活動、それと情報活動、それからビジネスそのものも展開してなきゃいけないわけです。
で、そのためには、欧米の一神教の文化に対して、我々アジアの文化を重ね合わせていくということはとても大事なことだというふうに思いました。
つまり、文化を重ねあわせる、つまりカルチャーミックスをしてゆくという考え方をより具体的に、鮮明に持っていくことによって......
マイクロソフトとマイクロソフトの端末であるウィンドウズにも勝てるのではないかという意味と考えたわけです。
(聴衆、ちょっと笑う)
アップルの名前が挙げなかったのは、皆さんが分かるとおり、まだ穏やかに、えっと、我々が使わ
せてもらう技術として大切にいきましょう(笑)。
(観客、笑う)
213 :(03):2008/02/23(土) 11:48:36 ID:???
ただ、一神教の資本主義文化の中で競争が続いてるわけですから、アップルがどうなるかっていうことも、
当然視野に置いていかなければいきません。
そして、実際に僕自身はアニメを作る立場の人間ですので、作品、つまりどのようなお話を作るかということについても、
カルチャーミックスというものを意識していかなければいけないというふうに思います。
そして、えー、50年、40年前の時代でいえば、漫画とか、漫画映画というものは、とても低俗な文化だと思われていましたし、
そういうものを作りたいと思っている作家たちも、基本的は低俗の人々の集まりでした。直訳してください。
(通訳、ちょっと困った様子)
(観客、笑う)
直訳してください。
(観客、大笑う)
低俗の人たちであったために、西洋だ、東洋だ、それから自分たちの文化だ、他人の文化だ、そう
いうこと一切考えないで、
自分の好きなものをこうやって取り込んで、作品を作ってきたわけです。
それがまさに、漫画という文化、レベル低い文化だと思われていたからそういう作業が行われていました。
このことは実はとても大事なことです。
214 :(04):2008/02/23(土) 11:50:56 ID:???
だからこの数年後、その経験から言うのですけど、まさか僕が、お国の税金を使って、
地球の反対側まで旅行できるなんてことは,思ってもみませんでしたね。いや、やらされています(笑)!
(聴衆、大笑う)
そして、この事実を、この事実の意味を分かれば、カルチャーミックスの意味を特別に説明する必要
ないというふうに思います。
ところが、モノを作る、それから組織が大きくなる、それから政府機関から公認されるという行為は、
ひょっとしたら人間の一番アーティスチックな感覚とか、センスというものを摘み取られる、それからその能力を低下させることかもしれません。
えー、このことについての説明はこれ以外しません。が、もうひとつ別の説明があります。つまり、社会的に認められる職業になったとき、産業になったときに、
何か起こるということでいえば、今皆さん方が直面してるとおりです。
圧倒的に競争者が多くなった、それから、かなり凄い才能が入り始めて、40年前のように、馬鹿の集団では無くなってしまったという不幸です。
215 :(05):2008/02/23(土) 11:52:45 ID:???
ですから、えっと、天才は別として、普通の能力を持った人が、この世界に生き残るための方法はどういうところにあるかというと、
カルチャーミックス論を含めての、その一番本質的なことをきちんと認識し、実際できる自分というキャラクターを作る、しかない、ということです。
そうしますと、具体的にカルチャーミックス論に関して言えば、えー、昨日見せていただいたこっちのノミネートされたアニメの作品などを見て、
とても良い部分と悪い部分というのを二つを一瞬にして、見つけることが出来ました。
どういうことかと言いますと、自分たちの文化の身に備えている文化的な基準を以って、他の文化のいいところを取り入れろというふうに言いたいのですが、
自分たちを育った文化を正確に認識するということは、とても難しいということが分かりました。
そしてもうひとつは、自分の文化、持っている文化を現代のお客さん、観客、マーケットに対して提供していく、
自分アーチストであるんだからということで、それをオリジナルに、新しいものにして、
再生産、新しいものをリメイクして、再生産するという行為、アクション、行動、表現というのはなお難しいことも分かりました。
216 :(06):2008/02/23(土) 11:55:22 ID:???
えー、その実感を持ったのは、その、あの、昨日見た短編の中で、えー、台湾もしくは朝鮮のフィルム、あの、我々の身体性みたいな表現が、
2年前見た別の作品とものすごく似ていたりして、必ずしもオリジナルな表現というふうに見えないという事実、事実がそういうことを僕が改めて学びました。
えー、僕自身、えっと、日本人ですので、えっと、う、浮世絵というのは見慣れたつもりでいましたが、
たとえば、歌麿の美人画が、どのように優れているのかということを、つい最近まで知りませんでした。
それについては、最近NHKの番組で、えー、歌麿とその前の代の、えー、(鳥居)清長という美人画の違いというものを、
現代の役者を使って、同じようなポーズを取らせて、写真で撮影していて、そのポージングが持っている意味が、
清長の時代、歌麿の時代ではこういう違いだよという解説をしてもらって、初めて歌麿の凄さっていうのは分かったりします。
そして、そのときには、清長の美人画の描き方は、清長のオリジナルだというふうに思いました。
ところが、二日前に故宮美術館(注:正確は博物院)で大陸からこちらに流れてきている、
特に水墨画、それから風俗画といわれている人々の、特に、あのー、女性の姿、男性の姿、長い着物を着ている姿、そのシルエットの描き方が、
清長以前のものであろうということが分かりました。
217 :(07):2008/02/23(土) 11:59:55 ID:???
