玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダム #水星の魔女 第7話 付和雷同がカッコ悪かった

 水星の魔女には、「お前は親がやれって言ったらやるのか?」っていう炎の転校生スタイルが序盤からあったけど。


 ハッキリ言って今回のミオリネ・レンブランの新会社株式会社ガンダム設立はネタとしては面白いけど、マネーの虎ごっこもネタとしては面白いけど、「ガンド・アームの問題を解決する新会社」としての説得力が全くなくて逆にビビった。
フィギュアライズスタンダード 機動戦士ガンダム 水星の魔女 ミオリネ・レンブラン 色分け済みプラモデル


  • わかる部分

・ガンダム・エアリアルは実際に勝ってるし、優秀な機体なので壊すのはもったいない
・ガンダム・ファラクトもそこそこ優秀なので、ペイル社のその部門を解体するのはもったいない
・なんとなく出席したパーティーは新事業の出資を募る会
・ミオリネ・レンブランについてプロスペラママがコードギアスの皇帝がルルーシュに説教するような煽りをして、独立した新会社を作るように仕向ける
・御三家のペイル社とか車いすのおじさんとか今回出番がなかったグエルくんのパパがベネリットグループのなかで覇権争いしてるっぽい
・第六話で強化人士4号を倒して、決闘編が終わったので第一クールの後半は会社編になるっぽい
・レンブランの親父は昔、軍隊で粉砕したガンダムについて全否定でもないけど、肯定もできない微妙な気持ちがあって、それを娘に託しているっぽい


  • わからない部分

・そもそもミオリネ・レンブランのプランは目標としてガンド・アームの非人道性、人体への有害性を除去すると掲げているが、実際にどうやればガンド・アームの不健康要素が撤廃できるのかの具体案もない。
・株式会社ガンダムのメンバーはミオリネ・レンブランしかいないようなアピールだったけど、せめて技術顧問くらいは必要だったのでは?ペイル社の(一度はトップに切り捨てられそうになった上に描写されていない)ガンダム部門だけでいい?それをプロスペラ・マーキュリーの後押しがあったらもう少し説得力があったのだが。
・そもそもミオリネ・レンブランってガンド・アームについてどの程度知識があるんですか?セリフではガンダムを知らない世代って言ってたけど。
・ていうか、ミオリネ・レンブランとの結婚って、これだけ企業資本主義や成果主義をアピールしている世界観でどれだけの重み(重要度)があるの?
・レンブランの親父が出資したというだけで信用していいのか?そんな適当に付和雷同して「偉い人が賛成してるから俺も賛成しておくか」みたいな態度でいいのか?そんなんだからベネリットグループは伸び悩んでいるんじゃないか?
・ていうかミオリネ・レンブランの今回の動機はスレッタ・マーキュリーとガンダム・エアリアルを守ることが目的であって、ガンド・アームにはそんなに興味がないような気がするけど、実際にどうするつもりなんだろう?
・ていうか、なんでミオリネ・レンブランは明らかに自分と体格が違うスレッタ・マーキュリーに自分のドレスを着せるのにドレスを仕立て直し縫い直しもせずに着させるのだろう?無神経ではないか?というか、ドレスの仕立て直しも知らないようなアホなのか?アホに投資していいのか?トマトについて文句を言っている場合なのか?
・ペイル社の4人おばさんは結局、ガンダム廃棄かガンダム推進か、どっちになってほしかったのか?(グェルパパはガンダム関係からレンブランの親父を追い落とそうとしていたっぽいけど、なんかぐぬぬってなってた)
・ていうか、アスティカシア高等専門学校があるというだけの小惑星フロントだけど、こんなに多くの企業の人間が物理身体でパーティーに出席するの?狭すぎないか?そんなに多くの企業のオフィスやら研究開発部門やらがあるなら、もうちょっと大きいスペースコロニーやら複数のスペースコロニーが必要では?こいつらは、普段どこにいるの????
 電脳アバターホログラムとかで仮想空間的にパーティーに出席して、本体はもっとほかのフロントにある、とかだとまだネット的に言い訳ができるけど(他のガンダムのような通信遮断粒子もあんまりなさそうだし)。フロントってこのアスティカシア高等専門学校以外に描写されてないので、普段、他の多くの企業やそのオフィスやモビルスーツの工場や試験場がどこに存在しているのかますますわからなくなった。
・あと、プロローグには出てきている軍隊、結局どういう存在なのか?国とか連邦とかの描写が本編ではあんまりない・・・。今後は軍隊との抗争になるのか?


  • 展開が雑では?

