玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ブレンパワード13「堂々たる浮上」

ブレンパワード 第13話 堂々たる浮上(B-ch)
脚本:隅沢克之 絵コンテ:竹之内和久 演出:岩崎良明 作画監督:戸部敦夫

比瑪
(ナレーション) 「愚考するにクマゾーがいたから勇はオルファンに潜入できたって考え方もあるんだよね」

17歳の女の子がモノローグで「愚考するに」なんて言うのかしらん?
富野作品はある意味、未来を舞台にした時代劇なので未来は言葉遣いが違うのかもしれないが、僕はこのモノローグは比瑪の日記だと可愛いなあと思う。


オルファンが浮上した。オルファンが浮上したぞ!!!
大変動の時代だし、オルファンが浮上する事は周知の事実だったのに、防ぎきれない被害はどういうことなのか!
つーか、オルファンデカ過ぎ!150kmって、オルファンが小惑星で、地球に落ちてきたら破滅するでかさ。
んで、ちょっと頭を出しただけでものすごい気象変動。うへーすげー。
オルファンは謎のビームで衛星撃破。スッゲー。
オルファンが孤児と言うのは、人の形があったからだと、オルファンを見たゲイブリッジが言う。
小説版によると、オルファンが今まで浮上していなかったのは、オルファンが冬眠してうつ病にかかっていたからだそうだ。富野だけでなく、オルファンまで鬱病かよ!wwwwwwwwwww



オーガニックエンジンによるオルファン封じ込め作戦が開始された。
で、僕はダメ学生なのだが、一応化学系の大学に行ってる。で、有機化学もやるんだけど、ブレンパワードの劇中に出るオーガニックエンジンはオーガニックなのか?
ナノマシンの集積による有機的な連鎖反応によるエンジンなのか?うーん。謎だ。
エヴァンゲリオンのスーパーソレノイド機関よりも訳がワカラナイな。
エヴァのS2機関はそれっぽい記号にしか過ぎなかったが、ブレンの場合は作品のテーマにもリンクしてるからなあ。気になる。
オーガニックと言う普通にある生物的物質なのだが、超常的な力を発揮している。そもそも、オーガニックプレートが有機体かどうかも分からんし。
むしろ、画面上の振る舞いを見るとオーガニック的というよりはアカシック的。
カント 「馬鹿みたいだけど、考え方としては素敵ですね。オーガニック的なるものというのは無機的に定められたものではないですからね」
有機化学もミクロ的に見たら、無機的な物質のくみあわせなんだが、オーガニック的というのは、もっと複雑系的な意味での言葉使いなのか?
スピリチュアル的でもあるんだけど、マンガ的に言うと「思いの力がパワーになる」という、マンガらしい哲学なんだよなあ。それをマンガではなく、現実に近い世界を舞台にしてみると、富野の好きなオーラとかニュータイプとか、ニューエイジっぽい演出になるのだろーか。まあ、ボクも半信半疑ながら、ネタとしては嫌いじゃないしね。


ゲイブリッジ 「それはオルファンの肩が海上に出たくらいでの話だ。オルファンが本当に浮上したらどうなるのか?」
桑原 「オルファンのオーガニック・エンジンが加速しますので、生命体に影響を与えるものなります」
つまり、皆がスピリチアを抜かれて鬱病になると言う事か?そりゃ大変だ。


勇 「俺はなにも出来てない!誰も救えないで、こんな天国みたいな所でウダウダしてんだ!」
ユキオアカリクマゾーがなんで軍艦に乗っているのかと思っていたが、津波の被害を見るとノヴィス・ノアに乗っていたほうが安全だと思えた。それで、勇がそういう自分を子供と同じだと恥じるのも分からない事はない。


