玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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∀ガンダム1〜4

第1話「月に吠える」
脚本・星山博之 絵コンテ・斧谷稔 演出・渡邊哲哉 作画監督土器手司
第2話「成人式」
脚本・千葉克彦 絵コンテ・斧谷稔 演出・森邦宏 作画監督佐久間信一
第3話「祭の後」
脚本・浅川美也 絵コンテ・斧谷稔 演出・南康弘 作画監督・鈴木藤雄
第4話「ふるさとの軍人」
脚本・高橋哲子 絵コンテ・西森章 演出・西森章 作画監督佐久間信一

センチネルも修了したので黒歴史の99%をガンダムと共に我が物とした!
ゆえに、ついに、ターンエーガンダムを9年ぶりに通して見るものなり!
あと、こないだが夏至だったし。これは、このタイミングで見ーてーみーまーしょーうー!見なきゃー!


ですが、ターンエーガンダムに関してはあんまりツッコミどころがない・・・。あと、忙しくて毎回感想書けてなかったし。
まあ、つらっと行きまっしょい。
しょおい!


http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20070622/1182522867
↑一年前の夏至にターンエー序盤を見た感想


なんというか、あれですね。ターンAガンダムは見てるとニヤニヤしますねー。ニコニコというか、見ててほころんじゃいます。あんまりオタクっぽく突っ込むと言うより、なんか面白いんだよなー。
色使いが優しいし、芝居も可愛いからかなあ?あと、みんな元気だし。
まー、本放送から9年経つ間にターンエーガンダムデザインズとか、ネットでの再評価とかターンエーの癒しとかで、ターンエーガンダムに対する愛着も高まったし、本放送の時は丁度17歳だったからなんか懐かしい感じがするって言うのもあるのかな。
ターンエーのキャラクターはみんな好きだなー。そーいうのが動いてるのを見ると嬉しいなー。


http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68308538
復刊ドットコム安田朗∀ガンダムデザインズ販売ページ
こちらで買えますよ。


部活の時も「今日はターンエーの日だから早退します!」ってみんな言ってたしな。まあ、地学部天文課だから基本的にダラダラしてたんだが。部室で萬画とか描いてた。ダメじゃん。
本放送の時は丁度受験とか身内がバタバタと死んで遺産相続争いが重なったりして鬱病(というか現実嫌いと言うか鬱屈感)が開始した頃だったんですけど。まあ、そういう嫌悪感みたいなのは今もずっと続いてるんですけど、それでも今まで生きている間に黒歴史をしっかりと勉強してきたので、それの集大成としてターンエーガンダムが見れると思うと、感激ですね!


そんで、ターンエーは大好きなので本放送の時のエアチェックビデオテープがあるのです。
CMに出ているケロロ軍曹の声がフラン・ドールではない女性です。なつかしいなー。
本放送の時は、実はほとんど内容がわかってませんでした。そもそもその時点ではガンダムもファーストとZの途中までと逆襲のシャアF91と0083と08とVGWと飛び飛びのXしか見てなかったし。小説版も読んでないし。第一、富野信者ではなかった。
富野由悠季(とみのよしゆき)って読めなかったし。「ゆうゆうきだなんて、変な名前!」って思っていました(笑)
学がない学生だったんです。アニメージュは小学生の頃から読んでたけど。今川監督や庵野監督や幾原監督に比べて印象に残ってなかった。
まあ、由悠季もけっこうDQNネームなんだが。
やっぱ、富野アニメはアニメだけじゃなくって、富野発言とかムック本で設定を俯瞰しないとわからないのだろうか?たしかにここ4年ほど、ほぼ毎日富野作品を見てて、やっと富野のことが漠然と分かるようになりましたヨ。
でも、全然わからないなりに、本放送の時から「なんだかわからんがターンエーガンダムはすげえゼーッ!録画しなきゃーッ!」ってなってたので、やっぱりボーントゥービー大富野教信者なのかなあ?


