玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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非実在青少年アレルギーに脳力で対抗せよ

今回のお題は

<東京都青少年健全育成条例とは?>
 正式名称は「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(以下、都条例)です。超大雑把に言えば、「東京都当局が青少年に悪影響を及ぼすと判断した“不健全な作品”(いわゆる不健全図書)の販売を規制する」という条例です。
 先日、石原慎太郎都知事と都当局は、今年3月に実施予定の都条例改正によって暴力描写などの反社会的表現を含んだ作品への規制強化と共に、児童ポルノ撲滅運動の一環として「非実在青少年」による性的表現を含んだ作品も規制していくという方針を表明しました。(
http://mitb.bufsiz.jp/
東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト

15日午前、東京都議会の民主党会派を京都精華大学竹宮惠子マンガ学部長らが訪れ、精華大学教授会一同による「東京都青少年健全育成条例に対する意見書」を提出しました。ついで、東京都庁里中満智子竹宮惠子藤本由香里明治大学准教授らがマスコミに向けて記者会見を開き、午後2時から都議会議事堂第二会議室において一般参加者を交えて説明会とディスカッションが開かれました。

午前中の模様は京都新聞などでも報道されましたのでご参照ください。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100315000092&genre=A2&area=K00
↑漫画性表現規制「議論慎重に」 精華大学部長ら 都の民主会派に意見書

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-d9eb.html
たけくまメモ
京都精華大学による「東京都青少年健全育成条例改正案」に対する意見書

14時からの説明会は、ニコニコ生放送で見た。
twitterで適当に実況したりした。
ちょっと、長文を思いついたのでブログに書く。


言いたいことはあるが、議論が長くなると冗長なので、ここでは「なぜ、青少年の健全育成に「エロマンガが有害」ということが定期的に取りざたされるのだろうか?」という事を書く。


言ってしまえば「虚構アレルギー」であろう。
「虚構に触れると青少年が不健全になる」という発想、予期不安だろう。
では、なぜ、「虚構アレルギー」が発生するのだろうか?
それは不安だからであろう。と、虚構を見るたびに親や周りにボロクソに言われた割にキャノン先生のようなオタクになった私はそう感じる。親は子供がきちんと育つかどうか、常に不安なのである。


アダルトチルドレン論とかもそうなんだが、「親の育て方が悪い→子供の人格が崩壊」という論を目にすることが多い。
また、逆に雑誌で「子供を天才にする方法」「親が子供の脳を鍛える」という惹句を目にすることも多い。
今回の「条例による青少年の健全育成」というものも、「親」が「条例」に置き換わっただけで発想は同根であろう。
「子供は大人が正しく教育しなければ精神が悪になる」という性悪説である。
性悪説であるから、大人が指導しなければいけないのであり、また、大人の指導計画において、虚構やメディアなどの自分以外の情報は不確定要素として不安なのである。


では、なぜ、性悪説になるのであろうか?(なぜなぜ坊やなのね、私)
そもそもの発端である石原慎太郎都知事の改正案についての意見動画を見てみよう。

成人向け漫画規制に賛成し、規制反対派を批判する石原都知事
http://www.youtube.com/watch?v=seH8av-Gxcw

これに対し萬画オタクや萬画家においては、「表現規制の問題」という意見が多く出ている。その意見は萬画愛好者の私にはよくわかるし、また、ネット上でも多くあるので、今回は書かない。
ここで私が注目してみるのは、「大人が子供を性的対象として感じる風潮」「親が子供を児童ポルノに売って、それを買う大人がいる」「子供に対する強姦、近親相姦を表現するメディア」
という言葉であり、そのような環境において「子供が自分の性的な写真をネットにアップロードするなどの行為の発生」という物言いである。
表現規制問題よりも人間心理としてはそちらの方が根底に近いものであろうと感じる。
精神的に成熟していないにも関わらず、親になってしまうという不安感です。
日本は少子化が進み、インドなどよりはマシですが、逆に十代の出産と晩婚化に二極化しているわけです。
大人たちが親にならなくなり、社会もそれを許したんだ。
それでは子どもたちは奈落に落ちる。


つまりどういうことかと言いますと、
「大人である自分たちの性が悪である」

「その大人を見た子供が悪になる」

「その子供が悪の性を持つ大人になる」

「大人の性が悪である」
ということです。


石原慎太郎都知事がかつて俗悪小説を描いていたが今回は規制論を出すということも、自身の性が悪だという自認が根底にあるとするとつじつまが合う。
(もちろん、民主党の支持率低下のタイミングでの自民党による保守層へのアプローチという方が合うが)
つまり、問題は「大人たちの自信のなさ」ということになります。
石原慎太郎氏など、戦後、古い価値観を打倒してきた大人たちが老いた時に、「古い価値観を打倒したのに一向に良くならない世の中」という現実を見る時期に来ています。
しかし、「古い価値観を打倒し世の中を良くして来た自分」という自己認識の方が心地いいわけです。ですから、「世の中を良くすることができず死んでいく自分たち大人」という事は認められないわけです。というのも、無意味な生という自己認識は地獄だからです。これは否認したいです。
また、団塊の世代よりも下の世代も、親としてのルールも規範も自信もないのに、親をやらされる不安感の中で漂流しているわけです。誰も助けてくれず、方向性も意味もわからないまま親をやる不安です。親をやりながらも性的な欲望を捨てられない人間たちの自分や他の大人たちへの嫌悪や恐怖や、欲望への否認行動が、子供を潔癖に制御したいという不安になりましょう。


簡単に言ってしまうと
「私の人生はこれでよかったのだろうか?」
「いや、そんなわけはない」
「そんな不安な姿は子供に見せられない」
「だから子供を”親である私”が厳しくしつけなければ」
という起承転結になるわけです。


では、どうしたらいいのでしょうか?


