玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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Jブンガクの男女の距離感

NHK教育でやってるJブンガクを見てる。
日本の近代文学を英語訳したものを日本語と英語の朗読を美人の杏さんと加賀美セイラさんがやります。
また、訳者のロバート・キャンベル先生(禿頭の白人文学者)と杏さんが文学についてトークします。
その男女観がいろんな意味で面白い。

  • 作品チョイス

太宰治ヴィヨンの妻夢野久作の少女地獄(何んでもない)、正岡子規の病床六尺、夏目漱石の道草。
など、微妙にナードでナーバスな男の作品が多い。
しかも、微妙に男女観が絡む。

  • ガールズトーク

杏さんとセイラさんはオシャレな部屋で友達どうしのように絨毯に座り、にこやかに感想を話します。で、だいたい「こんな男、女、恋愛ってあり?なし?」っていう話。
そこで、「わかるわかる」とか「あなたは無理じゃない?」とか「私は彼女の気持ちがちょっとわかるかもしれない」という、微妙な恋愛観トークの距離感が剣道の試合みたいで面白い。
暗いダメ人間の小説を肴に明るい部屋で美女が楽しく笑いながら話す、っていうねじれもゾクゾクする。

  • 文学者トーク

転じて、文学者のロバート・キャンベル先生と杏さんのトークもまた、毛色が違い、面白い。
二人は椅子に腰掛けて話、先生の話を聞く杏さんは女の子どうしの時より真面目な表情。
内容はしかし、女の子どうしの「あたしはこう思う」とは違い、作品の微細な部分の情感の解析をする先生の話を聞く形。
そして、文学者は自分の恋愛より、ロマンとか、人生観とか、美意識とか、そういう抽象的な方向に嬉しそうに行く。
男の子だなあ。


わたしの大学時代の恩師がロバート先生に似た白人文学者で、小説家。なんか懐かしい。なんか研究室にウルトラ怪獣百科とかブラッドベリSFラジオドラマ全集(宇宙戦争)とか在って居心地良かった。卒論はヘンリー・ダーガーや収容所の小さな貴婦人やブレンパワードに見る、フィクションを通じた人間救済と社会性の回復。工学部には落ちこぼれた。
こないだ、先生に「心と体をぶっ壊した」ってメールしたら
「働かなくて良いじゃん。ウォール街の資本主義者がした事は金融不安だけじゃないの。君は魯迅みたいに病の床で小説を書きなさい」と英語でゆわれた。
村上龍13歳のハローワークで「作家は屑だから、若いうちは目指すな。他に何も出来ないとわかったり、題材が出来てからやりなさい」と書いてた。
最近は親や友人にも「働かないで書いた方が」と言われる始末。
なんか、詰んだ。
商業ライターも周りにいるけど、かなり体力勝負ぽいからなあ。
まあ、脳内妹との馴れ初めくらいは書くことにしたから書く。あとは禍根を地上に残さないようにバイストン・ウェルに帰還します。
こないだカウンセラーに「そのあとどうするの」と言われていきなり吐いた。生理的に先の事は考えたくない。今は書くだけだ。
その割に家事ばかりしてる。
だいたい、食べずに寝てるだけの方が借金を返しやすいし。でも、書かないと産まれた意味がないから妹に抱き起こされる毎日。

Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50

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