玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

【第3話】さらざんまいは男たちをつなげるのか

【第一話】さらざんまいは男を救うプリキュアになれるか? - 玖足手帖-アニメブログ-

【第2話】さらざんまいは鋼の龍騎なのか? - 玖足手帖-アニメブログ-


 さらざんまいの小説は読んでない。公式スターティングガイドも買ってない。毎週の放送の驚きとグルーブ感を楽しみたいので。



 というわけで、燕太が一稀にキスしたああああああああああ!!!!!!!


 なんの脈絡もなくホモキスする。マジかよ・・・。こういう驚きを大事にしていきたいという気持ちでまっさらな状態でさらざんまいを見ていきたい。


 このブログではさらざんまいは男が描くBLであり、同時に男が変身するプリキュアであり、男の汚さや恥ずかしさを描いていく、という持論で展開していきます。

 東京スカイツリーが男根のメタファーでアサヒビール吾妻橋ビルがうんこで、虹はゲイカルチャーのレインボーだということは皆さんも御存知でしょう。隅田川は男の下半身であり、欲望フィールドのバトルフィールドとなる吾妻橋は男の敏感な部分で、さらざんまいでカパゾンビのアナルに突っ込む主人公たちはアナルビーズです。

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 でもBLは苦手なんじゃ。というか、基本的に絶対数として読んでる数が少ないのでBLに明るくない。百合のほうが好きなんですよね。女好きなので。BL書いてる作家さん、たいてい百合も書いてるので、百合をやってくれーってなる。










 なんかTwitterに色々と書いてしまったけど、まあ、ウラネプや少女革命ウテナでレズカルチャーに旋風を巻き起こした幾原邦彦監督がゲイとかホモセックスに取り組んでいこうという意気込みに男として前立腺がビクビクする感じです。

  • 第3話のびっくり!ポイント

 プリキュアフォーマットなので、主人公グループの黄色の燕太の姉の音寧が敵に拐われて、というのは割りとルール通り。手堅い作り。


 しかし、びっくりしたのはさらざんまいの歌のメインボーカル兼、カパゾンビのアナルに飛び込んで尻子玉を掻っ払う役は一稀じゃなくて燕太でもいいというルール破りです。
 まあ、プリキュアで言うお当番回なのかな。


 それはまだわかるんだけど、第3回にして自撮り写真ミッションがコンプリートできてないという。えっ。そこ重要じゃなかったんですか?


 そして、その自撮り写真ミッションが遅れても許す弟の春河は病気でした・・・。輪るピングドラムで妹が病弱設定を使ったので、やらないだろうと思っていたら、やってくれましたね・・・。ここもルールを破ってきた感じがします。
 一稀がサッカーを辞めて女装自撮りにハマったのは、やはり限られた命の弟への愛という、ピンドラで高倉冠葉がやったような動機なんでしょうか。



 あと、今回は燕太の妄想が画面に映されている画と交錯するトリッキーな演出だったのもびっくりでした。


 なんだろう。自由に作りたい感じがする。プリキュアプリキュアで、まあ、玩具を売らないといけないのでそういう回もあるのですが。さらざんまいはおもちゃを売るアニメではないので(まあ、キャラクターグッズは出るわけだが)そこら辺の制約は割とゆるく、やりたいようにやるのが優先なのかなあ。


 あと、今回のカパゾンビの欲望が「キスをたくさん釣って三枚に下ろすのが好きだったんだ」というのが謎すぎる。というか、箱男と猫男はつながれないモテない男だったので、モテない男の喪エネルギーを「去勢された負け犬ども牙を剥け」というカワウソイヤァ!で欲望エネルギーに搾り取っていくのかと思ってたんですが。今回のゾンビ元のキース・モットクレーは結婚詐欺を連発するくらいモテてる男でした。でも、モテても一人の人を愛さなくて結婚してなくて結婚詐欺をしてるのは幾原邦彦的には愛ではなくつながれない欲望という判断をくだされるのかなあ。
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 あと、カパゾンビの欲望がケッピに消化されると死に損でゾンビ元の人は携帯電話のデータとか写真や人々の記憶からも消去されるということが明らかになってびっくりしました。
 死に損っていうか、プリキュアザケンナーとかゼツボーグやオシマイダーの元の人は浄化されるけど、さらざんまいの加藤諒は抹消されるのか・・・。男のプリキュアとしてのさらざんまいですが、なんか妖精のマザーがハグして浄化して許すという母性の浄化作用が男にはないわけで、負けた男は変な警官にSATSUGAIされた上に欲望エネルギーを搾取された上に消されるので、ハードですね。男の世界に許しはない。