えー、清長についてのこと、人物画のことについて、こういうふうに理解してください。
我々のシルエット、身体のシルエットは8頭身とか9頭身ではないのですが、
水墨画ではとうの昔に、とても背の長い(高い?)スタイルのに、10頭身のシルエット昔から描いていたということです。
この話をどういうふうに理解するかというと、特に若い人に、自分たちがこういうふうにカッコいいキャラクター、
こういう風なカッコいい描き方をオレのものだと思うバカなことはやめてほしいです。
(聴衆、笑う)
我々作り手がやらなければいけない使命というのは、間違いなく、今日までの結果を刈り取ること
ではないのです。
なぜならば、我々の行動、行為、アクションというのは、今始めにということは、今初めの次!に向かって、表現をするということのはずです。
その次というのは、ビジネス論で言えば、来年、再来年、10年後、20年後に向かっての表現のはずなんです。
はい。で、これからお話することは、初めに予定したカルチャーミックスが次の世代を通るなんとかと
いう趣旨を外れます。
えー、確認しますが、すでに、この、今回の会場でも見られているデジタルコンテンツフォーラムの中で参加している
企業の商品、それから作品、それからゲームのタイトル、それから実際に、えー、
お客さんに対してサービスしてくださっているヘソ出しのきれいなお姉様方を含めて、のものを見ていると、
もう古い視点での話をする必要はないと思ったからです。
えー、その、カルチャーミックスは台湾では確実に進んでるというふうに認識しております。
219 :(08):2008/02/23(土) 12:15:22 ID:???
モノを作る、作品を作るという視点に立ったときに、我々は、私は、俺は何をすべきか、
何をしなければいけないかという話に進ませていただいきます。
何かモノを作りたい、モノが作れる私、俺、こういうものを世間に分かってほしいと思ってる私、俺という主体、の問題です。
自分自身も若いときがあったから想像もつくのですが、私が持っている、俺が持っている
不満、苦しみ、辛い、世間に対して分かってくれというふうに思っている不安っていうのは、自分が苦しむものであるために、
これは自分固有なものだというふうに思いすぎているアーチストが多すぎるということです。
そのために、何が起こるかというと、日記のような作品を撒き散らしても平気だというような制作スタッフ、それから企業というものが現れます。
(通訳:にっき、のような作品?)
(富野:日記。日記。ようするに自分の思いのたけだけをグダグダグダグダ言ってるだけ。)
ですから、今の日本の深夜アニメっていうのはつまらないです。
(聴衆大爆笑)
そして......皆さん、笑いことじゃないですよ。皆さん方のその作品の中すでにそれが始まって
います。
つまり、表現のスタイルを結局どっかのコピーをやってるんだけれども、自分のオリジナルと思っている作品がノミネートの中にもありました。
(富野、とても真剣な顔)
(会場、一転静まり返る)
富野がツマンネーって言っても、日記風のまったり萌え四コマ風アニメは流行っているのである。
「存在するものを!存在するものを一人の力で消せるものですか!」
この問題について、3年前に富み野監督にあった時に一寸話したので、その時のノートを見返してみ
た。
http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20060910/1157828050
グダちん「私も素人漫画”のようなもの”を書いているのですが、(2004年の引きこもり当時)ある種の人間は頼まれもしないのに何かを吐き出すように表現する事があります。トミノさんもスタッフワーク
を経た作品を作っても、なお、ノベルを書いて自己表現しようということをやってきましたよね。
それは、つまり、そういうことをする、してしまう人間と言うのはどういうものなんでしょうか?
私小説という物もしっかりと小説のジャンルにはあるじゃないですか。」
富野:それは非常に難しくて私もまだ悩んでいる所なんですが、やはり、スタッフワークというか、「世
間の目」にこなされていないものは、゛世の中に出してはいけない゛と思います。一人で書くというのは
結局のところ「欲」でしかないんです。
グダちん「しかし、小説は、特にファンタジーの古典とされているもの等は一人の作者でも広い世界を
描いているモノがあると思います。それは、富野さんにとっては例外なのでしょうか?」
富野:いえ、そう言うことはよくあることです。例外ではないです。でも、それはよっぽどの才能が無く
てはできないです。
グダちん「しかし、ガンダムの小説版は全然ちがうし、富野分が濃ゆくて、僕は好きですよ。」
富野:あれは、たまたまできたことです。それもスタジオワークを下敷きにしたことのコピーの結果のよ
うな物です。
と言う事を言われたと言う事は何度もブログに書いているが、新規の読者もいるので、とりあえず書く
。
と、いいつつ、富野監督は最近、
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/laura22/tomino1.htm
「おもしろいものを見ると、細かい部分が消えて全体でおもしろかったー、ってなる。
今、小説を書いていて、もちろん書いている自分がいるわけだけど
自分が消えていく感じがあります。
書いている世界に居る、という感覚があります。
これは途方もなく気持ちいい!!
表現していってるとこういう瞬間が必ずあります。
それは信じてください!!絶対にあります!!
エクスタシーです!(と言って、にっこり)」
とか言う。
うーん。自分のエゴが薄まるくらい広い作品世界を作る、と言う事だろうか?
っていうかさあ、11月の時点で書いていると言う事はそろそろ本になりませんでしょうか?
