玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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大河原邦男君が京都にやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

京都国際マンガミュージアム主催で大河原邦男神の講演会があったので、行って来たぞ。
3週間連続で、富野由悠季安彦良和大河原邦男、というガンダム3トップ神に会えたわけだ。スゲー!
同じ空気吸ったぜー!
脚本の星山博之神にも会いたかったが、本当の神になってしまわれた・・・。
松崎健一神にも会いたいな。

GUNDAM〜来るべき未来のために」
特別セミナー「アニメからプロダクトデザインへ」

 特別展の開催を記念して、大河原邦男氏をお迎えしての特別セミナーを開催します。「機動戦士ガンダム」における大河原氏のメカニックデザインは、あくまで空想上の機械でありつつ、その材質や手触りをも想像させるリアリティを持っていました。今回の特別セミナーでは、大河原氏が近年手がけられている、「ガンダム」などをモチーフとしたアクセサリーやステーショナリーのプロダクトデザインにスポットをあてます。長年アニメのメカニックデザインを手がけてこられたご経験から、プロダクトデザインに必要な想像力や構想力はどのようなものか、工夫や苦心談を交えつつお話をうかがいます。


開催日 2007年2月25日(日) 午後1時〜3時
会 場 登録会館 2階ホール
講 師 大河原 邦男 氏

(デザイナー、ガンダムシリーズメカニックデザイン

参加費 不要
ただし、今回の特別展の当日観覧券をお持ちの方
観覧券は当日の会場でも販売致しております

定 員 当日 先着200名様

http://www.kyotomm.com/2007/02/post_17.php

でしたー。
超面白い講演会でしたよ。
最初、大河原邦男先生は富野由悠季監督に比べるとおとなしく、声も小さい感じだったのですが、後半はやたらと冗談や、言ってはいけない裏情報や裏話がぽんぽん飛び出して、会場は爆笑とどよめきの連続でした。
とりあえず、口止めはされなかったので、録音をウプしますね―。
それを聞いてくだちい。怒られたら消します。
http://moso.egoism.jp/kunio.lzh
富野講演会ほど、はっきり録音できてないですけど。
いやあ、いい講演会でした。聞きたいと思っていたことが全部聞けたし、それ以上の収穫もありました。うーんマンダム。



それにしても、大河原邦男先生を生で見たし、講演が終わった後は客と一緒にマンガミュージアムまで歩かれて、かなり近くで見たんですけど。スゲーカッコよかった。グラサンが。
そんで、ガノタがぞろぞろとマンガミュージアムまで歩くのを、邦男君が引き連れるような感じになり、すげえヤクザかよ。


とりあえず、原典は音声を聞いてもらうとして、面白かった所をつらっと書きましょうか?