 ただ、カパゾンビの加藤諒たちが知られたら終わりだと思っている欲望に近い変態性癖(女装、窃盗地域猫去勢、ホモキス)をさらざんまいをした3人には共有されてしまっていく。これはどうなんだろう。
 プリキュア的には主人公たちが直面する内面的な問題と、敵のモンスターのテーマがリンクすることは、あったりなかったりなんですが。(プリキュアが悩んでいたり関心をいだいていることに関係する人がモンスターにされる場合もあれば、全くの通りすがりの人がその回のテーマとは特に関係ない題材のモンスターにされる場合もある)
 そういう点では、さらざんまいの「お題」(箱、猫、キス)が主人公と吾妻サラのラッキー占いとカパゾンビで共通しているのはストーリーの密度としては濃い。(虚構性は高まってしまうのだが、そこは幾原空間でファンタジックにハイテンポ、ハイテンションで描かれる)


 あと、キス男の欲望、たくさんの女性にキスされたいだけでなく、「三枚に下ろすのが好きだった」というの、深読みしたら「魚のように内臓を捨てる」=「妊娠させないセックス」=「つながらない欲望」ということかもしれない。結婚詐欺で自殺に追い込んだ罪状らしいので、実際に女性を捌いて内臓を取り出すという猟奇的犯罪者ではないようですが。(猫男は革を剥いでるので、羊たちの沈黙レベルの猟奇的犯罪者ですけど)(箱男、箱は盗むけど比較的無害だったな・・・)


 一稀はキスされたことを「サッカー部の罰ゲーム」とすごく都合の良い解釈をしてホモを糾弾しない。一稀が女装していることが知られても花やしきでなあなあになったように、隠したいと自分が思っている変態欲求も表に出すと案外破滅しないで人生は続く、みたいなノリなのだろうか。箱は欲望をしまい込むが、皿は欲望を載せて公開する。
 というか、毎回、カパゾンビだと死ぬレベルの秘密の変態欲望を共有していく3人はどんどん秘密を共有してホモレベルが上がりそう。
 でも、ユニフォームを嗅いでリコーダーを舐められるのは罰ゲームとかじゃなくて普通に引くと思うけど・・・。まあ、一稀も女装バレしているうえに、春かっぱのためにこの関係を維持しなければいけないので、負い目があるのか、怒れないのか。ホモに寛容な世界観。


  • 兄弟ホモ

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 まあ、ホモも妊娠できないし、出産するプリキュアに比べると、さらざんまいには未来がないというのは第一話の感想で書いたとおりですが。

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 ∀ガンダムも女装とホモが出てくるアニメでしたけど、さらざんまいは百合的にも見えるプリキュアを男にして、そしてホモとして描くホモプリキュアソーシャルアニメだと思っているんですが。そして、キンプリやスポーツアニメやバトルアニメみたいな勝利とか王子様的な社会的成功や社会的承認もゴールではないという感じなので、先行きが見えないのがさらざんまい。


 で、今回キーワードになるのが「兄弟」です。輪るピングドラムでは兄妹で、しかも陽毬とは血がつながっていなかったので(まあ、オチは概念エンドだけど)セックスの可能性はあった。今回は兄弟です。男同士です。新しい家族を作れない!ホモには未来がないのだ。
 つながりたいけど報われないのが兄弟ホモ。すごく閉じた関係。


 燕太が春河と二人でババ抜きをしてるのも、すごく閉じた関係っぽいですね。田亀先生の弟の夫、みたいな家族が広がる感じは、あまりしない。二人でババ抜きはキツいぞ。


 燕太は悠に「一稀とはガキの頃から一緒にサッカーしていた」と言い、悠は「兄弟みたいだな」という。悠も兄の誓に執着している。
 で、燕太もガキの頃から一緒で兄弟みたいだから、一稀がこのままだとサッカーをしないとわかる。だが、それは燕太は認めたくない。サッカーをしている一稀が好きなのであり、もっと言えば一稀にパスを出して一稀と同一化してシュートをする燕太自身が好きなのであり、幾原邦彦作品で重視される「自己愛」の話なのです。自己愛を錯覚してホモになることはよくある。(あんまりBL読んでないけど、ウテナに影響を与えたヘルマン・ヘッセ車輪の下デミアンとかもそういう思春期の自己愛と友情の混同とかが描かれていた)


 燕太には姉がいるが、姉は彼氏がいたりするし成人女性なので、姉には大して感情がないみたいだが、兄弟みたいに育った一稀のことは好き。そして、一稀が好きな春河とも燕太は仲がいい。一稀は多分、春かっぱが病気なので何かの負い目を感じてリアルでは笑ってくれなくて女装自撮りでネットコミュニケーションしてるっぽい。(ウテナでも有栖川樹璃の姉という戦力的にはリナ・インバースの姉くらい最強格のキャラクターがスルーされているので、幾原邦彦は兄弟や妹には執着するけど、姉はスルー気味なのかもしれない)姉は嫁に行くので、独立してしまう女性という感じなのだろうか。妹は自分の命をかけて守る対象になる。とか、妹は犯したりする。


 というわけで、自己愛の話なんだと思う。

  • 同一化

 カワウソイヤァのPVを見ていくと、やはりカワウソ陣営のレオとマブも同一化ホモのようだ。
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「我らが獲たもの、ふたつの運命 我らは似たもの、ひとつの生命」と歌うわけで、世界を革命する力っぽいポーズをするレオとマブは同一化のようだ。マブの心臓をレオが抜き取るけど、この意味はまだわからないが、心臓に時計がついているのを考えると、命を共有して同期するようなニュアンスなのか。
 プリキュアとかセラムンのウラネププルのサターン育てはレズ妊娠で疑似家族を作る感じにも行けるけど、同一化ホモは未来の子供を作るっていうよりは合体してひとつになる感じなのだろうか。


 また、カワウソイヤァのバックでは東京スカイツリーの柱のようなものが描かれる。(カパゾンビを生み出すときにケッピの目みたいなものも映るけど、吾妻サラのマスコットのカッパなのかなあ?)


