玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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「 #京都府立植物園 ・北山エリアの今 再開発の計画はどうなっているのか」報告会に参加した

  • 前提条件としてのあらすじ

nuryouguda.hatenablog.com


  • 7月29日土曜日の報告会

 というわけで、現状報告会に出席してきた。


 どうも、北山エリアの再開発について、京都府や京都市はあんまり現状の報告をしていないらしい。(僕が時間と金がなくて新聞を取っていないというのもある。いちおうTwitterやXで広報が出たら読む)


 そういうわけで、反対派の意見の方が目立っている。反対派の意見が目立っていると「左翼の声の大きい活動家がいちゃもんをつけている」という印象になる。


 かと言って、日本は一応民主主義国家なので、「数年に一度の選挙の時にだけ有権者として投票したら、そのあとは全面的に政治家に委託する」というのも、正しくはない。公聴会とか住民説明会とか、ヒアリングとかそういうのは選挙以外でも民意として反映させてほしい。



 最近は、こういうネット投票とかもある。神宮外苑の樹木伐採の問題もあるらしい。そこは僕は観測範囲外なのでタッチしていないのだが。まあ、知人に請われたら署名くらいしてもいいと思っている。


 なので、植物園周辺の開発推進派からの情報提供が少ないので、開発反対派が主催した会ではあるが、現状把握として今回の報告会に参加した。


 ちなみに、今回の会議は別に物理的に参加してなくても、後日、主催団体がYouTubeにアップロードするらしいので、僕の記事を読みたくない人は、その動画を待ってください。


今回の主催団体は
北山エリアの将来を考える会
京都府立植物園整備計画の見直しを求める会(なからぎの森の会)
植物園の環境と景観を守る北区の会
京都府立大学関係者の会(学生有志の会、卒業生有志の会、教職員有志の会)
そして、京都府職員労働組合でした。
 たぶん、YouTubeで動画をアップするのは、なからぎの森の会か、北山エリアの将来を考える会だと思うけど…。
youtu.be
www.youtube.com


  • 主権者の義務と権利

 僕は植物園の中にイベントスペースを建てたり庭園を潰したりするという当初の計画を聴いて、自分で植物園を視察して、「うーん。この施設で取り壊せる余地のある部分はほとんどないぞ」という私見を持ったので、再開発反対派を支援することにしたのだが。
 

 僕は、家庭の事情や成育歴の影響もあり、権威主義が苦手であり、偉い人に従うのが苦手で、自分のことを一匹の野生動物だと思っている。なので僕の認識において、この世で一番偉いのは僕です。いや、それは僕がそう思っているだけで他の人は僕の事をクズの無職のオタクだと思ってくれていいけど。
 そして日本は主権在民ということになっているので、主権者としては僕は(主観的に)天皇より偉い。(ただし、僕と同レベルの主権者は日本に一億人以上いる)


 というわけで、主権者は意思決定のために情報収集をすることが重要であるので、反対派の意見の報告会であるということもあるが、情報収集のために行ってきた。正直めんどくさいけど、歴史的な戦争とか運動とかで、多くの人の犠牲の上に勝ち取った主権在民という地位にいるので、多少は自分の興味のある議題については情報収集をするのが有権者としての仕事でもある。(労働者としては、僕は2,3回過労死しかけたので精神科医から「労働力としては期待できない」という診断書が出てるので働かない。働かないのは楽でいいんだけど、診断書に「労働力としては期待できない」って文章として明記されているのを読むと、ちょっとへこむ)


 というかですね!日本は主権在民で民主国家だけど、たいていの有権者は労働で忙殺されて疲れ切って社会問題とか政治的な選択について考える余力を奪われているというのがとても良くないと思う!
 それで、自分が入信している宗教とか所属している政治団体にやれって言われたことに従う。それは主権者としてどうなのか?
 寄生獣のように、人間は心にヒマがあるからこそ民主主義が成り立つのではないか?!
 ヒマがないと、職業政治家は自分の出世のために政治に打ち込み、資本家は自分の利益のための営業に打ち込み、労働者は自分の生活のための仕事に打ち込み、各階級は分断されると思う。