うーん。富野監督はやっぱり、世界系というか、新世界構築型なんだろうなあ。ファンタジスタ。
セカイ系というのは、むしろ既存の現実世界を都合よく作者の主張で書き換えるものだから、そこら辺
の感覚が富野監督からすると、日記的で狭くて面白くないのかも?
しかし、狭い日記的な表現であっても「私と同じ人がいる!」という共感を得る場合があって、ケータイ
小説とか枕草子とか。ヒットします。
日本には日記文学と言う感覚があるのだけれど。(西洋の航海日誌型小説とはまた違うのだろうが)
富野監督は映画的に俯瞰したものが好きなのだろーか。
でも、映像の原則もリーンの翼も富野監督のエッセイとして面白い部分も在ったしなあ。ファウ・ファウ
物語も。
まあ、反省もこみで、と言う事かもしれんが。
いろいろとまだまだ考えていらっしゃる監督は結構好き。
僕は自分を分裂症的にして、自分の思いの丈同士をコンフリクトさせていきたいかなあと思う。
自分自身も、欲と理想と社会規範と犯罪性が同居しているわけだし。
アムロもシャアも、ジャミトフもカミーユも富野監督らしくもあるわけだし。
220 :(09):2008/02/23(土) 12:18:15 ID:???
ユーチューブを使っていれば気が済むようなヤツは作家ではないという言い方をしたい。
(聴衆、忍び笑う)
ところが、昨日それについての反論はすでにありました(注:前のレポートに参考)。
「ユーチューブから入って、それが商売になってんだからいいじゃねえか」という言い方なんです。
事実、日本でも、ケータイ電話で読める小説が具体的、プリントしてしまったら、あの、ようするに10万部単位も売れるという現実も
この1年間違いなく出てきています。
それについて、当たり前なんでしょ!って言います。100万の人間が使っているツールがあったとすれば、
100万人の中では1人や2人の天才がいるわけですから――いや、もっといるかな――これを利用して、金を儲けしようとするようなヤツは当然出てきます。
ですから、そういういくつかの成功例があるのは当然のことです。
ゲームでも、ようするにネットゲームがあるということは、ようするに数人、数十人、数百人、
場合によってはそのゲームワールドの中で一ヶ月の中でゲームを、ようするに点数を争いようなゲームもあるでしょう?
私はゲームのことをまったく知りませんので、あるのでしょうとしか言えません。
そういう世界での、ようするに何人かの人々のコミュニティというのが成立して、それなりの、その、
インターネットのコミュニティ、つまり電脳コミュニティっていうのは、それはある部分可能性として存在するのは想像付きますし、
その部分のビジネスになるということも想像付きます。
しかし、私、我々が今日、現在まで、今日現在まで、モノを作る、つまり、アートをするというのは、技能を行使するということです。
技能を行使して、それはいったいどういうつもりでやっているかというと、自分自身のその存在を作ったもの、表現したものに通して、
第三者の人、他の人々に分かってほしいと思うことじゃないでしょうか?
221 :(10):2008/02/23(土) 12:22:24 ID:???
自分の痛みを、自分の辛さを分かってくれという自分固有の、固有の思いを第三者に伝えるときに、日記風のように表現している限り、
その日記風の表現を認めてくれる人、気が付いてくれる人しか読んでもらえません、見てもらえません。
あたしの悩みを皆さんが分かってくださいよ!!というときも、皆さんが分かってくださいよ!!という表現は、
100万人、1万人の人にあまねく伝われるような表現をしない限り、1万人の人にも、100万人の人にも伝えられないわけです。
つまり、作品を発表する、それから表現をすることという根本的な意味は、100万人に伝える言葉遣い、100万人に伝える
表現の仕方、方法、スキルで持って、アピールしない限り、絶対に伝われないことです。
僕の場合には、ですから現在のユーチューブにあたるものが、ロボットモノというジャンルだったんです。
そしてロボットモノの、漫画、の上に、少しはこのような物語性、少しはこのような人間のドラマ性があっていいのじゃないかというものを付き加えたんです。
それを僕自身が持っている程度の物語の作り手としての作家性とか、それから、映画というのはこういうふうに演出したらいいのではないか、構成したらいいのではないかという、
僕自身の好みだけでもし作っていたとしたら、現在の富野由悠季という名前が台湾で聞こえてくるようになるような作品[ママ]になることは絶!!!対になかったです。
(体を折り曲げるほど強調し、ひょっとして今日一番力入れたところかもしれません)
222 :(11):2008/02/23(土) 12:25:45 ID:???
ですから、ユーチューブから入ってもいいんです。問題なのは、ユーチューブから入って、20年、50年生き残る、それからまた、
ユーチューブのシステムが、別のものに塗り換わっても、それでも乗せられるような、たとえばメッセージとかコンセプト、
うーん、えー、もっと分かりやすく、デジタルではなくて、はっきりしっかりしたハードコンテンツを持っていれば、
100年まで生き残れます。この、今の理屈をお分かりになったら、ユーチューブのところにもうひとつ「ゲーム的な」っていうものも
付き加えていいのではないかというふうに思います。
この話の一番根本的なことはどういうことかといいますと、どのようなツールを使おうか、それから、ジャンルを使おうが、
最終的に、100万人の人々は何に一番興味を持っているのかということなんです。
で、その人々っていう大衆が、世界の人類が一番興味を持っているところにピンポイント撃てば...撃てれば、
皆さん方が作ったものは100年でも1000年でも残りますよ、という話です。
ですから、僕の場合にはロボットモノという作...アニメの作品、ジャンルを利用させてもらいました。
皆さん方は今「デジタルコンテンツ」というとても妙な言葉遣いを使う世界に暮らしてるわけですから、
このデジタルコンテンツのツ...というツールを利用してください、ゲーム的なものを利用してください、
ユーチューブ的なものを、インターネット的なものを、ウィキペディア的なものを利用してください。
僕の場合には、ですから、ロボットモノというアニメのジャンルが、僕にとってのツールだったんです!ツールだったんです。
えー、アニメ関連の、んー、雑誌とか、雑誌の中での僕の発言を、あの、ご存知の方がお分かりのとおりですが、
ですから僕は基本的にロボットモノというジャンルそのものがあまり好きではありません。
が、このように自分の、あの、オープニングを見せられて、本当に感動してます。
「この監督は好きだよねー」というふうに、本当に感動してます。
(通訳:ロボットモノが好きですか?)