 そして、さらざんまいのオープニングテーマで東京スカイツリーが描かれる。

東京スカイツリータウンの計画概要


下から上に向かって三角形から円形の平面にトランスフォームするように,一層の 24 の頂
点が正三角形から正 24 角形に変化する平面形が誕生した(図-6)。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/32/10/32_721/_pdf/-char/ja


 東京スカイツリーの柱は地下で杭になっているので、カワウソはその地下の部分で暗躍しているのかもしれないのだが。
 

 さらざんまいのカッパ三人が繋いだ手は三角であり、同時に円になる東京スカイツリーの構造と相似形である。これはおそらく意図的なものであろう。


 カワウソのレオとマブがふたつの運命をひとつの生命にして合一化しているが、三角錐から円形に変化する東京スカイツリーの男根のメタファーでつながっているさらざんまいは2ではなく3であるがゆえに強い、ということが今後の展開になるのだろうか?

 さらざんまいのマークも、2つの繋がらない曲線が3つの皿を描くようになっている。合一化を指向するホモ的関係性が一対一の二人ではなく、三人組の3つのペニスを一つの円に身も心もひとつにすることで強さを発揮するのが、さらざんまいなのかもしれない。


 幾原邦彦監督と仲がいい庵野秀明監督のシン・ゴジラは時期的、政治的な問題で東京スカイツリーを描写しなかったが(世紀末オカルト学院では描かれたのにね)、東京スカイツリーを襲う巨大カワウソは何のメタファーなんでしょうね。

nuryouguda.hatenablog.com



また、今回を踏まえて前回14話冒頭の、高速道路でジャガーを走らせる時籠ゆりに上手の上から迫る男根的な東京タワーを見なおすと、この場面で上手に向かって走るゆりが「私を過去を捨てたの!」とモノローグを言う事にまた新しい味わいがあって、見返すと良いですね。このアニメは。


ダビデタワーが父親の男性的な象徴だったら、それを消去して上書きした東京タワーは世界の虚構性と、桃果とゆりの運命を天につなぐ約束のモニュメント・・・。なのか???

 輪るピングドラムでは東京タワーが男根のメタファーでしたが、さらざんまいではもっと構造に踏み込んで三角錐から円形に変化する東京スカイツリーの男根の兜合わせのメタファーを屹立させる!のだろうか。


 また、ホモといえば修道であり歌舞伎なのだが。百合的に重要な宝塚のベルサイユのばらの演出の長谷川一夫も歌舞伎界の出身のスタァである。
 ケッピがカッパを生み出すときや、さらざんまいモードの三人が歌舞伎のような足踏みをするのも浅草の文化と関係しているのだろうか。僕は京都の南座がホームなので、浅草公会堂の歌舞伎は見たことがないのだが、(雷門には行ったことがある)浅草の歌舞伎は何か特色があるんですかねえ。


 河童に変身したときに一稀は雲、悠は波、燕太は松の文様が出るけど、これもなんか意味があるんだろうか。Wi-Fiマークみたいなさらざんまいのマークも青海波をイメージしてるんだろうなあ。
日本の図像 波・雲・松の意匠



 まあ、さらざんまいのオープニングでは三人以外の家族や吾妻サラやレオとマブも並んで、お皿ポーズをしているので、三人の関係で終わるのか、もっと広い関係を、未来のないホモたちも作っていけるのか、どうか。そういうホモとかゲイの生存戦略をしていくんだろうなあ。


 と、すると二人きりのカワウソのレオとマブはさらざんまいの三人カッパに負けるのかもしれないけど、帝国の黒田崇矢とか出てきて、どうなるんですかねえ。
 自己愛と合一化とつながりは過去の幾原作品でもテーマになってきたが。


 カパゾンビはアナルと金玉はあるけど、竿は描かれてない?釣り竿は出てきたけど・・・。まあモザイクがかかっても嫌だけど。



 そういうわけで、ホモというか、一人の男として、僕はさらざんまいの男っぽさに注目していきたいです。男性が書くBLとして、特殊な切迫感がある気がするんだなあ。でもまだ中学生なので成人男性のゲイとはまた違った思春期なのかなあ。うーむ。
 星の王子様もネタ元なのかなあ。春かっぱが余命幾ばくもないとしたら、そっちの方面としても未来のない少年たちの物語、って感じになるのかなあ。絵柄はポップだけど、そういう風に考えたら結構重いテーマを扱うね。幾原邦彦らしさですが。


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