 僕は基本的に世捨て人のオタクなので本当はこういう政治活動には向いてないしやりたくもない。アニメを見て美しいものを見て、それで静かに暮らしたいのだが、美しい庭園のある植物園が再開発でごちゃごちゃするのは嫌だなあと思うし、同時に主権者としての義務もあると思う。労働はしたくない。


 僕は京都アニメーションが放火されて鎮火される前の燃えている段階でそれを立憲民主党の候補の選挙応援パーティーの演説のネタにした門川大作市長が嫌いなので、2020年初頭の市長選挙では共産党の選挙活動に(Gのレコンギスタ劇場版が地味に間になってたしヒマだったので)協力したのだが。それで結局、共産党とれいわ新選組以外の全ての政党の支援を受けた小学生にトイレを素手で掃除させたら道徳心がはぐくまれるとか時代錯誤なことを言っている門川大作に負けたので、共産党の人に「残念会をしましょう」って誘われたけど「負け戦のあとに慣れ合うつもりはない」と断った。なので、共産主義者というわけでもない。というか、「資本論」を読んでないし。アリストテレス、カント、デカルトまでは読んだのでカントの残りとニーチェを読んでからマルクスを読んでから考えます。
 (個人的にはトイレ掃除は自分の家では普通に手袋をしてするので、そんなに嫌というわけではない。トイレ掃除はバイ菌に感染するというより、洗剤の方が肌荒れの原因になるので、手袋はした方がいいよ)


  なので、今回の植物園の保全活動には共産党とか労働組合とか左派系大学教授とか京都らしい「学生の自治」を標榜する大学生などが行動しているけど、別に僕自身は共産党員というわけではない。Gのレコンギスタの海賊のように「誰かの命令を聴きたくない!自分で好き勝手に協力したり裏切ったりしたい!」みたいなところがあるので。君の目で確かめろ!


  • 数を頼る

 まあ、その、京都府立植物園や京都府立大学や旧総合資料館跡地や京都文化芸術会館などの再開発などについての報告会に、京都府立京都学・歴彩館の小ホールの100人定員の部屋に120人が参加したと言っても、京都市の人口は144万人いるので、一万分の一以下だけです。
 いや、物理的に一度に何千人も集めて会議をするって言うのも現実的ではないので。
 そして、京都府や京都市もあんまり自分の損になる情報の公開はしない。
 というわけで、僕のブログは基本的にはガンダムや富野アニメの話なんだけど、調子のいい時は一日に千アクセスくらいはあるので、多少は自分のことをメディアホルダーとして自覚している。


 僕はweb2.0世代だし、ガッチャマンクラウズも好きだし、情報は公開して拡散されるべきだと思っている。
 商業宣伝はまた違うのだが、行政の現状は拡散するべきだと思っている。
 むしろ、漢としては自分に恥じることがないのであれば、政治家や官僚もやっている計画について大っぴらに宣言すべきだと思っているし、官僚や政治家や利権団体の密室で国や地域の政策が決められるより、サヨク的でも情報をオープンにして広く意見を募った方がかっこいいと思っている。(いや、もちろん戦闘状態とかセキュリティインフォメーションの場合は外部アクセスを閉じることも大事だと思うけど)


 密室で権力者が決めたことに従うような人になるのは苦手です。(普通に自分より偉そうな人が嫌いなので)


 というわけで、このブログはアニメブログということで読者登録数を700人以上という、まあ、はてなブログ的には中の上くらいのポジションにしたけど、そのアクセス数を利用して政治的広報に使う。僕は数を頼る!(デュラララ!)


 なので、アニメブログとして期待している読者さんには申し訳ないけど、こういう地元の政治情報も流す場として使用させてもらいます。いや、アニメ記事しか読みたくないんなら普通に僕の日常雑記とか政治活動の記事は読み飛ばしてくれていいから!


  • まとめ1府立植物園の見直し案(鯵坂学 同志社大学社会学部教授)

・公共の用地を開発資本がPFO(Private Finance Initiative)という手法を使って、お金儲けに利用しようとする動き

 開発資本は具体的には「KMPGコンサルティング株式会社」という外資系の日本支部(あずさ監査法人)です。

ja.wikipedia.org

会計監査や税務、経営コンサルティングを主力とする多国籍企業[1]であり、世界4大会計事務所(Big4)の一角を占める。

https://kpmg.com/jp/ja/home/about/kc.html
https://kpmg.com/jp/ja/home/about/azsa.html


 デカいシノギの匂いがする!

