玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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1分がわかる!劇場版 #Gのレコンギスタ IV予告のネタとマジ

 1分しかないGレコ劇場版第四部予告について長く語るぞー!


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 安彦のオジキには悪いがワシは富野のオヤジの鉄砲玉というかファンネルビットとして意志を体現するものである!
 ウルトラマンはこどものときに見たのでもういい。
劇場版『Gのレコンギスタ III』「宇宙からの遺産」 [Blu-ray]


 なんか他にも執筆依頼とか輪るピングドラム考察の書きかけがあるんですけど、Gレコ応援隊なので!サイン入りポスターもらってるので!




  • 予告編でも映画なんですよね

 このYou Tube映像が映画館で流れるかどうかはしらんけど、おまえ!予告編のほうが面白いと言われる映画があるくらい映画の予告編の編集は大事なんだぞ!


 いや、この予告編の編集をしたのが富野由悠季監督か、演出の吉沢俊一さんか進藤陽平さんかはわからんけど。


 劇場版輪るピングドラムの監督の幾原邦彦監督も「映画は一つの旅」とインタビューで度々発言しており、映画の予告編もまた、旅なのです。


 そういうわけで、「レイハントン・レジェンド・コード、確定。ビーナス・グロゥブへの旅をお楽しみください」というクレッセント・シップのアナウンスから始まるのは非常に映画として自覚的で正しい。っていうか、まあ基本的に富野作品は船とかシルエットマンモスに乗って移動するロード・ムービーなので。
 エルガイムの時点でゆうきまさみ先生に突っ込まれてもその作風を意地でも変えないからな。


 それで、新・ビーナス・グロゥブのビジュアル(昨年の富野監督の著書「アニメを作ることを舐めてはいけない」で原案は公開済み)が目を引く。
 そこで「オッ、新しくなるのか?」と思わせてサンライズではなく新・バンダイナムコのロゴが映って「結局バンナムかよ!」ってなって、一瞬イラッとするけど、第2部、第3部ですっかりおなじみになったDREAMS COME TRUEさんの「G」がテロップ付きで流れて、TV版で名場面だったマラソンシーンがカットされてなくて安心する。ごきげんよう!
 この冒頭のたった十秒ですでにGレコのオタクの心は乱高下させられているわけで、つかみはバッチリ。


  • 金星の邂逅

 で、GIT団が登場する。おーーー、劇場版も金星まで来たのかー。新勢力、金星編だなあって、また安心する。
 ドリカムさんの「G」のMV風のビジュアルにもすっかり慣れている。

G

 で、「あなたたちは何なんですよ?」「地球人よ!」「レコンギスタの船出です!」ってジット団とのたたかいのセリフがあって金星の強いロボであるジャイオーンのビッグアームビームサーベルぐるぐるシールドも新規作画っぽくて、「第四部はジット団との闘いがメインなのかなー」ってバトル・アクションに期待するけど、
「それはさせません!」ってアイーダさんのセリフ(劇中での時系列はあいまい)が入って対立構造がイメージされて、メガファウナも抵抗するんだなーって絵のあとに、


「ドリル渦巻きは伊達じゃないわよー!」ってローゼンタール・コバシの劇場版新作カットというかズゴッギーの神砂嵐(水属性)みたいな完全に子ども向けロボットアニメレベルの新技が出て、アラフォーになってもガンダムを見てるような子ども部屋おじさんはキャッキャする。


「伊達じゃない!」も割とガンダムのネタ度合いが高いが、ドリル渦巻きみたいな前髪のオネエが乗ってるG(ok)系モビルスーツが両手のドリルを回したら2本の渦巻きが発生するという天丼。もう、ネタとしか思えない新技です。未来のロボットがドリルを水中で回したら渦巻きが出る!出とるやろがい!笑っちゃうよねえ!