なのですが、ターンエーガンダムって色が綺麗だし、それ以上に、アレです音です。菅野よう子の音楽が非常にナイスという事もあるんですが、本放送から地上波ステレオになった富野アニメということで、音響の立体感がありえない交錯をしています。(まあ、地上波自体がターンエーしかないんですけどね!)
去年、VHSを見直したんですが、僕のしょぼいモノラルビデオでは全然わかんなかったっす。
そーいうわけで、今回はまたわざわざレンタルビデオを借りて、そして、僕の大学のしょぼいモニターでは色が汚いので、わざわざ京都精華大学まで通って見るのですよ。
おたくなんだか、ケチなんだか。やっぱりAVには投資をしないとダメですか?でも、投資してまで見たいのって富野アニメくらいしかないしなー。(笑)
いや、絵や音に凝ったアニメはいくらでもあるんですけど、僕は近視眼的メガネ男子なので、「見えなかったらそれで良いかなー?」っていう部分もある。別に役者の毛穴が見えても嬉しくないし。まあ、膣が見えたらちょっとは嬉しいけど、それも人によりけりですしね(笑)
いや、日本ではDVDで膣は見れんのだ・・・(泣)
そういうわけで、聖火台にいくのです。(AVは見ない)
宝ヶ池の道路が整備されて、きれいになったんですけど、どうなんですかね?自転車と車道が分かれてるので、すごく安全になりました。今までは深泥ヶ池に沿っていたのですが。
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=route&el=135/46/26.655&nl=35/3/28.704&scl=70000
キョリ測で測ると、宝ヶ池ルートで上手く道に迷わなかったら3.9km。深泥ヶ池だと4.5km。自転車で3分くらいの差。
うーむ・・・。地元民以外には全く意味がない・・・。


(ここまで枕。)


とまあ、そう言う風に、ターンエーガンダムはちゃんと見たいわけですよ。俺は話がなげーよ!


えーと、やっと感想行きます。
とりあえず、歌。
西城秀樹谷村新司小林亜星菅野よう子。ありえない豪華さだぞこれは。流行歌手がガンダムを歌う事も多くなりましたが、これほどのベテランをいきなり起用というのは!ないねえ。もっとみんな歌えばいいのにねえ。やっぱり富野なんだよなあ。本格志向ですか。まあ、アニメファンの好みから言うと、ちょっと世代が上なんだが。
ターンAターンが林原めぐみのハートフルステーションで流された時、めぐさんは「いやー、西城秀樹さんの歌声は迫力があってガンダムの歌に合ってますねー。「この星にっ!ささげる!」すごいですー」とか仰ってた。
実際、mixi西城秀樹の再生ランキングはターンAターンが24240回で一位、走れ正直者が6443回、傷だらけのローラが4089回。ミクシーミュージックを導入している人の年齢層もあるんでしょうけど。アニメソングは強い。


っていうか、アレだ。
オープニングでいきなり歴代ガンダムが出たときの衝撃は計り知れなかったなあ。意味がわからんかったし。そのころは富野監督を差別化してなかったから、パロディーかと思ってたら、大マジだったと言う。
黒くくすんだ太陽にガンダムが投入され、最点火!燃焼!
ガンダム鉄腕アトム最終回か。
おお、虫プロ黒歴史とともに、アトム系ロボットと鉄人・マジンガーの流れを汲むガンダムが融合!これはすごい。
サンライズロボ的には島村ジョーとかもあるわけですが。サイボーグ009はアトム系かなあ?そこら辺は今は攻殻機動隊