はい。だけど、基本的は嫌いです。
(聴衆大爆笑)
ブログを利用したい私だが。なかなかダラダラ。
ninaさんにほめられて、ちょっと得意。
223 :(12):2008/02/23(土) 12:39:21 ID:???
です。そのことを皆さん方が、皆さん方もつまり忘れないでほしいです。我々は動物なんです。
デジタル的なものにすべてのものを、感覚から、フィルムから、生活感覚までデジタル的なものに全部屈服するのが、
我々人間なのかと問うたときに、それは絶っっ対!!に嘘なので、デジタルなものを一切拒否していただきたい!という根本的な思いがあります。
コンピューター技術が基本的に、一神教の文化から発したものであったとすれば、発したものであったとすれば、善悪しかないですもん。
つまり、他者は、異教徒として、排撃してきたのはアイツらです、という言い方があります。
すみません、あのー、異教徒の宗派に属している人に関して本当に申し訳ないです。
(聴衆ちょっと笑う)
これは、あの、あまり冗談ではなくて、あの、あ、冗談ではなくてというのは、どういうことを言いたい
かといいますと、
つまりなぜ一神教が生まれたのかというと、やっぱり文化的な背景、文化的な背景というよりも気候的な背景です、というのを理解すれば、
それをやむなしというふうに思います。そういう意味で、中東もそうですし、ヨーロッパ大陸もそうですが、
近代我々が教えられているほど、たとえばヨーロッパが住みやすい土地ではありませんで、し、た。
ですから、一神教の人々に対して、えっと、アジア的な宗教論を持っている人々は、寛容でなければいけない、というふうに思います。
その、今の話も実はその、んー、カルチャーミックスの話です。そして、アジア人、アジアの気候風土が持っている、
かなり豊かな風土というものが、中世まで残っていたかもしれないというところで育まれた我々の感覚論、感性論というのは、
今後21世紀、22世紀、つまり地球が温暖化して、そしてエネルギーが枯渇していくかもしれないというところ...
という時代が入った地球というのが、みんなが分かり始めたときに、どういうふうに生きなければならないかという、
一番コアなものを体験的に持っているのがアジア人であるし、それから政治的にも極めて特異な土地であったこの台湾というところで、
すでにこの50年、この特異な生き方というものを皆さん方が体験なさっております。
224 :(13):2008/02/23(土) 12:41:45 ID:???
ですから、一神教の人々が急かされて作り上げてしまった現在までのツールが、これは利用しましょう。
今から作り直していくってのは時間の無駄だからです。これは利用しましょう。利用しながら、
皆さん方が文化論として見直さなければいけないのは、先人の光を求める必要はないのです。
皆さん方が作るしかない!!!!です。
そして、現在の日本というのは、まだまだその、うん、まあ、文化的にも政治的にも、爛熟してしまって、
今グチャグチャになっているような土地柄です。そのようなところから爛熟、成熟文化というものが生まれるかもしれませんが、
それが少なくとも100年200年続く文化論として、発祥するというふうにはちょっと今は思えません。
爛熟期に生まれた文化というのは、また、次の爛熟期に評価されるまで、またずるを得ないです。
ところが、これから100年という、時代っていうのは、えっと、爛熟の時代じゃなくて、
地球上の人類がいかに生き残らなければならないかというコンセプト、コンテンツを一番大事にしなければいけない時期なので、
極めてリアリスティックな、えー、物語、というものを要求されていると思います。
そういうものを満たす風土としては、台湾というのは、とても特異な経験をした土地であるために、そこから発信されるものが、
ひとつの“指針”になっていくのではないかというふうに思っています。
えー、というところで、基本的に基調、基調講演は終わらせて頂きます。
あとは、質問を答えるという形で行こうと思います。いかがでしょうか。
(司会頷く)
はい、では質問を受け付けます。
236 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/23(土) 19:17:34 ID:???
Q1:
富野監督こんにちわ。10年前のインタビューを拝見させていただいたんですけれども、監督はその中でアニメ漬けの社会は健全な社会ではないと仰って、
監督自身はそれを感じたときに、自分の作品の中でアニメにハマるなというメッセージを入れたとのことです。
アニメ製作者にとって、これは珍しいことだと思いますので、もう少し詳しく説明していただけないでしょうか?