比瑪 「感じやすいってのはナイーブな事なんだけど、勝手に参っていて良いって時じゃないと思うな」 比瑪のような女の子は好きだ。


ジョナサンと翠博士の密会!
愛などはどこにもないが、そういう利用のし合い、食い合いのようなものが男女関係の本質だと思う人も居るだろうし、一面では真実だ。
ただ、富野監督にこないだ直接質問したときに、鬱病を克服した後のアニメ作りで何か変化しましたか?と聞くと、
「作品に関して言えば、その後の作品に関しては、
その気分
(人がいるから自分が生かされている事。他人がいるんだ、他人にすがっていいんだ、他人に甘えて良いんだ。
自分にこもるなって言う事を、どう自分に納得させるか。自分の中に内向して行く気分をともかく外すという気分)
を絶えず、えーっと、投入していくような人物関係を作っていく、そういう人びとの、リアクションをしていくキャラクター。
それから、悪人と言われてる人たちはそう言う他人に対して極めて冷淡である。という風な規定をするようになってきたって言う「自覚症状」が在ります」
と回答を得た。
ただ、ジョナサンは単純に悪人で、冷淡に人を利用する悪人だと言うだけでなく、どこか人を利用する事で人と関わりたいという感情が見える気がする。ジョナサンも甘えん坊なのだよな。エキセントリックな振る舞いでマスクをしているけれども。エクセントリックな言い方で、これは狂気ぶっているだけで、冗談ですよ、と言う顔をしながら本音の欠片を見せたりもしている。僕もよくやるしね。
ジョナサンはやっぱり気になる悪役だなあ。
翠博士はむかつく。
ただ、翠博士自身も、直子さんの娘だと言うコンプレックス、「本当に好きな男と結ばれないで子供を産んだ直子の娘」だと言うコンプレックスがあるから、自分は男をちゃんと選んで品定めできる女で居ようと若作りしたり、あの歳になっても夫に「桑原博士は(私を巡る)恋敵だったのでしょ」と挑発したりジョナサンを抱いてみたり、依衣子や勇を溺愛しようとして自分の道具扱いして反抗されたりしている。
僕の母方の祖母も再婚してるし、父方の祖父は原子爆弾で連れ合いを無くして再婚しているので、そういう2代前の先祖の行動が親の子育てに及ぼす影響と言うのには、自分の事に引き寄せて考える癖があるかもしれないでス。

勇が直子にも恨みを向けるのはそういう祖母の代からの因縁を恨んでいるから、と言う気分は僕の中にもある。わかる。
祖母に、母や自分を産んで欲しくなかったと言うのは、自分の人生も否定する気分なのだが、それくらい自分を肯定できなくなるほど、親や祖父母の因縁が子に与える影響と言うのはうっとうしい。
もちろん、自分の人生が先祖などどうでもいいくらいにうまくいっていればいいのですが、そうではない少年の場合は、自分の人生が先祖の帳尻合わせだと感じてイライラする事もあります。
宗教にはまらないようにしないと。
と、すると勇がブレンに乗って戦うのも、ある意味宗教にはまるような代価行為なのかもしれないが。
勇は頑張ってる。
自分のやる事の何が正しいかと言って何もしないよりは、主人公らしい。
それに、何をやるにしても逃げるにしても結局は自分の信じる事をやるしかないことなのだ。

だから、なるべく出来ちゃった結婚とか、離婚はしない方が良いと思うよー。と、童貞の癖に言ってみる。
こないだ、母方の祖母が倒れた時に、僕が救急車を手配して、父親がぼんやりしていた後に、母親に「グダちんは絶対、恋愛結婚しなさい。好きな人の親じゃないからあの人は何もしてくれないのよ。(ある芸能人の妻)が夫の親の介護をした時にがんばったのは、やっぱり好きな人の親だから頑張ったのよ」
と言われた時には、どうしようかと思った。
僕が祖母のめんどうを見る振りをしていたのは、単に救急車に乗ってみたかったのと、脳内妹にカッコつけたかっただけなので、親にそういう風に言われたのは参ったなあ。
恋愛結婚しろといわれても、オレの事など脳内妹以外の女性が好きになるわけないだろう。。。常識的に考えて。
まあ、母親も自分の介護をしてくれるお嫁さんが欲しいのかもしれんが。そういう不安感を見せ付けられるのは怖い物だ。