つーか、キャラがかわいいよおお。
もう、みんなかわいいなあ。ヤーニ軍曹ですら可愛い。
ポゥ少尉はいきなり虐殺をする最悪女なのだが、フィル大尉にむける泣き顔と笑顔が可愛すぎて判断に困る。悪い奴とか思えないんだよなー!そこら辺がターンエーガンダムの見方の難しい所です。
悪い奴だから、主人公に懲らしめられて死ぬと思うじゃないですか。そしたら、最後まで活き活きしてるし、ロランを連れてウォドムの手にお姉さん座りで乗るところとかは爽やかなお姉さんって言う感じでにくめん。だが、行いは虐殺・・・。
僕はガンダムSEED関智一イザーク・ジュールが避難民シャトルを撃ち落したのにほとんどお咎めなしで女性人気も高かった事が非常に嫌だったのだが、ターンエーにもそう言う部分はあるか???
いや、ポゥは一応フィルに「禁固10年でありますか?」ってビビっていたのだから、多少は反省しているか?
というか、そういう悪行をする部分のある人間に対しても肯定して付き合っていこうっていうのがターンエー世界?


∀は見ていると幸せな気分になってニヤニヤするんですけど、ちょっと考えると分からん事だらけです。

ちょっと、分かりにくい所をあげていきます

  • キャラクターの行動理由が分かりにくい。


●っていうか、なんでポゥは撃ったのさ?
おもちゃみたいな戦闘機にいきなり長距離宇宙用ビーム。
あーほーかー。
まー、ウォドム自体がネオジャパン製モビルアーマーのレプリカモデルで2000年以上前の設計。ディアナカウンターも素人なのかー?機械の扱いに慣れてない?そういう技量を突発的発砲として描いてるのだろうか?でもこの時代はミノフスキー粒子ジャミングはないはずだから、ポゥが発砲する前に上官に無線で判断を仰ぐべきだったのでは?
ボストニア城の通信装置がいきなりイカレたから、ジャミングはあったかもしれないけど。自軍の通信まで遮断してどうする。
ロランの体内のナノマシンで月まで生体反応をモニターする情報を送りつづけるって言うほど通信技術は発達しすぎている未来なんだし。電波?


んでウォドムは思いっきり重機動メカなのだが、(40メートルサイズはイデオン世界では雑魚なんだが、ガンダムでは巨大)ここらへんの現場判断でいきなり偶発戦闘っていうのはバッフ・クランっぽいですね。あ、機動戦士ガンダムもそうでしたけど。
バッフ・クランも小説版を見るとズオウ大帝体制が完成して、実戦を知る軍人はほとんどいなかったそうです。ジーンも新兵だし。
あー、素人はダメだー。だけども、素人は絶対的に存在するし。アジ大佐しっかりしろよ。


でも、アジ大佐自身も武力行使を辞さない行動だったっぽいか?むしろ部下に誤爆をさせるような状況を作った?

アジ 「期限は一ヶ月も前に切れていた。その場合我々は地球へ帰還すると伝えてあったはずだ」

ここら辺は外交の失敗としての戦争って言う感じがさらっと描かれていて戦慄する。Zガンダムでのライラ・ミラ・ライラの「了解、撃沈する」っていう交渉決裂もかなりのものだったけど。
なんでしょうねえ?
アジ大佐はディアナが降りる前にノックスを制圧しておきたかったって言うことも在ったのか。


あと、これは精神論ですけど

ポゥ 「椅子に座っているだけで、地球に帰れるのか?戦争になっているんだよ」

という考え方が端的かな、と思う。つまりどういうことかというと、「2000年間まちわびた帰還が簡単なものであってはならない。戦いになるほうが自然だ」という本能的バランス感覚。自分の苦労に意味付けをするような部分が人間にはある気がする。
まあ、僕が「大学を休学してるんだから、簡単に真人間になれるわけがない」っていう気持ちがあるので、そう言うのを投影してるのかもしれんが。


