玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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∀ガンダム第49話「月光蝶」ロランの心的外傷

脚本・高山治郎 コンテ・横山彰利/斧谷稔 演・池端隆史 作監・しんぼたくろう/中田栄治
http://www.turn-a-gundam.net/story/49.html
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words49_TurnA.html
本当に、公式サイトのあらすじの本編と違うのがすごいな!脚本段階のあらすじなんだけど、なにが「コレンの作戦で地中に潜ったロラン達は月光蝶の力から逃れて、ジョゼフを助け出し、改めてコア・ファイターを∀ガンダムに換装する。 」だって?


あー、なんかねえ、体調がクソ悪いし、実家は何気にアニメが見にくいですね。罪の意識とかさ。病人に正月も御盆もないのだ。だから、ガンダムを見ても大して感想が思いつかない。
とりあえず、今回の見所を短く1点だけ記述。

  • 最終回一個前だというのに、ロランのやる気のなさがすごいですね!

というか、ロラン・セアックが終盤の主人公なのに主役ロボットに徹底的に乗りたがらないというのがすごい。
ターンエーガンダムはジョゼフ・ヨットが奪ったまま、ロランに返そうとしない。そして、ロランもジョゼフに返せといわない。
しかも、新世紀エヴァンゲリオン最終回1個手前の25話の碇シンジのように明確に逃避してもいなくて、とりあえずコアファイターをつけたフラットに乗って戦場の周りにいて、戦場を報道するフランの手伝いのような事はしてみる。
ずるい!
思えば、前回、ホワイトドールをグエン・サード・ラインフォードから奪い返したのはジョゼフで、ロランはその時「僕はジョゼフさんのお供で来ただけです」とかすごくやる気のないコメントを残している。
前々回47話のラストで

ロラン 「奪取作戦を仕掛ける?」
ハリー 「グエン卿の所に白ヒゲがいるのでは面白くない。な、シドじいさん」
シド 「ああ。こんなもんじゃ戦いようもないもんな」
ロラン 「そうですね、ターンAの機体は取り戻したいですね」

で、48話冒頭で

「ロランの奴は何もできないでいるんだぞ。だったら、ジャラピィ部隊で出て行って取り戻してやる」

と、ジョゼフにキレられる。つまり、ロランは47話から48話の間、何もしていない。とりあえずハリー大尉が「奪取作戦をするぞ」と言ったら、それに上辺だけ合わせて「そうですね、ターンAの機体は取り戻したいですね」て言う。でも何もしない。
「よし、取り戻します!」ではなく「そうっすね、取り戻したいっすね」と、目標は言わず事実を確認するだけの態度にしている。
「そりゃあ、取り戻したいのはやまやまですけどね。でも正直めんどくさいです」と言うサボり癖が見えますね。
そして、48話から49話の間でも、何もしていない。
ほんで、戦場写真を撮っているフランの護衛をボンヤリしている。

フラン 「終わったみたいね」
ロラン 「そうですね」
フラン 「ジョゼフは、ターンAをロランに返す気はまったくないみたいね」
ロラン 「地球人の意地は、わかるんですけどね」
フラン 「それにしても無茶よ」
ロラン 「わかることはわかるんですよ。運河びとの僕らがゲンガナムの都会人にコンプレックス持ってるのと同じでしょ」

とか、とりあえず「ジョゼフさんの気持ちが分かるんで、僕は強く出れないんですよ。」と、何もしない理由を説明してみる。相手に対する優しさを理由にして何もしない。
今回のロランは人の気持ちはわかるけど、自分の希望は欠如している。
でも、ロランは戦いたくないだけだよね、結局傷つきたくないだけだよね。要は勇気がないんでしょ?
カスじゃん!


