玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ベルリの殺人考察第3部第21話ラスト ロザリオ・テンとベルリ

  • 放送当時の感想

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  • 目次

「はじめたいキャピタルGの物語」・「ガンダム Gのレコンギスタ」感想目次 - 玖足手帖-アニメブログ-
Gレコ2周目の感想目次 殺人考察&劇場版(パリ) - 玖足手帖-アニメブログ-


  • 前回の殺人考察

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 前回の記事でキア・ムベッキ隊長が退場したので、ガンダム Gのレコンギスタ第21話「海の重さ」のラスト5分のラ・グー総裁のシーンを見ていきます。殺人シーンがないので、殺人考察としてはサクッと済ませる。
 というか、キア・ムベッキ隊長の退場という大イベントの後にラ・グー総裁をぶち込んでくる構成はやはりなまじのアニメではできない構成でビビる。

  • とりあえず陸へ




 アイーダさんに促されて陸に着地するベルリ。キア・ムベッキ隊長の死亡実況中継を聞いたかもしれないし、ベルリは彼の死に責任の一端を感じていたかもしれない。だが、アイーダさんに体を心配されて、メンタルの傷については言わないベルリ。状況を知らない人に愚痴っても仕方ないし。ベルリは戦うたびに人に言えない心の傷を増やしていっている。


 そこに、謎の飛行音が聞こえてきて、グリモアG-セルフG-アルケインも銃を構えて緊張する。

 だが、飛んできたのはジット団の新手ではなく、ノレドとマニィが乗ったG-ルシファー



 さっきまで一人の男が命を落とす悲劇をこってりと描写しておいて、いきなりのんびりした女子高生の「おつかれ〜」である。ベルリが体験したのは「おつかれ〜」ですむような戦闘ではなかったのだが。ノレドとマニィはそんなこと知らんので。ギャグに見えるけど、主人公のつらさをヒロインがわかってくれないという、人は分かり合えないというガンダム的な主題かもしれないし、単に演出の緩急かもしれない。





 マスクの名前を出しちゃっていいのかわからんけど、こいつらも結構はしゃいでるな・・・。ノレドさんは高所恐怖症とは無縁のようだ。



 ベルリの辛さをわかってはくれないかもしれないけど、ノレドとマニィがのんびりと元気そうなので、ベルリは笑顔になる。


 ただ、ベルリはやはり戦闘で疲れたのだろう、ロザリオ・テンの港に向かってみんなが飛ぶけど、G-セルフは最後尾で多少やる気の無さが見受けられる。順番の描写は大事。

  • オーシャン・リングの街を見る




 マニィにとってルインはマスクで恋人だけど、ノレドから見たらマスクは異常なコスプレ野郎でベルリの敵なので。マニィとノレドは親友なのだろうけど、微妙にここですれ違うのが・・・。女の友情ってなー。G-ルシファーを運転できた楽しさで誤魔化してしまうけど。
HG ガンダム Gのレコンギスタ ガンダム G-ルシファー 1/144スケール 色分け済みプラモデル




 クレッセントシップで教わったのか、珍しいものを見て楽しそうにするラライヤ。




 聖地であろうオーシャン・リングにも街があることに感心するリンゴとケルベス。最先端技術の都市というより、芸術的なものを配置して落ち着いた雰囲気を出す町並みを通っていく。




 農地もあり、アメリア帝国の兵士のルアンも「オーシャン・リングも人の住む土地だ」と親近感を覚えた様子でトウモロコシの豊作を喜ぶ。


 で、ロザリオ・テンのMSの誘導に従って、ロザリオ・テンの港に向かう。


 クレッセントシップに寄って、ベルリはジット団の団員のことを気にする。(まだ戦闘モードなのか)


 逃げられたが。




 そして、ヘルメスの薔薇の本体を見て感動するアイーダ。ベルリもそれにつられて一応驚くのだが。
 実は、ここまで街並みを通っていて、みんながそれぞれにオーシャン・リングを観光した気分で驚いたり面白がったりしているのだが。
 ベルリだけはキアの水死を経験してしまっているので、「宇宙にこんなものがあるのがおかしくないか?」という気持ちなので、みんなみたいに面白がる気分になってない。ベルリは第1話の描写を見るに、本来は好奇心旺盛な性格の青少年なのだろうが、戦闘をたくさん経験してしまい、オーシャン・リングの様々な景色を見ても感動しなくなってしまっている。ベルリが気にしていたのは敵対したジット団の団員のフラミニアとヤーンがどうなったか、という戦闘警戒について。ベルリだけがオーシャン・リングの景色に感動する描写がない。描写がない、ということが描写。
 広い世界の冒険に興味を持ってアイーダを助けたりメガファウナを調べたり、旅に出たベルリだが、後半では本来の好奇心旺盛な明るい性格から、不本意ながら戦士的なシビアな発想の人物に変わっている、とさり気なく描写されている。やはり殺人は心を荒ませるのだ。