  • メカが好き。私生活でもメカに囲まれているのが喜び。
  • ヤフオクでドリルとか工作機械があると買う。オークションの評価がまだ一桁なので、もっと頑張って100以上の評価が欲しい。
  • 工作機械で借金がある。
  • 出渕裕とか、自分よりも若い世代のメカデザイナーは職人というより絵描きで、メカを描いたら女の子も隣に描いて喜んだりする。でも、僕はメカが好きなの!
  • 出渕裕パトレイバーが代表作になってよかったね。
  • カトキハジメは何を描いてもガンダムになるくらいガンダム好きなので、かわいそうだと思う。代表作が無い。でも本人がそれで良さそうだし、良いかなあ。もう彼も45以上ですよ。人生なんてあっという間ですよ。
  • カトキ君の事はメカデザインよりもイラストで認めている。
  • 藤田一巳君は天才肌。アニメのスタジオワークをやるには大変そうだ。自分は職人でやってきているから続けられている。
  • 安彦良和さんとオリジンで今も仕事をしているが、キャタピラについてはやたらとうるさい。キャタピラのリテイクが出てくる。安彦はキャタピラ大好き。オホーツクの出身だから、戦車を見て育ったからか?
  • オリジンではギャンは出ない予定。
  • 今、急遽コア・ブースターをデザインしているところ。
  • ダブデはできた。
  • Gメカはおもちゃのてこ入れ。見てて恥ずかしい。
  • クローバーの人はアニメには興味が無い人だった。トミノが騙した。
  • 大河原ファクトリーは辞めたくなってきた。でも作品を発表できるのはうれしい事。
  • 今やっているボトムズOVAは2Dと3DCGの融合。(グダ注・FLAGは習作だった?)
  • 今やっているボトムズOVAガンダムで言うところのGガンダムの位置づけ。ボトムズシリーズを潰して、新しい人が入って来れるようにしたい。
  • 若い人よりも、赤いちゃんちゃんこ以上の高橋良輔とか塩山紀生の方が元気だね。バイタリティがある。
  • 今川泰宏監督の功績を評価している。自分は最初はおとなしいデザインだったが、今川が「大河原さん、タイムボカンでやりましょう!」で、ああなった。
  • 妖奇士は打ち切りだ。その後はサンライズ枠だ。次はぶっちゃんがやる。
  • 10月から新しいガンダムをやる。
  • 言っちゃいけないことを言っちゃうけど、この業界をなめた所があるので、言っちゃっても良いか。
  • 安彦良和のメールアドレスが名前そのままだ。(とか言ってばらそうとする。司会の人に制止される)
  • ガンダムのデザインの版権の買取料が250万円。(富野は30万円で売ったのに!)売らなかったらビルが建てられていた。
  • ガンダムは日本人の受け入れやすい普遍的な形でデザインした。佐々木小次郎みたいに刀をしょって頭はちょんまげで、お茶の間に入りやすい形。
  • 敵メカはスポンサーには関係が無いから、トミノさんが自由にラフを出してデザインをした。ドムの頃から乗ってきて、毎週見てもらえるようにするために富野がラフをたくさん出た。
  • 富野さんが大好きなブレンパワードとかキングゲイナーとか。富野さんはああ言うのを求めるのかと思ったが、自分には出来ない。自分のデザインは「普通」だから。
  • キングゲイナーは誰でしたっけ?えっと、山根公利か。山根君もよくうちに来ます。彼もデザインより絵を描くのが好きな人だ。(あきまんを忘れないであげて!)
  • 富野監督の訳のわからないものばかり出してくるデザインセンスは嫌い。自分はそういうのは出来ない。
  • アニメのロボットは機械というよりコスチュームだと考えている。
  • 自分は作家ではない。
  • 監督の求めているデザインを出せば、監督によっていくらでも新しいデザインが出来る。監督の要望を汲み取る訓練をした。それが今までデザインを続けて来れた理由。
  • トミノさんと組んだら、また別のガンダムができるだろうし、池田監督と組んだらウィングガンダムになるし、福田監督となら、勇者ロボっぽい勇者ガンダムができる。
  • ASIMOが出たとき、トミーノから電話があった。「大河原さん、見た?」と。
  • ロボットは内部じゃなく、その世界を象徴したり、監督のメッセージを伝える物だと考えている。
  • 自分でメカデザインを考えたから、こういう世界観にしてくれという立場ではない。
  • F91のコスモバビロニアのMSをデザインする時は、バビロニア文明の彫刻を参考にした。
  • 現実のロボットのデザインは工業デザインの人が進化させているが、アニメのデザインがそれに従わなくてもいいと思う。
  • 物を作るのが好きで、メカの中身を考えるのは好きだが、アニメのメカデザインでそれをやり始めたら仕事が進まないので、考えないようにしている。
  • 擬似2足歩行ロボットの特許を持ってる。管理がめんどいのでサンライズに委託した。
  • 自分の仕事は現実として、内部構造までは要求されていない。だから、あえて考えないようにしている。アニメーターはどんなデザインでも動かしてくれるし。
  • 雑誌に載ってる内部図解のイラストはウソばっかり!
  • アニメーターをやっている息子夫婦は2人でやっと生活できる給料。アニメが文化事業と言っても、なかなか景気は良くない。
  • メカデザイナーは自分が初めてなので60まで続けて職業として成立させたかった。10月からのガンダムでそれは達成できるので、今度は老後のお楽しみのための工房とかをやりたい。
  • タツノコ天野喜孝サンライズ安彦良和という天才と出会って、絵に関してコンプレックスを抱いた。
  • 虫プロの養成所で、安彦には教える事が無かったという逸話。
  • オリジンは富野さんが認めているわけではないと思う。富野さんは全部見てるのかな?見てないのかな?俺も忙しくて全部は見てない。
  • シド・ミードさんは本職のインダストリアル・デザイナーだから自分と違って、内部構造を考える。「メカはキャラクターでコスチュームだから、そこまでやらんでもいいよ」とアドバイスしたが、シド爺は中身からじゃないとデザインできないという。

∀ガンダムが「 機体自体は「IFB(アイフィールドビーム)駆動」によって稼動しており、既存のMSのようにジェネレータや駆動装備に占有される容積が極端に少ないため、駆体そのものが装甲や構造材を兼ねた構造となっている。」という、中身スカスカの機械人形になったのは、シド・ミードの手を早くするための対策か?)
とりあえず、順不同。適当です。
聞き間違いやうろ覚えも多々あります。録音した音質が余りよくなくて、聞きなおしてないし。mp3をCDに焼いてからヘッドホンで何回も聞こうかな。


印象に残ったのは、どうもアニメのスタッフの人とか、ガンダムを作った人とか、業界人というよりは、「一人のプロフェッショナルの仕事人」という感じで、仕事様を見せられるような感じでした。
僕もこういう風にしっかり働けるようにならんとナ、と思ったのだが。・・・。がんばろう。


それにしても、裏話がでまくりだったナー。ほくほく。


あと、富野信者的には、富野の話題が安彦神に続いて大河原神からも言及された事が嬉しかった。仲が悪いとか、トミノは見限られた、とか良く聞くけど、とりあえず、ガンダムを作ったという功績と才能はそれなりに認められているようで安心した。まあ、トミノはすごいツンデレなんだが。

大河原邦男ガンダムのデザインはきわめて優れていない。
まちがえるなよ。優れていないんだぞ。
でも、悔しいけど認めざるを得ないのよ。

て富野。かわいいなあ。