A1:
いえ、あの、特殊な考え方ではありません。むしろ、それをまず危機感として感じたのは、僕にとっては、
Zガンダムの作品の時にそれを感じましたので、いつまでもアニメを見ているのではないというのを、
基本的なテーマにして、あの作品を作りました。
そして、今の話でも、実は話しています(注:今日の講演でも、実はその話をしています)。
ツール、つまりパソコンを使うのがカッコいい、CGを使うのがカッコいい、
だからカッコいいまんまで使ればいいだろうと思っているようなオペレーターが多すぎるから、
つまらない作品ができるんだ。それから、ハリウッドでCGを多用すればするほど、
つまらない作品になったという証言もこの5年の間皆さんがいっぱい見てるんです。
だから、ツールに騙されていけない!その次に何を付き加えなければいけないのかという意味での!映画の特性を挙げます。
その映画の特性を、あまりにも知らなさ過ぎるスタッフが、現場に入って来ているから、つまらなくなるですよ!という話です。
では、あの、映画の特性はどういうことかという話は、えっと、別の時間を受けるか、別の時間を取らないと話せませんので、これ以上話しません。
237 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/23(土) 19:21:37 ID:???
Q2:
富野監督は先ほどカルチャーミックスの重要性を仰ったけれども、
監督は一体どういう観客に向かって、作品を作って、自分を伝えたいのでしょうか?
A2:
先ほど僕は観客を100万人というふうに言いました。
人は選べません。人種も選べません。1人でも多くの人に伝わる物語を作りたいし、
せっかくお金をかけて作るならば、3人にしか伝わらないお話を作っても、つまらないじゃないですか。
それだけのことです。
そして、今のような質問が出てくる理由が、ものすごくよく分かっています。
質問者自身も自覚していないでしょう...いや、自覚してないはずです。
ところが、雑誌の編集、それからテレビ、あらゆる媒体で視聴対象とか購読対象とか、
それからセールスの重点をかけるのはどこの年代のヤツなんだといった話をいっっっぱい!!聞いているために、
観客を決めなければいけないなんじゃないかと思っているんです。
が、映画の特性というのが、それを乗り越えられる特性があるんだということを、
とーーにかく!関係者も普通の人も分かっていない!そういうことです。
ですから、あの、自分が生活の中で身につけてしまった常識とか、既成概念というものは、
我々自身が思っている以上根深いものなんです。ですから、
そこから脱出して新しいものを創っていくという作業は、本当に大変なことです!!だから、
固有の才能を持った人、とか、あるヒット作品というのはすごいというのは、それを脱しているからです。
そこから脱して、新しいものを作れるから、あ、作ってみせるからなんです。ですから、
僕にとってはクレヨンしんちゃんも、あの、ポケモンも、それからなんとか...あ、ドンキーコングも、
それからマリオおじさんも、やっぱりすごいキャ...すごいものだなと思います。
それは、既成の文化論、カルチャー論からちょっと頭を出したところにいるからです。
が、そのことを分かって頂かないで、似たようなものを作って商売になると思っているなれば、それはアホです。
(聴衆、笑う)
238 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/23(土) 19:24:48 ID:???
Q3:
監督は先ほど一神教のツールを利用して自分のコンテンツを作ろうと仰ったけれども、現在の我々の文化は西洋文明の侵略に受けて、
もう衰退していくと思いませんか?それともほかの何かを感じてたんでしょう?
A3:
えっと、どのような意味で衰退という言葉を使っているかは分かりません。しかし、たとえばその言葉を使ったということは、
現在までの、我々が、えっと、知っている、うーん、認識論にとらわれすぎているというふうに思います。
どういうことかといいますと、文化論や宗教論を取り上げた瞬間に、勝ち負けであったり、それから、うーん、勝ち負け論、
それはどちらが強い、強くないみたいなことに絶えずにものを考えるクセがついているからです。
ですから、衰退という言葉が出てくるんだというふうに思います。
そして、そのようなモノの考え方とか、価値観にとらわれているから我々は、
ファンタジーといわれている世界の物語でも、勝ち負けを描いてしまうんです。
カンだけでお話しますと、100年後の観客が勝ち負けにまったく興味を持たない、
観客になってるかもしれないという可能性まで考えれば、衰退論というのは、聞ける単語ではないということです。
衰退しているならば再構築をすればいいだけのことですし、勝ちに乗った、乗っているならば、
それで勝手にはしゃいでいればいいんです。勝ちというのは100年続きません。
中国の文化でも、一つの王朝が続いた最長でも350年ですから。
239 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/23(土) 19:28:58 ID:???
Q4:
監督は小説版『逆襲のシャア』の巻末で、もともとはMSを否定する、
機械を否定するというコンセプトを入れたかったんですけど、ビジネスの都合で出来なかったと言いました。
で、後の『∀ガンダム』は人間の関係性をとても丁寧に描くかわりに、MSの戦闘をあまり描かないとしたんですが、
果たしてそれはその原因なんでしょうか?
A4:
えっと、ここでお話していること、当然その言上に則ってるものですから、
質問者の仰る、ご指摘のとおりです。
(あまりあっけない返事なので、しばしの沈黙のあと、爆笑)
(富野、ちょっと困った様子で)お、おかしい?
(聴衆、再び大笑う)
確かに、指輪物語はファンタジーとして広いと思ったけど、善悪二元論過ぎたよなー。
248 :(18):2008/02/23(土) 23:19:18 ID:???