 スポーツ庁(京都に移転してきた文化庁と近い)がスタジアムやアリーナ(イベント施設)を、スポーツ振興の名の下に、儲かる施設として開発しようとする動き


 なんで京都ハンナリーズがデカいアリーナを作るのかって言うと、そもそも日本のプロバスケットボールリーグのBリーグ自体が巨大化を図っているわけです。バスケって、野球やサッカーに比べると格段に狭いコートでやれるスポーツだけど、そういう身近なスポーツよりも巨大資本やらイベントやらホテルを詰め込んだ総合エンターテインメント施設にしたいっぽい。


forbesjapan.com

www.bleague.jp
B.LEAGUEがB.革新を通じて目指すのは、クラブが地域課題解決や地域活性に貢献できる存在になること、そして、クラブ・アリーナを軸とした地域の発展を通じて「バスケで日本を元気に」を実現することです。加えて、世界一型破りなライブスポーツエンタメになる、B.LEAGUEの選手がなりたいスポーツ選手No.1になる、クラブスタッフが憧れの職業No.1になる、といったB.LEAGUEの目指す姿を明確にし、これらを実現するために必要な経営規模を算出して、審査基準を設定しました。


 まあ、志は立派だと思うけど、路地裏でチマチマやってたようなバスケが「地域貢献」とか「経営状態」とか「集客や収入」をリーグ参加の条件として求められるようになるのは、ちょっと資本主義すぎるなあって。
 まあ、プロスポーツ選手はそういうものなのかもしれないけど、「単にバスケをしたい」ではなく、「地域に影響を与えるチームになるためには大きなアリーナを本拠地にしなくてはいけない」というルールを公式リーグに決められているらしく、それはスポーツ選手に対して少し同情する。
 いや、バスケは小さいコートでできるから小さいコートでやれって言ってるんじゃなくて、プロバスケットボールチームリーグの全部の本拠地アリーナを現在よりも大きくしないとリーグからはじくというBリーグのルール策定者の強権ぶりが嫌なだけで。
 大きいアリーナもそれなりに魅力があることは認めるけど、すべてが大きいアリーナではないといけない、というのもちょっと強引かなあと。バスケによる地域振興を掲げるなら地域の事情に沿った大きさや個性のある体育館でやった方が多様性もある。



 でも、京都ハンナリーズは京都市西京極総合運動公園内の京都市体育館(収容人数2500人)を本拠地にしていたのだけど、Bリーグの改革と言うか巨大化志向によって、「本拠地アリーナの収容人数は1万人以上にせよ」という命令で大きなアリーナを作る必要に迫られ、それで京都府立植物園や京都府立大学体育館に巨大アリーナを建てるという案に乗っかったのかなあ。


 うーん。西京極の体育館を増築するのは無理なのか?大学は学生が勉強するための施設なのでプロバスケットボールチームのアスリートやその大勢のファンが大学内に出入りするのは面倒くさい気がする。


 というか、Bリーグの「バスケで日本を元気に!」というキャッチフレーズから、全チームに対して巨大アリーナという箱を建てないとリーグ参加を認めないという方針もかなり体育会系というか、強権的だなあ。


 地域の課題解決や地域活性は地域の人がやるので、別に必ずしもバスケットボールチームがやる必要はないのでは?
 バスケットボールチームに限らず、スポーツ、あとアイドルとか芸能活動とかも熱狂を呼んで判断力を低下させて金を出させるシステムになりやすい。


 うーん。なんか、僕の内偵によると西脇隆俊京都府知事は元国土交通省の官僚であり、Bリーグやらスポーツ庁など国に差し出せる京都府の土地が京都府立植物園か京都府立大学だから、その再開発計画をしたのでは、という証言を得ている。京都市西京極運動公園は京都市の土地なので、京都府知事の手柄にはなりにくいらしい。門川大作京都市長と西脇京都府知事は関係が近いのだが。



