承前→氷川竜介、池袋コミュニティー・カレッジ第四講美術、設定 - 玖足手帖-アニメ&創作-
昨日の講義の質問コーナーで、美術設定の話の最後が、3DCGの話になったので、質問した。
「リング・オブ・ガンダムがオール3DCG作品になりますが、氷川先生はその事について、いかがでしょうか?
ざっくりとした所見をお教え願いたい。」
氷川:私も案内はもらったのですが、まだ見てません。
twitterで(おそらくあきまんさんが)「観客みんながア然としていた」リングガンダム終わってぽかーんとしてる人を見るのが面白かった
1:13 AM Aug 21st webで
http://twitter.com/akiman7/status/3447778970と書いていたから、興味はすごく出てます。
富野由悠季監督は、もともと実写指向の強い方で、アニメーターが優秀でないと演技がもたない人なんです。安彦良和さん、湖川友謙さん、最近では吉田健一さん。今までも何回か実写を撮りたいとおっしゃってたんですが、うまくいかなかったようです。
それで、今回は「ALWAYS 三丁目の夕日 」を撮ったROBOTというスタジオと組んで実現したみたいです。
本広克行さんとか。
富野監督と3DCGと言いますと、ファイナルファンタジーにすごく怒ってました。
ZガンダムIIの恋人たちの取材をしにいきましたら、ちょうど文化庁メディア芸術賞の審査員で、無理矢理全部見ていたらしく、怒ってました。
富野監督曰く、「出てくる人物がみんなGACKTなのよ!ガクトがダメなんじゃないの。こんな、美男美女だけで面白いのかっ!」私は『恋人たちの話をしてくれないかなあ』と思いました。
今回のリングオブガンダムでは、美男一人、美女二人、偉丈夫一人でしたね。はたして?
演出でいうと、3DCGで、アニメでは不可能な細かいパーツのメカの動き、実写では不可能なカメラの置き方や動きをしていて、富野らしくて良かったです。
ガンダム様の細かい表情も良かったです。
力強くて。
ちなみに、アニメの美術について、もうひとつ氷川先生に聞いてみた。
「アニメの美術の流れとして、デジタルで立体的に描画するのと、3DCGと、もうひとつ、出崎統監督系列で新房昭之監督のように、二次元的表現を突き詰め、舞台装置としての背景美術に主張させる路線もあります。それについてはどうでしょうか?」
新房監督は大人気で休みなく作品を作っていて結構な事です。
しかし、この路線は一種の様式美で、見る人を選ぶんです。
ですから、可能性はあってもなかなか世界中に通用するものにはなりにくい。
これは(分野として?)統一されにくいので大きな流れにはなりにくいです。
まあ、日本国内でもきちんと統一されたことはないですが
うーん。まあ、確かにそうなんだよねえ。
しかし、様式美が世界に受け入れられないというのは、イマイチひっかかる。
様式美がわかるのは、共通文化圏に限られるという話だ。
(絶望先生は内輪ネタが多いよね)
ならば共通文化圏でわかれば良いのでは?
ダークナイトが日本で売れなかったのはキリスト教文化圏の話だからだし、欧米だけを世界だと言って、日本が世界に取り残されるとか言うのは拙速な気がする。
氷川先生はアメリカ在住経験者だが。
でも、マーケットとしてはやっぱりアメリカ主導なのかなあ?金が絡むとマスプロダクションにいかないとダメか。
うーむ?
売れたポケモンは、欧米ではマッチョなモンスターでなければ売れないと言われたが、ピカチュウで押し切ったら売れた。
なら、日本独自を貫くしかないか?
ポケモンやドラえもんは子供向けだし、見た目もプレーンだから、新房的オタク共通様式はまた違うか?
しかし、出崎統はハム太郎もやってたし、出崎は共通文化圏のなかの様式美だけでなく、もっと人間共通のエモーションを表現していると思いたい。
が、key作品や源氏物語千年記 Genjiでも、日本国内でも賛否両論だからなあ
うーむ