それはもう、子供が立派に育って親の不安を取り除いてやる事でしょう。
親はもう、四十にして迷わず、です。大人に変われというのは難しいことです。
子供がちゃんと育ちましょう。
それが世代を変えるという事です。


でも、大人がきちんとしていないのに、子供を良く導けるでしょうか?
それがそもそもの親たちの不安です。


ならさ、見せつけてやりゃあいいのよ!
決定的にオーガニック的な何か!


非実在青少年アレルギーに脳力で対抗せよ」というこのエントリのタイトルの「脳力」とは茂木健一郎の脳理論ではなく、富野由悠季のアニメ作品ブレンパワードの事です。
というわけで、ブレンパワード提灯記事でした(笑)


ちなみに、オーガニック的な何かというのは、私がここで書くのは簡単だが、書いたらオーガニック的ではないので書かない。
見てください!


と、言うだけではブレンパワードを見ていない人には不親切なので、簡単なあらすじ。

海底から数百万年ぶりに目覚めた巨大生物オルファンには2種類の子供の怪獣たちがいた。
親を忠実に守り、人間と一体化しようとするグランド・チャイルド(グランチャー)と
親に逆らい、人間と地球で得た思い出を大事にするブレンパワードである。
オルファンの復活の影響を受け、人間たちはあるものはグランチャーと共にオルファンに味方し、あるものはその状況を利用し、あるものはブレンパワードと共に戦う。
そこで、イケメンと美少女がキスしたり野菜を作ったり水団屋でバイトをしたりする。

ブレンパワード・スパイラルブック (Gakken mook)

ブレンパワード・スパイラルブック (Gakken mook)


ただ、ブレンパワードの初期構想にあった「オルファンが人間を認めてエネルギー資源を提供してエネルギー問題解決しました」という、ある意味において功利的なオチが没になって本当に良かった。
「アニメーション作品が外貨を取れて儲かるから、良い文化です」なんてオタクとしては言いたくないです。
オルファンはいつもそこにいる。ただ、放っておいたらかわいそうなんです。

ブレンパワード〈1〉深海より発して (ハルキ文庫)

ブレンパワード〈1〉深海より発して (ハルキ文庫)


私も小さい頃は親に連れられてジブリ作品を見て、「宮崎駿は良い作品」と大人たちに言われ、しかし中学時代に宮崎駿の影響が強いエヴァンゲリオンを見ていると放送当時は「アニメばっかり見ていると宮崎勤オウム真理教になる」と怒られ、それでもなぜか二次元萌えは止められず、かといってエロ本を買う意気地もないのでミュシャの模写をしてエロマンガを描いたり源氏物語や生殖に関する百科事典を読んだり、富野監督にそれを勧められたり怒られたりして、中学校の漫画研究会で女子が綾波のエッチな絵を描いて男子に売ってて、僕は「綾波にそんなことをさせてはいけないし、君だって18歳未満の女の子じゃないですかよ!」って食ってかかって「これは、ただの絵なのだよ」って言われていた中学時代があったり、ガンダムエヴァやオタクや萌えの経済効果だなんだと言われたり、やりたいことをやったら怒られる割に、神経衰弱で寝込んだら「やりたいことをやれ」と言われたりしたわけです。


そういういろんな事も含めて、オーガニック(笑)です。


ただ、トミノ監督自身も「世界は滅ぶと思います。僕はやはり、孫達が幸せに、穏やかに死を迎えられる作品を作りたいと思うのです。」とか言う。
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-703.html
それは僕も共感するけど、ちょっと、ね。僕もそういう気持ちで生きてたけど、死を前提に20代を生きてたら結構きつかった。70手前の富野にシンクロしすぎたら良くないね。
でも富野幸緒さんがネアカだし、いいかなー。
リング・オブ・ガンダムのエイジィとユリアはアムロの遺産ビューティ・メモリーを見つけて、絶望しなければね…。


ほんと、おれ、何の話を振られてもガンダムの話に持っていくなあ。ガノタきもい!www

.@Kirkoswald さらに申し上げるならば、青少年は健全・不健全にかかわらず、表現「だけで」育つとでもお思いか? という話になります。子供への不信と大人の無力感の表れに過ぎませんよ。ヤバい道に走りそうなやつを支えるのは、人間関係であるべきなんです。 #hijitsuzai
2分前 webから
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id:y_arim
グレート Yuu 和代 Arimura
http://twitter.com/y_arim/status/10552759015

あ!俺が記事をアップする直前に有村悠にまとめられた!
くそ!
さすが有村!ちくしょう!

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