  • キャラクターの重要度が分かりにくい

ディアナカウンターの帰還軍の指揮官のトップっぽいアジ大佐いきなり死んだ。イルの長老もいきなり死んだ。本放送の時、僕はアジ大佐とイルの長老の事はまったく覚えていませんでした!
アジ大佐が偉い人って言うのはガンダムデザインズで初めて知ったと言う。
さすがにディラン・ハイム氏は出番が多かったし生活感のある人だったから2話まででも記憶に残ってましたけど。葬式もやったし。
対してポゥ少尉とフィル大尉は地味目の軍服だから序盤の捨てキャラかと思ったら、最後までいる。
ハリー・オードはオープニングに出たし、スモーも金ぴかだからメインだと分かるけど、序盤では親衛隊がどういうポジションかいまいち分からない。シャア・アズナブルの「赤い彗星」という初期インパクトに比べると、何やってる人かわからんのだ。
そう言う風に「こいつはこう言うキャラで、こう言うポジションで、こう言う使われ方をする」っていうのが簡単に見えて来ないのがターンエーガンダムで、それが持ち味なんだよな。人間らしい。だけど、初見ではわかりにくかったです。
大体の流れがつかめたのは放送が終わってからでしたよ。
機動戦士ガンダムは善悪の相対化っていうのはあったけど、やっぱりアムロが主人公だったし、「アムロ敵か味方か」「今回の敵」「10話分くらいの中ボス」「ライバル」「敵のトップ」ってえのはわかりやすかったんだよなー。
ターンエーガンダムは人間関係が流動的で、個人の振る舞いも多面的なんだわ。しかも、人間ドラマとしてのレベルは、世界名作劇場よりも全然複雑だ。ロランにとって誰が味方か、ということも視聴者がキャラクターにどういう印象をもつべきかというガイドラインがほとんどないんだよなあ。キャラデザだけでなく、演出面でも、すごくストイック?
まあ、美人のお姉さんは可愛いので、いいです。
ウィル・ゲイムさんは顔じゃないんだよ!
ただ、放送終了後8年経ってキャラクターも全員覚えてから見直すと、序盤でミハエル大佐やヤーニ軍曹やラダラム・クン氏がチラチラと登場すると、七人の侍とかの仲間を集めるシーンを再見するようなワクワク感があります。集まってるぞー!みたいな。
ただ、初見ではモブキャラと区別がつかなかったんだよな。モブキャラでもちゃんとデザインされていて活き活きしてるのはいい事なんだが。そー考えると、21世紀ガンダムの「美形が偉いのでございます」っていう描き方も若い視聴者に対する親切設計としてはありなのかしらん?
うーん?でも、デザインだけの話じゃなくって、演出面でも序盤はメインキャラと脇役の区別がそんなについてないようにも見えるんだなー。普通の人が徐々に事件に巻き込まれていって、事件からの距離によって被爆量が変化してメインキャラ放射能を付加されていくって言う感じ???


まー、オープニングに出た人を中心に距離間を測って行けば分かりやすいでしょうか?

  • セリフがわかりにくい

ステレオ音声効果を最大限に使用してモブキャラの作業セリフを交錯させるって言う演出が、まずある。
富野作品の持ち味として、そういう段取りセリフから状況やら環境やら設定を聞かせるっていうのがあるが、これがまたさりげなさすぎ。
それに、ターンエーの人たちって割と平気で嘘をつくし、またデマや流言も多い。それが、ロラン君がアジ大佐たちと面会したときのドキドキ感になってて面白いんだが。キャラクターごとにもっている情報が違うし、それをキャラクター同士が利用して相手に情報を与えたり嘘をついたりして状況を動かそうとする。特に知恵比べとか心理戦ゲームという訳でなく、自然にやってるんだもんなあ。


で、情報とかって言うのもそうなんですけど、セリフの構造自体が視聴者に情報を届けるために直線的じゃなくって、迂回した言い方が多い。

ジョゼフ 「運転したんろう?動いているのを見たぞ」
ロラン 「シドさんですか?」
シド 「誰だ?」
ロラン 「ロラン・セアックです」
ソシエ 「ねえ、帰りましょう」
ロラン 「グエンさんから話は聞きましたけど、これ勝手に動いたんですよ」
ソシエ 「これで家まで行ければ早いわよ」
ロラン 「そんな無茶な」