 ロザリオ・テンをまとめているとても偉くて高潔なラ・グー総裁の登場シーンだが、転倒の天丼をするドジな秘書に苦笑する人間味のある人として登場する。
 さっきまでキア・ムベッキの悲劇を打ち出しておいて、クン・スーンと同じ声優の小清水亜美さんが演じる秘書にとてもくだらない転び方のギャグをさせるという。

 ベルリはアイーダラ・グーに会わせたいと願っていたし、技術好きとしても耐熱コーティングには興味を示しそうだが、ベルリは転んだ秘書に苦笑するだけで、ノーリアクション。ベルリの願いがかなったのだが、やっぱりキア隊長の死を引きずっていそう。うれしそうにしない。

  • 食事会




 レイハントンの皇子ということで上座に座っているベルリだが、特に会話に参加はしない。黙々と食べる。補給して回復に努めようとしているのか。




 クレッセントシップで教わったのか、地球人なのにドニエル・トス艦長が「オーシャン・リングの6つの海がつながるような時代」と政治的な発言をする。レイハントン家の関係者のロルッカとミラジがオーシャン・リングの政情を知っているのは不自然ではないが。
 ドニエル艦長、やはり単なる海賊船の雇われ艦長の職業軍人というだけでなく、インテリの素養がある人物なのかもしれない。グシオン・スルガン総監の娘のアイーダと大統領の息子のクリム・ニックの面倒を見たりしつつ、独立部隊として金星にまで来たし、大統領にも反発するような発言をするし。ドニエル艦長は、なかなか深い人物なんだろうなあ。基本的には主人公姉弟をサポートしてくれるおじさんって感じだが。単にアイーダに振り回されているだけの男ではない。




 ムタチオンという重要なキーワードが出たが、ベルリはアイーダに相槌を打つくらいで、そんなに興味を示さず、めっちゃ食ってる。みんながパンを食べているのに、一人だけ白米を要求してメッチャ食ってる。難しい話は姉に任せて、自分は戦闘で減ったエネルギーを回復させるために食う、というそんな役割分担をベルリは思っているのかもしれない。(BD収録版の次回予告で、ベルリは第22話でのラ・グームタチオンの話をアイーダから聞かされていないと言う)
 ベルリの養母のウィルミット・ゼナム長官も一応政治職員、というか行政組織のトップの人だが、戦いを経験してしまったベルリは政治には関心を持たなくなって、戦士に専念しようとなってるのかなあ。もともとタワーの保守点検業務という実務に興味があって、ベルリはそのキャピタル・タワーフォトン・バッテリー分配が世界の経済とか政治にどう影響するか、というようなことには興味がなかったのか。それとも戦いに疲れて、難しい話は姉に任せたくなったのか。



 女子はすぐ年齢を聞く。日常会話のつもり。



 日常会話のつもりだったが、化物だった。

 アイーダとベルリもそこそこ驚くし、女子高生3人組も驚く。

 ロルッカ・ビスケスさんはわかっているのか、微妙な表情。クレッセントシップの艦長と副長はうつむく。

 微妙な空気になってしまう食事会。




 シーサイドの会食場は綺麗だけど、水面下は錆びている、という、微妙に暗示的なカットでこの話は終わる。

  • ベルリの気持ち

 ベルリは「宇宙にある海の夢と言ったものを姉さんには見つけてほしいんです!」とクレッセントシップの艦長に訴えたが、海で水死したキア・ムベッキを看取って、「宇宙にこんなものがあるのがおかしくないか?」と思ってしまって、素直に聖地であるオーシャン・リングに感動できなくなっている。本来の好奇心旺盛な彼なら、もっと色々興味を示しそうだが、食事に専念していて、疲労が伺える。
 ベルリは政治的な会話は姉に任せてるつもりなのかもしれないが、期待していたオーシャン・リングが海の夢に満ちたパラダイスでなかったし、ムタチオンや人々の絶望やジット団の反逆など、問題を抱えている土地であることに幻滅してガッカリしているのかもしれない。オーシャン・リングで人々が千年の夢を貪っていることに憤っていたキア・ムベッキの怨念がベルリに取り付いた、と思うのは想像のしすぎだろうか。


 富野監督が最近言っている「長生きすることが果たして幸せなのか?」ということも匂わせている。ムタチオンの具体的なメカニズムは描写されないが…。
 メカに興味があったベルリくんだけど、宇宙世紀の技術を保全しているオーシャン・リングに来たのに、技術をうまく使えてないで死んだりするジット団との戦いを通して、嬉しくなれない。つらい。はるばる金星まで来たのに。


 そして、もやもやした気持ちのまま帰って、この考察の第4部、終局の地球圏の諍いに突入していくのです。(劇場版は5部作なので、どこで切るのか?)

  • 次回

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 結構細かく考察するのは腰痛もあってしんどいんですけど、キツい話の21話を終えたのでちょっと休みますが。富野由悠季の世界展の図録を虫眼鏡で読んだり、のこり5話を見返して考えたりします。
 うーん。劇場版に間に合うのか…。FGOグラブルのアニメとか問題作の映画のジョーカーとか興味深いものはあるんですが。録画も溜まってるし。まあ、なんとかやっていくしかない。

  • 目次

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