 富野由悠季監督は100年後の子どもたちへのメッセージとして文明批判とかエネルギー問題とか戦争の是非など、真面目な要素をGのレコンギスタに込めているけど、それはそれとしてドリル渦巻きは伊達じゃないわよ〜!という小学生レベルの技名。
 また子どもが真似するやつじゃん。(アラフォー世代はF91の頃にビニール傘でビームシールドやビームサーベルやヴェスバーの真似したよね)


 ちなみに、ローゼンタールはGレコでの諏訪部順一さんの5役目のネームドの兼ね役です。全陣営にいる諏訪部。


 これはネタにせねばなるまいと僕がTwitterで卑劣な広報活動をしていたら、


 諏訪部順一さん御本人が「兼ね役祭り開催です!」と宣伝ツイートをしてくださって、またネタ度合いが増す。そんな謎の祭りが開催されるのか…。
 そしてイケボ声優の諏訪部順一さんの女性ファンがガンダムも富野監督もGレコも知らんけど、とりあえず諏訪部順一さんがたくさん出るという理由で視聴表明ツイートをしていて宣伝効果は実際抜群だ!


「しまったぁ!」ってドリル渦巻きに翻弄されるG-セルフ。いや、しまったぁ!ではないが。そんなネタ技に負けるんじゃあない!


で、そんな感じのロボットバトルで女性(たぶん秘書)が「戦争になります!」って悲鳴を上げて、テンションが上ったところを、子安武人さんが演じる作中で一番高齢で偉いラ・グー総裁が「(この映画を)ご覧になる勇気はおありかな?」と、またデビルマンの終盤みたいにバトルを煽るような事を言って、静かな口調だけどこれはこれでアガる。


  • 三つ巴の戦争

「軍人たちは、エネルギー源の近くでも戦争をやる!」ってベルリが怒る。
 キャピタル・アーミィ、アメリア帝国、トワサンガのドレッド艦隊の三つ巴の戦争にメガファウナチームも乱入してバトル感がアガる。


※追記
 っていうか、金星編だけでも映画が一本作れそうなのに、地球圏に戻ってきて大規模宇宙戦争に参加するのかっていうスピード感!


 TV版よりも格段に増えたモビルスーツ戦隊。いや、増えすぎやろ。フォトン・バッテリーというエネルギー源の電池を満載した巨大宇宙船のカシーバ・ミコシもTV版より大きくなる。本当に縦に大きくなっている。
 あと、撃破されるグリモアはたぶんダミーバルーンですね。逆襲のシャアでやっていたモビルスーツのダミー・バルーン!まあ、G-レコではメガファウナのダミーバルーンや隕石のダミーバルーンがテレビの頃から出ていたので、モビルスーツのサイズのダミーバルーンは普通にあって当然だけど、出ると嬉しい新規作画。この予告編では、おしくもセリフが出なかったクリム・ニックのジャハナムも奮戦!


「接近戦でも強いのよぉおおおお!」とベッカー大尉の乗機ウーシァを自慢する咆哮に被さって各モビルスーツとダブるように6人のパイロットの顔(正確にはマニィのジーラッハはまだ出てないし、バララ・ペオールもMSではなくカシーバ・ミコシだが)が並ぶ絵がインサートされて、なんかプロレスのポスターみたいだし、
「命 燃える戦場で 少年少女は愛を知る」って、よく考えたらなんで戦場で愛を知るのか理由はさっぱりわからんけど、なんかロボットプロレスアニメらしいドラマ性を感じさせるキャッチコピー。わりと昔からある普通のキャッチコピーですね。
 さらっとG-ルシファーに紛れ込むかんたんノレド・ナグさん。ヘルメス財団の薔薇のレリーフ、ダブル主人公のアイーダさんの、よくわからないけど美しくて新しい衣装での宇宙遊泳の連続。
 ノレドさんとアイーダさんという女性ヒロインと、地球と月と金星を結ぶスコード教の規範の象徴でもあるヘルメスの薔薇で、守るべきものが印象付けられる。そういう守るべきものがあるのに戦争をする軍人は悪い!って思う。