じゃあ、48話まで戦いつづけたロランに「要は勇気が自己責任!」って言えますか?「ヒーローは戦って、死ね」と、言えますか?
僕は無理だなあ。


今回の前半は、ディアナカウンターと連合したルジャーナミリシャとディアナ一味にコレンも加わり、皆が最終決戦に向けて意気揚揚とやる気を発揮している展開です。ですから、ロランのやる気の欠如が強調されます。
ディアナに許されたフィル・アッカマンやミラン・レックス執政官はディアナ様への忠誠心を復活させテキパキと働く。ポゥ・エイジもコレンカプルの整備や現場の指揮に忙しい。
ヤコップ・ブルーノのダメ人間コンビですら

ヤコップ 「この艦に置いてくださいよ。新生親衛隊に入ったって、フィル少佐にがみがみ言われて」
ブルーノ 「ちっとも戦わせてくれない」

と、ハリー・オードに直接「オレ達もモビルスーツに乗せてくれ!」と談判している。これが終盤のアクションシーンに繋がってくるわけだが。
ヤコップ・ブルーノコンビは序盤はコレンの腰巾着で使い捨てでアグリッパに使われていたヤクザ物で、「飯さえ食えればそれでいい」という脱走兵だったのだが、今はディアナ様への忠誠を見せるために戦いたいと。
まあ、それだけギム・ギンガナム軍の攻勢が悪逆非道であり、ギンガナムに対する勢力は皆、使命感に燃えている。
ギンガナム軍も初めての実戦にやる気満々だし、ギンガナム御大将は絶好調である!
グエン卿もターンエーの量産に意欲を燃やし、またその裏では偽装投降したホレス技師達がグエンに「ターンAの量産をやってみせます」と言ってグエンの資産を食いつぶしながら情報をディアナに流すという内部工作している空気も匂わせている。
皆、自分の出来ることを最大限にやっている。


なのに、主役はボンクラです。
っていうか、皆が戦争に張り切れば張り切るほど、ロランは「もう、勝手にして下さいよ。勘弁して下さいよ」と、うんざり。
最終回の手前で、ロラン君は世の中の全てがどうでも良くなってきました。
(僕がそうだから、そういう所に共感しているだけかもしれんが)


ここはエヴァンゲリオンに似てますが、碇シンジは割とテレビ版から「乗りたくない時は乗りたくないと言ったり逃げる、乗りたくなったら乗ると言う」ここは結構、ハッキリとしているんです。
ロランはクソ中途半端だな。やめたいけど、辞めるとも言わない。
やる気がないならやめろよ!
コアファイターターンAガンダムに取り付けて「ジョゼフさんが使って下さい」って言えばいいのだが。
皆が口々に「ターンエーにはロランが乗るのが筋」「さっさとロランが乗ればいいのに」「ターンエーの動きが悪いからロランを載せて効率的に動かせ」とロランに期待しているのでロランは「乗りません」とは言えない。
結果、一見して中途半端だと誰にでも分かるコアファイター・フラットなんかに乗ってしまっている。あのコアファイター・フラットのアンバランスさはロランのダメさを明確にあらわしているメカニックですね。
みんなに焚きつけられて、フランに注意されて、それで仕方なくジョゼフと取っ組み合いして「∀ガンダムに乗せろ」と、言ってみたりする。でも、ケンカに負けて、結局はジョゼフが格好つけて出撃するのを見送っていく。
しかも、ロランがジョゼフに「ターンエーを降りろ」と談判と談判する時のセリフがすごい。

フラン 「ターンAはロランに返すのが筋なのよ、ジョゼフ」
ジョゼフ 「バカ言えっ」
ロラン 「無茶ですよ、…フラン、フランさんと一緒に戦ってくださいよ」
ジョゼフ 「フランを戦場に出せるか!」

ロランがキラ・ヤマトだったら「やめてよね。 本気でケンカしたら、サイが僕にかなうはずないだろ」とカッコよく自分の実力をアピールできますが、ロランは
「フランさんと一緒に戦って下さいよ」と、女の名前を出します。主語が自分ではなく、女です。もうね、やる気が全くない。
いやー、キラ・ヤマトはピーピー泣くけど力とやる気があってえらいなー。そりゃ、売れるわ。ロランも女性に受けるタイプだけど、最後の最後で「可愛い弱音」ではなく「どうでもよさ」を出すからダメだなー。