Q5:
(こいつは明らか御大の話を誤解して、かなり挑戦する態度で物事を言う。このモノ分らず屋の代わり、にみんなにお詫びを申し上げます)
こんにちわ。すみませんが、オレはあなたがいう馬鹿の一人です。
オレはゲーム会社に勤めてるんですが、この産業の競争は誰の想像よりも激しいものなんです。
あなたさっきが言った映画でもアニメでもゲームでも、一般向けなわけですから、
いくらあなたが「ツマラン」とか「無意味」とか喚いても、売れるものは売れる。
つまり、商業の考量が最優先の限り、オレたちの声は決してトップに届かない。
ヤツらは金を儲けることしか考えていないから。ですから、我々のアイデアはなかなか出せないってのもそのせいだ。
あなたさっきが言ってたユーチューブのほうが、また作品を見てる観客数が見れるし、名誉も金も儲けるから、
我々にとってまたモチベーションになれると思います。
先生はこれについてどう思います?
A5:
あの、とても、とてもよく分かる悩みで、この悩みは、えっと、
少なくともこの業界に隣接している人にとっては一般的な悩みだというふうに思いますので、3人だけにしか伝わらないお話ではありません。
僕自身も似たような、つまり出資者、スポンサーと自分との関係を考えたときに、同じようなことを感じました。
ですから、自分でプロダクションを立ち上げてでもというふうに...思った時期もあります。
が、基本的な能力論と、それから僕自身が決して働き者ではなかったので、プロダクションを立ち上げることを断念したという時期もあります。
この解決については、基本的にあ、り、得、な、いと思います。それで、あり得ないことが実はまさに人の世、人の世の中なのです。
ですからこれはかなり一般的に敷延できる問題なので、その悩みは――申し訳ありません――抱えてください。
それで抱えて、それを作品にすることで、吐き出して、なんとか自分がうつ病にならないよう努力してください。
(聴衆、笑う)
とにかく、資本投下をしなければ、作りおおせることができないのが、動画の作品、映画の作品の
欠点でもあります。
当然ゲームもそうでしょう。つまり出資者の存在と、それから、モノを作るスタッフ...まあ、
アーティストという立場の人々とは、基本的に合わない人種だということは、認めざるを得ません。
249 :(19):2008/02/23(土) 23:21:37 ID:???
ただ、美術史を見ても分かるとおりですけれども、やはりパトロンがいて、ようするに、芸術家、作家...えー、絵描きであり、彫刻家であるという人々。
それから王権という国家論があったために、その宮廷のお抱え音楽師がいるわけです。つまり、
我々が知っている著名なアーティストというのは、すべてそういうパトロンがいて、暮らしてきたわけです。
つまり、モーツァルトでさえです。その、何月何日までに楽曲を書かねばならないという宿命にいたし、
気に入らなければ別のところに行かなくちゃいけなかったという遍歴しなければならなかった。
逆に言えば、ヨーロッパ中旅行ができて、お金も儲かるというふうに評価されている立場も素敵なものかもしれません。
だが逆にいうと、一つの場所で暮らせなかったという絶対的に不利な立場に立っていたというのも、アーティストでもあります。
これは演劇、オペラ、あらゆる芸能者の宿、命、でもありました。そして、日銭稼ぎもしなければいけないというのも芸能者でした。
これは出資者とは根本的に違う人種です......すみません、長くなっちゃいました。簡単に要約してください(笑)。
(聴衆、笑う)
このテーマの話はえんえんとできますので、ここで打ち止めとさせていただきますので、
質問者の方には本当に申し訳ありません、病気にならないように頑張ってください。
(聴衆、大笑う)
kaito2198さんの翻訳はナイスだ。そして、挑戦的な人に対しても、むしろだからこそ、丁寧に労わっ
て答える富野御大大好き。
250 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/23(土) 23:29:39 ID:???
Q6以下、基本的4gamerでは省略した部分で、一応未出となっております
なお、補足として、前スレやwatch impressのレポートも参考してください
251 :(20):2008/02/23(土) 23:31:12 ID:???
Q6:
監督は何でガンダムシリーズの中で「ニュータイプ」という要素を投入したんですか?
人類の未来を踏まれて考えたモノですか?それとも別の何かを感じたんですか?
A6:
あのう、基本的に、物語を作るという人々は、僕に限らず、夢を見ている部分があるというふうに思います。
それから、テレビ漫画という媒体で作品を発表させてもらったわけです。
そうなりますと、まず子供たちを絶望するような物語を作りたくなかったんです。
だからニュータイプという言葉を作ったんです。
そして、その次にあるものが、その前の質問者が言ってたように、
人の世というのはこれくらいに異常の部分がであれ、嫌な部分であれ、そういうものも乗り超えられる能力というのを、
我々人類が手に入れられるのではないか、そういうニュータイプ論というものが、
考えてもいいではないかという本当の夢物語をニュータイプという言葉の中に付け出しました。
ですから、簡単に超能力者というふうに規定することは避けたわけです。
252 :(21):2008/02/23(土) 23:33:19 ID:???
Q7:
監督はいつもオリジナリティの重要性を述べていますが、現在のコミケなどの同人作品はパロディや2次モノをメインコンテンツにしていますし、
この前台湾にもいらっしゃった村上隆でも「コピーのコピーのコピーの挙句、そのコピーもいつかオリジナルになる」(注:かなりデタラメな翻訳ですみません)と言いました。
監督はこれについてどう思いますか?