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words03_TurnA.html

ロランがグエンからホワイトドールの話を聞いたわけがない。ロランが話を聞いたといったのは、「『山師のシドさんがマウンテンサイクルの研究をしている』と言う事を聞いたのでシドさんの名前を知っています」、と言いたかったんだな、と気付くまでに3回巻き戻してセリフを聞いたよ。
ソシエさんも勝手なことを言いまくるし。


ハイム家に帰り着いたロランと訪ねてきたキースの会話

ロラン 「これからどうなると思う?」
キース 「どうって事ないさ。戦争になるわきゃないから」
ロラン 「ミリシャは戦ったんだろ?」
(略)

キース 「ノックスの街のやられ方を見れば、逃げ出したくなるよ」
ロラン 「そういうこと考えてないよ」
キース 「そういうことが起こんのが戦争だろう、え?」
ロラン 「…、そっか」
キース 「想像力のない奴だな」
ロラン 「戦争か」
キース 「戦争だよ」

ロランのキースの会話としては、「そう言うのあるよねえ」って感じだが、論理的には戦争なのか戦争じゃないのか!会話の気分として言いたい事は分かるんだけど。
気分は伝わるけど、言葉使いとしては間違っているような。そこら辺も作品のテーマなのかなあ?

キース 「…ロランさ、そのヒゲのモビルスーツ、使えるようにしとけ」
ロラン 「…なんで?」
キース 「ディアナ・カウンターに合流するにしても、逃げるにしてもいいんじゃない?」
ロラン 「うん」

そんで、このなんでもないやり取りをきっかけにロランはターンエーを再起動させる決心をつけるんだよな。さりげないな!
黙ってマニュアルを持ち逃げしてシドに機体を預けたのは、マニュアルがなければ地球人にターンエーを動かせるわけがないって言う意図があったんだと思う。でも、キースに「モビルスーツはあったほうがいいよ」って言われたらミリシャの作業に参加して、なんでもないふりをして「ええ、手引き書見つかったんです」とか言う。
言ってることも嘘ばっかりだし、発言する以前のキャラクターの行動目的も流動的で他のキャラクターの発言や状況によってコロコロ変わるぞ。ここら辺は「平気で嘘をつく人たち」を富野監督が参考にしたhttp://dargol.blog3.fc2.com/blog-entry-1482.htmlとかもあったのかなあ?

  • 分からないものを分からないとして見る

序盤はわかんない感じを「わかんない!」と言うままに見たら良いのだろうか?そう考えるとソシエお嬢さんは導入としていいキャラクターだなあ。
モビルスーツの事なんか全く知らない女の子だし。モビルスーツに乗って「高いわよ!20メートルある!30メートルかも!」とか言うのはガンダムファンじゃない人でも共感しやすいし、ガンダムを知ってる人には文明の差を感じさせる。
政治的にもソシエお嬢さんは中枢からちょっと離れてる。それでいて事件には関わっているから状況をニュートラルに見れるんだよな。
ソシエのお陰でわからない部分をわからないまま見てもオッケーみたいな雰囲気ができてて、良いガイド役になってるなあ。ターンエーは


でも、ただの無知な娘というだけでなくって、ターンエーから降りて家に帰るときの

ロラン 「…なんで僕がソシエお嬢さんをおぶうんですか?なんでなんです?」
ソシエ 「あなたが身につける物を捜しに行って足が痛くなったのよ。だいたい運転手なんだから、あたしを家につれて帰るのが仕事でしょ」
ロラン 「そうでしたね」