 ここでもう、観客は最強主人公ベルリ・ゼナムくんとパーフェクトバックパックG-セルフ(最強ロボ)を応援するお気持ちになってテンション爆上がりです。


「みんなで止めないなら、フォトン・トルピードを!使います!」
 眼光が光るG-セルフ・パーフェクトバックパック。かっこいい!撃っちゃえ!ベルリ!やれ!やっちまえ!Go!Go!!Go!!!!Fight! 悪い軍人共に鉄槌を!!! 正義を行ええええええええ!!!!!
 ベルリは悪くないからね、エネルギー源っていうか、ちょっと砲撃がかすっただけで大爆発するクソ危険な電池(地球上で使う電力の半年か一年分とかいう福引の景品レベルの雑な多さ)を満載している宇宙輸送船の周りで戦争をする軍人たちが悪いわけで。
 ベルリはあくまで戦争を止めさせたいから仕方なく武器を使っているので。正義の戦争なわけで。正義の最強ヒーローロボットが悪の全体主義軍隊に対してスカッと超強いマシーン兵器を使うとやったぜ!って思う。
HG 1/144 ガンダム G-セルフ (パーフェクトパック装備型) (ガンダムGのレコンギスタ)


 ってイデオン発動篇くらいの闘争本能に火がつけられて、そこで(40秒の時点で)石井マークさんの落ち着いた口調での第四部のタイトルコールがあって「なるほど〜、これは熱い手描き作画ロボットバトルアニメーションに期待できる映画の予告だな」って予告編が終わったと、バトルアニメ映画の予告としては普通に満足するわけですが。
「正義のガンダムが悪い軍隊をやっつける健全ロボット青春アニメ映画だなー。期待が高まるな〜」って認識するわけですが、ここの時点で「嘘予告」だから。


 シン・エヴァンゲリオンが10年近く使った嘘予告を1分間の予告編のうち40秒の時点で繰り出すGのレコンギスタのスピード感。なんで一分未満の時間で嘘をつくの?富野由悠季監督、80歳にもなって、そんなホイホイ短いスパンで嘘つくんだ……。

  • その一撃がすべてを変える

 ガーン!


という効果音とともに、この予告編は続く!
 ドリカムさんのMVっぽいポップな動画演出が終わって、残虐な戦場のリアルな映像が映画そのまま大写しになる。
 ベルリがフォトン・トルピード(日本語では光子魚雷)(戦場にいるものを見境なく破壊する絶対兵器)を撃っちゃったあとの宇宙空間を漂う死屍累々が映される。モビルスーツはロボットだから残骸で済むけど普通に生首とかだから。


 ベルリ、撃っちゃえ!って熱くなっていた観客の肝が一気に冷える。
「あ、うん。まあ、フォトン・トルピードを使ったらこうなるよね。そう言えばこれはガンダムとかロボットアニメという以前に富野由悠季作品だった」って気分が急速チル・アウトさせられる。肝が冷えるけど圧倒的なシリアスなリアル感で納得させられてしまう。


※追記
 守るべきものとしてさっき映されたアイーダさんが、守るべきスコード教のヘルメスの薔薇の技術の裏にあった本当の宇宙世紀の殺戮兵器を目にしておののく。ベルリも正義のため、守るべきものやルールのために武器を使ったのに、大量殺戮をしてしまい自分に驚愕する。
 守るべきスコード教の教義や、主人公がメカで武器を使うことの正義に疑問感と恐怖が生じる。善悪が相対化されるという点では富野由悠季作品らしいものだが、海のトリトンとか無敵超人ザンボット3や伝説巨神イデオンとか、TVシリーズとかで何ヶ月もかけて善悪の相対化をしていた富野監督だが。まさか劇場版Gレコ第四部のたった1分の間で善悪が逆転する気分のドラマを盛り込んでくるとは!予告編でも一本の映画として気を抜かないという、抜身の刃のような演出の恐ろしさがある。


 強引!