 というわけで、「ミオリネ・レンブランが新会社ガンダムを設立する出資を集めたぞ!」という晴れがましさはあるのだけど、ガンド・アームやらガンド・フォーマットの問題克服の具体案が全くないのでそりゃあふつうは出資しないよなって思う。
 だって20年以上封印されていたよくわからん技術なので、それを扱える技術者もあんまりいなさそうだし。
 ガンド・アームを扱ってるペイル社もプレゼンの場では協力的ではなかったし、シン・セー社のプロスペラ・マーキュリーは別室にいたので(通信は聞いてたかもしれないけど)。


 いや、ガンダムを使っていたシンセー社やペイル社が「うちの技術者をガンド・アームの問題解決のための研究開発に回しますよ」って言ったら科学的な納得感はあるけど、ドラマ的ではない。
 なので、ミオリネ・レンブランが父親であるベネリットグループ総帥のデリング・レンブランに頭を下げて投資をお願いする、というのはとても父娘のドラマとしてはきれいだし納得がいくし必要なイベントだと思う。
 だけど、衆人環視の中、特に技術的な裏付けもないけど、「娘だから助けてほしい」と言ったミオリネ・レンブランの懇願をデリング・レンブランが聞いて投資したという身内びいきの要素もある取引を見た他の会社の責任者がホイホイ投資に納得するのはちょっと無理筋では?


 いや、デリング・レンブランがミオリネ・レンブランに何も言われなくても賛同をアピールしたならまだわかるけど、直でお願いに行ったのをみんな見ているので。
 そういう身内の話で他の会社の責任者たちも会社の金を動かそうっていう判断になるのか?そういう判断をしていいのか?


 あと、匿名で投資できるのでリスクがないって口では言ってたけど、実名で投資するより、匿名を保証して投資するシステムの方が怪しくない?まあ、そういう匿名性を維持した投資システムがあるならいいけど、劇中では小娘が口で言ってただけなので、そんな数分の短時間で会社の金を本当に動かしていいのか?という疑問がある。


 というわけで、かなり雑なシナリオな気がする。


 いや、大河内一楼さんは雑なシナリオでも合衆国日本のコードギアス反逆のルルーシュをヒットさせた実績がある(プラネテスのテロ展開もちょっと雑だった気が…)ので、まあ、雑でもインパクトがあってSNSで話題になったら人気が稼げるだろうという目論見があるというのはまあまあわかるけど。


 なんかルパン三世テレビスペシャルみたいな感じの復活のルルーシュ以降、コードギアスがどういう展開をするのかは難しい感じだけど、ソシャゲはぼちぼち出てる…。ギアスの続編はどうなるんですかね・・・。カバネリも微妙なところで中断した印象がある。ヴァルヴレイヴはあれでもうそっとしておいて安らかに眠らせておいてほしい。


 というか、今回の話って「人が言ってたから自分も行動する」っていう付和雷同な感じがして、漢としてはあまりカッコいいと思えないのよね。


 プロスペラ・マーキュリーに焚きつけられたからミオリネ・レンブランが新会社を作るとか、スレッタ・マーキュリーが強化人士4号を気にしているから本物エラン君が出張るとか、デリング・レンブランが出資したからほかの会社役員も即決で出資するとか。


 どいつもこいつも、自分の意志じゃなくて「周りがそう言ってるから」みたいな付和雷同して流されている感じがすごいあって、オールドタイプのオタクとしてはちょっと主体性とか強さと気高さがないんじゃないの?
 って思いました。


 まあ、決闘編が終わったみたいなので、今後はガンド・アームとかの問題点を会社としてどうやって解決するかーみたいなお仕事モードになるのかもしれないけど、それはそれで架空の技術の架空の問題点を架空の解決策で何とかする感じになる気がするので、アニメとしてはあんまり映えない地味な作業になりそうなので、どうなるんだろう。不安しかない。


 それに実は僕はGのレコンギスタ劇場版第五部のラストでベルリが他人がやってるのを見て自分の過ちに気づくっていう追加パートも「ちょっとわかりやすすぎるし、ベルリのキャラクターとしては自分の意志より、付和雷同よりになってない?」と少し不満になっていた厄介な富野ファンです。(富野ファン以外のガンダムファンやアニメファンに対して厄介なだけでなく、富野監督に対しても厄介なファン)
 ベルリが「自分は世の中のことを何もわかってなかった」と思うのって、別に他人の行動で教えてもらわなくても、「自分は学校の先輩の殺意を抱かれるほど嫌われていたことに気づいてなかった」というテレビ版のラストバウトだけで十分だと思ってるんだけど。僕は。


 でもGのレコンギスタの劇場版は富野監督なりに観客受けとかわかりやすさを優先して再構成した感じだし、わかりにくいままのテレビ版から好きだった僕みたいな異常者は大衆受けからは遠いところにいるのかなーって。
(これは僕が大衆よりも富野作品に詳しいと威張っているわけではなく、富野監督が好きすぎる異常者は異常者だし普通の人ではないという、普通の社会では暮らせないので特殊部隊に入るアムロ・レイ大尉みたいな疎外感です)


  • ほしい物リスト。

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↑グダちん用


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