異常な状況下でも日常の感覚で物を言える強さって言うのは好きだな。
まー、ロランの事が大好きって言うのは在るんだろうけど。

少女漫画の文法だと思う。
ソシエさんは趣味が「アクション小説やSF小説を読む事」「飛行機を動かす事」という20世紀初頭風の世界にしてはおてんばな女の子。
っていうか、髪型ですけど、島津由乃さんですよね!突撃嬢ちゃん。心臓も健康だし。
で、どういう子かというと、小説になぞらえてロマンスに憧れて、それを積極的に行動する子という感じ。
キエルの成人式の日にロランが流れてきたんで、自分の成人式に「また誰か流れてこないかな?」っていうのも夢見がちっぽいなあ。
ロランの事が大好きなんだろうけど、この時点ではむしろ恋に恋してるって言うか。
そーいう少女的センスのお嬢さんにとってはロランは格好のロマンスの対象だ。謎の転校生ですよ!
ガンダムって男の子のロマンスとしての戦争アニメなんだけど、女の子のロマンスも同時にやってるね。
ここら辺はブレンパワードでの男女ダブル主人公っていうのが発展したっぽいなあ。
伊佐未勇がいきなり宇都宮比瑪にキスするのは、男性視聴者から見ると「何を考えてるんだ」と言う感じだが、少女漫画的に言うと「初対面でキスする美形」ってすごく興味を惹かれる対象。男の子のロマンスにおいて女の子は「わからないから妄想を押し付けられる存在」だったりするのけけど、ブレンの勇も「わかんないから気になるアイツ」的なポジションだったりする。敵の裏切り者でもあるし少女漫画のイケメン不良みたいな所がある。悪いグランチャー乗りだったけど、実は動物(ブレン)には優しいとかな。
つまり、「男がヒロインになってもいいんじゃね?」という。
ブレンパワードの場合は勇が比瑪に惚れまくって「女神様」とか言い出すから比瑪のほうがヒロイン性が高いんだが。まあ、比瑪も勇のことを「私の一番大切な人」っていうからどっちもどっちか。
で、ターンエーガンダムのロランは勇よりももっと訳がわからん男だ。謎の転校生で、謎に機械に詳しく、ヘタレの癖に妙にキモの座った所もあり、謎の物体を掘り起こして(穴掘り能力すげえよな)、月に吠えて謎の言葉を発するぞ。
そんなロランにソシエは興味しんしん。かわいいなあ。ソシエは比瑪と声は一緒だが、もっとガキっぽくなってる。で、余計ロランのヒロイン性が高まると。
ロランはソシエが追ってきてるのを気付いていたのに、フラットを堂々と掘り起こしていたのは、なんでだろうね?撒いたつもりだったんだろうか?見せつけたかった?女の足で山まで登るとは思ってなかったのかなあ?ソシエちゃんは健気ですね。
振られるけど。
あーはーはー。予想が全部外れるのもターンエーだなあ。
オープニングテーマで思いっきりカップリングを暗示して、全カップル不成立。メリーベルが来るとは・・・。
ディアナ様は大勝利した?


うーん。つまり、ターンエーはわかんなくっても、わかんないことも魅力として少女的に見ればよいのかなー?とも思う。
が、それにしてもわかんないことは多すぎですけど!
わかんないことの話題は大体こんな感じ。


  • ターンエーの女性ファン

ガンダムSEEDとかガンダム00とかガンダムWに比べると少ないよなあ。
ネットではターンエー好きは女性の方が多い気がするけど。それはあきまんつながりで目にする事が多いのかも。
つーか、グエンがガチだからなあ。やおいならよかったのに。ガチだ。
趣味か!