 で、ハンナリーズはともかく、2020年12月に出た「北山エリア整備基本計画」では京都府立大学内に巨大アリーナ建設とか京都府立植物園に商業施設やイベントステージを建てる案がコンサル会社によって計画されていたのだが、今回の報告会では、反対活動の成果なのか、京都府立植物園での新築のための大幅な植物の伐採計画などは縮小した、らしい。
 しかし、京都府立植物園の改築が全て白紙になったわけではなく、正門に大屋根が作られる可能性はある。植物園の改築を見直したけど、「北山エリア整備基本計画」全体の内容そのものは見直されていない。


 というわけで、反対派は全面的な白紙撤回を求めている。


  • 京都府立大学のアリーナについて(長谷川豊京都府立大学准教授)

 僕も学生時代にアングラ学生演劇に出入りしていて、府立大学にも結構行っていたのだが。
 そして、植物園に対しては、府立大学に収容人数1万人以上の大型アリーナが建つと、植物園のバラ園の日差しが悪くなって悪影響があるかもしれない、とのこと。まあ、バラ園もそこそこ広いので真南にデカい建物が建ったところで全滅はしないと思うけど。うーん。
 KMPGコンサルティング株式会社の当初の計画では、学生や地域住民に説明や意見交換はせず、プロスポーツ業界人の意見を聞いて策定したとのこと。


 京都府立大学は、割と悪く言ってしまえば、京都大学とか同志社や立命館に比べるとめっちゃ小さい大学。(同志社や立命館はいくつかの学部が、もっと土地が安い土地に移転してるけど)府大の学生数は2000人くらいで、大学としては少ない方。


 二千人しか学生がいない大学のキャンパスに一万人くらいのバスケットボールのファンが押し寄せてしまったり、その体育館をプロバスケットボールチームと学生が共同利用するというのも揉めそうで問題が多発しそう。(まあ、実際の京都ハンナリーズのファンが一試合ごとに一万人くらい集まるかって言うと、それはそれで…なんですけど)


 公開されているKPMGコンサルティング株式会社による「北山エリア整備事業手法等検討業務報告書」の7ページ目によると、ランニング収支の見込みは今後30年で22億円以上の赤字を見込んでいるらしい。
https://www.pref.kyoto.jp/bunshi-kan/documents/1_houkokusho_1.pdf


 北山エリア整備計画全体の建築費などは300億円。というわけで、スポーツで地域を元気に!というBリーグのお題目はあるにせよ、実際にはスポーツの興行収入だけでは黒字にならないので、隣接する植物園とか京都府立総合資料館跡地にホテルとか劇場を建てて、関連事業で儲けを補填しようという計画らしい。
 体育会系の人は「スポーツで日本を元気に!」とか言いながら、ガチガチの権力構造だったりする。




 ただ、府立大学の教授や職員の人からすると、「大きなアリーナを建てるより、耐震基準を満たしてない築50年の校舎を修繕してほしい」という要望がある。派手な儲けのための計画より、学生の安全を守る校舎の改築をしてほしいという。
 それも正論。しかし、役人や政治家は実績を作ってアピールして出世するのが処世術みたいな職業なので、地味な校舎の修繕より、キラキラしたスポーツアリーナの派手な大規模計画をやりましたって言う、やった感アピールの方が出世につながりやすい。そういう職業の人はそれで飯を食っているわけで。僕も六本木ヒルズで働いていたので、そういう実業家とかは見ていたわけで。
 やった感アピールをした後に、実際にその施設が長期的にどうなるかより、アピールして業績評価されて、別の部署や高い地位に異動することのが優先されるわけだし。官僚や政治家はホイホイ異動するので一生をかけて一所懸命に責任は取らないので。


 でも、そういう人にも生存権はあるわけなので、生きるために出世するために公共施設に関わる計画を利用してはいけない、と、言えるのだろうか?
 もちろん、営利企業と違って、公務員は公僕なので公のために仕事をすべき、という価値観もあるのだが。マイナ保険証についての利権についてかかりつけの精神科医と話したところ「利権でうまい汁を吸えなかったら、誰も官僚や政治家をやらないよ」って心理学的傾向を説かれた。人間ってきれいごとでは生きられない動物なので!
 