A7:
モノを作ってみたいとか、表現をしたものを人に伝いたいというのは、おおむねの人の持っている欲求ですし、
いま我々が手に入れてる技術では、コピーは簡単に作れる技術でもあります。
ですから、それを行使して、あ、使いたくなるのが当たり前ですから、いくらやっても構わないというふうに思ってます。
そして、村上隆さんがそういうことを仰ってることも承知しておりますが、村上隆という、彼の特別な立場で、の発言であって、
それが、その発言に乗って踊らされる、我々はどうこうするかどうかというのはまったく別問題です。
ですから、村上隆が言った、言っているからいいのではないかという論を取るか取らないかという問題は、
間違いなく受け手である我々大衆が判定すべきことであって、ま...あの顔を見たら、それだけ嫌いになります(笑)。
(聴衆、大笑う)
村上さーん、どうもすみませーん!
(聴衆爆笑)
えっと、村上さんについて付き加えれば、イデオンのファンであったということも承知しておりますの
で、
とても困ってます(笑)。
(聴衆再び大笑う)
(ここで監督の鶴の一声で、時間を15分延長、舞台の下から拍手の嵐)
「それだけで嫌いになります。」
「どうもすみませーん!」
「とても困ってます。」
萌えー!トミノはかわいいのでもっとテレビに出たほうがいいよ。
253 :(22):2008/02/23(土) 23:36:27 ID:???
Q8:
『聖戦士ダンバイン』や『リーンの翼』の舞台となるバイストンウェル世界の概念はとてもユニークだと思います。
それも監督が仰ったカルチャーミックスでの宗教論の影響に受けて作ったものなんですか?
A8:
えっと、世界観を作ってる段階で、そういうこと...えー、特に宗教的なフィーリングが、ヒントになってることは事実です。
が、実際に創作していくという段階で、机上の宗教的なフィーリングを取り入れることが、正しいのか正しくないのかということは考えました。
あのー、前と同じお話をしたとおりです。ですから一神教という問題を考えるときに、
一神教という考え方、もし絶対神があるとしたら、当然異端も落とさなければいきません。
ところが、アジア人の一員である自分としては、やはりそれを取ることができなかった時に、
バイストンウェルワールドというものを、人の認識論というレベル、そのフラップな認識論というレベルで構築されてる世界だというふうに考えました。
ですから、範囲というものをバイストンウェルの場合に設定したときに、自然そのものは神なんだ、という以上の決め方をしなかったということです。
つまり、その部分に固有名詞を設定した瞬間に、一神教になってきますから、フィクションの名前を付けることさえ避けました。
ただ、ある地域の人たちが、その、自然そのものを固有名詞を使って、呼んでいるかもしれないという想像もしています。
ただ、えー、現代の段階で言えば、それ以上の作り方、えー、作りこみをしていないというふうに記憶していますが、間違いでしょうか?
今ひとつ覚えないのですが、なんとなく神の名前を作ったような気がしないでもないが(笑)。
(聴衆、笑う)
たしか、天上にいる男のフェラリオみたいなのが・・・。あと、カ・オスとかも。オーラバトラー戦記は持っ
てるけどまだ読んでないし、微妙なんだが。まあいいか。
254 :(23):2008/02/23(土) 23:45:12 ID:???
Q9:
監督の作品のオープニングはいつも手を伸ばす表現を使っていますが、これは何かを表現したいのでしょうか?
A9:
もちろんです!芸能の基本は(手を振る、以下動画参考)。
(聴衆、笑う)
ですから、手の表現を使わなければならない、ならなくなるんです。
一番原理的なことをひとつだけ示しますので、マイクは離しますので、通訳よろしくお願いします。
この手付きは、少なくとも日本では幽霊なポーズです。
(聴衆、笑う)
で、これは銭をくれ!金をくれ!みんなのハートをくれ!
(聴衆、大笑い+拍手)
あのー、今は、今のかたちは本当に原理原則です。
そうしますと、その原理原則に則って、どういうバリエーションを付けっていくか、どういう組み合わせを付けていこうかで、
あのー、本当、あのー、幾多の表現ができるわけですから、これだけカッコいいと思うな(決めポーズをする)!!!
(聴衆大爆笑)
(通訳終わったあと)
(照れ笑いながら)です。
(余談ですが、監督の口から「原理原則」を聞いたとき、何故かものすごくジーンとする。
「ああ、これが生原理原則…」みたいに)
富野は体のキレも声もいいなあ。
255 :(24):2008/02/23(土) 23:47:27 ID:???
Q10:
さっき監督はずっと人の未来やこれからの走向を言い続けましたけれども、もっと具体的に言えば、
監督はいったいどういう概念を示したいのでしょうか?
A10:
えっと、難しいコンセプトはありません!あと1万年くらい人類に生き残ってほしいということです。
そのために、我々一般人も、それからトップに立つ人も、
何かを考えなければいけないかということをもう少し鮮明的にしなければならないと思って、というだけです。
そのために、実を言うと、アニメとかコミックという表現媒体は、むしろ実写を使わないために、
シンボリックにロジックを伝えることができるという、実は有利さを持っています。
その、むしろ有利さを、またその関係者とか現場の人たちは使いきるという能力を持っていないということはとても残念だと思っていますので、
自分も含めてがんばっていきたいというふうに思っています。
簡単にすごい事を言いましたね!普通の人は個人の出世栄達で汲々としておるのに。
環境映画でも撮るのかしら?逆襲のシャア?