あと、ガンダムが男の子のものだという男性視聴者的にはロランはショタ要員だと思われているようなところがある。うーん。おたくっぽい擬似同性愛のショタややおいと言うよりは少女漫画SFの文法を使ってるような気がするなあ。
小説の挿絵が萩尾望都だったり、メリーベルが出たりするわけだし。読むべきか。「花の24年組

  • キャラクターデザインの黒さ

基本的に地黒が多い。ロランの黒さが目立つけど、キースも白人とは言えない色だし、一般のイングレッサ人の肌色も結構濃い。
こう言うのは本放送の時は人種的な主張を感じたりもしたんだが、ブレンパワードのアイリーンとかジョナサンとかの黒さの延長線として見ると、これくらい濃い肌色の方が自然か?と言う気もする。
ゲド戦記アーシュラ・K・ル=グウィン

日本での人種問題についてはほとんど知らないので、この件では何も言うことはできません。それでも和製アニメ映画が、このジャンルのほとんど不変の慣例にまさしく陥ってしまっていることはわかります。和製アニメの人物はその多くが――欧米人の目には――「白人」に見えるものですが、日本の観客の受け取り方は違うのだと聞いています。今回のゲドもわたしが見るよりも色黒に見られるという話でしたので、そう願いたいものだと思います。登場人物のほとんどがわたしには白人のように見えましたが、少なくとも褐色やベージュなど、微細なバリエーションはありました。テナーが金髪で青い目なのは、あれで構いません。カルガド諸島出身の少数民族ですから。
http://hiki.cre.jp/Earthsea/?GedoSenkiAuthorResponse#l5

と発言してたんだが、実際のアメリカ人から見るとある程度色の濃いほうが自然なのかも。まあ、白人至上主義みたいなところもあるけど。
日本の場合は浮世絵の版画として、肌色を薄くするって言う色使いからの流れも在るか?
しかし、歌舞伎の化粧や能面で、積極的に白く塗るって言う文化も在るし?肌色は白い方がパーツが見えやすいって言うのは在るよなあ。ここら辺はあまり深く知らないが。


  • 文明描写

これがまた、わかりにくいんだ。
主に太陽電池芝が。あー、でも、ノックスのミリシャのパレードをビルの屋上で見るロランたちの背景で、ビルの上の太陽電池芝パネルがあった。それは屋根と言うよりは見慣れた太陽電池の形だからそこで気付くべき?
飛行船にはエンジンじゃなくってモーター。まあ、モーターは19世紀の発明だから在ってもいい。でも、飛行船の推進力でモーターと言うのはすごいな。
扇風機も何気に出てるけど、それも19世紀後半に商品化されてる。
正暦世界にもエジソン的な人がいたのだローか?
小説版によると領主が古代の知恵を小出しにして燃料電池を実用化したらしい。
ナウシカか。いや、ザブンブルは見てないが。
領主たちが地球環境を保全するように技術を調節するのなら、シャッフル同盟の末裔だったりして。そういう想像は楽しい。
ボストニア城の月との電信装置はムーンレィスが送り込んできたものって言うけど、扇風機の空冷式の真空管。設計図だけ送ってきたのだろうか?集積回路は軍事機密なのかも?でも解析できんと思うけど。地球人にも扱えるレベルで真空管という事?

  • 戦闘描写

これがまた、ガンダム世界のビームではありえないような恐ろしさなのだ。モビルスーツが爆発とか言うのは見慣れた萬画的表現だ。が、ターンエーの場合は光が走ったら河が蒸発して、近くの木や建物が発火して、電車が吹っ飛ぶ。
原爆か。
スパロボ的戦闘や決闘を望むのなら、こういう広域破壊はふさわしくないかも。
むしろ、特撮っぽいんだよな。ゴジラとか。
人とモビルスーツの対比の構図も多いし、アクションシーンでもモビルスーツの全体像よりも膝関節の動きだけとか、部分のアップの連続で全体を想像させてる。初代ゴジラとか。
こういう特撮的手法をアニメに使ったって言うのは、エヴァンゲリオンに対抗しての事かなー?とも思ったけど、ファーストガンダムズゴックとかゴッグにもそーいう怪獣的クローズアップは多く用いられていたか。それもそうだな。