こういうキャラクターの血縁も包括した因果関係を描く富野はとてもリアリティを使える演出家だと思う。おもしろすぎる。
普通の人間って言うのは、こういう先祖の因果を、(オカルト的な意味でなくて、因果関係として)引きずって、隠したり垣間見せたりしながら生きて行動するわけですが。
フィクションのキャラクターにおいては、そういう書き方をすると情報量が途端に等比級数的倍増するので、普通はやらない。でも、トミノブレンパワードでやってみた。
というか、クロスボーン・バンガードの小説版とか、ダイクン家とか、家の話は結構書いているか。アムロや迫水真次郎もちらっと親の話をしたりするし。
富野自身が家系と言うものにコンプレックスのある人だからなあ。


で、僕は家系が怖いので、孤児の少女を僕の脳内妹にしたてて、そのしがらみのない明るさに癒されたがってるんですけどね。本当に僕の脳内妹はいい女だ。世界一愛してる。


フリュイドスーツっていうのは流動体スーツ?可愛いな。
比瑪はともかく、ヒギンズまで生足と言うのは・・・。怪我したらどうする!女の柔肌は恋人のためにとっておけ!とイスラム原理主義みたいなことを言うよ。
でも、女の子のオシャレって、半分は同性のためや自分の自己意識のためだそうーだ。でも、怪我しやすい格好をするなよ。って言うか、ブレンのは戦闘服!材質は良さそうなんだがなあ。
プラグスーツよりも機能的で美しい。ズボンさえ履けば。


ブレンの新型武器も出来た。勇がオルファンから流したデータからできた物だが。ブレンバーのようにプレートから取り出す不思議武器だけで無く、人間もチャクラを使った道具を作れるのか。すげーな。どんな材質と加工法?


アイリーン 「気が急いていても体は正直よ。虚していて反応は遅いわ」
勇 「虚してる?虚脱の虚ですか」
僕も、鬱病不定愁訴の治療のために、富野由悠季の真似をして鍼灸院に通ったことがあるのですが、鍼を打つだけでなくて、こういうカウンセリングのような会話も良くしました。ですから、こういう描写は富野の実体験を即座に作品に落としこむ態度が感じられてイエスだね。
艦長がやる仕事じゃないというか、他に医局部員は居ないのかと思うのだが。
そういえば、最近は金と課題があんまりないから行ってないけど、ボクも虚してるなあ。鍼灸院行こうかなあ。結構気持ちイイよ。自覚しやすい効果はあまりないけど、反応はあるな。
っていうか、こういう変にリアルな描写のあるトミノアニメはやっぱり変だし、気になるし、面白い。
でも、自分で鍼治療の針を抜く勇はあまりリアルじゃない・・・。僕は背中にしか打たれたことがないのだが、神経や筋肉や気の流れの節に刺されているので、針が刺さってる時は動けないし、動くと痛い。
勇はそれだけ強靭な意志を持っているのか、戦闘中だからはりきっているのか。やっぱり、トミノ主人公はこれくらいの強さがあるんだよな。カッコいい!


小説版によるとクインシィとジョナサンは似た物同士なので、それと知らず引かれあっているらしいが、画面上は分からんなあ。ジョナサンのクインシィに対する物言いが意地悪だ。クインシィもジョナサンを手下に従っているし。どちらもゆずらない。


そして、はじめてのノヴィス・ノアとオルファンの全面戦闘が始まった。
6機のブレンパワードとイランドだけでグランチャーに勝てるものではないと思うが、善戦してるんだなあ。ブレンすげー。
で、ユウブレンが一人で張り切ってしまっている!かわいいが、ピンチだ!