「ジョゼフより俺がターンエーに乗るべき」と言えば良いのにネ。でも、ロランは心の底で「乗りたくねえなあ」って思ってるから言えない。
「ジョゼフさん、ジョゼフさんは女性にモテますから、どうぞ彼女さんと一緒に居て下さい。彼女さんと僕が一緒にいるのはよくないっすよ。ターンエーに乗るって言う嫌なことは僕がしますから、ジョゼフさんはラブラブして下さいよ」と、そういう卑屈な説得の仕方を。
「自分がやりたいからやらせて」ではなく「あなたはもっとほかの事をしたらいいし、きつい事は僕がやりますから」という奴隷根性丸出し。
で、ジョゼフに「フランを戦場に出せるか!」とマジギレされます。馬鹿だなーwww
しかも、ロランとフランは兵学校の同級生で親友だったのに、今回「フランさん」と、さん付けの上に敬語。卑屈すぎるwww
でも、一人言で「馬鹿野郎がっ」って言ったりしてて、順調にイライラを溜めています。もう、この子はダメかも知れんね。


もう、ここら辺のロランの言い訳がましさと責任回避はすごいな!
その場限りの言い逃れ、取り繕いだけは上手い。さすが、「平気で嘘をつく人々」が元ネタのガンダムであるだけの事はある。
ロランは「歴代ガンダム主人公の内でもっともまともで安定している良い子」と評されることが多い。しかし、ロランは序盤から結構、嘘ばっかりついているし、隠し事も多い。何を考えているかよく分からない所はある。
その癖、人の気持ちを変に察する所があり、人の期待や命令にはおとなしく従う。女装もするし、状況に流されがち。知らない人に「核兵器を捨ててきてよ」って言われたらホイホイ宇宙まで捨てに行くし。
その割に、妙に頑固なところもあり、普段は従順なくせにやりたくない事は絶対やらない。
だから、グエンは「ローラは言う事を聞くよね」と勘違いして命令をして、最後にいきなり拒否される。
もう、ロランの人格に問題があるとしか思えない。こいつ、C群じゃね?
というのも、僕もそう言う性格なので、ロランの行動には自分を投影できる。(というか、この文章がロランへの強い自己投影の結果であるとも言える)
とりあえず、僕はエゴグラムではAC優位のN型です。
http://www.egogram-f.jp/seikaku/aisyou/n.htm

このタイプは協調性に富み、周囲に穏やかな印象を与えます。我慢強く寛大で柔軟な考えを持って、他人を強く批判する事はない。トラブルを起こす事はなく、何事も一生懸命、忠実に取り組む。


ただ、自分の言いたい事を押し殺し、仕事の内容や量を考えずに引き受ける。その様な事が続くと、どんどん頼まれことが増え、人知れず苦しむことになり、肉体的にも精神的にも疲弊します。


”周囲がどう思うか”という事に注いでいたエネルギーを”自分は本当はどうしたいのか”という部分に向けることも必要です。

わははは。ロランっぽい。


まあ、このテストも当たってるか分からんけどね。
人に意見することはないと言われたが、ガンダムを批判されたら「いや、おもしろいですよ」って言うし。ただ「ガンダムは訳分からない部分が在りますけど、こういう見方を見ると面白いですよ」とブログで説明するために内容や量を考えずに長文エントリを、読者のために書くという所はあるか。
あと、ロランにも完璧に当てはまる訳でもないね。ロランは女心を理解しない幸せボーイな側面もあるし.


まあいい。
とりあえず、ロランの行動パターンをまとめる。
1「やる気がない」
「絶対に自分が主人公だから、俺がロボットに乗らないと地球の平和は誰が守る!」という気持ちがない。
「ジョゼフさんがやりたいんなら、やればいいじゃないっすか」と、どこかで思ってる。ていうか疲れた。
2「やらない気もない」
「でも、皆、僕に乗れって言うし、能力的にも僕が乗ったほうが良いかもしれないから、とりあえず、『乗る事にやぶさかではない』と言う態度は取っておいたほうがいいですよね」
3「人の意見を優先する」
「でも、結局はジョゼフさんが譲ってくれるかどうかですし」
「でも、やっぱり皆、乗れって言うしなー」
4「色んな人の意見を考えた結果、めんどくさくなって投げ出す」
「とりあえず、ジョゼフさんとケンカしてみたり、コアファイターで待機はしておいて、状況に流されればいいか。なるようになれ、知った事じゃない」