256 :(25):2008/02/23(土) 23:51:15 ID:???
Q11:
アメリカについて質問したいと思います。監督はさっき日本のアニメはテーマ性を重視していると言いましたが(注:言ってません)、
アメリカのディズニーは「エンジョイ・エブリィボディ」をテーマし、さっき監督が言ってたバカなCGアニメ映画に使って、実写映画の粋をさえ超えまして、
テレビにもテーマパークにも進出してたんです。この日本とアメリカの間の違いは何なんでしょうか?
A11:
僕は1941年生まれです。そして小学校に入るときは、アメリカに負けたという印象しか持っていない人です。
ですから、アメリカの文化、それからアメリカの技術は素晴らしいものだということが徹底的に刷り込まれて育った人間です。
ですから小学校の頃に、生まれて初めて総天然色のディズニー作品の白雪姫、ピーターパン、ダンボ、を見ました。
そして、その作品を見たときに、本当に素晴らしい技術だと思う瞬間に、もうひとつ別のことを気が付きました。
「なんでこんなに早く動かなくちゃいけないんだろうか?なんでキャラクターはこんなにもデフォルメーションされるんだろうか?」
せっかくこれだけ技術を持ってるのに、全部漫画にしすぎているということを、小学校4年生の時に、つまり9歳...8歳か9歳の時に感じました。
つまり、技術の可能性は、ようするに見せました。しかし、だけど、なんでこうまで一つの趣向性で、気が済むだろうかということが、とても不思議でした。
そして、当面のアメリカのアニメーションの状況でいえば、ディズニーの真似をするような弱小プロも、いくつがあったわけです。
そして当時は、そういうものが、その当時は事業として、ようするに...ひょっとしたらまだ新興ビジネスとして、認知されていったり、も、したわけです。
我々は現在CGのことに関して、これだけ仰るような可能性を、すべて見せられているわけです。
そこで、ハンナ・バーベラ(・プロダクション)になるか、そうでなくて、ネクストFFを作るか(注:次のFFになるか)というのは、
やはり自分が根本的に持っている感覚の中で、現状を是とする、全部全部を受け入れて、是とするだけのファンなのか、
いや、もっと何かがあるのではないかというふうに想像できるアーティストの違いが現れてくるのではないかと思ってます。
ハンナ・バーベラとか、FFのことはこれ以上説明しません。
(ほんの少しの聴衆が忍び笑う)
そして、今の質問者にもうひとつ厳しい言い方をします。「じゃあ、その次のものは何ですか?」とい
うまったく新しいもの。
僕には分かりません。そして、それを見つけることができる人は本当のクリエイターなんです。
だから、いま名刺にクリエイターとかを書いてる人はクリエイターじゃないです。そういうことです。
(聴衆、笑う)
257 :(26):2008/02/24(日) 00:07:37 ID:???
Q12:
監督はアニメバブルについてどう思いますか?
また、アニメ制作志望者に対してアドバイスをして頂けないでしょうか?
A12:
アドバイスをしているつもりですから、今日ここまでお話にしてました。あのー、嘘は付いてないつもりです。
それから、アニメバブルに関しては知りません。ほとんどアニメを見ませんから。
そして、だけど実際自分がやる仕事はアニメの仕事やらざるを得ないということですから、もうこれだけで十分です。
だからこそ、むしろ付け入れる隙も出てくると思ってますので、アニメ漬けになってる才能、CG漬けになってる才能、
クリエイターになれないと思ってます。
そうでなくて、「オレはCG漬けになっていて、これだけのものをやってるよ」という人は、まさに特化された才能で、天才なんです。
僕は天才に勝てるわけがないから、一緒に仕事をするしかないということです。
ですから、適当なところでアニメの専門家でいて、それでビジネスが出てくると思ったら、早くやめたほうがいいと思います。
つまり、10年後の制作環境はツライですよ。これは最大の忠告です。
ただ、僕はそれを30年間言い続けたんですが、また持ってますので、後20年くらい大丈夫かもしれませんね(笑)。
ご安心していただきたい。
(聴衆、笑う)
そういう意味では、まさに映像の時代の、映像媒体が持っているおかげで、確かにチャンスはかな
り広がっていることも事実です。
ですからこういう環境はありがたいというふうに関係者を持っていただいていいんですが、ともかくよそ者が入り込んで過ぎます。
つまり、金を儲けることしか考えないベンチャーの連中って作品のことなど考えてないからねってことはよく承知してます。
だから本当にモノを作りたいのは辛い、辛くなるのが分かります。が、さきほどの言ったとおりです。
む!!!かしからの話なんです!!!珍しいことではないです!!!ですから、
耐え忍んでしかありませんので、頑張ってください。
(拍手の後)
あの、なによりも皆さん方がいらしたおかげで、こういうふうに台湾に...(失念)頂いて、
本当にありがとうございます。謝謝!
(講演会終わったあと、御大とアア子さんは空港に直行、日本に帰る)
258 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/24(日) 00:08:37 ID:???
これで全部です 皆さんお疲れ様ー
259 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/24(日) 00:10:31 ID:???
お疲れ様です
260 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/24(日) 00:13:41 ID:???
おつ!
261 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/24(日) 00:58:10 ID:???
お疲れ様
262 :通常の名無しさんの3倍:2008/02/24(日) 01:04:53 ID:???
やっぱり富野は真実一路なハゲだなあ
レポートお疲れ様です。非常に有り難う御座います。