 それはそれとして、2000人くらいしかいない京都府立大学の学生でもその1/5以上の440人くらいの学生が「学生有志の会」のアンケートに回答して、「プロバスケットボールチームではなく、学内には学生のための耐震基準を満たした体育館を建ててください」という要望を出したらしい。(当たり前と言えば当たり前なんだが)
 今の若者も、ある程度は学生自治と言うか、府議会に対する自発的政治的アクションを起こす気概があるのか、ってちょっと感心した。そこは京都らしいと言えばそう。
www.change.org




 今の体育館はもうボロボロになっていて、利用が禁じられているレベルらしい…。スポーツやカジノみたいな熱狂的な収益が見込めるキラキラしたものには政治も金を出すけど、学生の長期育成とか教育というのは地味なので予算が…。



 で、府立大学の学生ワークショップでまとめられた共同体育館の設計図を上林座長が提示し、植物園保全派もそれを支持しているらしい。


 しかし、京都新聞では府政の利権と地域住民の反対というストーリーを作りたいので、計画と府政の間で仕事をしている上林さんからは違和感や不快感があるらしい。



 上林功さんは府政との話し合いも重ねているとおっしゃっている。なので、府政には強権的な面もあるが、全く話を聞かないわけでもない。




 たしかに、政治は利権で動く面もあるが、かといって、利権の悪徳政治だけをやっていて政権や治安が維持できるわけでもない。なので、政治家は悪いこともするけど、いいこともしている。(それはたいていの人間がそう)


 四条通の観光地化とオーバーツーリズムなど外国人観光客の増加で、京都の地価が日本全国でもトップクラスに上昇して、家賃が払えなくなり、多くの店が閉店したらしい。ジュンク堂書店とか文教堂とか八坂神社前のローソンとか、ニュースになって知っている人もいると思う。


 その跡地は空き家のままになっていたり、外資系や大型資本グループに入れ替わったりしている。


 北山エリアに観光客の入り口と受け皿になるホテルとスポーツ、娯楽施設が建設されたら、おそらく地価は上昇する。土地を売りたい人は得をする。固定資産税を払う人は損をする。うーん。


 誰かが損するからダメ、というわけでもなく、誰かに損をさせることで得をする人も同じ日本社会の成員なんですよね。

  • 旧総合資料館跡地と文芸会館

 旧総合資料館は閉館から数年経って、かなり荒れ果てている。雑草とか。


 それで、そこに「シアター・コンプレックス」やら宿泊、飲食、の機能を持つ国内外の人を集めた賑わい施設を建築するという案もある。
 僕も今回の説明会に行くまで、勘違いしていたのだが、映画のシネマコンプレックスではなく、シアター・コンプレックスは演劇などの劇場を集めた施設にするらしい。


 それは京都御所の東の河原町通りにある京都府立文化芸術会館(文芸会館)が老朽化したという理由で、シアター・コンプレックスに継承させるというコンサルティング会社の案があるとのこと。


 しかし、指定管理制度(というものはあまり詳しく知らないのだが)で運営されている文芸会館を閉じて、北山に建築するシアター・コンプレックスに継承させる、と言っても、現在の文芸会館の職員の雇用や移籍については何の説明もないらしい。それは、文芸会館の職員の人にとっては死活問題なので、北山エリア整備計画に反対している。


www.change.org



 逆に、狂言師や俳優や陶芸家や京都銀行の人や大学教授などは「旧総合資料館跡地等の活用に係る意見聴取会議」に出席している。そこで個々人が反対なのか賛成かまでは、今回の報告会では明らかにならなかったのだが。


 まあ、立場によって利害の違いはある。


 また、植物園の東の隣にある京都コンサートホールは京都アニメーションの「響けユーフォニアム」にも登場したくらい有名なものだが、これも本来は京都市の都市計画条例では北山通りには建ててはいけない大きさらしく、特例で押し切ったらしい。なので、京都府立総合資料館の跡地に外国人観光客を見込んだデカいホテルや複数の劇場や飲食店を詰め込んだ総合賑わい施設を作るのは条例違反。
 でも、コンサートホールは特例で押し切った成功体験がある。


 なんとかそういう社会の成員同士の利害対立を調整するのを政治に求めたいところではあるが、政治家も自分の出世が大事であるし、そういう人たちも生存戦略をしているので、儲かったり実績になることを優先したがるのは仕方がないのかもしれない。