うわっ。最終回手前でこの投げやりぶりはすごい。
ロランは「成長しない主人公」とよく言われるが、むしろ退化してる・・・。
「ローラの牛」での「人の命を大事にしない人とは、僕は誰とでも戦います!」と言ったやる気はどうした。


でも、ロランの気持ちも分かるんです。
一言で言えば、ロランは疲れているんだ。
41話の冒頭で「僕は運河人の故郷に戻らなかったら、戦いが続いてとっくにダメになっていたと思う」とかなり精神的にヤバい発言をしている。
月に行って、ともかくアグリッパとミドガルドを倒し、ディアナ様の政権は安泰。と、思ったら尊敬していたグエンに裏切られ、大切な地球がギンガナム軍に侵略され。
無敵のホワイトドールターンXに敗れた。
でも、ロランのストレスの原因はむしろ「人殺し」にあるでしょう。19話「ソシエの戦争」ラスト

ロラン 「機械人形ってパイロットとか人が見えないから戦えるって言いますけど。僕、今日はあの機械人形にはどういう人が乗っているんだろうって想像しちゃったんですよね」
ソシエ 「それでも戦えるんだ。すごいんだね、ロランは」
ロラン 「違いますよ。こいつ、ホワイトドールがすごいんですよ」

アムロの「相手がザクなら人間じゃないんだ」へのカウンターの星山博之脚本です。
ロランはホワイトドールという無敵のストライクフリーダムガンダム的な力を持っているので人を殺さないで済んでいました。でも、ターンXに負けてターンAを奪われ、コアファイターで出陣した時、自分の意志で人を殺しました。
ちなみに15歳の時に「相手がザクなら人間じゃないんだ」と言ったアムロ・レイ氏は逆襲のシャアを題材にした小説ハイ・ストリーマーの中で、自分が撃墜された後に来た増援のジェガンが敵のザクを掃討するのを眺めながら「自分に力があれば、敵のザクのパイロットは救助できたのに。俺は無能だ」と、感じなくてもいいストレスを感じました。
「人殺しのストレスを感じないために殺さない」というのが90年代にテーマとする作品が増えたわけですが。
富野ガンダム主人公は「人殺しのストレスを感じたくないと言う優しい性格だが、非力なので結局殺しちゃって、我が身可愛さの自分を実感して、自分はダメだなーってストレスを常に感じながら磨り減っていく」。地獄。


ロランは45話で撃墜されるまで、ある程度はホワイトドールの力でストレスを感じてなかった。(それでもディアナ様に「ロランはホワイトドールに縛られていました」といわれる程度には磨り減ってた。)
37話で、ロランとレット隊が協力してマヒローを撃墜した時、ホワイトドールのビームだけ、直撃しないようにわざと外してたし。
でも、46話でコアファイターに乗る羽目になって、敵に対しての戦力差がなくなったので、殺さなきゃ死ぬ状況になり、意図的に人殺しをしたでしょ。
そこで人殺しに慣れたと思い、47話でメリーベルの乗るコックピットだけを狙って殺そうとしたら、流れ弾で親友のキースのパン屋が全焼。ロランのストレス増大。


ここ4話でロランは一気に磨り減る。他のガンダムシリーズが一年かける所を1ヶ月で磨り減ったのかも?
あきまんさんのブログに乗ったコメント。

14. Posted by sakurako 2009年10月07日 00:24
∀ガンダムで、なぜあきまんさんのキャラクターがブレイクしないのか不思議なくらいでした。
ヒゲはヒゲで好きですし、あの話も好きなんですが、大衆に受け入れられないってことなんでしょうかね。
名作として評価される日が必ず来ると思ってます。