 で、ベルリと一緒に気持ちが冷えたところに、ドチャクソ熱い佐藤拓也さんが演じるマスク大尉の「殺人者ァッ!」という咆哮とともにバイザー割れして眼球がぐるぐるになっている鬼気迫るマックナイフが超絶作画で突進してくる。このラスト15秒でめちゃくちゃたくさんカットが短い秒数で連打される。
「殺人者!」って言われたベルリも「貴様こそ!」って逆ギレしつつ剣を抜いて立ち向かう!マスクとベルリの激昂している顔にネガカラーの絵がインサートされるのもヤバい。マスクとベルリのどっちが正義かはわからないけど、男同士は戦いになったら命をかけてプライドをぶつけ合うしかない!


 これが逆襲のシャアから33年経った80歳の富野由悠季の最新ライバル決闘だ!逆襲のシャアのアムロやシャアとか名探偵コナンの赤井秀一や安室透が好きな腐女子のみなさんも見てください!男の子の意地だ!


 ここで観客は感情が揺さぶられるとか迷子になるとか以前に、単純に短時間での急激な温度変化で情緒が破壊される。
 40秒の時点でネタも交えた楽しい元気な健全ロボットアニメらしい予告編が終わったと安心して油断したところに、ラスト15秒でブチこまれるマジの大量殺戮とブチギレライバルと主人公の殺意の連打!



 そして、音楽が盛り上がったところでブチ切られて、無言のままテロップが黒地に映されて容赦なく余韻もなく予告編が終わる。40秒の時点では普通の予告編として期待が高まったが、終わったら期待感と言うより、「どうするんだこれ」みたいな気持ちになるけど、実はこの作品はもう一本映画を残している。第四部の二週間後に第五部が公開。スピード感!


 エンディングテーマがハセガワダイスケさんの新曲とテロップで発表されていても、全然それに気づく余裕がないし、楽曲プロモーションをするつもりがないブチ切れで1分きっかりで終わる。


 いや、新エンディングテーマがあるならそれを告知するのが普通なのに…。何を考えているんだ?


 本当に一分間でここまでやるのかっていう凄まじい予告編でしたね。


  • Gレコはいいぞ

 実はこの記事を書いているのは午前0時から午前3時半の間で、私生活で嫌なことがあったのでうっかり深酒をしてしまい、頭にハンマーを突っ込まれたような、ものすごい頭痛で午前2時半の時点で吐いたんですが。


 輪るピングドラムの考察を2週間書きかけのまま家事をしていたり風邪を引いたり低気圧で倒れたり酒を飲みすぎて吐いたり、そもそもうつ病の精神障害者で自死遺族で家庭が崩壊していてマジでやる気が無いんですけど、Gのレコンギスタは!予告編1分だけで「この気持ちを文章にしなければ」と思わせる凄みがある!


 本当に脳出血が怖いレベルでだるいんですが、富野由悠季監督が80歳の脊柱管狭窄症患者だけどこんな凄まじいアニメを作っているので、40歳になった僕がちょっとうつ病が悪化して人間社会に適応できなくなっているし睡眠薬がないとしんどくても眠れないくらいでへこたれていたら駄目だなって思う。富野由悠季監督は生きているので。


 いや、輪るピングドラムの感想も書きたいんだけど、やっぱり思いついたときに一気書きしないで日数が経過すると瞬発力が出ない。丁寧に書籍のインタビューとか読んで考察しようとしてモタモタしていたらあかんタイプですね、僕は。


 Gレコは1分の映像を見ただけで、「こういう気持ちです!」って長文を書いてしまう。だから劇場版本編の感想がなかなかすっと書けないんですよ。ちょっと見ただけで脳内情報がバーって出るし、そこに絵コンテも収録されると情報が脳内で四次元的に展開してしまい、リニアーな文章が成立しなくなってしまっている。


 はー、とりあえず予約投稿してシャワーも浴びずに寝ます。
 寝ている間に脳出血してないといいですね。


※追記
 (おかげさまで、水を飲んで9時間寝て風呂に入ってストレッチをしたら、脳圧上昇は治りました)


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