  • カメラワークと作画

ワイプアウトが目立つって言うのはよく言われるターンエーです。映画的なんですよね。
で、今回僕が思ったのは、カメラが近いな。と。
人物同士の会話シーンで、カメラマンがその人物から50センチくらいの位置に居て撮影している感じ。
ロランがディランの死に取り乱すソシエを叱責してぶつシーンとか。キースとロランの川での会話とか。
近くから煽ってみたりしてパースが目立つような絵が結構多い。特に斧谷稔コンテの時。
近いというのは距離もだし、キャラクターの動きをフォローする動きが、まるで人の視線のように素早く密着してたりするところも役者とカメラマンが同じ舞台に立ってるような感じ。それでいて、いきなりロングになったりもするし、カメラを回転させながら寄っていったりって言うのも在る。
色んな種類のレンズを使っている感じ。
セットで撮ってる感じじゃなくってオールロケの映画という感じがするんですねー。
エヴァもそう言う部分が在りました。斜面を滑りながら射撃するホワイトドールと3話の初号機が似てる。
エヴァの後でテレビアニメで特撮とか実写っぽい絵作りをするのが作り手と受け手に受け入れられたのだろうか?って言う気もするが。
デジタル撮影が可能になったからかなあ?
ターンエーはまだギリギリセル画の時期だったけども。細かい技術の実際は知らない。
うーん。デジタル的な手法の多用という感じはするなあ。
まー、手法を無意味に使ってるわけでなく、ベランダに居るキエルさんをなめてカメラがビルを回り込んだら、遠くの海にウォドムと宇宙艦が停泊しているのが見えたりって言うのは上手いなー。
風とともに去りぬの特撮シーンのような感じでしょうか?
レイアウトの人物のバランスも世界名作劇場っぽい。背景と人の馴染み方というか…(感覚を上手くいえない)。
作中の文明レベルが名作劇場のアニメに似ているって言うだけでなく、映画的雰囲気もそれっぽい。
逆に、未来文明的なディアナカウンターの艦艇の中の廊下が白くてスベスベなのも昔のSFと言う感じ。富野監督は「スターウォーズでルーカスが使い込まれて汚れた宇宙船を出したのが上手い」と言ってたので、おそらくディアナカウンターの内装は確信犯的にレトロフューチャーしてる気がするなー。
そう言うところはすごく上手いと思うんだが、
そうならばもうちょっと中割りを多くして滑らかに動けば良いのにって思うところもあった。
コンテとか構図は日本アニメーションっぽいのに、動きが虫プロというかサンライズというか。
ロボットの動きがスピーディーなのはいいんだけど、ロランがパンをちぎろうとして勢い余ってキースの胸を叩いてしまう所とか、泣き崩れるソシエが体をうつぶせにするところとか、なんか、「ピョコン!」という感じの動きで、芝居を急いでいる感じがしたなあ。
うーん。
アニメーターの問題だけでなくって、シナリオ的にもかなり詰め込んでいるから単純に時間が巻いてるのかもしれんか?
ロボットアニメとしてみた場合、1話はガンダムが出ず、2話ラストでガンダムがやっと起動、3話で修理して、4話から作戦行動。という風に、緩いのだが。
その分、他のシーン数がすごく多い気がする。冒頭、月から降りたロランがわずか2分でコヨーテに襲われるし。いきなり大ピンチだな。5分でハイム家に到着する。
そのあともキエルの成人式だの、2年経ってグエンやキース達との再会とかミリシャのパレードとかボストニア城の舞踏会、その裏での月との交渉、ロランの成人式、など、人、というか社会的な場面がダーっと詰め込まれてる。で、そこら辺を流して見ると緩やかにも見えるけど、そういう社会的な段取りを踏まえてみると、かなり詰め込まれてるなあという。
やっぱり、富野アニメは詰め込み型学習?
まー、そういうのはあるよねえ。本放送の時はそこら辺に気付かずに見てたけど、流石に20代後半の富野信者になってからターンエーガンダムを見ると、見えなかったものが見えたりもします。