15. Posted by あきまん 2009年10月07日 00:37
癒しが必要な疲れた少年ってまずいでしょ
それがターゲットだからですよ
http://blog.livedoor.jp/akiman7/archives/51940117.html

作者が認める、「売れてはいけない作品」それがターンエーガンダムだ!
でも、疲れてるんだ・・・。僕も。
氷川先生も「富野作品はタツノコ作品の悲壮感を受け継ぎ、ストレスフルで見てて辛い」と言うし。
ダメじゃん。


他の皆が「さあ、決戦だ」と言う時でもロランは「殺される人ってどういう気持ちなのかなー」とか要らん想像力を働かせて、勝手に磨り減る性格なので。
そりゃ、もう、思考停止して「もういいや、なるようになれ!」って言うのは仕方ない。それが戦争なのかも。
というか、ロランって序盤から逃避的志向の持ち主。

「ソシエお嬢さんがミリシャのパイロットになってしまったし、奥様のことでキエル様もおつらいとわかるから、
僕は戦うことでそういうものを見ないようにする。
次回、ターンAガンダム『ディアナ降臨』。風よ、収まれ」

ディアナ様に依存して、自分の意向を消去し、状況に流されて生きるという、まさにムーンレィスの下層階級らしい思考パターンがロラン。フラン(元チャイドル)に「僕は田舎者なので都会人にコンプレックスがあります」とか言うし。
でも状況に流されるくせに、「だから仕方ないんだ!」ではなく他人の事を考えて勝手に「ごめんなさい!」と磨り減っていく・・・。


あ、そう言えば、ロランは実は、最近大好きなディアナ様と会っていない。キースのパン屋で別れたきりだ。それもストレスか。


そんな風にロランが優柔不断で逃避した結果、ギム・ギンガナムのターンXの猛攻で、ディアナカウンターもミリシャも多大な死者を出し、ギンガナム軍も大勢死に、ウィルゲムは撃墜され、親友のフランを妊娠させたままジョゼフが死にかけ、ハリーもポゥも死にかける。
ここで、「戦争は嫌だ」と言うロランにまた新しいストレスがかかります。
「自分が何もしないということでみんな死ぬ」
2000年にすでにターンエーガンダム決断主義をやっているので宇野常寛氏のゼロ年代の想像力はなんか遅いっす。
10年時代は、全体主義!(笑)


ただ、決断主義と言うだけでもないんだな。
今回のセリフを見れば分かりますが、ロランはひたすら回りの人に流されて「はい、そうです」って言っているだけです。徹底的に主語がない。
僕もそう言う傾向がありますが、やる気がない時は文章を書くときも事実の羅列しか出来なくなって、意見とか言えなくなるんだよね。
ロランも意見を出しても周りの人に潰されてるし、なんか勝手に戦争されてるし、自分が頑張っても状況はメキメキ悪化していくし、そりゃ、喋れなくなって行くよね・・・。


それが最後に「人が、安心して眠る為には」と、一言だけ言う。これは状況説明ではなく、志向性を持った意見です。そして、ロランはターンエーで飛ぶ。
今回のストーリーはつまり、「万能感を持つロボットを与えられた少年が、その万能感ゆえに疲れたり、万能感を捨てさせられて疲れたり、罪の意識に苛まれて、それでもロボットにもう一度乗る事を選択する」という、まあ、ロボットアニメらしい話ですな。
でも、「人が安心して眠るため」と言うのは、やっぱり利他的行動ですね。あまり決断や、自己責任というわけでもない。
「眠る」が「死」というターンエーガンダムのテーマだとすると、(これについては最終回で改めて語る)「戦場での死は、人間の死ではない」という富野監督にありがちなテーマ。
また、「僕が安心して眠るため」と言い換えられるとしたら、「ロランはあまりにも疲れていて、もう、一刻も早く安心して寝たいから、キレた」かも(笑)。
人の面倒ばかり見てる人が自分の意見に気づくには、生理的にキレるしかないのかもしれないね。



今回の予告

「地上で戦端を開いたギンガナムにはターンXがあった。
ジョゼフさんは命を賭け、ハリー大尉やディアナ・カウンターも死を恐れなかった。
僕は、ディアナ様が見てくれていると信じるから、光の中へ飛ぶ。
次回、ターンAガンダム月光蝶』。風は烈風」