  • 反対のための反対とかメンツの話

 今回の報告会では「計画を白紙撤回するべきだ」という発言が何回か聞かれた。


 京都府立植物園の内部に芝生広場を潰してイベントステージを作るというクソ案は撤回されたので、それはそれでいいと思うのだが、正門の建物の大型化や内部レストランの新設やら、出入り口の増加など、反対派はそれも含めて白紙撤回してほしいという。


 というわけで、反対派の政治団体ももちろん、人間なので「我々の活動が実って府政に白紙撤回させました、という実績」は欲しいわけだ。それをもって、別の政治的活動や選挙運動に箔をつけたい。


 もちろん、個々人として植物園や府立大学を保全したいという人もいると思う。同時に、「府民の声で全面見直しを要求するという実績」が欲しい人もいる気がする。


 しかし、開発側も「反対派の横やりで規模を縮小したとはいえ、ある程度は何かした実績」は残したいだろう。



 政治家もコンサル会社もスポーツチームのスポンサーも、そして開発反対派も「自分の成果を得たい」という点では、意見の違い、右派左派の差はあっても、人間としての力への意志は似たようなものなんじゃないかと思う。


 なので、どちらも相手を潰したいと思うし、自分が正当だと思いたい。そこでどちらかがどちらかを全否定するとなると、その争いは計画や開発や政治方針という事象よりも組織やその成員のメンツとか断絶の話になってしまうような気がする。


 ※追記
 なので、京都府行政や巨大資本主義コンサル会社やスポーツチームを敵視し、植物園現状維持派と対立して闘争する、という人間の対立はよくない。どちらも社会の成員として、植物園を含めた計画の良さという事象を目指して意見交換を進めていってほしい。


 そういうわけで、僕は共産党員とか決まった組織に属さない根無し草をやっているんですが。


 コンサル会社の巨大資本の金儲け主義がよくないという意見もわかるし、そういう世界的企業は一地方の一案件にはあんまり責任を取らないだろうな、とは思う。しかし、コンサル会社が何で巨大資本になったのかというと、別に麻薬カルテルとかじゃないので合法的な活動でそれなりの成果や利益をもたらしたから対価として金をとってきたんだろうとは思うし、あんまり好きじゃないけど全否定できるかというと、それもそうではない。


※追記
 僕はガンダムとかアイドルマスターとか資本主義そのものの金儲け主義のアニメやゲームのオタクなので金儲け主義だからといって、即反対というわけでもない。問題は金を儲ける事より、金を儲けようとする過程で他の人や植物に迷惑がかかることだと思う。 四条通の外国人観光客向けの歩道拡張に伴う大渋滞とか。今回だと地域住民や植物園や大学や文芸会館の職員や学生や利用者との相談を抜きにしてトップダウンで行政とコンサル会社が計画を進めてしまうことで、改築された後に職員が解雇される懸念が生じたり、学生や利用者が不便を被ること。
 日本は資本主義社会ではあるが、同時に民主主義国家でもあるので、金を儲けること自体は悪と言いにくいけど、金を儲けるためなら何をしてもいいというわけでもない。



 ただ、個人的には植物園は下手に工事をいれるといろいろと生きた植物が死ぬ懸念もあるので、侵襲箇所は小さくしてほしい。北山通にはいろいろな飲食店があるので、公共による大型施設内で観光客の飲食や娯楽が完結する大きいビルが作られると、周辺の飲食店の経営は難しくなると思う。また、北山通にはあんまりバスが通っていないのでオーバーツーリズムの問題は起こる気がする。府立大学の体育館も学生のためのものにして、プロバスケットボールチームの本拠地は独立しててほしい。京都府立総合資料館の跡地に京都府立文化芸術会館の後継組織を作るというのも、職員を置き去りにしてトップダウンで進めるのはどうかと思う。


 僕の意見はこんな感じ。

  • まとめ

 双方が相手を全否定する政治では泥沼になるので、何とか折衷案に落とし込んで平和的に解決してほしい


  • ほしい物リスト。

https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/6FXSDSAVKI1Z
↑グダちん用


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