「ディアナ様がソレイユで防御の陣をひくが、月光蝶の光は黒歴史の再現をしようとした。
ギム・ギンガナムのいくさの執念を止める為に、ターンタイプの使い方があるはずだ。
僕は、心を決めた。
次回、ターンAガンダム『黄金の秋』。風は、またそよぐ」

ロランが心を決めたのは、ロランの主観によると「ディアナ様が見てくれていると信じるから」「ギンガナムの戦の執念を止めるため」らしい。


ディアナ様とロランは最近会っていない。
それでも、「見てくれていると”信じられれば力”」泣ける。ディアナ様がソレイユで戦ってくれる。ならば信じられる。
ギンガナムの「ディアナという生真面目なアイドル」という表現は正しい。




さて、色々と不安定な性格だが、紆余曲折あって、ついに、やっとロボットアニメの主人公らしくガンダムに乗ったロランと、ギンガナムの決戦で、次回、最終回。
どうなることやら。
ロランはもう、ダメだと思うんだけどね。


ちなみに、ギンガナム御大将は絶好調で戦ってて、ディアナに反抗して自由意志を謳歌しているように見えるが、その反面、「ターンAを討つターンXという運命」に酔って、依存対象が「ディアナの侍」から「黒歴史の英雄ごっこ」に摩り替わっただけかもね。機械に使われる人間と言うのが∀のテーマでもあるけど。
英雄や王制や人の役割と言うのも、「システムという道具が人を殺す」だというのが、マニューピチでも見られたターンエーのテーマである。
ならば、英雄ごっこは、死を恐れなかったジョゼフやハリーやポゥやコレンにも言えることかもしれないか。
ジョゼフが妊娠したフランをロランに託して出陣したり、戦いに赴くハリーへキエルが「死ぬおつもりなのでしょ、でも、それは嫌なのです(富野絵コンテ書き込み)」と手を伸ばしたり、ポゥがギンガナムと刺し違えようとしたのは、英雄ごっこ的だ。というか「ドラマの文脈というシステムが、人の行動を導き、殺す」。最近、「大きな物語」とか「坂の上の蜘蛛」とか「希望は戦争」とか、そう言う話をよく聞きます。
「英雄になる」とかも含めて「こういう局面ではこういう振る舞いをするのが自然だし、格好いい」という「人生の文脈としての自動思考」について、ターンエーガンダムを見て感じました。あるいはドラマのテンプレートの否定でしょうか。0083などは非常に「ドラマの自動思考」な感じのガトーの自己陶酔振りでしたね。
(もう、自分でも何を言ってるのか半分分かってない。)


「ターンエーが往く・・・」と言われて飛ぶロランはとても英雄のように見える。
が、ロランは今回、誰よりも最後まで英雄である事を拒否しようとした。
いや、それが逆説的に英雄らしさなのだろうか????
つまり、「英雄に憧れず、英雄の辛さを知っているが故に、だれよりも英雄に相応しい」っていう。ベラ・ロナとかだねー。富野の貴族主義だね。
ターンエーガンダムの指導者は何人か出てるけど、ディアナ様もクワウトルもタルカもアグリッパも「愚民の知らない世の中の裏の辛さを引き受けて、個人的にはグダグダに疲れて行くんだけど、自分がやらないと愚民が死んだり戦争したりするからなあ、アアア嗚呼」というウンザリ感がすごくある。
そりゃ、愚民の視聴者から見たらカッコよく戦うのが良いんでしょうけど!
勘弁して下さいよ!


でも、「ユニバース!」「月光蝶である!」は、くそカッコいいな。ちくしょう。
だから、英雄ごっことは言ってもそれも人の元気さではあるんだよなー。


まあ、長く書いたけど、つまり、良い子っぽいロランもアムロカミーユと同じく人格が破綻したからガンダムらしくて良かったね。っていうこと。
あと、ロランでも人格が破綻するから、戦争はダメ!絶対!